TRPGのための社会科学設定の部屋 LOG 002

TRPGのための社会科学設定の部屋の2000年02月16日から2000年04月02日までのログです。


2000年04月02日:00時34分52秒
[出生数と寿命]Re:ルールブックにはどんな場合何が記述されると好ましいか? / SOW
 こんばんわ、SOWです。

>かんなさん
 そーですねぇ、自分は活劇調なら記述は不要だと思いますね。
 もちろん記述しない事で、ユーザー側の現実に則した常識の範囲で判断される事を期待して、ですが。
 リアル志向なら、記述は必須でしょう。
 例え、現実社会と同じ人口動態であっても、出生数と、平均余命、乳幼児死亡率などは概算的にでも例示すべきでしょう。
 例えば、非常に高度で安価な魔法技術があるファンタジー世界を仮定して、その社会の人口動態に関するデータや記述がない場合、ユーザーの既成概念から、「中世欧州と同程度」と誤認される可能性があるからです。
 安価で信用性の高い魔法技術があり、PCが頻繁にそういう技術で生命の安全を守っているなら世界の大多数の人々がその技術を使わない理由はありませんから、その世界の乳幼児死亡率は低下し、平均余命は十分に伸びる事が予想されます。
 「ファンタジーRPG」=「中世欧州風」の既成概念がある以上、リアル志向のシステムは世界設定時にこういった様々な社会的設定を充実すべきだと考えます。
 また、明らかに「中世欧州風」でない世界観を持つシステムであってもユーザー側の既成概念で世界観を偏って見られる可能性を考慮すると、社会的設定をそれなりの整合性を保てるようにしておくべきでしょう。
2000年03月28日:06時38分20秒
[出生数と寿命]ルールブックにはどんな場合何が記述されると好ましいか? / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
>神尾さんへ
 お忙しいところ、丁寧なレスありがとうございます。
#「[出生数と寿命]相関性など」 (当掲示板,2000年03月26日:12時36分06秒)
 
 新たな投稿の方も楽しみにお待ちしています。お時間ができましたらよろしくお願いします。
  えーっと、「現実社会(ヒトの社会←あたりまえか:笑)をどう観るか」のお話と、「TRPGの架空社会をどう観るか」のお話。アタシ的には、この二つのお話は、一応分けてお話したいなー、と思っています。
 
 TRPG的には、[出生数と寿命]、または人口動態のメカニズムについて、「ルールブックに何が記載されることが好ましいか?」ってあたり、みなさんのご意見お聞きしたいです。
 もちろん現実のお話とTRPGのお話が、並行して論じられることもあると思うのですけど。アタシ的には、できるだけ分けて考えたいなー、と希望します。
 
 こないだも書きましたけど、例えば、架空世界のヒトについて、、、
 「男女比は基本的に書く必要は無い」
 「男女比が書かれていなければ、ユーザーは通念で、現実社会と同程度(具体的な男女比の数値はこれは常識でもないでしょう)と判断して構わない」、
 「男女比が大きく偏っている架空社会があったなら、その理由付けはルールブックに記されるべき」、、、
 、、、と思うんです。
 
 えとえと、神尾さんは、「どちらかというといえない場合の方が特殊でそちらに妥当な理由付けがほしいなー、と思います」と書いてられます。
 
 これは神尾さんの立場だと、、、
 「寿命(平均寿命)が長くなれば、出生数が減るのが自然」(←ルールブックに記述不要)
 「ただし、そのメカニズムに社会・文化的事情が混入する場合はルールブックに記述が必要」
 、、、ってことかと思うんですけど。この理解でよろしいでしょうか?
 
 それから、「前近代的な世界設定なのに、平均寿命が長そうな場合。にも関わらず死生率や、幼児死亡率が低そうな場合」、これは、そのメカニズムの記述はルールブックに不要(なぜなら、それは遺伝形質的なメカニズムによる、と判断されるべきだから)、、、とゆーご意見なのですよね。
 
 アタシは、、、例えばライト・ファンタジーで、平穏無事な社会で、平均寿命も高そうだし、子供もあんまり死にそうにないのに、人口動態が「なぜか」安定してる場合、これは、「ワールドが『活劇調』に設定されてるんだ」、って判断を持つことがあります
 
 つまり、例えば、NHKの大河ドラマで、戦国時代以前のニホンを扱う場合、「幼児の突然死(病死)」とかが描写されても不自然感はないけど、逆に「水戸黄門」とかで、幼児の病死とかが描写されtら、特異な感じを受ける、とか、そーゆー感じです。
 例示はちょっとアバウトですけど(苦笑)。
 正確にゆうと、「幼児の病死」が、描かれた場合、周囲のにんげんの反応が、あたりまえの事(よくある事)/特異な不幸(あまりない事)、のどっちとして演出されるか、って話なんですけど。
 
 例えば、「ウォーハンマーFRPG」でしたら、幼児はボロボロ死んでく気がしてます。特に病死は、きっとマレではない気がします。
 「深淵」のにんげん社会も、幼児が病死しても、割とよくあることと思います。あの世界は、オーヴァー・テクノロジーが都市に偏ってますし。魔法行使はハイ・リスクですので、下々は土俗的信仰や民間療法くらいしか頼るものが無いように思います。
 
 現実のヒト社会の人口動態については、、、アタシは、もう少しいろいろな方のご意見もお聞きしたい気がします。神尾さんの新たなコメントもお待ちしたいです。
 ただ、混沌太郎さんが言われた、「本能→遺伝的形質」の限定は、アタシは賛成です。
#(訂正)「『本能』ではなく『形質』」 (当掲示板,2000年03月27日:21時23分34秒)
 
 例えば「母性本能」って概念は、ヒトに言われるとき、割とうさんくさい使われ方をする事が多いと思いますので。
2000年03月28日:01時46分07秒
間違いを訂正 / 神尾
 私の書き込みにいくつかコメントをいただきましたが相変わらず仕事がテンパっててちゃんとしたレスを返している暇がありません。
 近いうちにちゃんとしたレスをつけたいとは思います。

 とりあえず、間違いの訂正だけ。
> あと、余談ですが、ヒトに発情期が無い理由として神尾さんが挙げたうちの2番目の方は、発情期の話とは関係ないのでは?
> さもないと、ライオンに発情期があるのはおかしい、という話になってしまいます。

 おっしゃるとおり、発情期の話とは関係ありません。
 私が書いた
>  だとしたら発情期がない=いつでも交尾を受け入れられる方が子供を殺されることがないため自分にとって有利です。

 は間違いです。
 結局これはどういう話かというとヒトは明確な発情状態を持たないことがいつでも交尾を受け入れられることにつながる→子供がいる(というか排卵がないと)発情しないため自分の子孫を残したい雄によって子供を殺されることがないため雌にとって有利だ、という話です。


 ついでに今まで書いてなかったので何で私がこういう話を持ち出したのかを簡単に書いておきます。
 私は人口増加の抑制に対して文化的、社会的な影響があることは否定するつもりはありません。もちろんこれらの影響が大きいことは認めます。
 しかし、文化的、社会的な影響だけによって決定されるわけではなく生物学的な理由から抑制が働くことも考えられるし、文化的、社会的に個体数の抑制に向かうならばその背景には生物学的なバックグラウンドがあるのではないか、という意見を述べたかったということです。
2000年03月27日:21時23分34秒
(訂正)「本能」ではなく「形質」 / 混沌太郎
思わずつられて「本能」と書いてしまいましたが、良く考えてみると「遺伝的形質」と、特定しない形で書いたほうが良さそうですね。
例えば、種を保存する方向に機能する本能がどれほど働いても、一組の夫婦(無論人間の)が1000人の子供を産むことは不可能です。
バッタの卵の話とかも、(本能ではなく)ストレスか何かの作用であると書かれているのに、つい混同したまま話を進めてしまいました。
失礼しました。
2000年03月26日:22時45分03秒
[出生数と寿命]やはり社会科学的視点を抜きにしては・・・ / 混沌太郎
混沌太郎です。

