TRPG総合研究室 LOG 040

TRPG総合研究室の2000年02月12日から2000年02月18日までのログです。


2000年02月18日:22時53分07秒
RE:質問&補足 / MO
こんにちは。鍼原神無さん。

どうもすいませんね。2000年02月18日:19時42分26秒投書 RE:「選択型/発想型」 / MO」において、後半部分はだいぶ説明を省略してしまった為に分かりにく事になっていましたね。
ほんとは表を使いたかったのですが上手く載せる事が出来なかったのです。
(言い訳ですな)

シナリオテーマから、その中での個々の通過問題に対してまでも応用させて考え様とした為に、ぼやけていますね。ちょいと、書き直し/付け足しをさせてもらいましょう。

<マスターの問題に対する選択肢の作り方と、
マスターにとって結果が決定済みかどうかの組み合せ>
正解選択型 × 結果固定型 = A:正解固定タイプ (入り口が狭く、出口も限られる)
自由選択型 × 結果固定型 = B:結果固定タイプ (入り口は広いが、出口は一つ)
正解選択型 × 結果自由型 = C:正解自由タイプ (入り口は幾つも在り、それに対応した道が在る)
自由選択型 × 結果自由型 = D:完全自由タイプ (入り口などはなく自由に移動、それに合わせてマスターが道を作る)

:マスターの仮定した一つの正解の結果を得る為に正解の選択をする。
良い点:ゲーム性の優れたプレイが出来る。(入り口を探すのが面白い)
悪い点:マスターの仮定した一つの正解が、プレイヤーの納得できる物で無い場合、マスターの独り善がりになる。
また、プレイヤーが正解を選ばなかった時は、シナリオ進行が止まるか、バットエンデイングになる。

:マスターの結果/結末に対しての思い入れが強い為、どんな選択をしても結果/結末は一つになる。
良い点:プレイヤーは問題に対してシビアに対応する必要が無く、安心して自由に動ける。マスターのシナリオに対して楽しむ事に専念できる。
悪い点:マスターの好みとプレイヤーの好みが違った場合、無理矢理動かされる事になり、面白くない。

AとBの違いはマスターが、シナリオ/ストーリーのコントロールをするかどうかで変る。

:プレイヤーの選択した行動によって、マスターの用意した結果/結末が変ってくる。
良い点:プレイヤーの選んだ方法によってストーリーは変化し、シナリオの難易度や、結末が変ってくる。よってプレイヤー側に結末の決定権がある程度在る。
ある程度プレイヤーに対してストーリー的な満足感を与える事が出来る。
悪い点:マスターの発想力には限界が在り、無駄に準備が大変。

選択肢の設定方法によっては、プレイヤーの意図しない方向に流れていってしまって困惑される。

:マスターとプレイヤーの発想の掛け合いにより想像の産物が出来上がる。
良い点:発想・センスが良ければ、ダイスやルールも要らず面白いストーリーの制作が出来る。
悪い点:参加者に協調性が無いと、口の上手い奴、ごり押しが強い奴が楽しめるだけになる。

こんな処でどうでしょう?改善されたかな?
(方法と結果を並び替えましたが、ABCDの順番を変えるとまた混乱を生むのでそのままにしてあります)

>質問1.<組み合せ>の書式について
私としては、共にマスターの設定の仕方で、プレイヤーの選択によって起こるプレイの結果は考えに入れていませんでした。

>質問2-A  
ゲーム的要素を上手く引き出すテクニックですね。
このタイプに適したテクニックだと思います。
これ以外のタイプだとなかなか達成度を測る尺度が持てなくて使いにくいので。

>質問2-B  
良い悪いは参加者が決める事何でなんとも言えませんが、プレイヤー側は楽しみ方が判ってないと、楽しめないでしょう。
ただ、初心者には安心して遊べるタイプかもしれませんよ。
自分でストーリーを動かせれる/動かしたい人には不満でしょうけど。
あ、マスターとしては、ばれなきゃ良いのかもしれないかな?
2000年02月18日:20時31分56秒
[質問]Re:Re:「選択型/発想型」 / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
>MOさん
 こんちは。なるほど。MOさんの、<組み合わせ>も、優れた整理ですね☆
 
 よろしければ、いくつか質問をさせていただきたいと思います。
 
質問1.(とゆうより確認っぽいですが)
 <組み合せ>の書式についてです。
「GM及びシナリオ傾向・志向性」×「プレイヤーのプレイング傾向・志向性」=セッション様態(セッションのタイプ)
 、、、と読んでよいと思うのですが。よろしいでしょうか。例えば、、、
 Aタイプ.
 (GM・S:結果固定型) ×(PL :正解選択型) =(ses:正解固定タイプ)

 
 Sはシナリオ(シナリオ傾向・志向性)
 PLはプレイヤー(プレイング傾向・志向性)
 sesはセッション様態(セッションのタイプ)

 、、、ってことでよろしいでしょうか?
 
質問2.
 
質問2の前提(仮定):
 大方の意見としては、一般に一本道シナリオ・マスタリングはTRPGらしくない、と考えられている。
 
質問2-A
 A:正解固定型タイプ、「マスターの仮定した一つの正解の結果を得る為に正解の選択をする」
 、、、ですけど、これは、「GMが構想した正解を基準にセッションの達成度が計られる」セッション様態も含まれるでしょうか?
 
質問2-B
 B:結果固定タイプ、「マスターの結果/結末に対しての思い入れが強い為、どんな選択をしても結果/結末は一つになる」
 、、、ですけど、これがいわゆる“よくないセッション様態”と考えられる、「一本道シナリオ・マスタリング」でしょうか?

 
 以上、明白にわかりきったことをお尋ねしてる気もして、恐縮ですが。
 お気を悪くされずにお応え願えると嬉しく思います。
2000年02月18日:20時05分23秒
RE:キャラクター・メイキング / MO
キャラクター・メイキングでは、私は、
プレイヤーに出来るだけ自由に好きなキャラクターを作ってもらいたい場合と、
シナリオを最適の条件で楽しませれる様におすすめを作る場合があります。

後者の為にプレロールドキャラクター(事前の決定項目が多いキャラクター)を使います。
(キャンペーン中のキャラクターはこれに近いといえるのかな?
  この場合逆にキャラクターに合わせてシナリオを作るが。)
キャラクターの能力/状況を固定化する事によって、シナリオ中のギミック/仕掛け等に、キャラクターを深く関わらせる事が出来、特定キャラクター狙い打ちの仕掛けが作れます。
欠点としては、プレイヤーの好みに合わなかったり、扱えきれないキャラクターの場合が在る事です。

前者の場合は、シナリオを崩壊させる物/要素のみを除外する考え(それ以外は何でも有り)です。
プレイヤーはどんなキャラクターを作っても良いが、創造の自由と責任がある。
欠点としては、シナリオに対し上手く絡めないキャラクターが出来る可能性が在る事です。
(私見ですが、マスターがシナリオに絡めないキャラクターの制作を阻止出来ない事が在る。)

固定のキャラクターの為にチューン(専用化)されたシナリオを深く楽しむか?
シナリオに関わってくるキャラクターのバリエーションの豊かさを幅広く楽しむ?

選択の幅で言えば、
限定環境下での選択を楽しむのか?
キャラクター作りの時点から選択を楽しむか?の違いですかね。
2000年02月18日:19時42分26秒
RE:「選択型/発想型」 / MO
「選択型/発想型」ですか・・・
私は単にマスターの発想の幅より、プレイヤーの発想の幅の方が広かっただけのような様な気がします。(これがまたよく有るんだなー)
マスターが考えついた選択肢以外の選択肢を思いつくかどうかだけの事では?

