TRPGのための社会科学設定の部屋 LOG 001

TRPGのための社会科学設定の部屋の1996年11月16日から2000年02月16日までのログです。


2000年02月16日:17時44分04秒
「ヒト」の範囲に関連して奴隷に対する認識 / SOW
 あら、かんなさんからレス来ちゃった。
 勤め休みだから一日寝てようかと思ってたのに(笑←じゃ、なんで掲示板見てんだ?)

 古代・中世の人々の奴隷に対する認識について、

公式には「ヒト」ではなく「モノ」だが、実際的には「ヒト」として見ているのではないか

と思ってます。(古代・中世の人に聞き取り調査するわけにゃいかんので断言できないけど)
 会話可能な知的存在で自分達とまったく同じ生理構造を持った生物を他種の生物と認識し続ける事が可能とは思えない、という私見によるものですが。
 食人禁忌とも関連した話ですが、他の家畜に対して人間はさほど抵抗を感じずに捕食対象に出来ますよね。奴隷を捕食対象と見ることが出来そうなのは中国人くらいしか思いつきません。(←差別してるわけじゃ、決して無いです。ただ、中国の民話や風説には祭礼を意識されてるとは思えない食人譚が多いもんで)
 食人禁忌については、かんなさんが書かれた通り(当掲示板2000年02月16日:10時26分03秒)、通文化的に見られ(中国文化にさえちゃんと禁忌としてある!)、特殊な事態においてのみ侵犯される禁忌です。奴隷に対してもこれが適応されていたなら、やはり、なんのかんの言って当時の人達も奴隷を「ヒト」と認識していたんじゃないか、と考えるわけです。
 これ、ずいぶんと私見が入ってるんであんまり力説できないですがね。灰色熊さんのご意見も大きく首肯するところです。
 「ヒト」の範囲を現在一般的なファンタジーの世界で取り扱うと、双方における言語理解と交渉の成立余地が基準になりそうだという見通しを持っています。

>一般的なシステムでは、制度化された奴隷制とかを取り扱うのは、実はとても危険な気がするし、困難な気がします、って意見です。
>えーっと、アタシの好みにすぎないかもしれませんけど、活劇風に毒を薄めた奴隷制をネタに扱うくらいなら、まったくそんなものがない社会を構想した方が遊び易いのではないかな、って気がします。

 これは大賛成ですね。実際、「HTT」のシナリオでこれやると、GMの自分は天下の大悪人になってしまいました。もっと毒抜いておくんだった。(泣

>後、極・特殊なシステムってゆーのは、アタシは好きなんで。例えば、PCは全員奴隷(笑)。
>奴隷剣闘士に、奴隷学者(家庭教師)に、女奴隷に、奴隷の踊り子、に貴族の密偵に使われてる奴隷。
>で、奴隷制でなりたってる古代風の帝国にレジスタンスするの。
>ファンタジー世界で、シリアスに「パラノイア」やるってゆーか。

 ・・・それは・・・やりたい! ぜひ!
 ローンカイラス帝国でやっちゃおうかな(懲りてませんね、ハイ)
2000年02月16日:14時22分56秒
Re:「ひと」の基準について・補足 / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
#あー、ほんとに連続投稿すみません。
#ただ、話題が分散するのもアレかなーと思って。
 
@SOWさんWrote (当掲示板,2000年02月15日:22時45分36秒)
>当時の人もサルを飼おうとは思っても「有色人種」を飼おうとは思わなかったでしょう。稀にそうゆう嗜虐趣味の危ないのが居たとしてもそいつはきっとサルは飼わない。わざわざ、「有色人種」を飼うんじゃないかな。つまり、単に差別を肯定するための方便のようなもので、実際的には相手を「ヒト」と認識していたと思いますよ。
 
 えーと、確か弓削達さんが書いた古代ローマ史の本の中で読んだと記憶してるんですけど。(どの本だか埋もれちゃってて:汗)
 古代ローマ帝国時代の農場経営の技術書からの引用だと思ったんですけどね、概要次のような内容だったと思います。
 
