TRPGな一言:1998年11月分


目次


1998/11/01:位置の不明確さ

とくに射撃武器の威力と精度が向上した現代戦にいえることだと思うけど、自分の位置を秘匿すること、自分の位置を不明確にすることってのは、生残性を高めるためには極めて重要になってくるはずですよね。

そこでまあ、攻撃成果の決定の一つの軸として、位置決定精度を用いた判定システムができんかなぁ、などと考えたりしてます。

……ああ、正確にいうと、簡単な概略くらいは何ヶ月も前にまとめてみたりしてないわけでもないわけですが……。んーむ、あれも整理して使えるようにしないとなぁ。

1998/11/02:間接的戦闘

現在のTRPGの戦闘システムは、基本的に、直接照準の打撃戦を表現しているわけですが……特に近未来の兵士とかを考えてくと、もはや直接照準なんてリスクが高いだけになるという話もないではないわけで。

間接照準の大火力とか、補給・情報・通信・観測などを破壊するような間接的な攻撃についての処理なんかを取り込むというのも、面白いかも知れません。サイバー系なんかでは、このあたりをきっちりとできないとらしくないような気もする。

1998/11/03:TRPGチュートリアル

書いてあるとおりに試してみることで、TRPGの入門ができるような、そんなチュートリアルとワークブックがあっても良いだろうなあ。

しかしまあ、内容としてどんなものが必要かとかは、悩みどころだな。

1998/11/04:体験的な物語としての発展

TRPGでは、その性質上の都合がたくさんあって。その長所をいかそうとすると、表現できる物語は色々と限られてくるわけですよね。いかんせん、小説や映画のようにはいかないわけで。

そのあたりをつっこんで考えてみれば、TRPGでしか表現できないものというのが見えてこないかなぁ。そうすれば、創作の一分野としてのTRPGの強みなんて切り口を補強できると思うんだけど。

1998/11/05:カードによるデータの保持の所有権問題

コレクタブルカード式のサプリメント形態について考えていて思ったこと。

カードってのは、消耗する・所有が移転するリソースを表現するには向いているんですよね。呪文準備&消耗型のシステムでのスペルカードとか、アイテムカードとか、情報カードとか、コネカードとか。

プレイヤー個人個人が買い揃えるということになると、物理的所有権者と所有キャラクターの担当者とのズレをうまく回避できないと、所有の移転の表現ができるという長所が殺されてしまいそうなんですよね。難儀だなぁ。

1998/11/06:初心者引き込みの第一条件

初心者をTRPGに引き込みたい。などと考えていたとしても、そもそも、初心者との接触が持てなければ、話にならないのだよなぁ。

1998/11/07:TRPGの持つルールの機能分類

TRPGのルールには、1.制限をすることでゲームが成立して面白くするためのルール2.参加者を管理してゲームが成立するようにする進行管理用のルール3.不測の事態を発生させて決定論的でなくする道具としてのルール4.イメージを明確にすることで共有しやすくする道具としてのルール

といった機能がある……のかな。

最初の二つはゲーム一般的にある普遍的なルールで、三つめもわりとよくあるわけだけど、最後のはTRPGに特に顕著なものなのかも知れない。

ルールレス、ルール無視、とかいわれる時のルールってのは、たいてい1.と2.の事なんだろうけど。ゲームマスターが適切かつ公正に管理できるならば、たしかになくてもゲームとして機能することは機能するんだよな。

1998/11/08:プレイヤーの責任として不幸にあわせる

PCにとって不幸なことを与えると、ゲームマスターが嫌がられたりすることもあったりするわけですが……。納得力をますためには、システム側のほうで記述があるほうが便利ですよね。しかしまあ、システムやダイス目のせいにして不満を言われたらどうしようもないけど。

そこでまあ、プレイヤーの自己責任として、不幸を与えるシステムとするというのはどうでしょうかね。不幸なことはすべてプレイヤー自身の責任として、なんらかの利益の代償として購入させるわけです。