どちらかといえば、マスターが自分の発想/選択肢の中で、
どれだけの選択肢が正解と決定してしまっているかどうかが問題な様な気がします。
言い換えると、マスターの選んだ選択肢以外は間違い/失敗と決めつけてしまっているかどうかです。

マスターの考えた正解(最適な対応)を求めて、情報を集めるスタイル。
シナリオ中の問題に対しての対応方法自体の選択が問題ですかな?
この場合、対応方法の選択を間違えると問題の解決は失敗する事が多い。
正解が一つしかないと、一本道シナリオになる。

プレイヤーの選択/発想を尊重し、その行動に対応したストーリーが得られる。これによってストーリーは作られるのだとするスタイル。
言い換えると、プレイヤーの選択/発想はすべては正解になる/する。

ということで、誤解が出ないように「正解選択型 と 自由選択型」といった方がいいのかも?

後、結果に対しても「結果固定型 と 結果自由型」が在ると思います。
<組み合せ>
結果固定型 × 正解選択型 = A:正解固定タイプ
結果固定型 × 自由選択型 = B:結果固定タイプ
結果自由型 × 正解選択型 = C:正解自由タイプ
結果自由型 × 自由選択型 = D:完全自由タイプ

A:マスターの仮定した一つの正解の結果を得る為に正解の選択をする。
B:マスターの結果/結末に対しての思い入れが強い為、どんな選択をしても結果/結末は一つになる。
C:プレイヤーの選択した行動によって、マスターの用意した結果/結末が変ってくる。
D:マスターとプレイヤーの発想の掛け合いにより想像の産物が出来上がる。

どのタイプが面白いかは人によるが、プレイの参加者の中でのすれ違いが在ると、セッションは失敗する可能性が高い。
2000年02月18日:01時17分28秒
「選択型/発想型」の考えを理念型として再整理してみる(長文) / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕

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 アタシが思うに、SHINさんが提示した「選択型/発想型」はアタシは実体概念ではなくって、理念型だと理解するとよいのではないかと思います。
 えーっと、「実際のセッションを事例分析して抽出された類型概念」(=実体概念)ではなく、「様々なセッションの在り方を整理してゆく・ために、ある部分を極端化して考えられた理論上のモデル」(=理念型)、って感じです。
 
 もちろん、うえに書いたのはアタシの意見ですが。
 この投稿では「選択型/発想型」を理念型として観た場合の理解を再整理してみます。

 
#内容はSHiNさんによる以下の投稿と重複する部分が少なくないですが、それはご容赦ください。
「『発想』と『選択』(意思決定の二つの段階)」 (TRPG総合研究室 LOG 039,SHiNさん記,2000年02月11日:20時11分34秒) 
「【発想と選択】プレイスタイルとキャラメイクの関係について」  (当掲示板,SHiNさん記,2000年02月16日:01時59分12秒) 
「戦略的キャラクターメイキング」  (当掲示板,SHiNさん記,2000年02月16日:02時16分35秒) 

 できるだけSHiNさんの論旨を損ねないように再整理してみるつもりです。
 が・もし、特に断りの無い部分で、SHiNさんの意図に反する説明があった場合は、それはもちろんすべてアタシ、鍼原神無〔はりはら・かんな〕の責任によるものです
 
 #この投稿には以下の内容が含まれています。
基本
理念型とセッションの実態
シナリオ・メイクとキャラクター選択幅の関連、そのガイドライン
私見
余談
 
基本
 「選択型/発想型」は、まず、マスタリング・スタイルとセッションの在り方について考えられる理念型だと思います。
 付随して、シナリオの傾向、シナリオの構想についても、「選択型/発想型」を言うことはできます。
 
 基本としては、「選択型/発想型」ある特定のシステムでも、多様な遊びかたが許容される(システム事の傾向はあっても)、TRPGのジャンル特性に従ってセッションの在り方を整理してゆくための概念ツール、と考えると良いでしょう。
 
「選択型」のマスタリング・スタイルとは、GMが予め想定した範囲の内でプレイヤー達に「選択」をしてもらうマスタリング・スタイルです。

 「発想型」のマスタリングとは、GMが予め想定した以外のプレイヤーの「発想」も受け入れ、セッションに活かそうとするマスタリング・スタイルです。

#用語としての「選択」と「発想」が、理論上、「GMの予めの想定」を基準に判断されることに注意してください。
 
 もちろん、「発想型」のマスタリングでも、プレイヤーの発想を、無制約にすべて受け入れようとする事は不可能事でしょうし、現実的ではないでしょう。
 「プレイヤーの発想を無制約にすべて受け入れる事は不可能だ」、そんな当然のところで思考停止せずに、もう少しだけ詳しく分析・整理をしてゆく為に有効な概念ツールが「選択型/発想型」であるわけです。
 
 何を分析・整理するかと言えば、もちろん、「システム事の傾向はあっても、多様な遊びかたが許容されるTRPGのジャンル特性」を分析・整理してゆくわけです。
 
理念型とセッションの実態
◆「読みあい」と不明瞭さ
 すでにSHiNさんも書いていますが、「GMの想定が十分多肢にわたっていれば、プレイヤー主観では、それが『発想のゲーム〔発想型セッション:カンナ注記〕』だったのか『選択のゲーム〔選択型セッション:カンナ注記〕』だったのか知る機会がないというケースも考えられ」ます。
#「【発想と選択】プレイスタイルとキャラメイクの関係について」 (当掲示板,SHiNさん記,2000年02月16日:01時59分12秒)
 
 セッションの実態では、「選択型/発想型」の区別は不明瞭になりがちと言えます。
 なぜ、セッションの実態では「選択型/発想型」の区別は不明瞭になりがちなのか。
 
 例えば、あるセッションで、GMが、「プレイヤー達と、立場は違うけど、セッションを楽しむ点では対等」で、かつ、「スポーツのレフリー、ジャッジのように、試合展開の局外の立場に身をおかない」ことを選択した場合を考えてみましょう。

 GMさんがこうしたスタイルでマスタリングをする場合、TRPGの性質から言って、セッション中は、GMさんが予め想定している「選択」とプレイヤー達の「発想」との読みあい、って面が必ず含まれます。TRPGをプレイされる方なら誰でもご存知の事ですね。

 この読みあいの要素は、GMさんと各プレイヤーの間で生じるだけでなく、プレイヤー間で生じることもありますし。
 プレイヤー間の読みあいをGMさんが読む、GMさんとあるプレイヤーの読みあいを、他のプレイヤーが読む、と言った錯綜したコミュニケーションが、TRPGセッションでは展開されます。
 
 仮に、GMさんがプレイヤーの「発想」(←予めの自分の想定以外の選択)を期待したセッションを希望したとします。
 その為の準備をおこなってセッションに臨んでも、セッションが終了した時点では、「選択型」として完結することもありますよね。
 これはTRPGもゲームである以上、予想外の展開が起こり得るって事の事例にすぎません。
 だからと言って、「発想型」のセッションを希望して、それに適した準備をする事は悪いことではありません。

◆GMさんが、レフリー・ジャッジである立場選択と「選択型/発想型」 
 さて、SHiNさんの指摘によれば、多様な遊びかたを許容するTRPGでは、GMさんは「スポーツのレフリー、ジャッジと違い、ゲーム展開の局外にはたたず、プレイヤー達とは、別の立場で、しかし対等にセッションを楽しむ立場」とはまた別の選択もあります。
 それは、シナリオを選択型のゲームとして構築し、ゲームのレフリー・ジャッジに類比される立場に徹する選択です。
#「『発想』と『選択』(意思決定の二つの段階)」 (TRPG総合研究室 LOG 039,SHiNさん記,2000年02月11日:20時11分34秒)
 
 先に、「選択型/発想型」の区別は理念型で、セッションの実態を観ればその区別は不明瞭、と記しましたけれど。
 より精密に言えば、GMさんが「選択型」のセッションを目指した場合、セッション終了後には、少なくともGMさん本人には「選択型」セッションが成立したかどうかは判断可能です。
 同じ事は「発想型」にも言えて、GMさんが「発想型」のセッションを目指した場合、セッション終了後には、少なくともGMさん本人には「発想型」セッションが成立したかどうかは判断可能です。
 
