ルールで明記されていない、ルールの不明なゲームを遊ぶというのは。ルールそのものを探しながら遊ぶゲームなんだね。まあ、現実ってのも、ルールを探しながら遊ぶゲームであるいう気がするけど。
TRPGで、ゲームマスターがシナリオ中に。プレイヤーに勝利条件やゲーム要素をを明示しないで折り込むというのは、良くあることですが。これって、暗黙のゲームをつくっている、もしくはつくったつもりになっている、だけなのかも知れません。
マスターにとっては自分の考えた内的ルールにもとづいてるつもりでも。プレイヤーにとってはルールが示されているわけではないから意味不明。TRPGでは、こんな状況って多くないかな。
むろん、ルールを模索しながら、もやもやとルールを認識して行くというのは、それはそれでゲームとして面白いんだろうけど。そういうものであると、これまでには明確化されていなかったような気がする。明確化して、そういうものであるとすれば、ルールや世界を覚えながら遊ぶ過程も含めて、ゲームシステムで把握してしまえるのかも知れないな、と夢想したりして。
チャットセッションやチャットにおける雑談において、とくに参加人数が多い場合に起こりやすい問題として。
全員にたいしてなんとなく質問を投げかけた場合に、返事が帰ってこなかったり、なかなか話が進まなくなったりするという現象があります。
「誰かが発言するだろう」
「誰かの発言を見てからにしよう」
という心理状態になってしまっているのかもしれません。
これは、オフラインのセッションにおいても、実は良く起きているんだとは思いますが、その場合には顔色をうかがって発言するとかいったことが起きるので、比較的問題になりにくいだけのような気がします。
人の一人にたいして質問を投げかけていくという作業は、チャットセッションでは、普段よりも心がけたほうがよいのではないでしょうか。
とかね。
また、チャットでなにかを話しあうときにも、誰かが司会役として機能しないと多人数では機能しませんね。人数が少ないと、相手を特定して話が出きるから、動きやすいんですげと。チャットは、多数の人間が見ていて、誰かが応えてくれるかも知れないのを期待する、掲示板での質疑のような環境とは大きく特性が違うというのも、いろいろと念頭においておいたほうがよさそうです。
なにかを知っていることを前提として話題を進めてしまうというのは、知らない人間にとってはつまらないわけですよね。まあ、あたりまえですが。
内輪うけ、パロディ、史実マニア。一方が他方を批判するのは良くあることですが、すべて「知らない人間にはつまらない」という問題を抱えていることにはかわりがないんですよねぇ。
集団の知識や指向がそろっている場合や、互いの間に親愛の情のある場合には、これは問題になりにくいわけですけど。そうでないばあいには、いろいろと工夫なり妥協なりが必要ですよね。
ちょっとした失言や、聞き間違い、言い間違いから。面白い会話とか状況や設定(キャラクターの性格やその他の)が生まれることがありますよね。
これをうまく汲みとって、話の展開に活かすというのは、とくに気心の知れた内輪なんかでは、良くやっていることなのではないかと思うんですが。
これをうまく生かせるゲーム的しかけとかがあってもいいんでないかなあ。……って、WARPSの抑制力チェックとかは、そうかな。
基本的には、その場の雰囲気から生まれた違和感のある言葉を使った異化作用の活用なんだと思いますけど。これまでの設定や成り行きに、どう整合させるかが、覚めたときに嫌にならないコツなのかな。その場での当事者には、たいてい面白いはずだし。
TRPGのルールの複雑さを客観的に評価する手法が考案されても良いよな、などと思ってみる。プログラミングにおけるファンクションポイント法みたいなのかなぁ。
一度に利用する・勘案する必要のある事項の数とか、選択可能な機能の分量とか、参加者間の意志疎通の対話の往復回数とか。そんなのが基準にできるのかなぁ。
ルールの複雑さを定量的に計測できれば、ルールの使いにくさや、ルールの欠陥を定量的に解析可能になる……のかも知れない。そうすれば、ルールの複雑さの段階的コントロールとか、説明の必要量の爆発の抑止とか、ゲームバランス以外についての評価再検討を、テストプレイ以前に行なえるんでないかな。
キャンペーンにおいて。一セッションにつき一枚のキャラクターシートを利用して、セッションごとにデータを新しいシートに書き写していくという方法があります。
これは内輪ではとくに有用なテクニックでして。キャラクターの成長過程を追えるし、シートにセッションごとのメモした内容なんかを見ていると、昔のセッションを思い出して、いろいろと懐かしいんですよね。
こういう「過去の積み上げ」ってのは、好きなひとには堪えられない、TRPGの大きな魅力なんじゃないでしょうか。
TRPGのルールにおいて、キャラクターデータやプレイヤーに可能なことを。物権性と債権性に分けて考えるというのは、ひとつの手なのかも知れない。などと思ってみたり。
コネとかみたいな、他者にたいして「なにかの行為を要求する」権利ってのは。TRPGにおいては、より明確に定義して運用したほうが、「他人の行動まで決める」とかを防げるかもしれないしね。
キャラクターの発言や行動の描写以外にも、プレイヤー意図をきちんと示しておくというのは、ゲームを進めるうえで重要な要素なんですが。最近、なかなかうまくやれていなのではないかと思いました。
とくにチャットセッションは、キャラ会話が扱いやすい分、プレイヤー意図の明示がおろそかになることがあるような気がします。
何がなんでもキャラ会話にしようとして、セリフを考えるうちに手間取ったり。プレイヤー会話を入れるのを怠ったり避けたりして意図が伝わらなくて混乱したり。表層的な対話だけで、話が進まなかったり。
たとえば、
とかいうような、情報の不明確な発言がだらだらとってのは、オフラインでも良くあるわけですが、ニュアンスの伝わりにくいチャットでは、よけいに誤解を招きやすいわけです。
とかやれると、ゲームマスターや他の参加者も「それでは待って、今後について考えるか」とかいう気持ちになれるんですけどね。
この場合の「どうしよう?」という発言には、プレイヤーがわからないので待ってくれ、キャラクター的にはなにもできないから他の人進めてくれ、弱気に入っている事を示しているから誰か発破かけてくれ、とか。いろいろと裏の意味があって発言しているかも知れない。だけど、チャットでは、いやオフラインでも、なかなかそれは伝わらないわけで。それが問題になってるというのは、わりとあるんでないかな、と思います。
「戦士だから、○○しなければならない」
とかいう言われ方をすることがありますが。役割の内容をあまりに固定化して、行動を限定してしまうというのは、ひじょうにつまらなくなりますよね。
役割(クラスってのは、役割と能力をセットにしたものですよね)というものは、本来的には幅の広いもので。それを解釈して個人に合わせた運用をする余地があってこそ、楽しいんだけど。そのあたり、往々にして誤解されがちな気がします。
特定の行動が帰ってくることを前提としてシナリオを組んだり、PCを動かしたりして、相手が応えてくれないとぶうたれるのは、良くあることな気がしますけど。特定の行動を行なう役割を相手に期待しすぎるというのは、やっぱりまずいことですよね。
TRPGには、架空世界を他の参加者と共有できることの喜び、のようなものもあるわけですが。
「架空世界を共有できる瞬間」が好きな傾向と、「架空世界が積み上がって行く感覚」が好きな人とでは、セッションにたいする心持ちとかが、いろいろと違うみたいですねえ。
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