でまあ、プレイヤーのみずから選んだ不幸を元手として、マスター側としては事件を発生させていくことになるわけです。

……まあ、借金ルールとか、GURPSの不利な特徴なんかは、こういった考え方の一方法なんでしょうね。どう表現するかによって、いろいろな考えかたも出てきそう。

1998/11/09:ラブコメ随想

ラブコメを書くための考察を少し。不完全で未整理ですが。

ってのも中盤以降の重要要素。

以下のような誤解を大量に放り込む必要がある。

1998/11/10:PCが当事者でないシナリオの特性

小説をもとにする場合、物語を語りたい場合なんかには、事件の当事者ではなくて外部からの参与者とすると、手軽に変換しやすいみたいですね。

なぜだろうかと考えてみましすと。

あたりがあるのかな。深淵なんかだと運命があるから、当事者として機能させやすかったりするんだろうけど。普通はそうはいかないから。

1998/11/11:舞台の目新しさの威力

ストーリーの骨格なんてのは限られているという話があります。TRPGで表現できるストーリーってのはなおのこと狭くなりますし。参加性・時系列に添う必要性・プレイヤーに判断するにたる情報を提示する必要性などから、骨格も演出も限定されますからね。

そこでまあ、ゲームシステムの面白さにたよるってのもひとつの手であるわけですが、もう一つの手としては、舞台を目新しくすることってものがあります。ストーリーラインは同じでも、ガジェットが異なるだけで、それなりに違った楽しみが得られるわけです。これはどちらかというと、疑似体験としての楽しみを増大させるものなのかもしれない。

いわゆるファンタジーRPGが良く遊ばれるのにも、この目新しさの問題が大きな力をもっているのかも知れません。そもそも異世界そのものが最初は目新しいですし、ファンタジーであれば魔法だと言えばそれなりに変った世界や変った状況に放り込むこともやりやすいですからね。

その世界に固有の面白さ、読んでいてぽこぽことシナリオの沸いてくるような設定の目新しさを提示できると良いのだろうなあ。

1998/11/12:誤解からはじまるシナリオ

誤解とか誤認識といったものを初期設定として置いておいて、それを解消していく過程というのは、シナリオとして認識することが可能でありましょう。実際に、この手の葛藤とかはシナリオとして利用してる人は多いと思うんですけど。

まあ端的な例を挙げると……。

とか。

が、しかし。それをどのように記述して、ルール的にはどのように扱ったら良いのだろうか。口頭の会話による共通認識をもとにしてすすめるというのが、よくある手だし、実際にうまく行っているならそれはそれで面白く機能するわけではありますが。

PCの持つ情報・認識をデータとして記述し、それがどのように変更可能かをルール的に用意しておくという処理方法もありそうですが、これはうまくいくのかなぁ。最適解が見えてしまわないようにしないと行けないけど、バランスが取れすぎていても達成感がないしな。

1998/11/13:イベントの機能

シナリオにおける単独のイベントには、それなりの機能というものがありますよね。

などなど。このあたりの、イベントの機能についてをきちんと整理しておけば、アドリプ重視と言われるようなマスタリング技術を明確化することもできるのかもしれないなあ。

1998/11/14:世界設定の機能

世界設定の持つ機能について少し考えてみましょう。

シナリオ作成・運営という観点から考えると、

といった機能があるかと思われます。他にもプレイヤーの感情に訴える機能として、

などがあるのかな。

このあたりの機能に注意して、書かなければならない世界設定とはなにかというあたりを考えてみることができそうな気がします。

1998/11/15:戦闘処理以前の戦い

よくある戦闘ルールにおいて明記的に表現されている、攻撃を無力化するための方法としては、とりあえず攻撃が当たらないように逃げることと、攻撃が有効な効果とならないように防具で食い止めようとするというものが一般的ですよね。あとは武器の射程・長さ・射線という形で、武器が届かなければ攻撃を無力化できるというものや、攻撃との相性が存在するというものもありますか。

しかしまあ、実際には、

なども明確化されずに……もしくはルールの細かいデータに埋もれて存在するわけで。このあたりをうまく使えるように行動するというのが、戦闘の致死率の高いゲームでは必要になってくるわけですよね。せっかくだからルールで戦闘回避とその効能・難易度・リスクなどについて明記してあるといいのかも。