 GMさんにとって、「選択型」「発想型」それぞれの成立/不成立と、セッション自体の成功度(どれだけ納得や満足がいったか)は、また別尺度です。
 「選択型」セッションが成立して、セッションの成功度も充分満足がいく場合もあれば、「発想型」セッションが成立したけれど、結果には不満足な事もあるでしょう。(もちろんそれぞれのケースに逆もあります)
 
 とりあえず、理論上、整理されるのは、「選択型」のセッションを目指すGMさんは、シナリオと同時に最適のPCをプレロールドで用意した方が、ゲームのクオリティが、より確実に保証される、とゆう事です。
#「【発想と選択】プレイスタイルとキャラメイクの関係について」 (当掲示板,SHiN さん記,2000年02月16日:01時59分12秒)

◆「戦略的キャラクターメイキング」 
 ただ、先の「選択型セッションとプレロールドキャラクター」についての結論は、理論上のもので、実践に際してはもっと融通を効かせる余地があります。
 多くのTRPGプレイヤーが既に体験として知っていることなのですが、SHiNさんはそれを「戦略的キャラクターメイキング」と呼んでいるわけです。
 
@SHiNさんWrote (「戦略的キャラクターメイキング」,当掲示板,2000年02月16日:02時16分35秒)
 >その筆頭〔戦略型キャラクターメイキングを受け入れる余地の筆頭:カンナ補記〕として、まず、「戦闘」要素についてです。
 >多くのRPGシステムでは、「戦闘」という要素がデフォルトで設定されています。
  〔中略〕
 >戦闘という要素は、ゲームシステムによってはある程度、ゲーム内容をプレイヤーが予想できる部分でもあるのです。
 >「戦闘」は、基本的に「選択型」のイベントなので前回の書き込みの例ではパターンAになるのですが、ゲーム内容が事前にわかっている場合「選択幅最大」でキャラメイクを行ってもかまわない、むしろ戦略的思考を楽しむ事が出来るのでその方が望ましい……という事から、「戦闘関連能力」に関しては上の限りで無い可能性があります。
 >同様に「ダンジョン」や、その他のイベントも、この条件に合うならば、それに関連する能力の選択はプレイヤーに任せる方がベターな場合もあります。
 >この、事前にわかっているゲーム内容〔「事前に推測されるゲーム内容」?:カンナ注記〕に合わせてキャラクターメイクを行う事、これは「戦略的キャラクターメイキング」とでも呼ぶべきでしょう。
 
シナリオ・メイクとキャラクター選択幅の関連、そのガイドライン
 さて、「戦略的キャラクターメイキング」などの実践的な事情を考慮しても、シナリオ・メイクとキャラクター選択幅の関連について、ガイドラインとして次のようなことが言えます。
#「【発想と選択】プレイスタイルとキャラメイクの関係」 (当掲示板,SHiNさん記,2000年02月16日:01時59分12秒)
A:「選択の幅が0」のキャラメイクを行うなら、「選択型セッション」が相応しい。
B:「選択の幅が0+Xn」のキャラメイクを行うなら「選択型シナリオの中に、Xn部分を行かせるいくつかの発想型イベントを含めたタイプ」が相応しい。
C:「選択肢の幅が最大」のキャラメイクを行うなら「発想型TRPG」が相応しい。
#上の「選択幅」とは、「セッション開始時のPCの選択幅」のことです。
#詳しくは、「[キャラクター・メイク時選択幅]Re:「Re:割り込み(笑)〜」のTipsについて」 (当掲示板,カンナ記,2000年02月12日:09時34分24秒)、を参照してください。

 うえのガイドラインがいずれも「〜が相応しい」であって、「〜でなくてはならない」ではないことに注意してください。
 また、構文を逆にした場合「相応しさ」は揺らぐように思われます(私見)。
 
 特に、「『発想型』セッションをおこなうなら、キャラクター・メイクの選択幅を最大にすることが相応しい」とは言えません。
 
私見
 以下はSHiNさんの投稿を踏まえたうえでの、純然たるアタシの意見になります。
 実は、「キャラクター・メイクの選択幅0」の設定をしたシナリオでも、PCの初期にんげん関係にドラマチックな要素を内在させた関係性を設定しておくと、プレイヤーの発想力を刺激できる場合があります。
 
 しかし、この方法は例によって、システムやプレイヤーの能力・センスへの依存度が高いので、もし、GMが「発想型」のセッションを目指すにしてもあまり確実とも言い難い方法です。
#いわゆる「個人芸」「名人芸」が必要とされる領域だと思います。
 
 アタシが思うには、GMさんが「発想型」のマスタリングテクニックを追及する場合、SHiNさんが整理された、Bタイプの発想でシナリオを構築し、変数「n」を徐々に増やしてゆく方法があると思います。
#他にも試みられて良い方法はあると思うのですが、それは今は置いておきます。
 
余談
 以下は本文とは一応別内容の余談。次の段階の課題です。これもアタシが考えている課題ですが。
 
 アタシが思うにSHiNさんが提唱した「発想型」志向のマスタリング・シナリオ・セッションとゆうのは、従来バク然と、アドリブ重視・ノリ重視・ストーリー性重視などと呼ばれていたTRPGの遊び方の内から、セッションに貢献できる部分を抽出し、活用してゆくのに有効な考え方だろうと思います。
 アドリブ重視、ノリ重視、ストーリー重視はそれぞれ異なった志向性を含んでいると思いますけど。ここでアタシが言っているのは、それぞれの志向性が含んでいるTRPGの可能性を整理してゆくのに「選択型/発想型」って理念型が有効だろう、って事です。
 
 ご存知の方もいらしゃると思いますけれど、アタシの立場はジャンルとしてのTRPGに固有の楽しみとして、「多人数によるインタラクティブな物語生成の楽しみ」を重視するものです。←このアタシの傾向はSHiNさんともPALM-12さんとも違う傾向なのですが。
 こうしたアタシの立場からしても、SHiNさんが提示された「選択型/発想型」の理念型はタイヘン興味深く示唆に富んだものです。

#この投稿は以上です。 

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2000年02月16日:19時46分26秒
Re:キャラクターの「性能」は等価か / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
>NaOHさん
 こんにちは。
 
 お問い合わせの、「TRPGシステムはルールに従って、キャラクター・メークをすれば、初期状態では、キャラの『性能』はイーブン・である・はずって観念」について、ですけれど。SHiNさんの投稿のおかげで、随分すっきりしたと思います。
 
 この観念は、妥当ではないです。
 
 より詳しくゆうと「普遍的には妥当ではない」です。
・システムに少なくとも記述された要素をすべて網羅しようとするようなキャンペーン・プレイでは、理論上は妥当性が相当高くなります。
 
・「選択型」(@SHiNさん)100%の単独セッションには、まったく当てはまりません。
 
・単独セッションであってもGMがプレヤー達の選択だけではなく、発想「も」期待するセッションでは、プレイヤーの能力に応じた制限の内で、イーブンに扱えるキャラ選択幅が広がります。つまり妥当性の余地が広がります。

 結局は、シナリオ、GM、マスタリング・スタイル、プレイヤー達の能力の相関です。
 ただ、それなりのプランやノウハウにサポートされた方がよいわけです。
 そして、試みてもよいいろいろなノウハウのアイディアも無くはないし、何よりSHiNさんの投稿によって、ノウハウ考案・検討に際しての方向性が整理された(気がします、アタシ的には)。
 
 そーゆーことなんです。
2000年02月16日:19時26分39秒
キャラクターの「性能」は等価か / NaOH
 SHiN氏の考察にはおおむね賛成ですが、本筋とはあまり関係のないところで少し意見を。
 