さて、子供ばっかりでは生活が大変ですから、確かに乳幼児死亡率が低下すれば、避妊してみようか、という考えも出てくるでしょう。
ただ、それにも関わらず人口爆発している地域もあれば、人口が自然減を起こしている地域もあるわけで、しかも後者には先進工業国が多いという規則性もあります。
実際にどういうメカニズムで人口増加率が変化してくるのか、という点は、必ずしも明白ではありませんよね。

基本的に、人口に関して、種を保存しようとする本能の働きがプラスに、個体を守ろうとする本能(結局これも種を保存するために存在しているに過ぎないのですが)がマイナスに働く、というのは正しいと思いますが、それらの本能が、どういった働きを、どのような場面で、どのくらいの強さで働くのかは、考えるに値する複雑な問題ではないかと思います(つまり、実際に、何が、どうなってその人口になっているのか、という話です・・・ 妙に指示代名詞が多くて済みません(^_^;)。
そしてそれらの問題は、生物学的な側面よりも文化的な側面で見たほうがより詳細に議論できるような気がします。

私としては「週刊新潮だったか何か」のアフリカの話では、「もちろん、避妊に対する教育も行っているでしょうが」と書かれた、そちらの要素も同じくらい重要だと思います。
死亡率の低下は前提条件ですが、そちらにしか着目しないのは片手落ち、というものでは。

あと、余談ですが、ヒトに発情期が無い理由として神尾さんが挙げたうちの2番目の方は、発情期の話とは関係ないのでは?
さもないと、ライオンに発情期があるのはおかしい、という話になってしまいます。
2000年03月26日:22時06分09秒
チャチャですが・・・ / SOW
 SOWです。
 神尾さんのご意見にちょっと・・・
 乳幼児死亡率を下げたから必要以上に子供を産みたくなくなったのは事実だと思いますが、これは生理的調整ではなくて、乳幼児が死亡しなくなった為に当該女性の家庭のエンゲル係数が上昇した為、経済的な理由で避妊を希望した思うのですが、どうでしょう?
 経済状態が激変していないとの事なので、そう思うのですが?
 神尾さんのご意見は自分も支持するところですが、この例ではチト不適切ではないかと思いまして・・・
2000年03月26日:12時36分06秒
神尾 / [出生数と寿命]相関性など
 どうも返事が遅くなって申し訳ありません。
 なんか仕事の方がテンパってたもので。

>  お聞きしたのは、「どこまでが、生物種としての調整機能で、どこからが社会・文化的な調整機能であるか」
> を判断するようなデータの有無です。
>  何かこういう知見があるんだよ、みたいな事がありましたら、大まかにでも、お教えいただけるとありがたいです。

 私の話としては種間における・・・、と種内における・・・、で話を分けられると思うのでとりあえず話を分けて説明します。
 とはいえ、私がかつて専門だったのは分子生物学、細胞生物学なので形態学的なことに関しては教養課程レベルの知識しかありませんが。


 まず、種間で「出生数の多い個体ほど平均寿命が短く、出生数の少ない生物ほど平均寿命が長い」ということに関して簡単に説明します。

 最初に、上記の「出生数の多い個体・・・」は正確には正しくなくて正しくいうと「個体が若い時期での死亡率が高い生物種ほど出生数が多くなり、若い時期での死亡率が低い生物種ほど出生数が少ないという相関関係がみられる」というのが正しい表現になります。
 たとえば、哺乳動物綱の最下層の生物であるマウスなんかは一回の出生数が10前後で生涯には100以上を出産します。猫なんかだと一回の出生数が5〜10の間くらいで生涯には数十、人間だと一回の修正数は1、生涯でも10以下になります。

 これは哺乳動物だけではなくて幅広く適用できます。たとえば魚なんかだと一回に1000からの出生数があったりします。

 で、この話は高校の教科書なんかに載っていると思います。


 で、今度は種内の話になります。
 こちらにかんしてはあまりはっきりしたデータというか解説が載っているものを手元に持っていません。
 で、まぁ代わりの話などをいくつかしてみます。

 まず、生物種によってはその種の生存環境内の個体密度が一定以上上がるとストレスによって子供(卵)を生まなくなったりします。
 ちなみに種によっては違う動きをするものもあります。たとえばバッタだと個体密度が低いときに生まれた個体は大型化し、個体密度の高いときに生まれたものは小型化したりします。

 次に、これは社会の教科書に載っていたりする話ですが、一般的に先進国では0歳から老人までの人口比率があまり変わらないか20〜40歳代が多くなったような衰退型の分布を示すのに対し、発展途上国では若年層の方が多いピラミッド型の分布を示します。で、これは一般的に幼児期の死亡率と相関関係がみられます。
 もちろん、これが文化的な要素によるのか生物としての欲求によるのかという切り分けを明確にできるわけではありません。

 しかし、生物には種を保存しようとする(自分の遺伝子を残そうとする)本能と自分という個体を守ろうとする本能があります。
 そして、出生数はこの二つの本能のパワーバランスにあるといえます。
 なぜなら、出産、育児という行為ある程度自分という個体の生存に対してリスクを与えます。
 ならば、確実に自分の子孫を残せるならば子供の数は最小限に押さえた方が自分という個体の維持に有利です。

 もちろん、先進国などの余裕のある社会では社会的な風潮として子供をたくさん生むよりも生活に余裕をもったり自分の時間をもったりする方がよいという風潮があることも事実ですが、種の保存と個体の維持といった低レベルな(生物としての共通の)事柄に関してはその背景に上記のような本能的な欲求があると考えた方が自然です。

 最近、週間新潮だったかなにかでこれに関連のある話をみたのでちょっと紹介します。
 その話では、アフリカのどこかの地域では乳幼児死亡率が非常に高かった。逆に一人の母親が7〜8人といったような子供を産んでいた。
 その原因は水にあって飲料水にはできないような水を乳幼児にも与えていたためすぐに下痢などを起こし、そこにマラリアなどに感染するため死亡率が高いということだった。
 そこで、水を一回沸騰させてからその上澄みを使用するように指導したがその地域では燃料となる薪をとりにゆくのに四時間もかかるような場所であったためこの指導はうまくゆかなかった。
 その地域の炊事場での火の使い方をみてみるとただ燃やしているだけで効率が悪かったのでかまどを作ってみたら水をわかすだけの余裕ができ、乳幼児死亡率が激減した(文中では4年間で一人まで激減した)。
 そうしたら、この地域の女性はそれまで見向きもしなかった避妊をしたいと申し出るようになった。
 という話です。

 で、この話から次のことがいえます。
 元々は子供が死にやすいからたくさん生む。
 死ななくなったならば必要以上生まなくてよい。
 これが4年という非常に短い期間で起こっている。

 もちろん、避妊に対する教育も行っているでしょうが死亡率が高い段階では効果を現していません。逆に死亡率が低くなってからは効果を持っています。
 さらに、このような短い期間で経済状態が激変するなどということは起こっていません。
 つまり出生数を制限しようとした要素に対して重要な働きかけをしたのは乳幼児死亡率だと考えられます。


 と、ここまでが一応説明です。



>  アタシの方の立場ですと、ヒトは生物種としての肉体的適応能力は低い、
> 同時に、文化・技術的に環境を操作して、適応してゆく能力が高い、そう
> ゆう種なんだ、と思います。
>  この二つの間の因果関係を論じることは、ほとんどナンセンスである気
> がします(私見)。いわゆる「鶏と卵」にしかならないと思いますので。

 えっと、私としてはナンセンスであるとは思いません。
 特に個体の維持、種の維持、といったような低レベルな、言い換えれば生物として共通の事柄に関してはたとえ人間であってもほかの種と同様の理由付けを行えると思います。
 ただし、その目的に至るまでの手段は別です。
 ある種ではストレスに応じた個体内でのホルモンなどの作用であるかもしれません。
 別の種では個体間でフェロモンなどによる調整かもしれません。
 それがヒトでは避妊という薬品や道具を使った手段であるにすぎないのだと思います。