1998/11/16:キャラクターとして作成するデータ

TRPGでは多くの場合自分のPCのデータや設定をルールに則って作成していくことになるわけですが。このキャラメイク作業には、まだまだ考えることのできる要素なんてものもあるような気がします。

キャラクターに可能なことと、その実効能力の程度なんかを記述する、パラメータだけというルールはけっこう多いように思いますけど、これだと設定依存部分なんかは共有イメージにたよることになったりするわけで。

事件に関わる動機に関することとか、コネに代表されるような人間関係とか、今後そのキャラクターに発生する予定の事件について(宿命とか予言とか)、危険な現状(犯罪者である、仇敵が居る、病気で後がないとか)など。表現されているルールが無いわけでもないけど、もっといろいろと新しい試みがで切るのではないかなあ。

1998/11/17:NPCの個性化

NPCをプレイヤーに覚えてもらえるようにしようとすると、どんどん奇人変人大集合な状態になってしまうってこと、ありませんか。

内なる狂気とかならシナリオネタとしては便利なんですが、プレイヤーに印象づけるために変な正確・嗜好・言動にしてしまうと、なんというか現実味が無くなってしまうこともあるわけで。

そのあたりの対策としては、なんかあるのかなあ。

とりあえず、NPCと他のNPC・PCとの依存関係・敵対関係を明確にして、アクション・リアクションで示すというのが正当な方法だとは思うけど……。

1998/11/18:麻雀利用ルール

トランプのスートをイメージのキーとして利用するようなゲームシステムはけっこうありますよね。

そこで、麻雀牌をうまく使ってゲームシステムを組めないかなぁ、などと考えてしまいました。

んー、裏に向けて積んでおいて状況に応じてひっくり返すとか……。万子・筒子・索子・字牌で効能をなんか決めておくというトランプ風の利用とか……。

かさばるとかいう難点があるから、それをカバーできるなにかが見えれば、面白いかも。たとえば積み重ねられるということをうまく使うとか。

1998/11/19:キャラクターを表現するための状況設定

キャラクターを表現するにたるだけの、アクション・リアクションを行うことのできるような、状況を設定していくという作業。これを明文化して支援できないものだろうか。公開シナリオのNPC表現なんかでもこのあたりは重要だと思うんだけど。

この状況の設定には、PC以外によるPCに敵対するアクションなんかも含まれるのだろうけどが、これをうまく処理するルールができないものかなあ。

たとえば、妹を溺愛しているという設定をもつCなんかだったら、妹になにかがあったら即座に動くでしょう。しかし、ふつうはマスターがPCの設定タを見てあらかじめシナリオに組み込まないと、その設定が生かせないわけですよね。

わざわざデメリットのあるイベントを発生させて、代価としてなにか有利なイベント・ポイント・アイテム・情報なんかを獲得するという作業が、プレイヤーに可能なようにするとかいう手もあるかなあ。

1998/11/20:アイテムとしての人脈

NPCに対して、恩義やらなにやらに基づく貸し借りという形式で助力を求めるということは良くありますよね。

そのような助力が得られる人脈を、ルール上はアイテム的に取り扱ってみるというのもひとつの手ではないかと思います。

完全に一回切りの消耗性とか、なんどか使うとコネが切れるとか、一定確率で「もーこれ以上つきあいきれんわ」と利用不能になるとか。

キャラクターシートにこのように、シナリオの経緯による一時的なものも含めて、人脈についての情報を明記してあると、プレイヤーとしてもこの人に頼んでみようかななどと考えやすくて、便利そうな気もします。

1998/11/21:動機の記述

キャラクターが明確な動機づけをもっていなくて、うまく動いてくれない、などということがあります。

そういう時にも、最初にシナリオのパターンやジャンルにあわせた動機を取得しておいてもらうなりすると、楽になります。そのための典型的な方法が、組織の一員として任務として動機づけをしこむ方法ですね。

このような動機づけのためにも動機の欄がキャラクターシートにあるだけで、ずいぶん楽になるに違いない。などと考えたりしました。

この動機づけの明確化のために記述するデータを考えていると、これは大きく分けて二種類のものがあるようです。ひとつは事件に積極的に関わるための直接的な動機であり、もう一つはそのような動機づけを発生させるための個々のPCの欲求・価値観・立場などです。