 >旅の途中、関所がありました。しかし、この関所は盗賊達が運営する偽の関所です。……と、ここまでしか設定していない「発想型シナリオ(イベント)」ならば、上記3者(引用者注「戦士」、「魔術師」、「商人」の事)の「性能」はイーブンです。「剣」、「魔法」、「交渉」といったそれぞれの得意な能力でクリアできる方法を考えれば良い。(2000年02月16日:01時59分12秒【発想と選択】プレイスタイルとキャラメイクの関係について / SHiN)
 
 SHiN氏の考え方が、「性能」=「問題解決(クリア)能力」であり、「性能がイーブン」=「問題解決難易度が同水準」ならば、3者の「性能」は「イーブン」とは言えないのではと思います。
 この場合、例として挙げられている「剣」、「魔法」、「交渉」はまったく異なる性質の能力であり、比較して「性能」の優劣を決める事はできないでしょう。無論、異なる種類の能力でも同一の尺度(例:単位時間当たりの殺傷力、問題解決に要する時間、または能力を使用する上での費用等)を用いれば「性能」の優劣を比較できるでしょうが、SHiN氏の考察中においては「問題解決」という抽象的な尺度しか設定されていないように思われます。
 「実力で排除」、「交渉により通過」、「魔法で○○」というどの方法によっても問題は解決するのですが、それぞれの難易度はやはり異なるでしょう。盗賊が比較的弱いならば実力行使の方が有効かもしれないし、盗賊が強力かまたは実力に訴えられないような事情があるならば交渉に寄らねばならないでしょう。やはり設定に応じた能力の有利不利はあるし、ならばシナリオに応じたキャラクターの「性能」の優劣もあると思うのです(氏の言うところの「発想型」、「選択型」の別無く)。
 
 ここまで書いて思いついたのですが、上記の意見はSHiN氏のいわんとする所が、「『発想型シナリオ(イベント)』においては、問題解決がキャラクターの特定能力の優劣に依存せず、プレイヤーの発想によってキャラクターの能力を駆使して問題解決を図ることができる、すなわちどんなキャラクターでも最終的には問題を解決することが期待できる。」というふうに、解決できるかが論点であって難易度はこの場合はとりあえず問題としない、という事であれば、まったく的外れとなります。そのときはご容赦ください。
 
  >「TRPGシステムはルールに従って、キャラクター・メークをすれば、初期状態では、キャラの『性能』はイーブン・である・はず」って観念がやっぱりあるわけで。(2000年02月12日:09時34分24秒[キャラクター・メイク時選択幅]Re:「Re:割り込み(笑)〜」のTipsについて / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕)
 
 それでもまあ、上記の考察によって鍼原神無〔はりはら・かんな〕氏が紹介した観念は必ずしも妥当ではないと思うわけです。やはり、シナリオには各々許容度があって、キャラクターメイク時に選択幅を広げすぎると、無理な難易度になってしまったりすると思うのです。
 無論この意見も、敢えて難易度を上げる場合や、問題が解決できないことの悲劇を楽しむという立場からは、あまり意味ないものですが。
 
 諸賢の意見をお聞きしたい。
2000年02月16日:16時15分51秒
セッション前〜キャラメイク時の情報公開 / PALM-12
#えーと、SHiNさんのおかげ、書くのが楽になったというか、書くべきことが無くなったというか……(;^^)
#で、とりあえず、SHiNさんの「【発想と選択】プレイスタイルとキャラメイクの関係について」および「戦略的キャラクターメイキング」の用語を使用させていただきます。
#SHiNさんに感謝です。
 
 えー、まず、PALM-12の考える所の標準的なTRPGのシナリオは、当り前ですが、選択型と発想型が混在したパターン、、すなわちパターンB(「選択幅が0+Xn」)です。
 理由は、「ある回のセッションのシナリオの課題(シナリオに用意されたもんだい状況)が、当該システムに含まれた要素をすべて充然に取り込んでいることはほとんどない(鍼原さん)」ためです。
 
 で、パターンA(「選択の幅が0」)であれば、プレロールド or テンプレートとなるわけで、キャラメイク時の作業は、キャラクターシートの分析が主な仕事となります(まあ、実際にはキャラシ全てを記述できないので解釈作業も含まれるんですが)。 キャラクターシートの分析により、シナリオの最適解が求められる(はずの)わけです。
#ちなみに言わずもがなですが、キャラクターシートの分析にシステムは必要です(笑)
 逆にパターンC(「選択肢の幅が最大」)でのキャラメイク時の仕事は、ルールブックに則ったキャラクター作成です。 理論上、システムで読み取れる以上のシナリオが存在しない状態なので、システム上作成可能な全てのPCがPLの自由な発想によって作成できます。
 キャラメイク時の仕事は、「シナリオ用のキャラクター設定のPLの分析」と「システムに基づくPLの発想によるキャラクター作成」の要素に分解できるわけです。
 
 ではパターンB(「選択幅が0+Xn」)の場合はどうすればいいのか? という話になります。
 
 パターンBのキャラメイクでは、部分的な「シナリオ用のキャラクター設定のPLの分析」とその分析の制約に縛られた「システムに基づくPLの発想によるキャラクター作成」がキャラメイク時の仕事となります。
 要するに標準的なシナリオを使用したセッションのキャラメイクには、「シナリオ用の設定」と「システム」が必須なわけです。
#当り前ですけど(;^^)
#で、まあ、キャラメイク時にGMの仕事は、PLの発想を助けたり、「シナリオ用の設定」とPLの発想したPCの整合性をチェックすることで、それは駆け引きでは無いわけです > 鍼原さん
 同時にこの「シナリオ用の設定」+「システム」は、そのシナリオにおける選択型のゲーム部分の共通の基盤となります。
 
 で、本題の「シナリオ用の設定」をどうやって、「セッション前〜キャラメイク時の情報公開」していくかですが、これには2つの方法があります。
 
 一つは、「数値データ部の情報公開」です。 これは、キャラメイク時に追加経験点などを渡したり、ある程度のクラス&スキルを限定することにより、「システム」のルール上の要素を用いて、セッションを行うのかを示していく方法です。
 
 もう一つは、「選択型イベントの情報公開」です。 これは、例えば、「今回のシナリオは、前半が砂漠を旅するシナリオで、後半がダンジョン・アタックです」という風に言うことで、「システム」の世界観上の要素を用いてセッションを行うのかを示していく方法です。 また、この「選択型イベントの情報公開」については、具体的な選択の課題を除く部分のほとんどを公開することができます。
#例えば、「後半に場合によっては、2時間ぐらいのダンジョンがあるよ」とか、「戦闘は、多くて2回だよ」とか
 この「選択型イベントの情報公開」による最大のメリットは、「戦略的キャラクターメイキング / SHiNさん」で言われている「ゲーム内容が事前にわかっている場合「選択幅最大」でキャラメイクを行ってもかまわない、むしろ戦略的思考を楽しむ事が出来るのでその方が望ましい」という部分にあります。
 
 更にこれらの情報公開に合わせて、導入部で行われる選択型イベントの選択をキャラメイクと同時に行うことによって、全PL(含むGM)の共通の基盤とPCへの理解を深めることも出来ます。
 
 これは、結果としてシナリオ後半において、実在感のある(そして、それ故にGMに予測可能な範囲に限定された)発想型のゲームへの展開が容易になります。
 で、「全員のスタートは同じところ。 でも、それぞれのゴールは違うところ」っていう感じって事になるわけですね。
 
 かなり抽象的で長くなりましたが、以上です。
 
 で、余談です。
 
●選択型ゲームに発想を受け入れる余地を入れてく考え方 / 鍼原神無さん
> そーゆー、シナリオ記述法を、ちょっとオフ・ラインの仲間の人と検討してました。
>#今のところ、なんらかの空間限定を加えた、シティでの情報収集かたダンジェオンへ、ってパターンで考えてみたてるんですけど。
 
 って、似たようなコンセプトの同人TRPGシステムを作成中だったりして、、かぶってる(;^^)
 