>  予測としては、言える場合と、言えない場合とがあるのではないかなー、
> とゆう気がしてます。
> 
>  ほら、ヒトって大多数の生物種と違って、年中発情状態(苦笑)、って
> ゆうか、発情期ってメカニズムを持たない種ではないですか。

 私も、いえる場合といえない場合があってもよいとおもいます。
 ただし、どちらかというといえない場合の方が特殊でそちらに妥当な理由付けがほしいなー、と思います。

 ちなみに、ヒトが年中発情している(これは正しくなくて「定まった発情期を持たない」)のには生物としての調節機構が壊れているのではなく別の理由付けができます。
 まず、人間は自分の周囲の生存環境を大幅に調節することができます。
 そのため、ほかの種のように生存に適した季節に子供を産む必要がありません。
 だとしたら、いつでも妊娠して子供を産める方が種の維持に有利です。

 もう一つ。
 ある種の動物(確かライオンなんかだったと思います)では雌は子供を育てている間は発情しません。逆に子供がいなくなると発情します。そのため、子供の父親となる雄がいなった子連れの雌を発見した雄が子連れの雌を見つけると子供を殺して雌を発情させ交尾を行います。
 で、一般的に発情と排卵は一致します。
 人間も母親が授乳している間は排卵がありません(完全にではありませんが)。
 もし、これが発情と一致していたら雄が子供を殺して雌を奪うという現象が多発する可能性が考えられます。
 しかし、これは雌からみると妊娠して子供を産むというリスク&自分の遺伝子を残せる可能性を減らすというデメリットしかありません。
 だとしたら発情期がない=いつでも交尾を受け入れられる方が子供を殺されることがないため自分にとって有利です。

 と、こんな説明もできます。


 では。
2000年03月22日:09時10分01秒
Re:出生数と寿命 / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
Re:出生数と寿命 / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
>神尾さん
 こんにちは☆
 お久しぶりです。
 「The Lunatic」掲示板でのご活躍は拝見してます。
 アタシは……「The Lunatic」は、まだそんなに詳しく理解してないので、あちらでのお話は、ただただ読ませていただくだけなのですが(汗)。
 
 さて、「出生数と寿命」のお話について、よければ、少し質問をさせていただきたいと思います。
 
 >人間の場合は避妊を行うとかいろいろな要因がありますがそういう方向に進もうとはするわけです。
 
 お聞きしたのは、「どこまでが、生物種としての調整機能で、どこからが社会・文化的な調整機能であるか」を判断するようなデータの有無です。
 何かこういう知見があるんだよ、みたいな事がありましたら、大まかにでも、お教えいただけるとありがたいです。
 
 その種の知見が、一般にTRPGユーザーに期待してよい通念のレベルにあるかどうか、これは常にもんだいになる事柄と思いますが。アタシ的には今はその件はとりあえず保留にして(とゆうか次のステップに考えることととして)お教えいただければ、と思います。
 
 質問の意図について説明しようと思うのですが、少し迂遠になります。
 
 一般にTRPGルールの記述では、プレイヤーが通念(常識)として既に持っていることは書かない、って事は妥当だと思われます。
 例えば、架空世界内のにんげんの男女比、これは普通ルールブックには書かれない。
 もし、書かれるとしたら、それは現実世界と違う比率の偏差が架空世界に設定されている場合だと思います。
 
 ところで、ある種の生物には、環境に対する適正数より過剰個体数へのベクトルが生じた場合、種の調節機構としか思えないなんらかのメカニズムで、雄雌比が変動する事例がある、と聞いた記憶があります。
 
 アタシは自然科学系は疎いので、少し記憶もあやふやなのですが。確か何かの海鳥の事例を海外TV局作成のドキュメンタリー番組で観た記憶があります。
 
 ヒトとゆう種は、こうした、生物種としての調整機構がカナリ喪われている、とゆう見解は、ある程度の支持者がある見解のように思えます。
 アタシの質問はこの立場からのものです。
 もちろん、神尾さんは別の立場におられる・かもしれない。
 そうしたケースも考慮しての質問なのですが。
 
 アタシの方の立場ですと、ヒトは生物種としての肉体的適応能力は低い、同時に、文化・技術的に環境を操作して、適応してゆく能力が高い、そうゆう種なんだ、と思います。
 この二つの間の因果関係を論じることは、ほとんどナンセンスである気がします(私見)。いわゆる「鶏と卵」にしかならないと思いますので。
 ただ並行関係としては誰にでも確認できる事項であると思っています。「常識」に入れてもよい・かもしれない気がします。
 
 とゆーよーな前提での、質問になのでした。
 
 >非常に長い寿命を持つエルフがほとんど子供を作らないというのはかなり妥当だ、とか思います。
 
 これはアタシも賛成です。エルフは架空種ですので、その設定として説得力があると思います。
 
 架空世界の内のヒトの設定としてですね、生物種としての要因から、「死亡率が高いほど子供を産む数が多く、逆に死亡率が低くなるほど産まれる子供の数が下が」る、と(ルール記述が無い場合)常に判断できるかどうか? その辺のご意見をお願いしたく思います。
 
 アタシは、まだ曖昧にしか考えられてないのですが。
 予測としては、言える場合と、言えない場合とがあるのではないかなー、とゆう気がしてます。
 
 ほら、ヒトって大多数の生物種と違って、年中発情状態(苦笑)、ってゆうか、発情期ってメカニズムを持たない種ではないですか。
 その辺の関連とかもですね、どうなのかなー? とか思ってまして。神尾さんのお考えをお聞きできると嬉しく思います。
 
 かしこ
2000年03月15日:23時04分48秒
出生数と寿命 / 神尾
 「The Lunatic」以外の掲示板に書き込むのは本当に久しぶりです。
 神尾ともうします。
 よろしくお願いします。
#鍼原さん、どうもお久しぶりです。

 ファンタジー世界なんかで死亡率が低いにも関わらず人口の増加率が低いことについてちょっとだけ。

 一般的に、生物は死亡率が高いほど子供を産む数が多く、逆に死亡率が低くなるほど産まれる子供の数が下がります。
 これは、生物の種の違いに依存した話に限りません。
 同じ種でも、死亡率が高いほど子供を生む数が増え、死亡率が低くなるほど子供を生む数が少なくなります。
 一番わかりやすい例としては人間があると思います。たとえば日本では数十年前から寿命は延びていますが出生数は下がっています。もちろん、人間の場合は避妊を行うとかいろいろな要因がありますがそういう方向に進もうとはするわけです。
 なんでそういうことになるのかということを簡単にいうならば子供を産む(哺乳綱の動物であれば妊娠する、も含む)リスクと種の維持(というか自分の遺伝子を保存すること)のトレードオフの関係になるのだと思いますが。つまり、自分の遺伝子を残せる確率が高くなるならば自分という個体が死亡する可能性を高める出産(妊娠)というリスクをさけようとするということです。
 ファンタジー世界では現代のように効率的に避妊するということはできないでしょうがある程度はそういう方向に進むでしょう。

 そう考えると非常に長い寿命を持つエルフがほとんど子供を作らないというのはかなり妥当だ、とか思います。
 逆に、無限の寿命を持つとなるとなんか進化の袋小路に入ってるんじゃないか、とも思いますが・・・。

 社会学の話ではないので本当は「科学設定の部屋」に書くべきことだとは思いますが、ちょっとだけなのでここに書きました。
2000年03月15日:19時46分32秒
架空社会の安定性(停滞性)と社会の生態的領域 / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
>To ALL
#ちょっと唐突ですが、[異種族混在【ファンタジー】]の事を考えていて、副次的に思いついたことがあるので、投稿します。
#まだ、きちんと[異種族混在]の話題に関連付けれるほどにはなっていないでの、とりあえず[識別子]はつけません。
#今のところ、話題の流れからは離れた投稿とみていただいた方がよいと思います。
 