(記憶による再構成)≫
 奴隷は、言葉を解する便利な道具だし希少なので大事に使わなくてはいけない。
 甘やかすと仕事をしなくなるが、大事に使わないとやはり仕事にならなくなるのが、奴隷とゆう道具を扱う上でむずかしいところだ。
 奴隷には家族を持たせてやるとよい。そうすれば、新しい道具が産れるので、わざわざ稀少で高価な奴隷を購入しなくて済む。
 
 えーっと、現実の社会で奴隷制度があった場合、奴隷への迫害が過酷になるのって、労働力の供給に余剰がある場合だと思われます。
 だから、機械力が安価になってる時代には、奴隷への扱いは過酷になる、ってブラックな状況があるわけで。
 
 アタシがこんな事を書いた意図は主に二つあるんです。
 まず、TRPGに関係ないところで、にんげん集団にはそーした事が可能なので、人権って発想・思想はダイジだとアタシは思う、って主張の意味です。
 
 次にTRPGに関してなんですけど。
 一般的なシステムでは、制度化された奴隷制とかを取り扱うのは、実はとても危険な気がするし、困難な気がします、って意見です。
 えーっと、アタシの好みにすぎないかもしれませんけど、活劇風に毒を薄めた奴隷制をネタに扱うくらいなら、まったくそんなものがない社会を構想した方が遊び易いのではないかな、って気がします。
 
 ただ、ここで言ってるのは、ある社会で全般的に奴隷使用が公認されてる状態の事です(制度化ってゆーのはそーゆー含みです)。
 例えば、山賊が人をさらって、ドレイ労働させてる、とかそーゆーのは別に構わないのではないかなー?。
 
 後、極・特殊なシステムってゆーのは、アタシは好きなんで。例えば、PCは全員奴隷(笑)。
 奴隷剣闘士に、奴隷学者(家庭教師)に、女奴隷に、奴隷の踊り子、に貴族の密偵に使われてる奴隷。
 で、奴隷制でなりたってる古代風の帝国にレジスタンスするの。
 ファンタジー世界で、シリアスに「パラノイア」やるってゆーか。
 
 え? 嫌ですか。アタシは、、、システムのできによってはやってもいーなー(苦笑)。
#全然異種族混在の話ではなかったですね。ごめんなさい。
2000年02月16日:11時17分53秒
Re:「ひと」の基準について / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
#連続投稿で失礼します
@灰色熊さんWrote (「『ひと』の基準について」,当掲示板,2000年02月16日:03時01分37秒)
 >いくら昔の人間とて、有色人種や女性をヒト(ホモ・サピエンス)でないとは考えなかったと私も思っています。
 
 これはどうでしょうか。むづかしい話題と思います。
 長文投稿をした直後ですので、簡単に私見・異論の提示に留めさせていただきます。
 
 前近代、といっても、古代・中世では、にんげん集団の技術力は微弱で、野生(←コントロールできない自然)に対する畏れは、現代のアタシたちの想像を絶するものがあったと思われます。
 
 「ある種の動物を殺すことは『殺人』と同一視される」事例は、トーテム信仰のような発想を背景にうかがうこともできます。
 トーテム信仰にあるのは、ヒトと野生の連続ではなく、恐ろしい野生からの守護を特定トーテムに求めようとする志向性と思います。
 
 「人を殺した動物を裁判で裁く」方も、なんとか野生をコントロールしようとする思考の現われとも考えられます。
 
 逆に、古代ゲルマンの部族法では、同族集団を追放された人物は森に放逐され、「人狼」として扱われたと言います。
 また、古代ギリシアの神話に登場する獣人は異種族に対する民族的偏見を、イメージ上で表現したのだ、って唱える説もあります。
 今伝わってる神話の内にも、そうした発想の痕跡はみてとれますよね。自分達は、神々に作られた人間の子孫で、特に王族は、神々との混血だけど、異郷にすむ異邦人は、先祖がドラゴンだったりする、とか、そーゆーところです。
 