 ではでは
2000年02月16日:12時30分06秒
選択型ゲームに発想を受け入れる余地を入れてく考え方 / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
>SHiNさん
 スゴイッ☆
 天才☆
 うん、ほかの人は、どーゆーか知らないですけど、アタシはスッゴク参考になりました。
 
 えーっと、アタシは、最適解が予め想定されてるTRPGはTRPGらしくない、からツマンナイと思う、ってヘンケン抱いちゃってるんですよ。(←コレってSHiNさんのご意見とは違うと思いますけど)
 
 アタシが思うのは、そーゆーゲームをするなら、アタシは、TRPGでなくって別のゲームします、って事なのですね。
 
 で、うえのアタシのヘンケンに対する反論として、「シナリオには、課題の解決策は考慮されてなくてはいけない」って考えがあって、アタシもそれはわからないではない。
 
 で、最近いろいろやってたのが、最適解ではなくって、普通にシステムに期待されてるPCの役割を果たせば、赤点ではない解決達成はできる、そーゆー方法は用意されてる。(仕事で言ったら、お給料分の達成だけど、ボーナスには色はつかないよってレベルです)
 けれど、そこにプレイヤー達の発想が加わって、赤点以上の達成を挙げてく場合のプロットは用意しない。
 平均点をぬいた達成をするための、材料は用意するけど、プロットはシナリオには組まない(シナリオ内にシステム化しない)。
 その代わり、達成度の評価基準はシナリオに明記されてる。
 
 そーゆー、シナリオ記述法を、ちょっとオフ・ラインの仲間の人と検討してました。
#今のところ、なんらかの空間限定を加えた、シティでの情報収集かたダンジェオンへ、ってパターンで考えてみたてるんですけど。
 
 これを、今回のSHiNさんの整理で言い直すと。
 「選択型」のゲーム・システムを、シナリオの課題解決の達成度平均値のところではちゃんと組み立てる。 けれど、達成度平均値以上や以下の評価・達成につながる選択肢とかは、プレイヤーの発想を受け入れる余地として、あえて仕組まない、ってことでよいんだと思います(多分)。
 
 例えば、敵をただ倒せばよいわけではない、敵を倒す倒し方が、架空世界の状況に反映されて、それがNPCからPCsへの評価にも、PLレベルでの達成度評価にもつながるみたいな事です。
 割とあたりまえの事ではあるんですけど、最高評価への達成経路はシステム化されたシナリオとしては用意しないって考え方を試してたわけなんです。
 ただ、バク然とアドリブ重視って言われてるより、イメージクッキリしてきてると思うんですけど、違うかな(?)。
#後、「そんなシナリオマスタリングするのつまんない」ってGMさんもいるとは思います。それはそれ、そこがシナリオ傾向、マスタリング傾向ってやつだと思いますので。
 
 これは、SHiNさんの整理された。
 >B:「選択の幅が0+Xn」のキャラメイクを行うなら「選択型TRPGの中に、Xn部分を行かせるいくつかの発想型イベントを含めたタイプ」が相応しい。
 
 に近いんだと思います。ちょっと説明の仕方が違うだけで実は同じかな(?)。
 
 >GMの想定が十分多肢にわたっていれば、プレイヤー主観では、それが「発想のゲーム」だったのか「選択のゲーム」だったのか知る機会がないというケースも考えられる
 
 うん、アタシの観点だと、結局、TRPGらしい(とアタシが思う)セッションって、GMさんの「想定」と、PLsの「発想」との読みあい・探り合いが含まれると思うんです。
 
 アタシが、「Re:キャラクター−シナリオ考」 (TRPG総合研究室 LOG 039,2000年02月08日:12時21分46秒)、で「GM・プレヤー双方に、セッション前のアレンジに関する駆け引き・コミュニケーションのノウハウやスキルが必要なのではないでしょうか」とか言ってるんですけど。
 表現うまくなくって(苦笑)。
 
 ここで、「セッション前の駆け引き・コミュニケーション」、って言ってるのは、「GMさんの想定」と「PLsの発想」の読みあい・探り合いの“情報戦”のことが言いたかったんです。
 それも、TRPGセッションの持つ「調査と発見」の面白さの一環に組み込めないかな、組み込んでくノウハウはあるでしょー、だって、アタシが信頼してるGMさんはいつもそーだもん、とかバク然と思っていたのでした。
 
 えーっと、この投稿に書いた事は、もしかしたらSHiNさんの提案されてる具体的方法とは食い違う面も含まれているかもしれません。
 けど、その場合でも、アタシ的にはとても参考になりました。
 大感謝です☆
#あー、なんかまとまりの無い投稿ですけど。これは興奮してるからです(笑)。
#許されて☆
2000年02月16日:02時16分35秒
戦略的キャラクターメイキング / SHiN
 さて、一応キャラメイクについては前回の書き込みで全てなのですが、実用性において、いま少し言及すべき事があります。
 その筆頭として、まず、「戦闘」要素についてです。
 多くのRPGシステムでは、「戦闘」という要素がデフォルトで設定されています。
 前回の書き込み(【発想と選択】プレイスタイルとキャラメイクの関係について)は、「シナリオ内容、つまりゲーム内容をプレイヤーは事前に知り得ない」という前提で話をすすめてきました。

 つまり、PALM−12さんのおっしゃってるような、
 >例えば、プレロールドやテンプレート限定にしてみてもルール・ブックから読み取れるものではありません(まあ、「そういうシナリオもある」とくらい書いてあるかもしれませんが)。 シナリオ毎に設定されるべきものです。 これは、システムのものより限定された(はずの)共通の基盤をシナリオが持っていることに他ならないわけです。 <

 という前提に従ったものでもあるわけです。
 
 しかし、「戦闘」に関しては少々例外で、ルールブックに十分な内容の記述がある場合がほとんどです。
 
 つまり、戦闘という要素は、ゲームシステムによってはある程度、ゲーム内容をプレイヤーが予想できる部分でもあるのです。
 「戦闘」は、基本的に「選択型」のイベントなので前回の書き込みの例ではパターンAになるのですが、ゲーム内容が事前にわかっている場合「選択幅最大」でキャラメイクを行ってもかまわない、むしろ戦略的思考を楽しむ事が出来るのでその方が望ましい……という事から、「戦闘関連能力」に関しては上の限りで無い可能性があります。
 同様に「ダンジョン」や、その他のイベントも、この条件に合うならば、それに関連する能力の選択はプレイヤーに任せる方がベターな場合もあります。
 
 この、事前にわかっているゲーム内容に合わせてキャラクターメイクを行う事、これは「戦略的キャラクターメイキング」とでも呼ぶべきでしょう。
 ところが、ゲーム内容の複雑さに起因するのか、TRPGではスキル制や魔法などの自由選択といったプレイヤーが自由にキャラクターを作るためのシステムを提供しながら、これらの「戦略的キャラクターメイク」に耐えうるためのバランスシステムは不完全な場合が多いのです。
 で、この「戦略的キャラクターメイキング」を採用するに耐えない不完全なゲームシステムでこれを行ってしまうと、「マンチキン」呼ばわりされてしまうわけです。(これが、ほとんどの「マンチキン」の正体だと思います。その意味で、D&Dでプラス修正の多い武器を求めるだけでそのプレイヤーを「マンチキン」と非難するのは、この戦略的キャラクターメイキングの否定であり、TRPGにおける戦略性の否定でもあります。この逆を言えば、多くの熟練TRPGプレイヤーは、戦略的キャラクターメイキングが多くのゲームシステム(例えば妖魔夜行など)においてあまり有効で無い事を理解してるので、それを行わないのです。しかし、D&Dにおいて、戦士が、よりプラス修正の多い武器を手にいれるためGM(の操るNPC)と交渉することと、妖魔夜行で、回避値や妖術レベルなどの戦闘能力を、極端に上昇させてキャラメイキングしたり、有利な妖力をコレクションして万能にしてしまう事を同列に扱ってはいけないのです)
 