 前近代社会をモデルにする場合、社会規模の安定性(または停滞性)は、「人口増加率」と「(広義の)技術力」の関連で左右されます。
 「人口増加率」は、次のような要素の関連です。
 人口増加率:出生率(死生率)・年齢別の人口比率・年齢毎の死亡率・平均寿命
 
 「(広義の)技術力」の内、社会規模の安定性に影響が大きいのは次のような分野です。
 (広義の)技術力:一次生産の技術力・医療技術、他
 
 社会規模・構成の安定性、つまり人口と性別の比率、それと人口内の年齢別比率、は社会構成や社会機構の安定性を根本で支えます。

 もちろん、ファンタジーもののTRPGであっても、つねにある架空社会が安定(または停滞)状態にあるとは限らないのですが。
 しかし、安定(停滞)の状態にある社会は比較的にモデルを考え易いです。
 まず安定(停滞)の状態にある社会モデルを考え、その均衡が崩れたものとして、発展のベクトル、または衰退のベクトルにある社会を考えてゆくとよいでしょう。
 
 前近代の社会では、特に人口増加を左右するのは、新生児の死生率(死産の率)と乳幼児の死亡率です。これに成人前の児童の死亡率が、人口増加を抑制するメカニズムの基本を為すと観てよいでしょう。
 それから産褥で死亡する妊婦の割合を加えればさらに完璧といえるでしょう。
 これらの数値は、医療技術の技術力と、供給される食糧の栄養事情によって左右されます。
 
 また食料事情(栄養事情)は社会の平均寿命も左右します。
 あたりまえですが、人口増加率が低い前近代タイプ社会では、老人の人口比率は低いです。
 また、子供はたくさん生まれて何割かが死ぬような社会でしょう。
 
 ファンタジーものの架空世界の場合、多くの場合「技術力」には、魔法技術も含まれます。治療系の魔法能力者が広く知られている社会、及び、食料生産の効率を上げる魔法技術が広く知られている社会(補足的に、食良品の保存期間を伸ばす魔法も加えてよいでしょう)、の人口がなんの理由も無く増えないとしたら、それは不自然でしょう。

 出産時の死亡率や乳幼児の死亡率が低ければ、人口の増加率は増すからです。
 1次産業の生産性が高い、とか、魔法技術を含めた食料生産・保存技術が高くなければ、食量供給は不充分になるはずです。そして栄養事情があまりによければ、出産時の死亡率や乳幼児の死亡率は減り、人口増加への圧力は増すはずです。
 
 たんじゅんに言って、死産や、乳幼児死亡が例外的な出来事である社会の人口が増加しないとしたら、例えば、「なんらかの意図的または文化的なバース・コントロールが為されてる」、とか、「なんらかの事情(戦争とか宗教儀礼とか)で、婚姻前の人間が大量に死ぬ蓋然性が高い」、といった事情があるはずです。 または「環境との闘争が苛酷で平均寿命が低い」と言った事情でも構わないのです。
 TRPGの架空世界・社会でしたら、もっと突飛な理由付けが考案されても構わないはずです。
 
 このような人口増加率のメカニズムと、広義の技術力とが関わりあったもんだい領域を、仮に「社会の生態的領域」と呼んでみるとよいと思います。TRPGの架空社会のもっともらしさをチェックするひとつのポイントと思われます。
2000年02月27日:00時04分35秒
お詫び・予告取り消し / SOW
 こんばんわ、SOWです。
 前回の書き込みでエラソーに予告なんか打ちましたが
 取り消させてください。スイマセン。

 え〜、HTTに関して、自分ごときがツマラナイ拙論をひらくより、直接デザインしたトコロに聞いた方が良かろうと判断致しました。
 とりあえず、「[異種族混在【ファンタジー】]ハイパーT&Tにおけるドラゴン大陸の社会(当掲示板:2000年02月20日:00時34分30秒)」で感じた疑問点をメール致しました。
 デザイナーサイドの反応はおそらく、再来月以降になると思われます。
 あと、予告した内容は
HTTにおけるエルフ集団の生活地域の違いによる社会の相違
にする予定でしたが、これもデザイナーサイドに確認を取ってみる事にします。
 いやあ、これらの設定を類推するには情報が決定的に不足してました。ここ数日読み返して、やはり、推論の蓋然性が低い事が気にかかりまして、結局、些事投げちゃった形です。本当にすいません。
2000年02月26日:01時28分29秒
re:参考図書:北米ネイティブの部族連携 / 灰色熊
(いわおさんへ)
早速の文献のご紹介、ありがとうございます。合衆国憲法にまで影響があるとは驚きました。
2000年02月22日:21時19分44秒
[異種族混在【宇宙SF】]「マスター・トレーダー」など企業・経済態(長いです) / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
 ちょっと趣を代えて、SF方面の話題にしてみます。
 「【宇宙SF】ってなんだよ?」って突っ込みたいひともいるかもしれませんけど。とりあえずはアバウトに(笑)。
 
 宇宙空間で、広汎な領域を扱うSFだと、異種族混在の組織・機構がよく登場します。
 ポイントのひとつは、基本的交通手段の効率です。
 
 アタシ的にはアメリカ人が好きな宇宙連盟みたいなものは(異種族混在するならば)、実はあまりリアリティがないような気がしています。
 断言してはいけませんけど。
 特にスタートレックの宇宙連邦みたいな感じは、アタシ的にはウソ臭いなー、と思います。
 
 こー、身体感覚からして違う知的種族が共同の組織を維持・運営してくとしたら、いまのアタシたちには考えつかないような世界観や、コミュニーケーション原理、組織原理が必要であるような気がします。
 
 で 、こーゆー、世界観や原理は、アタシたちの想像を超えるのでよくわかりません(笑)。その辺が「ウソ臭さ」の原因になるでしょう。
#「スタートレック」の世界は、体内組織からして違う異星の種族でも混血が可能、とゆう驚異の世界(笑)になってます。だから、身体感覚は少なくとも主要種族間ではそーも違わないのだと思われますけど。
#ご丁寧なことに、「スタトレ」第二シリーズ“Next Generation”では、超古代の先行文明の知的種族が、銀河系宇宙の各地に意図的・計画的に自分達の遺伝子を散布した、って“驚くべき秘密”(苦笑)もあかされています。だから、銀河の主要種族は混血も可能なんだ、って言いたいらしー。立派と言えば立派です。
 
 では、宇宙SFで異種族混在の組織・機構が不可能なのか?とゆーと、もちろんそんなことはありません。
 ひとつには、技術力に物凄く格差がある種族が、上から管理・指導するような形で、地球人類や同程度の知的種族に組織を維持させるタイプがあります。
 
 SF小説、『地球幼年期の終わり』(クラーク)のオーヴァー・マインドや、「レンズマン」シリーズ(スミス)のアリシア人とかを含めてもよいと思います。
 
◆企業態タイプの異種族混交組織
 連邦とかと別の手として、今アタシたちが知っている国家形態や国家連合の機構ではなくって、経済企業態のような機構を設定する方法があります。
 
 例えば、モザイック・ノヴェル「ワイルド・カード」シリーズに登場する、マスター・トレーダーがそうです。
 日本語版で語られている記述に従うと、これは中核的な種族、マスター・トレーダーを中心にした、異種族混合組織のようです。
 組織原理は、「徒弟制」(笑)。
 
 マスター・トレーダーに関わる知的種族は、それぞれに専門技能を活かす形で、奉仕し代償を得る、と、そーゆーシステムであるそうです。小説にそーゆー「徒弟制だ」って書いてあるので、細かいことは突っ込まないよーに(苦笑)。
 実は日本語版が出てるとこまででは、あまり細かい設定までは説明も描写もされてません。
 
 このタイプの異種族混交組織のポイントは、とりあえず3つ指摘できると思います。
1.集団の外部に対する恣意的専横がなぜ歯止めされているのか、の設定
 対抗勢力があるのか。それとも単に、集団指導部の良心によるのか。それとも、自分達の維持反映には、恣意的専横は非効率との思想を持っているのか
 