 古代でも、帝国段階になると、そーゆー偏見をなんとかしないとやってけないはず、と思いますけれど。
 
 類型化した、バンド集団〜部族集団〜王国段階のあたりまでは、自分達と異なるヒトは、まず、人間で無いのではないか、と疑ってみたのではないか。アタシ的にはそんな気がします。
 多分、今のアタシたちが持ってるような、ホモ・サピエンス、とか人間、みたいな観念、イメージは古代・中世の社会では共有されてなかった気がします。
#だからこそ、「ヒトとは何か」みたいな直接は何の実利にも役立たない(苦笑)ようなことを一所懸命考えた古代ギリシアの哲学者は偉い、って話が出て来るんだと思いますが(私見)。
 
 例外は、先進の帝国とかが先行していて、後から来たよりプリミティヴな文化集団がその周辺にいた場合ですね。
 悔しいけど(笑)、帝国の連中のことをヒトでない、とは考えづらい。だってうまくあいつらと交易とかの関係保っていきたいんだもん。とかなんとか、そんな感じでしょうか?(笑)
 
 こーして考えると、北米先住民の部族連携(連合ではなかった)のシステムって、すごく洗練されてた気がしてきます。
 プリミティブな段階での洗練ですね。
 彼ら、異族に対して偏見を押さえて交流しようとする事ができたんですよね。
 初期に来た白人が、相対的にうーんと少数だった、って事情もあるとは思うんですけど。
 
 で、これをTRPGにどう活かすかってゆうと、うーん(苦笑)。
 システム次第ですけど。
 例えば「ウォー・ハンマー」なんかだと、混沌って共通の敵がいるから異種族同士がうまく連携できてるのではないか、とかアタシの観点からはそのように思えます。
 混沌いなかったら、エルフとドワーフはすぐ戦争はじめて、人間はその間で漁夫の利を狙って(笑)、ってゆーのが「ウォー・ハンマー」の世界であるような気がします(超私見:笑)。
 
 戦闘ヘタクソなアタシにもかかわらず、「ウォー・ハンマー」大好きな理由ってその辺なんですよね☆
2000年02月16日:10時26分03秒
[性に関するタブー]近親相姦タブー(長文) / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
 話が膨らんじゃいましたね。(ま・いっかー:笑)
 確かに、SFでなくともファンタジーものTRPGに登場するリザード・マンなんかも卵生だったりしますよね。
 ルナル・サーガのリザードマンなんか、母系とゆーか、女性と男性で知能指数まで違うって生態ではなかったっけな? 確か。ウロ覚えですけど。
 
>灰色熊さんへ
 こんにちは、はじめまして。
 「性に関するタブーの由来」ですね。
 とりあえず、現実のヒト集団について考えてみます(あたりまえか:笑)。
 
■タブーについて
 まず人類学の方で「タブー」ってゆうと、「食人のタブー」、「殺人のタブー」、「近親相姦のタブー」が三大タブーとして挙げられます。
 なんで、この三つが三大タブーかってゆうと。例えば、食に関するタブーは文化ごとに千差万別なんです。事例が集まれば集まるほど、わけわからん(笑)感じがします。
 ただ、「食人のタブー」だけはどの文化にも共通してみられる。「殺人のタブー」も、「近親相姦のタブー」も通文化的(あらゆる文化に共通)に観られるタブーなので三大タブーとされます。
 
 はい、食人をする種族や、近親相姦を実施する文化(古代エジプトの聖婚など)はありますし、殺人は多くの社会でありふれた出来事ではありますね。ご説明します。
 
 まず、注意していただきたいポイントは、タブーを含んだ文化システムの在り方が明瞭に観察されのは、やっぱりプリミティヴな集団が、比較的孤立して存在している場合、である事です。
 国家態勢が確立するような高度な集団(←人類学的には充分高度なんです:笑)には、いろいろな要素が加わりすぎて、文化システムはタイヘンわかりづらくなっています。
 多くの場合、本来の在り方が変形されていますし。
 高度化した社会の文化システムについては、プリミティヴな集団の分析を適用して、タブーが変異した痕跡を推定したりしますけれど。やはり分析の明瞭さは損なわれてゆきます。
 