 この考えを発展させると『シナリオの傾向やマスタリング方針についての事前告知、コミュニケーションの重要度』が増すのは、プレイヤーの「戦略的キャラクターメイキング」における「選択の幅」を大きくするという目的においてである、と言えます。
 (もちろん、その戦略目的は、ミッション達成である場合もあれば、パーソナルゴールの達成である場合もあるのですが)
 しかし、通常、マスタリングや傾向などの事前告知を誤解なく行うのは難しい、特にTRPGシナリオの持つ「調査と発見」の面白さを損なわずにそれをやるのはさらに難しい事を考えると、事前告知をあきらめ、前回の書き込みで提示したA、Bパターンを使用するかプレイヤーの戦術的決定能力をPCの特性とからめて有効に働かせることの出来るパターンCを採用することで間接的に(少々ギャンブル的な要素も加わりますが)「戦略的キャラクターメイキング」に若干の価値を付加するという方法が有効ではないのか、と個人的には考えています。
2000年02月16日:01時59分12秒
【発想と選択】プレイスタイルとキャラメイクの関係について / SHiN
(鍼原神無さん)
 >あ・アタシにはSHiNさんの言われてる、「意義のある選択」ってヤツのニュアンスがちょっとよくわからなかったです。
 
 プレイヤーが意義を感じる事の出来る選択のことです。
 知的挑戦心を満たされるものから、心理的葛藤を体験できるもの、選択を決断することそのものに感動や興奮が伴う物……いろいろあります。
 ただ、これらは当然個人差があります。
 ある人に意義のある選択が、別の人にも意義があるとは限らない。
 そこで、GMは、感情移入や戦術的効果などをその選択の背景に組み込み、なるべく多くの人間が、より強い選択の意義を感じられるように工夫するわけです。
 
 >「TRPGはプレイヤーが目的を策定してゆく過程もゲームの部分として採り込む遊び」って観点がありますよね。
 >これとSHiNさんの言われる「発想のゲーム」は微妙に違うはずなのですが、混同され易いと思うんです。
 
 微妙な違いというか、解釈の相対性は存在すると思います。ただ、この相対性というのは、「人によって受け取り方が違う」という意味ではなく、ケースバイケースの意味での相対性です。そして、そのケースごとの解釈方法は(少々困難ながら)一応記述する事が出来るので、きっちり理解できればゲームにまつわる問題のかなりの部分に応用可能だと直感しています。今回話題になってるTRPGにおけるキャラメークについてもそうです。
 
 演繹上の難しい経過はこの際とばして、私が考察した結果だけを示しますと、TRPGの場合、意志決定において、「GMの想定外」の事が許されるスタイルが「発想のゲーム」、原則として「GMの想定内」でプレイされるものが「選択のゲーム」です。
 これに関しては、経験的にみなさんにも理解してもらえるんじゃないかと思います。
 (『許される』というのは、そのようなプレイが発生してもセッションの楽しさが損なわれない、という意味です。アドリブのきくGMなら、「選択のゲーム」において想定外のプレイが発生しても損なわれた部分を補填できる場合があるので、なかなか、この区分の基準を直感的に得ることは難しいのですが……。さらに言えば、GMの想定が十分多肢にわたっていれば、プレイヤー主観では、それが「発想のゲーム」だったのか「選択のゲーム」だったのか知る機会がないというケースも考えられるのです。)
 
 私は、以前何度か、「TRPGでゲーム的に一番面白いのは、プレロールドキャラクターシステムだ」という事をあちらこちらで書き込ませてもらった事があるんですが、これを言いかえると、「選択型のTRPGで、そのゲーム性をもっとも生かせるのはプレロールドキャラクターだ」という事になります。もちろんすべて、「理論上は……」ですが。そして、その理由をこれからお話します。
 
 鍼原神無さんの提案された、「キャラクターの選択幅の度合いをいろいろなケースごとにピックアップして検討する」という案についてですが、これはとても良いアイデアだと思いますけど、PALM−12さんもおっしゃってるように、真正面から取り組むと膨大なボリュームになってしまうという問題があります。
 
 が、これを上記の基準(GMの想定内でプレイするかか、想定外を含めるか)で、「選択型TRPG」、「発想型TRPG」で区分すると、かなり考えるべきケースを単純化できるんじゃないでしょうか。
 
 まず、シナリオにおいて想定されるゲーム性が、「選択型」の場合、キャラクターメイクは「選択幅0」の方が良いでしょう。
 これは「将棋」といっしょで、「将棋」の場合、各駒の移動能力は、ゲームがなるべく面白くなるように工夫され決定されています。たしかに、現在の将棋のルールが最高だとは限りませんが、少なくとも『素人』が、そのルールを勝手にいじったりしても、ゲーム性が、(現在のベクトルのまま)より良くなる可能性は低いでしょう。『素人』は、多くの場合、将棋のゲーム性に対する理解が十分ではないからです。
 TRPGのシナリオに挑むプレイヤーというのは、この『素人』とある意味同じ立場です。
 いくら熟練したTRPGゲーマーだろうと、基本的には、これからどのようなシナリオが展開するか、まったく知らずに始めねばならないからです。プレイヤーが、そのGMやゲームシステムで行われるシナリオのパターンを事前に理解しているならこの限りではありませんが、シナリオとシステムが十分な複雑性を持っていれば、それもかなわぬことしょう。ダンジョンシナリオをやったことのないプレイヤーや、プレイされるシナリオがダンジョンであることを知らないプレイヤーは、いかなるテンプレートを選べば良いかわからない。が、GMだけは、選ぶべきテンプレートが「戦士」、「僧侶」、「盗賊」、「魔法使い」であり、「商人」「弁護士」「貴族」では無いと知っている……そういう事です。
 
 ところが、シナリオにおいて想定されるゲーム性が、「発想型」の場合、キャラクターメイクの選択幅は最大でもかまわないのです。
 プレイヤーは、自らのキャラクターの能力に従い、選択肢を形成していくからです。
 たとえば、目の前に怪我人が倒れていたとします。PCのテンプレートが「医師」ならば、早急に治療を試みるでしょうし、「運び屋」ならば、自分の愛機に怪我人を運び込み一刻も早く医師のもとへ送り届けようと考えるに違いありません。
 つまり、「キャラクターごとに自らの発想に従って行動できる」ので、キャラクターメイクの幅を狭める必要が無いのです。
 
 (鍼原神無さん)
 >一方では、「TRPGシステムはルールに従って、キャラクター・メークをすれば、初期状態では、キャラの『性能』はイーブン・である・はず」って観念がやっぱりあるわけで。
 
 鍼原神無さんのおっしゃるこの観念は、この「発想のゲーム」の場合にのみ、正しい事になります。
 「戦士」、「魔術師」、「商人」のキャラクターがいたとします。
 旅の途中、関所がありました。しかし、この関所は盗賊達が運営する偽の関所です。……と、ここまでしか設定していない「発想型シナリオ(イベント)」ならば、上記3者の「性能」はイーブンです。「剣」、「魔法」、「交渉」といったそれぞれの得意な能力でクリアできる方法を考えれば良い。
 が、この関所を抜けるには、弁舌ではなく実力を持って通りぬけるしかない……とまで設定されていると、戦闘に役に立たず魔法も使えない商人は、他の二人に比べてイーブンとは言えない……という事になるでしょう。
 