具体的に言えば。金儲けの役にたちそうだから○○するというのが前者の直接的動機であります。そして、借金を返さねばならないとか、金の亡者で金儲けせずにいられないとかいった、金を必要とする状態にあるということが後者の動機の原因となるわけです。

最近のルールには動機の原因を記述するものもありますが、それとシナリオ中のできごととを利用して、いかに直接的動機を生成するかということを意識すると、いろいろと役にたつかも知れません。

1998/11/22:シナリオとシステムとの密接な関係

ゲームシステムの提供する機能としてどのようなものがあるかによって、シナリオとして許容される、表現しやすいものは変わってきますよね。

たとえば部分遮蔽や支援火力などの充実した戦闘システムをもっているなら、強力に武装した戦力同士の屋内戦闘を主軸としたシナリオに向いているでしょう。これが戦闘の解決は汎用判定一回振りであり、恋愛の進行ルールをメインとしたゲームシステムで、強力に武装した戦力同士の屋内戦闘を主軸としたシナリオをしようとすると、うまくいくとしてもハウスルールを山ほど作らなければ楽しみにくいことでしょう。

このようにゲームシステムとその許容するシナリオの種類や構造との間には緊密な関係が存在するわけですが、ほとんどのルールではそのあたりに気を使ったシナリオの構成方法に関する資料などが提供されていないように思います。そのあたりに気を使うと、遊べるゲームシステムにできるのだろうと思います。

1998/11/23:ルールブックの読みにくさ

自分のことは棚に上げておいて……。

何というか最近思うのですが、ルールブックってものはもうすこし読みやすく理解しやすいようにできないものでしょうかね。

とりあえず印刷物にしても、ページ単位に図表と解説を含めて内容が完結していたりするだけで読みやすいし……。文体自体も、結論を優先して書いて、だらだらと続けないようにするだけでも、だいぶとましになるのではないかなあ。ルールブックの構成順序とか、書くべきことが書いてあるかとかいったあたりも重要ですし……。

そのあたりの「理解しやすいルールブック」のチェックリストなんかを整備できると、ルールブックの質を向上できたりしないかなぁ。などと現在考えています。

1998/11/24:サイコロを振るのが面白くない理由

サイコロ振っているだけでは面白くない、というようなことをいう人がありますよね。さて、どのあたりが楽しくなくなる原因となるのでしょうか。つらつら考えてみるに、以下のようなものがあるのではないかと思いました。

サイコロを振ることに楽しみを見いだせるようにデザインすることを考えると、良い結果と悪い結果の対称性のあるゲームバランスの取れたシステムではないほうが、むしろ良いのかも知れませんねぇ。

1998/11/25:行為判定の繰り返しの処理

行為判定において、繰り返し挑戦することの成功率をどう勘案するのかというのは重要ですが、けっこうきちんと定義されていない内容ではないかと思います。

たとえ成功率が1%であったとしても、失敗してもなんら支障がないのであれば、とりあえずサイコロを振り続けていれば最終的には成功する時がくるはずです。こういったことが許されるなら、一回のサイコロ振りの持つ意味が薄くなり、単なる作業になってしまいます。……もっともまあ、単にでかい目でろ、だけでも賭け事的に楽しめなくもないですが。特に結果が派手に具体的にでるならば。

なんども続けて判定することに歯止めをかけるために、時分割処理――ターン制、ラウンド制などと呼ばれるあれです――が多くのルールで利用されています。一回の行為判定について、時間を消費したり攻撃を受ける可能性があったり、あるいはファンブルにより被害を被る可能性があったりすることによって、なんども続けて判定することにリスクを儲けています。

しかし実は、時分割処理をルールに含めていても、ゲームマスターがうまく調整せずに運用すると、作業に堕してしまう可能性があります。たしえば、調査に時間を消費してもデメリットがないなら、安心して全部の情報を得られるまで調査行動と判定を続けることになるでしょう。また敵の強さが弱ければ、ながくかけても反撃を食らう公算が低いため、時間をかけてとりあえずヒットポイントを削るまで攻撃判定を繰り返すことになりかねません。