2.イノベーションのもんだい
 経済態、と言っても、そこでは、経済価値はどのように創出されるのか。
 特にイノベーションは安定した経済価値産出を大きく混乱させます。
 でも宇宙SFだとイノベーションの加速度は、今のアタシたちが知ってるようなものではない方が、リアルではないでしょうか。
 
3.集団内部の秩序維持のもんだい
 現実の企業態は、概ね、外部に社会や国家があることで集団内部の秩序も維持しています。
 法律や習俗、道徳などは、外部と共有されたものに依存しているわけですね。
 20世紀末からボーダーレスな多国籍企業の企業活動の在り方にもんだいも指摘されていますけれど。それに類した事柄が極端に拡大されたようなもんだいですね。
 
 日本語版の「ワイルド・カード」シリーズでマスター・トレーダーをみてみます。
 1.については、タキス人とゆう貴族政体の星間種族や、「群れ」と呼ばれる宇宙怪獣(笑)が、マスター・トレーダーの対抗勢力になっています。
 ちょっと設定としては弱い気もしますが、日本語版から読む限り、彼らに商取引を重視する思想は読みとれます。
 通常、陰謀ははたらいても、専横、強圧は避けるようです(笑)。
 
 2.については、「技術開発」と「新技術の守秘・占有」に高い重要度・優先度を与えられています。
 
 3.については、あまり明瞭に書かれていません。
 
 マスター・トレーダーのような商業組織に類したものは、「デューン」シリーズ(F。ハーバード)に登場する、恒星間飛行を独占する、ギルド組織がありますよね。「デューン」のギルドは事実上の独立勢力と思われます。
 
 超能力を使った恒星間飛行の独占はうまい設定と思います。
 他勢力も恒星間交流を望む限り、徹底的な敵対は避けると思いますし。
 同時に、「デューン」の場合、老化の特効薬メランジの設定もうまいです。
 確かに「老化の特効薬」の人造合成が不可能ならば、イノベーションと離れたところでも、経済価値を創出しそうな気はします。
 
 TRPGでも、「パラダイス・フリート」にしきがみ・おえど、って企業態が設定されていますよね。
 「パラフリ」はギャグSFのTRPGって事で、いろいろなリアリティのもんだいを回避してると思います。もちろん別に悪いことではなりません。
 
 ギャグである、にも・かかわらず・「パラフリ」のしきがみおえど、3.「集団内部の秩序維持のもんだい」についてはかなり、ブラックな組織であることを示唆する設定が散見されます。
 それから、「パラフリ」全体でも、2.「イノベーションのもんだい」は、超古代技術をレアなものとして設定することで、うまくヘッジをかけていると思います。
 
◆とりあえずのまとめ
 もし、広汎な領域にわたる「宇宙SF」で、異種族混交の組織を経済態タイプで構想するなら、やっぱり、先に挙げた3点のもんだいが、リアリティを大きく左右するのではないか、と思われます。
 それと基本としては、移動手段の効率の設定が基本もんだいになります。もちろん、諸社会・集団の在り方に及ぼす影響がポイントなわけです。
 ほかにも、ポイントはあるでしょうけど。とりあえず、この辺ではないでしょうか。
#後、別に「宇宙SF」にあり得る異種族混交社会が、経済態タイプでなくてはいけない、ってゆーわけでもありません。
#帝国タイプ、とゆーのはありですよね。ほかにも、もっとちゃんと、まとまりのない連邦(笑)、もありでしょう。
#いろいろ考えられると思います。
 
◆つけたし
 この投稿で言及した、「ワイルド・カード」シリーズについてはご存知の方も多いでしょう。
 アメリカの作家達が“GURPS”を使って創った物語世界を、シャーアード・ワールド・ノヴェルの形式で発表しているシリーズです。
 「宇宙SF」ではなくって、「活劇ヒーローもの」ですけど。
 
 東京創元社から出ている日本語版の小説、「ワイルド・カード」については、アタシが書いたレヴューをOmniStoryってサイトに投稿しています。
 興味がある方はお読みください。
 
 まず、「OminiStoryのTopPage」→「総合案内所」→「BBS」→「総合掲示板」と進んでください。
 「総合掲示板」の、「掲示板の選択」で、「SF・空想科学」を選んで、[見る]のボタンをおしてください。「SF・空想科学 掲示板」に進みます。
 「SF・空想科学 掲示板」の内に「ワイルド・カード」シリーズについてのレヴューを投稿してあります。
#ただ、マスター・トレーダーの事についてはレヴューではあまり触れていませんけど。
2000年02月21日:13時31分10秒
[異種族混在【調整】]Re:「ヒト」と「人間」 / SOW
 あらら、寝てる間にガシガシ書き込まれている(^^;

>混沌太郎さん、かんなさん
 うう、異化が効果を生んでませんでしたね。自分が「人」を「ヒト」と表記したのはかんなさんと同じ理由での異化効果を狙ったものでしたが、はずしてしまいました。分かり辛かった方々、すいません。

 で、かんなさんの提案を受けて、用語の使い方について考えました。
 最初、混沌太郎さんの提示された「知的種族」については、「カタい」かなと思い、同時に先にかんなさんが書き込まれた「種族」と「変異集団」の定義にかかわるかなと感じて、ちょっと躊躇しました。
 しかし、かんなさんの定義が人間とそれを含めた亜人類を指しているのはこれまでの論議の中での前提である事と、既存のファンタジー、SFを問わず、TRPGの世界観に存在する他の生物、無生物をも指す統合した単語を新たに規定しなければならないという事を考え合わせて、必ずしも「種族」を人間とそれを含めた亜人類に限定せずにおけば、「知的種族」という用語の使用はコンセンサスが取り易いかなと思い直しました。

 そこで、「知的種族」の使用を混沌太郎さんの案で使用するにあたって、ちょっと細かい定義をつけようと思います。
 まず「種族」に関してはかんなさんの「種族」という定義はよく要約されていて分かりやすいと思われます。が、かんなさん御自身、[異種族混在【SF】]カテゴリでの使用に違和感を持たれているようなので、次のように修正して使いましょう。
 「種族」とは個体の機能・構造が均質な性能・形式を持つ集団とする。
 この時の「個体の機能・構造」は生理学的、工学的、社会学的な意味で用いられる事を前提とする。

 如何でしょうか? これなら、珪素系生物だろうが、人格覚醒電子頭脳だろうが、ある程度、統一的に使用に耐えると思います。
 次に「知的」という語の定義を以下のようにしたいと思います。
 「知的」とは自我を持ち、彼我の判別が可能で、時間の観念を理解した思考が可能である事とする。
 ここでいう、「時間の観念」とは過去・現在・未来を認識するのみならず、過去の程度、未来の程度を認識し、時間と空間の相関を認識している事を指すとする。

 この定義は形質人類学における「類人猿研究」の過程で、人間が認知していて、他の生物が、おそらく、認知できていないと思われる項目が彼我の判別と時間の観念の理解であろう、と推察される事から相互の言語理解が可能である最低条件として良いだろうと思えるからです。込み入った説明になるので、「へぇ、そうなんだ」くらいに思ってください。

 さて、ここまで長々と細かい事を書いてしまいましたが、さらに細かく「ツッコミ」たい方もいらっしゃるかと思います。その場合は、かんなさんが提案されましたように、題名に[異種族混在【調整】]とお書き添え下さい。諸々の論議を進める上で有効であり、自分の定義より適当であると思われる場合は、定義の訂正、或いは撤回も行いますので、どうぞ、ご遠慮なく、御投稿下さい。

 最後に、前回の投稿当掲示板:2000年02月20日:00時34分30秒で少し触れましたが、「ソードワールドRPG」での世界設定の解釈を待っています。或いは「フォーセリア雑談所」で過去に同様の論議がなされていましたら、お知らせ下さい。こちらでの比較検討において「SW」を除いたのでは、話が偏るかなぁと危惧しているからです。「SW」プレイヤー、GMはどうぞよろしくご検討下さい。
 もちろん、他のTRPG、小説、映画、マンガ、アニメ(ファンタジー、SFの別無く)も同様にお待ちしております。