 しかし、ここでひとつの疑問が持ちあがります。GMが、「怪我人をとなり街の医師のところまで届けるシナリオ」と設定(つまり想定)してはいても、その「届けるための方法は事前に想定は一切していない」とした場合、それは「選択のゲーム」でしょうか?「発想のゲーム」でしょうか?
 これは「選択のゲーム」の中に「発想のゲーム」がイベントとして含まれている状態と言えます。
 通常ならば、「医師のところへ届けねばならない」という前提条件により、発想は制限され、選択肢は周辺状況によって決定されるものとして自動的に形成されます(鍼原神無さんいうところの、『分析』によって形成されるというわけです)。が、GMは「移動方法を想定していない」のだから、逆説的に、これら移動に関する選択肢を形成するための周辺状況に関する情報は十分には設定されていないという事になります。そこでプレイヤーは、「となり街への定期便が通っていないのか?」「馬車をどこかで手に入れてから向かおう」など、自らの発想をGMにぶつけていけるわけです。そして、世界設定や前後関係に矛盾せず、筋も通った発想が提示されたならば、GMは、それを是としセッションを進行させることになります。
 が、実はこの「選択のゲーム」の中にイベントとして「発想のゲーム」を含める場合、一種の危険性が伴います。たとえば、前述の例でいえば、プレイヤーが「瞬間移動」の呪文などを持っていた場合、一瞬にして話が決着してしまうからです。このイベントがほんの小さなイベントであるなら、この事によるダメージは小さいでしょうが、シナリオの大部分を占めるような大イベントであった場合、事実上シナリオは崩壊ということになります。逆に言えば、「選択のゲーム」の中にイベントとして「発想のゲーム」を含む場合も、その比重が大きいならばテンプレート(キャラクターの能力)は事前に設定しておいた方が良いということになるわけです。こうすれば、「発想のゲーム」は、「発想のゲーム」から「選択のゲーム」へと様相を変更します。なぜなら、ゲーム世界内の状況設定の代わりに、キャラクターの能力を設定することで選択肢を狭め、選択肢を形成するからです。
 
 これは、逆説の逆説であり、非常にややこしいのですが、つまりはこういう事です。
 
 「Aというケースの場合、aというキャラメイクが相応しい」というよりも、「Aというキャラメイクには、aというシナリオ(マスタリング)が相応しい」という事になるのです。(つまり、基本的にはシナリオメイクより先に、キャラクタメイクの手法を選択しておいた方が良い)
 
 その上で、全てのTRPGのプレイスタイルとキャラメイクの関係は、次の3パターンにまで絞って分類できるわけです。
 A:「選択の幅が0」のキャラメイクを行うなら、「選択型TRPG」が相応しい。
 B:「選択の幅が0+Xn」のキャラメイクを行うなら「選択型TRPGの中に、Xn部分を行かせるいくつかの発想型イベントを含めたタイプ」が相応しい。
 C:「選択肢の幅が最大」のキャラメイクを行うなら「発想型TRPG」が相応しい。
 

 (注:この分類は、その他の諸条件が同じならば、プレイヤーは「選択幅のより広い」キャラメイク方法を望むという前提で設定してあります)
 
 …という事になります。
 ちなみに、「発想型TRPG」は、「選択型TRPG」より許容範囲が広いので、「選択幅0」のキャラクター相手にプレイする事も出来ますが、その場合、別に「選択幅最大」のキャラ相手でもかまわないのだから、「選択幅0のキャラクターと発想型TRPG」という組み合わせは考慮する必要が無いというわけです。(もっとも、他人の設定したキャラクターで、「どれだけ面白い発想を提出できるか?」という挑戦も、確かに面白いものではあります。)
2000年02月15日:02時44分10秒
[キャラクター・メイク時選択幅]キャラクターの選択幅が広すぎる? / 紙魚砂
>@PALM-12さんWrote
>「候補テンプレートは、シナリオ作成時に選別しておくんです」

従来の一般的なやり方だと発想が逆で、

「シナリオに致命的な障害を生じるテンプレートは、あらかじめシナリオ作成時に選別しておいて、選択不能なものとしてプレイヤーに明示する」

ということになると思います。
一方、候補テンプレートを積極的に選別するやり方は「志向性の強いシナリオ」をやる際に有効な方法でした。

ところが最近の新しいシステムでは、キャラクターのバリエーションが幅広くなり、さらに個々のキャラクターが独自に動けるようになってしまったため、

「どんなシナリオを採用しても、相対的に『志向性の強いシナリオ』になってしまう」

という現象が起きているのではないかと思います。
裏返して書けば、

「最近の『個人』主体のシステムでは、すべてのテンプレートでプレイできるようなシナリオは作れない。もしくは、作るのが極めて難しい。」

で、それでも自由度を高くしようとすると、未決定の部分を多くしてGMのハンドリングによってその誤差を吸収するということになると思いますが、これがなかなか難しい。
(うまくなれば、その駆け引き自体が面白くなると思いますけれども)

では。
2000年02月14日:17時01分51秒
[キャラクター・メイク時選択幅]Re:「Re:割り込み(笑)〜」のTipsについて / PALM-12
#タイトルが……ややこしいです(;^^)
 
●[キャラクター・メイク時選択幅]Re:「Re:割り込み(笑)〜」のTipsについて /鍼原神無さん
> で、ですね、いろいろなケース(プレイ環境・システム・マスタリングスタイル)などを任意にピックアップしていって、「(理論上)の選択幅」の相対的な度合いを検討してみる。とゆー手法はどうでしょうか?
 
 手法としては、面白いと思います。
 参加PL&GMの技量に合った「PCの選択幅」をプレイの指針とすることで、段階的なPL&GMのスキルアップを目指そうということですね。
 慣れないとプレイが難しいシステム(特に最近の和製TRPG)では有効そうですね。 少なくとも習熟度に合わせて「選択幅0」から「選択幅最大」へのステップアップして行くというのは、ほとんどのTRPGで有効だと思います。
#ただ、自分で使うシステムのシナリオの指針以上に分析する気になれないボリュームですが(笑)
 
>@PALM-12さんWrote
> >「候補テンプレートは、シナリオ作成時に選別しておくんです」
> >とした方が、Tipsとしては良いと思います。
> 
> とゆーのは、アタシも理論上はその通りと思います。
> けど、アレですねー。仮にこーすると、シナリオの出来・不出来と、GMさんのマスタリング・センス、テクニックが従来以上にシビアに評価されるようになるのは、必至ではある気がします。違うかな?
 
 というわけで、良いと思います。
 少なくとも「シビアに評価される」を「評価しやすくなる」と考えればですが。
 
 また、基本的にシナリオに書くことで、GMの検討事項が減ること、シナリオが読みやすくなること、という良い点があると思います。
 また、GMとシナリオ書きが同一人物でも、PALM-12のように何度も同じシナリオをマスタリングしたり、その間の時間が数ヶ月〜年単位で開いたりする場合には、思い出したり、作り直したりするだけで結構な手間がかかります。 その時間を減らすことが出来るので、面倒くさくても書いておいたほうがよいと思います。#こっちの方が重要です。
 その時々のアドリブでミスが発生することも減りますしね。
 
> 一方では、「TRPGシステムはルールに従って、キャラクター・メークをすれば、初期状態では、キャラの『性能』はイーブン・である・はず」って観念がやっぱりあるわけで。
>#もちろん、アタシは、「通例、1本のシナリオでは、システムに含まれる要素が充然に取り扱われることは無い・に等しい」って指摘をしているわけですが。
 
 ならば、当然、シナリオ毎にキャラメイクの方法を検討すべきなわけです。 例え、結果としてルール通りと言うことになるとしてもですが。
 
> 少なくとも、シナリオの傾向やマスタリング方針についての事前告知、コミュニケーションの重要度は増してくるのだと思います。
 
 事前告知に関しては、セッション運用上必須になってくるので、重要度は増しますが、基本的にGMと言えどシナリオの記述に従うだけですので、難しくはないと思います。
#やる事は増えますが、アドリブ要素は必要ないわけです。 練習も可能です。
 コミュニケーションに関しては、特に変化はないと思います。 むしろ、内容が決まっている分だけ簡単になるかもしれません。
 
 ではでは
2000年02月14日:15時13分43秒
Re^3:セッション前〜キャラ・メイク時の駆け引き、とか / PALM-12
#うにゃ、今一つしっくり来ないんで、少しだけ
 