このような問題を避けるためには、ゲームの進行管理なり敵とのバランス管理なりをルールで明記したほうがいいんでしょうね。むろんマスターがそのあたりを把握してうまく管理できるように修行するという、いままで使われてきた選択肢もありますけど。

1998/11/26:ネタが尽きたら登場人物を殺せ

ネタが尽きたら登場人物を殺せ、というのは、小説やドラマのシナリオなどでは外道の策だが有効であることで知られています。

……が、TRPGではけっこう便利に使えるかも知れませんね。ゲームマスターは一般には、熟練したシナリオ職人でも小説家でもないわけで。

1998/11/27:成否の判定か結果の表引きか

行為判定ルールの各要素が、成功かどうかを決めるものなのか、予想外の結果をランダムに決定して楽しむものなのか、をきちんと考えておくことは、システムの整理上は非常に役にたつことだと思います。

行動の難しさや状況やこれまでの努力から成功率を算出し、えいやっと成功するかどうかを決定するというのは、結果がシンプルなぶんデザインとしてはやりやすいわけですが。わいわい楽しむ上でも、具体的で幅広いメリット・デメリットを算出できることからも、結果の算定に乱数で引ける表を利用するかどうかを検討するのは、たいへん有意義だと思います。

まあ、必要な表が記述できるかどうかとか、処理の重さの問題とか、いろいろ考える必要がありますが。一般的にはクリティカルとかファンブルといった感じに、成功判定の結果として特例的なものを設定し、特例的な場合にのみ表を引かせるという処理にすることが多いわけですが、別にこの方法が最善であるとは限らないわけで、コンセプトに合わせて適当なものにするべきでしょうね。

1998/11/28:TRPGに向いているPCの立場のパターン

TRPGに向いているPCの立場のパターンについてちょっと考えてみようとしたのですが……。

PCはそれぞれの利害を持ち、自己目的を達成しようとしているが、その手段・経路として共通目的を達成するために協力する必要がある。

……などと、良く使うパターンを考えてみました。

しかしあんまし整理されている感じがしないなぁ。まあ、事件があって、PCはそれを解決しようとする動機があって、事件を解決する方向で協力するというのが、TRPGとしては扱いやすいというわけではありますが。

設定的・最終目標的には反目している場合においても、シナリオの部分構造としては協力せざるをえない状況とするというのが良くあるんではないかな。最終的に対立・対決があるとしても、途中は協力しているとか。そうでないと暇なプレイヤーがでやすいし、マスターが管理しづらくなりやすいから。

あとは、時系列が順次処理であることも必須ですか。カットパックとか使うというわけにはいかないというのもあるか。

1998/11/29:汎用ルールと世界観

ゲーム世界の世界観というものは、ゲームシステム上のパラメータ・文章として表現される場合と、ゲームシステム自体に作り込まれて表現される場合とがありますよね。たとえば、ソードワールドで魔法の原理がどうだとかいったものは文章で外づけされた世界観であり、ゲームシステムは冒険者は簡単には死ににくいという世界観を表現している、という感じです。

汎用ルールは、世界観の表現が後づけできる範囲であれば正しく機能しますけど、ルールに作り込まれた世界観とのあいだに不整合があると辛いことになりますよね。

また、うまくいった場合でも、よくできた専用システムに比べると余分な作業や余分なパラメータ、余分なルールなどが存在することになり、その世界観を表現するための専用システムと比較すれば冗長かつ重いものとなってしまいます。

システムの基本構造が持つ表現できる世界観の限界はしかたがないとしても、汎用システム+世界観表現サプリメントでも、よくできた専用システムに匹敵するスマートさを実現できないものかなぁ。

1998/11/30:情報提示から見たシナリオの構造

不完全な情報を小出しにして、興味を引きつけつつ、最終的に情報を統合することで真実が明らかになるという手法は、比較的管理がしやすいことや、シナリオ作成が楽であることなどから多用されているのではないかと思います。まあ、これはフラグによる情報管理方式の簡略なものですわな。

しかしまあ、別の方法も整理できるといいのだろうなあ。情報を小出しにする方法は、小説なんかだと次善の策という感じもしないではないし……。

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