 次回予定
 ハイパーT&Tにおけるエルフ
 次回予告なんかして大丈夫か?(^^;
2000年02月21日:00時50分08秒
参考図書:北米ネイティブの部族連携 / いわお
 > 鍼原神無さん、灰色熊さん
 北米東部に住んでいた、イロコイ五部族のことだろうと思って、書きます。
 自分が読んだ中で下のふたつが、わりあい詳しかったです。すでに読まれているかもしれませんが。
○アメリカ先住民の貢献  ISBN:4938165198
ジャック・マッキ−バ−・ウエザ−フォ−ド;小池佑二 、パピルス

○北米インディアン生活誌 / C・ハミルトン編 ; 和巻耿介訳. -- (BN10108428)
東京 : 社会評論社, 1993.11
 あと、未読なんですが、
○インディアンと合衆国憲法 / 上田伝明著. -- (BN00446093)
京都 : 法律文化社,
 
 という本もあります。ワシントンが、合衆国制度を制定するにあたって、イロコイ語族 の社会制度を参考にしたという説がありますので、参考になるようなことが書かれてい るかもしれません。 
 それと、映画ですが、「壊れた鎖(原題:Broken Chain)」という、イロコイ連合の崩壊を描い た作品もあるそうです。こっちも参考までにあげておきます。
 ビデオは出ているそうなんですが、自分の住んでいるところのレンタルビデオ店では見たこと がないです(^^;;
 
2000年02月20日:22時28分15秒
投稿のご案内:諸人類学的設定の部屋への投稿 / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
 [異種族混在]の話題も、いよいよ盛り上がってきそうですね☆
 ですので、当掲示板で出た話題から、人類学的な話題をちょっとわけまして、「TRPGのための諸人類学的設定の部屋」の方に投稿することにしました。
 興味のある方にはお読みいただけると嬉しく思います。

 
 とりあえず、以下の二つを投稿しました。
 
「人類学的「文化」の概念」
 TRPGのための諸人類学的設定の部屋,カンナ記,2000年02月20日:21時29分31秒
 
 「[性に関するタブー]近親相姦タブー」(長文)TRPGのための社会科学設定の部屋 LOG 001,カンナ記,2000年02月16日:10時26分03秒)、でアタシは「平時時の禁忌と、それを侵犯する際の儀礼のシステムが、文化」と書いてます。
 
 これは、プリミティヴ社会で近親相姦タブーなどの三大タブーを中核にして文化システムをみた場合の説明なのです。焦点を別の部分にあわせると、また違った説明方法が必要になってくると思われます。
 とゆーことで、人類学的な「文化」の概念について、ちょっとまとめてみました。

 
「[性に関するタブー]プリミティヴ社会での同性愛行為」(長文)
 TRPGのための諸人類学的設定の部屋,カンナ記,2000年02月20日:22時10分05秒
 
 プリミティヴ社会での同性愛行為を事例にして、「リーメン理論(敷居の理論)」をご紹介してみます。
 「リーメン理論(敷居の理論)」はオリジナルなワールド設定を創る際に、かなり役に立つ理論である気がします。

>灰色熊さんへ
 こんにちは。追記のような形で失礼します。
>北米ネイティブの部族連携というものを調べてみようかな。
 アタシもずっと、よいニホン語の本を探しているんです。(アメリカ語の本まで読む余裕は、今のところちょっとないです)
 なかなかよい本を見つけられなくて、いろいろな本に断片的に書かれたことをつきあわせながら読んで、あれこれ考えているような状態です。
 何かよい本を見つけられたらば、ゼヒ、教えていただけますと、助かりますです☆
2000年02月20日:20時41分30秒
[異種族混在【調整】]Re:「ヒト」と「人間」 / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
>混沌太郎さん
 こんにちは。
 ご指摘の「ヒト」と「人間」について、アタシの考えを申し述べます。
 
提案1 まず、アタシ的には、考えを申し述べるだけで、この件は、[異種族混在]の話題を盛り上げてこられた、SOWさんに決めていただけたら嬉しく思います。
#この件は、混沌太郎さんにも賛成していただけるのではないかな、って期待しておりますです。
 
提案2 それと、用語の使い方とかを決めてから、議論にかかる、みたいな段取りですと、せっかくの話題の勢いがそがれないかと心配されます。
 ですので、今回のような話題は、[異種族混在【調整】]の[識別子]をたてて、[異種族混在]本来のやりとりとは分けて、並行して話し合っていけたらよいように思います。
 いかがでしょうか。
 
 で、「ヒト」と「人間」ですね。
 以下がアタシの考えになります。
 
 まず、「知的種族」ですけれど、アタシも考えたのですが。
 これは、[異種族混在【SF】]の方の話題では必要と思います。
 けれど、[異種族混在【ファンタジー】]では、ちょっとイメージが広すぎる気がしました。
 
 TRPGのための社会科学設定の部屋 LOG 001の方で出た、生殖形態の話題などをみてそのように感じました。
 
 次に「ヒト」についてですが。
 これはとりあえず、「人間」とゆう言葉が日常的に持つ強いイメージをズラす(異化する)効果があれば、それでよいのではないかなー、と思います。
 
 アタシ的には、人類学的に、「サルの文化」と「ヒトの文化」みたいな使い方があるので、提案した、ってゆう面もあるのですけど。
 それよりも、とりあえずは、「人間」って日常語とは違うイメージなんだよ、ってニュアンスが伝わればよいように思うんです。
 
 「『亜人類』と言うと、やはり二足歩行で、とか余計なイメージがついてくる気がします」と言われるのは、その通りなのですが。
 もともと、Thalionさんのご意見「『異種族』を限定しないと話しにくいかな」 (当掲示板,2000年02月18日:18時04分58秒) 、を受けて提案したものでもあるので、“ある程度の”イメージ限定は、意図的なものでもあります。
 
 で、イメージの限定の程度が、緩すぎるか、きつすぎるか、って事だと思うんですけど。
 とりあえず、【ファンタジー】の話題については、この辺からはじめてもよいのではないかなーって感じでした。
 
 アタシの考えは現時点では以上ですけど。最初に提案しましたように、SOWさんにお任せしたいように思います。
2000年02月20日:18時22分02秒
「ヒト」と「人間」 / 混沌太郎
今まで書き込みはしませんでしたが、楽しく読ませて頂いてます。

さて、どうも用語の混乱があるような気がするのですが、

「人間」と「ヒト」の用語の使い分けはどうしたら良いと思いますか?
生物学の作法に従えば、「ヒト」という表記は、ズバリ我々ホモ・サピエンスのことを指します。
一方、「人間」という語は、曖昧な気がします。
「統一された社会」に含まれる種族の全体を意味する、という定義も可能ですが、
「ヒト」のことを意味するとみなす風潮が非常に強く、混乱の元となるので、
むしろ用語としては使用を避けた方が良いかもしれません。
それで、
「ヒト」と、ここで話題になるような異種族を含めた名称としては、 単純に「知的種族」と呼べば良いのではないかと思います(芸がないですけど)。
(あえて「社会的」は除きました)
「亜人類」と言うと、やはり二足歩行で、とか余計なイメージがついてくる気がしますので。


2000年02月20日:00時34分30秒
[異種族混在【ファンタジー】]ハイパーT&Tにおけるドラゴン大陸の社会 / SOW
 いよいよ、個別の世界観に言及したいと思います。
 ちなみにここで「ハイパーT&T」なのは自分がもっとも理解が深いと思われる世界観なのでできるだけ誤った情報を提供しないようにと、選択しました。本来なら国産システムシェア最大(おそらく)の「ソードワールド」が初手としては適切かもしれませんが、詳しくないんで・・・、すいません。

 ハイパーT&Tの公式な世界観である「ドラゴン大陸」は大陸の形状がドラゴンの形に酷似している所から名付けられたと考えられます。
 この世界は人間と複数の亜人類が混在しています。この混在の類型は大陸の各地方において様々な類型を持ちますが、全体としては