●Re:Re:セッション前〜キャラ・メイク時の駆け引き、とか / 鍼原神無さん
> アタシ的には共通の基盤は、システムだと思うんです。
> もちろんアタシの場合は解釈の幅込みで、共通の基盤なんですけど。
 
 ただ、「通例、1本のシナリオでは、システムに含まれる要素が充然に取り扱われることは無い・に等しい」とすれば、これはシナリオ毎に別の共通の基盤が発生するはずです。
 
 例えば、プレロールドやテンプレート限定にしてみてもルール・ブックから読み取れるものではありません(まあ、「そういうシナリオもある」とくらい書いてあるかもしれませんが)。 シナリオ毎に設定されるべきものです。 これは、システムのものより限定された(はずの)共通の基盤をシナリオが持っていることに他ならないわけです。
 
 他にも、シナリオの方針(戦闘重視かどうかなど)やスタート時のPCの立場など様々な部分があると思います。 この辺は、Tipsにある通りだと思います。
 が、これはいずれも”駆け引き”ではなく、基本的にシナリオの共通の基盤を形成する為の前提条件として、GMがPLに伝えておかなくてはいけないセッション開始前の”連絡事項”であり、PLが了解すべきセッションへの参加条件ではないかと考えています。
 
#もちろん、その中でPLの目から見て、不当に思えるものもあると思います。 その場合の行動として、”抗議”や”駆け引き”は存在すると思いますが、それは、GMの準備不足やシナリオの不備(、時として、PLのわがまま)に原因があると思います。
#とは言いつつ、”駆け引き”を利用してPLさんとコミュニケーションを取ったりするマスタリング方法もあるので、ダメダメと一概には言い切れません。 同様に一見”駆け引き”があるように見せるやり方もありますしね。 ただ、この場合にも許容される選択幅がシナリオには記述されていた方が良いと思う事に変わりはありませんが。
#あと、この手の話は、準備時間の都合などで完全に実現することが不可能なのは、理解してます。 また、TRPGの性質上どうしてもGMのアドリブでのアレンジが必要な部分もあるとは思います。 が、シナリオの前提条件の記述自体は、検討には値すると思います。
 
 というわけで、もし良ければ、以上の立場から「セッション前〜キャラメイク時の情報公開」について書いていきたいと思います。
 
 ではでは
2000年02月12日:09時34分24秒
[キャラクター・メイク時選択幅]Re:「Re:割り込み(笑)〜」のTipsについて / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
@PALM-12さんWrote (「『Re:割り込み(笑)〜』のTipsについて,TRPG総合研究室 LOG 039,2000年02月10日:16時28分04秒)
>>もちろん候補テンプレートは、GMさんがシナリオ観て、選別しておくんです。 〔←カンナのコメントより〕
 >っていうか、本来、候補テンプレートはシナリオに書く時に決めておくべきことだと思うんですよ。
 >テンプレート制のシステムで提供されるテンプレートがすべてのシナリオで使用できないのは、当然だと思うんです。
 >鍼原さんも下記書込みの引用部分では、そう考えられているようですし。
 
 うん。アタシの立場からすれば、PALM-12さんの言われるような結論になりますよね。
 理論的に正し〜(笑)。
 
 えーっと。まず、念の為に書いときます。
 実際的には「深淵」の構造型シナリオのように、選択テンプレートが完全固定のものとか、GMさんのシナリオへの習熟度に応じて候補の枠を広げてゆくものとか、いろいろ考えられる、と。
 
 で、コレはアレですねー。
 プレイ環境、システム、GMさんの志向性・マスタリング・スタイル、などによって、あまりにいろんなケースがありすぎる、と。
 
 でも、「結局、ケース・バイ・ケースでいろいろだよねー」ってのを結論にするのでは、ツ・マ・ン・ナ・イ・ですよね☆
 
 考えました☆
 
 発想を変えましょう☆
 
 まず、「セッション開始前に、プレイヤーは予め用意された完成したキャラクターシートをGMに指定されて、一切選択の余地が無い方法」←コレを「(理論上の)選択幅0」と呼んでみましょう。
 
 それから、「キャラクター・メイクは、ルール・ブックのキャラクター・メイク・ルールに従ってさえいれば、プレイヤーはどんなキャラクターシートを選んでも構わない方法」←コレを「(理論上の)選択幅最大」と呼んでみることにしましょう。
 
 で、ですね、いろいろなケース(プレイ環境・システム・マスタリングスタイル)などを任意にピックアップしていって、「(理論上)の選択幅」の相対的な度合いを検討してみる。とゆー手法はどうでしょうか?
 
 これでも、曖昧ではありますし。結果として、何か新しい知見が出るか・出ないか、は、やってみなくてはわかりませんけれど。 それでも、「結局、ケース・バイ・ケースでいろいろだよねー」ってのを結論にするのよりはマシだと思います。
 
 例えば、こんな感じです。
 
◆事例
 システム:深淵
 プレイ環境:コンベションなど、一回限りのセッションを想定
 マスタリング・スタイル:いろいろ

 
A.「タイトな『構造型』」
 プレイヤーはGMが予め用意したキャラクター・シート(テンプレート)を指定されてプレイにかかる
 運命選択のルールも停止
 「(理論上の)選択幅」は0
 
A’.「タイトな『構造型』」
 プレイヤーはGMが予め用意したキャラクター・シート(テンプレート)を指定されてプレイにかかる
 運命選択のルールは使用
 「(理論上の)選択幅」は0’
 
B.「選択のある『構造型』」
 プレイヤーはGMが予め用意したキャラクター・シート(テンプレート)、プレイヤー人数分をプレイヤー間の合議で選択する
 運命選択のルールも停止
 「(理論上の)選択幅」は0+
 
C.「選択のある『構造型』」
 プレイヤーはGMが予め用意したキャラクター・シート(テンプレート)、プレイヤー人数分×Nをプレイヤー間の合議で選択する
 運命選択のルールは使用
 「(理論上の)選択幅」は0+×n
 
 こーゆー感じで、まずは、特定システムで使えるいろいろな方式を、「(理論上)の選択幅」の相互関係で相対的に位置づけしてったらどーでしょーか??
#出土土器の相対年代を検討する、みたいな感じですね(笑)。
#まー、目的としては、いろいろなやり方をまとめてみる、それから、仮定として、GMさん、プレイヤーsのシステム習熟度がませば、「(理論上の)選択幅」をあげてゆく、って感じで整理してける・といーかなー。ってとこです。
 
@PALM-12さんWrote
 >「候補テンプレートは、シナリオ作成時に選別しておくんです」
 >とした方が、Tipsとしては良いと思います。
 
 とゆーのは、アタシも理論上はその通りと思います。
 けど、アレですねー。仮にこーすると、シナリオの出来・不出来と、GMさんのマスタリング・センス、テクニックが従来以上にシビアに評価されるようになるのは、必至ではある気がします。違うかな?
 
 一方では、「TRPGシステムはルールに従って、キャラクター・メークをすれば、初期状態では、キャラの『性能』はイーブン・である・はず」って観念がやっぱりあるわけで。
#もちろん、アタシは、「通例、1本のシナリオでは、システムに含まれる要素が充然に取り扱われることは無い・に等しい」って指摘をしているわけですが。
 
 少なくとも、シナリオの傾向やマスタリング方針についての事前告知、コミュニケーションの重要度は増してくるのだと思います。
2000年02月12日:00時04分07秒
TRPG総合研究室 LOG 039 / sf

 TRPG総合研究室 LOG 039として1999年12月13日から2000年02月11日までのログを切り出しました。

 二月末まで、1999年に発行されたTRPG商品についての懸賞つき投票企画、かつ古今東西(未訳・未発売・絶版など不問)のTRPGのすべてのオールタイムベスト投票の予備投票として1999年製品TRPG.NET大賞を開催しております。ノミネートのためだけでも、ぜひ参加してみませんか?



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