 ・ヒトと亜人類の一部が同等の権利を持つ統一社会の外縁に、他の亜人類集団が自律している
当掲示板:2000年02月18日:22時40分57秒参照

 と考えて良いでしょう。

 各地方における類型は次の通りです。
竜の首
 類型:・ヒトとあらゆる亜人類が同等の権利を持つ統一された社会
 概要:
 "死の女神"レロトラーの治めるカザン帝国のある地方です。ハイパーT&Tの公式ルールではサポートしていません。本来はT&Tの背景世界であったようです。超強力な魔力を持つレロトラーによる専制国家です。首都内でさえ略奪・暴行が横行し、ほぼいかなる行為も許容されています。無法地帯ですが、いかなる亜人類にも平等に無法です(笑)。
 同じ都市の中に人間、エルフ、ドワーフ、ホビット、レプラコーン、フェアリー、オーク、ゴブリン、岩悪魔(!)などが混在しています。制度的差別はまったくありません。完全実力主義で、弱肉強食と言う言葉が本当に実行されているところです。

竜の腕
 類型:・ヒトと亜人類がそれぞれに自律した集団を独立して維持している
 概要:
 スクイラ首長国連邦と称され、人間・亜人類の種族・氏族連合国家の形態をもっていると考えられます。
 このため各種族間の対立のみならず、氏族間でも対立が起きていると考えられます。
 国家として対外的にまとまっているのは現在の代表者が非常に強力なカリスマを持っているためです。
 この地方にも制度的差別はありません。ただ、オーク、ゴブリン、魔術師に関しては歴史的経緯から憎しみを持っていると言えます。このため、個人のレベルではあからさまな差別的対応が行われているでしょう。

竜の翼
 類型:・ヒトとあらゆる亜人類が同等の権利を持つ統一された社会
 概要:
 ポストラキューム神聖王国によってほぼ完全な統治が行われているようです。詳細な政治形態は分かりませんが、中央集権国家であり、王政国家でありながら、王権の継承は特殊で、王権の継承者は巨人族で出生率の低い「上位種」であり、王としての様々な能力を持っていると認められる者という規定があるようです。
 現実の世界ではチベットの「活仏」の選出方法が最も近いように思います。
 この地方において差別は公式にはないことになっています。ただ、これがデザイナーの意図がオークやゴブリン、ダークエルフといった、一般に「悪者」とされている亜人類にも及んでいるかは判然としません。仮にここでは好意的に捉え、及んでいるものとしましょう。

竜の腹
 類型:・ヒトとあらゆる亜人類が同等の権利を持つ統一された社会
 概要:
 5つの大都市による都市国家連合体です。盟主としてタルカス市が対外的代表権を持っているようです。このため、タルカスと称される事が多いようです。政治形態の詳細はTRPGのための社会科学設定の部屋 LOG 001の99年07月16日:23時15分23秒(wrote by SOW)の投稿にもあるのでご覧ください。
 歴史的経緯から、ほぼ全ての亜人類にヒトと同様の権利が与えられています。ダークエルフやオーク、ゴブリンはおろか、生理的構造さえ違うと思われる「岩男」、「生きている像」の類、また、かんなさんが[異種族混在【ファンタジー】]ヒト(人間)と亜人類の差違と類型(当掲示板・2000年02月19日:11時28分11秒)で挙げられた「変異集団」と考えられる「ワー・クリーチャー」も同等の権利を持つようです。

竜の脚
 類型:・ヒトと亜人類の一部が同等の権利を持つ統一社会で、他の亜人類が抑圧されている
 概要:
 一部地域を除いて全土をローンカイラス帝国が治める専制君主制中央集権国家です。ただ国内には有力な貴族勢力があり、宮廷を舞台とした政争が絶えず行われているようです。
 この国には制度的奴隷制があります。明文化され、完全な社会システムとして機能しています。人間、エルフが権利を持ち、ドワーフは労働奴隷として、フェアリーは愛玩動物として認識されています。もちろん、人間の奴隷も居ますが、別種の人間という風に考えられているようです。
 エルフが貴族として支配層にある事から敵対しているダークエルフは迫害対象であろうと推察されます。
 当然、オーク、ゴブリンなどは危険な魔物として認識されているのでしょう。

竜の尾
 類型:・ヒトとあらゆる亜人類が同等の権利を持つ統一された社会、あるいは・ヒトと亜人類がそれぞれに自律した集団を独立して維持している
 概要:
 公式設定でほぼ何も語られなかったといえる地方で、とりあえずティプトラ王国という王政国家であるらしいです。国内の情勢のほとんど全てが公式に発表されていません。このため、社会学的考察も当然行えないのでこの地方は今回無視しようと思います。
 類型を二つ挙げた理由は、外部からの観察として人間から魔族に至るほとんどあらゆるモンスターが混在しているようです。これ以上の情報が無い為の処置です。ご了解ください。


 と、大まかに言ってこのような感じだと思います。
 記述された内容で疑問点があれば掲示板に書きこまれてください。答えられる範囲で答えます。答えられない部分はSNEに問い合わせるしかないです(笑)。
 記述に誤りがあれば当掲示板に書きこまれてください。確認の上、訂正を掲示板に書かせていただきます。
 他の世界観との対比やさらに各地方を個別に深く論議する場合の踏み台になれば幸いに思います。

 参考書籍:ハイパーT&Tワールドガイド ドラゴン大陸(角川書店刊 安田均・北沢慶とグループSNE共著)
2000年02月19日:11時28分11秒
[異種族混在【ファンタジー】]ヒト(人間)と亜人類の差違と類型 / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
#早速(笑)。
 ファンタジーTRPGに登場する亜人類には次のような類型がある。
 
 生物学的に均質な形質を共有する「種族」と、形質が異質なものが集団を組む「変異集団」
 「変異集団」には「ウォーハンマーファンタジーRPG」のミュータントなどがある。
 「変異集団」は、「種族」の個体が変異する設定が多い。
 中には、特定形質に「変異」をした集団が、あらたに「変異種族」を形成するような設定もある

◆生殖形態による類型
 亜人類の「種族」には、その生態から次の様な類型がみられる。
 基本的には雌雄二対の生殖様態が多い
 ヒト(人間)と同じ胎生
 ヒトと異なる卵生
 その他いろいろ
 ※「変異集団」は、「種族」の個体が変異する設定が多い。
 ※「変異種族」は特定の生殖様態を共有する。
 いわゆるアンデッドが、変異種族である設定もあり得る。
 特にヴァンパイアは生物学的な生殖をせず、寄生的に種族数を維持する、疑似生殖様態の変異種族とみるとよいだろう。
 
◆生活領域(テリトリー)による類型
 ヒト(人間)は一般に適応力に優れ、陸上であればかなりの環境・地勢に文化的・技術的に適応してゆく。
 ただし、ファンタジーTRPGでは、それぞれの歴史背景の設定によって、特定タイプのテリトリーが亜人類に占有、または優先占拠されていることもめずらしくない。
 例えば、「“森の”エルフ族」、「“洞窟の”ドワーフ族」
 
 ヒト(人間)と違い、水棲の亜人類もあり得る。
 またヒトには定住・占有困難な高山地帯、寒冷地帯にのみ、適応した生態の亜人類などもあり得る。
 ※「変異集団」は、ヒトや主要亜人類が占有するテリトリーの辺境部をテリトリーにする設定が多い。
 
◆基本的生業形態による類型
 ヒトとあらゆる亜人類種族、変異集団の生活形態には、「定住」と「遊動」がある。
 「定住」には、組織農耕、牧畜、漁労のいずれかが必要
 「遊動」の基本生業には、狩猟、採取、漁労がある
 「定住」と「遊動」の中間形態として、遊牧、粗放農業(焼畑)などがある
 ※生業には、基本的生業の他に、鉱業、鉱業、etcがあるが、基本的生業を有さない種族設定はファンタジーでは、極・マレだろう。
 
◆その他
 その他ヒト(人間)と亜人類との基本的差違としては、寿命・出産率・男女比などがある。
 上記の他にも、種族的生活傾向、主要生業なども設定されている。
 
 また、ある種族が都市生活を営んでいるか、否かは社会関係の在り方を大きく左右する。
 都市生活を営む社会は、なんらかの形で国家機構も有している設定が多い。
 
◆社会関係の基本構成
 ヒトと亜人類の社会関係を設定面で考えるには、「寿命・出生率・男女比・生殖様態」が基本(深層)のもんだいになり、表層では「棲息テリトリー、生業形態、技術力、人口、人口密度、都市と国家機構の有無」、などの在り方がもんだいになる。
 
 うえの、「深層のもんだい」と「表層のもんだい」が、種族・集団間でどのように関わり・兼ね合い・緊張関係・対立関係を持つか、が、社会組織・機構、文化システム、それと歴史背景などの設定に関連してゆく。
2000年02月19日:01時37分42秒
[異Re:種族混在【ファンタジー】]世界の中の種族の設定 / SOW
>かんなさんへ
 早速ありがとうございます。
 自分もこのような捉え方でイイと思います。
 かんなさんには今更ですが、この掲示板見てる人の中にはあるいは意識されてない方も居るかもしれないので、言い添えておきます。
 かんなさんの前提には人間がマジョリティ(多数派)であり、亜人類がマイノリティ(少数派)であるというのがあると思います。
 ファンタジー世界であっても必ずしもそうではありません。
 と言って、かんなさんの挙げられた類型は「人間」と「亜人類」のところを置換すればほぼ全てに適応可能なので、類型はこのまま理解されてください。
 あ、いま思ったけど、ほとんどのファンタジー系ゲームでは「人間」がマジョリティだから、一々断らなくても良かったかな?
 ちなみに自分が先のカキコ当掲示板2000年02月18日:22時12分03秒で「ヒト」としているのは「人間」を意味するのではなく、自我を持ち、彼我の認知と時間の認知が行え、言語によるコミュニケーションが可能な知的生物を指していました。すいません、この事こそ断りを入れておくべきでした。
2000年02月18日:22時40分57秒
[異種族混在【ファンタジー】]世界の中の種族の設定 / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
>SOWさんへ
 うーんと、アタシ的には、、、
 「互いに会話可能である知的種族を『ヒト(人間)と亜人類』とする」にしたらどーかなと思うのですが。
 その方がいろんなケースを整理・比較しながら検討できる気がするんです。
 
 例えば、、、
・ヒトとあらゆる亜人類が同等の権利を持つ統一された社会
・ヒトと亜人類の一部が同等の権利を持つ統一社会化で、他の亜人類が抑圧されている
・ヒトと亜人部が同等の権利を持つ統一社会の外縁に、他の亜人類集団が自律している
・ヒトと亜人類がそれぞれに自律した集団を独立して維持している
 、、、などなどです。
 
 細かいことに拘ってる、かに思われる方もおられるやもしれませんけれど。
 
 えーっと、「ヒトの範囲・認知」について、人それぞれにいろいろな見解があるのはわかるんです。
 その辺は、このボードは別に社会学学会ではないので、突っ込んだ議論も必要に応じてでよいですよね。
 
 ただ、TRPGのワールドについて、考えると、、、
 例えば「公式にヒトと亜人類の差別が制度化されている社会」では、プレイヤーがPCに「亜人類に対して人道主義的・平等主義的言動」をとらせる場合には、なにかの抵抗が周囲からあるはず、と当のプレイヤー自身が考えるべきだと思うんです。
 原則として、プレイヤーは担当PCの言動が及ぼすリスク/リターンを設定に即して考えるべきですよね。
 
 そうしたリスク/リターンの予測・推定が、「社会的・文化的スタンダード」と、「スタンダードに対するキャラクター個々のポリシーがどれくらいの幅で社会に容認されるか」って設定によって違ってくると思うんです。
 
 わかり易く極論を言えば、理想的な平等主義が設定された世界だと、PCの人種差別的な言動は非難される、とか。
 逆に、きっちりした差別制度が公認された世界設定だと、PCの人道主義的な言動は逸脱者とみなされる、場合によっては、反逆者ともみなされる、とか。
 そーゆーことではないかと思うんです。
 
 んで、その辺整理してくなら、一応、ヒト(人類)を亜人類はわけた方が混乱すくないのではないかな、って思うわけです(私見)。
#いかがでしょーか。
2000年02月18日:22時12分03秒
異種族混在【ファンタジー】社会における「ヒト」の範囲 / SOW
 かんなさん、Thalionさんのご意見は的を得た指摘ですね。
 確かにこのままじゃ一般化は無理だ。さっそく、話を進めましょう。

 これはLog1の最後の書き込みでも書きましたが

互いに会話可能である知的種族は「ヒト」と考える

 と言うのはチト乱暴でしょうか?
 イイ線いってると思うケド・・・
2000年02月18日:18時37分47秒
Re:「異種族」を限定しないと話しにくいかな / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
 うーんと、「特定のRPGとかの種族構成を例に取」るのもよいと思います。
 でもでも、そのルール知らない人だとはいりづらい気もしますので。
 
 とりあえず、例えば、、、
[異種族混在【ファンタジー】]、と、
[異種族混在【SF】]とか、

  、、、に話題を分けるあたりからやる、ってのはどーでしょーか?
 
 んで、このシステムだとこんな例があって、ここがよいけど、ここが惜しいから、もっとこーしたら、とか。
 小説だと、映画だと、とかもやってくの。
 どーでしょー?
2000年02月18日:18時04分58秒
「異種族」を限定しないと話しにくいかな / Thalion
やっぱ「異種族」ってのをあるていど限定してしまわないと、最初の意味で言う「異種族の混在する社会」ってものを記述しにくいですね。イマジネーション発散状態ですし(笑)。私もそういうブレインストーミングって好きなんですけど、もちょっとRPG設定方面への具体的な着地点を考えてみたいな、とか思います。

そこで、特定のRPGとかの種族構成を例に取って、「オフィシャルではこうだが、この組合わせならこういう可能性もあったのではないか?」みたいな議論の方が、個人的にはやり易いかな、と思います...より「TRPGのための」って感じで(^^)。

どですか?>各位


2000年02月18日:13時19分23秒
Re:[性に関するタブー]近親相姦タブー(長文) / 灰色熊
(鍼原さんへ)
詳細にわたる情報、ありがとうございました。「平時時の禁忌と、それを侵犯する際の儀礼のシステムが、文化」「近親相姦タブーの理由は、当事者達はみんなもっと別の理解をしてて、神話とかで説明する」などという点が、私には非常に興味深いです。とても勉強になります。

それから、昔の人が「ヒト」をどう見ていたかということですが、日本人も初めて西洋人を見たときは何か妖怪のよに思っていたようですね。ただそうした誤解は、互いに十分な接触があれば、あまり長続きしない気がします。
あるものがヒトであると同時に口を利く道具である。
あるものがヒトであると同時に神である。
あるものがヒトであると同時に獣である。
という現代人にとっての矛盾を、矛盾と感じない意識の状態があったのではないでしょうか。生物学的に同じヒトという認識があっても、社会的な規定とは矛盾しないというか…。
しかし、例えばトランス状態のシャーマンをまわりの人が精霊として扱っている場合など、「本当はヒトなのだ」という認識があるのかないのか、確かめようがないかもしれませんね。(私の言っていることは時代も地域もバラバラでお話にならないなあ。すみません)

いずれにしろ、生物としての違いより社会的な規定の方が重要なら、異種族混在の社会といっても、我々の歴史・社会を参考にして理解できる、ということになるのでしょうか。北米ネイティブの部族連携というものを調べてみようかな。
2000年02月16日:19時51分51秒
TRPGのための社会科学設定の部屋 LOG 001 / sf

 TRPGのための社会科学設定の部屋 LOG 001として1996年11月16日から2000年02月16日までのログを切り出しました。



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