 次に注意していただきたいポイントは、「タブー」は普通「禁忌」と訳されますけど。これは本来、祭礼などによって侵犯されることがあります。
 で、タブーが、いつ・いかなる時に・どのような手順で侵犯されるか、その段取り自体が文化ごとに固有な在り方で、システム化されてるわけです。
 
 総じて、文化システムってゆうのは、断片の寄せ集めではなくって、ある、関連を持ったシステムになってる
 その辺がTRPGのワールド設定とかに活かされるとよいなー、とか個人的には思っています。
 
 決してプリミティヴな集団ではありませんが、マヤ、アステカでの人身供物祭儀は有名です。殺人のタブーが祭儀的に侵されるわけです。
 多くのプリミティヴ集団では、多部族との戦闘にかかる前に儀礼がおこなわれます。
 戦って殺した、他部族の戦士を食人する文化でも儀礼をおこなわねば食人はされない、といわれます。
 
 つまり、タブーが侵犯されるときには、一定の護るべき作法があるわけで、それが儀礼なわけです。
 食人種と呼ばれる部族も、決して平常時にのべつまくない人肉を主食にしているわけではない(笑)。
 ただ単に、他部族だから食べてもよい、とゆーわけではないのが「文化」なわけです。
 
 つまり、平時時の禁忌と、それを侵犯する際の儀礼のシステムが、文化なんだ、と、タブーの関連ではそのように理解されとよいかと思います。
#繰り返しますが、集団が高度化するに従って、こうした文化の明瞭性は隠されて痕跡だけが遺ると言われます。
#例えば、閲兵式なんてのは、出陣儀礼の痕跡、とみなされるわけです。
 
■性に関するタブー
 で、性的タブーの話題ですね。
 
 近親相姦タブーに比べると、同性愛行為はありふれた行為で、それを忌避しない文化の方が多いようです。
 ただ、西欧文化って勢力優勢な文化が同性愛に限らず、性行為全般を罪悪視するような特殊な傾向を持って自己形成してきた歴史過程があります。それで、今現在、同性愛の忌避は割とグローバルであるかのように思われてる面があります。
#キリスト教の母胎になったユダヤ教は、同性愛、自慰行為、肛門性行、異性装、獣姦行為、などへの、罪悪視はありましたけど。異性間の性行為が罪悪視されることはなかったそうです。
#ヨーロッパのもう一方の背景、古代ローマでは、同性愛スタンダードにはあまり歓迎されてなかったようで「ギリシア人の趣味」と言われてたそうですけど(笑)。別に忌避はされませんでした。
 
 ですので、「性的タブーの由来」を考えるには、「近親相姦タブーの由来」を中心に据えて文化システムの在り方を考える事がポイントになります。
 
 さすがに、中核的なタブーであるだけに、近親相姦タブーについては、割とキッチリした合意がなりたってます、主に二つの意見が併存している程度でしょうか(笑)。
 二つの意見って言っても必ずしも、排他的に対立しているわけではありませんので。「近親相姦タブー」については、比較的見解のまとまりがよい部分と思います。
 
1.自然人類学的な意見
 近親相姦タブーは、人類集団が、その生物的な適応力を補強するために選択された。
 
 えーっと、「近親相姦を重ねると、劣勢の子孫ができるので避ける説」ってゆうのが今でも言われると思いますけど。さすがにこれは俗説として否定されています。
 劣勢遺伝子も含めて、複数系統の遺伝子を持った個体の方が、免疫的な適応力が強いので、近親相姦を避けるのだ、と考えられてます。
 
 例えば、鎌型赤血球しか持っていない個体は、幼い内に死んでしまうそうですが、鎌型と通常のドーナッツ型を持っている個体は、通常型しか持っていない個体よりもマラリアなどに強いそうです。
 このように、異なる遺伝子を配合することによって、適応力が増すのが近親相姦禁止の理由である、とゆう観方です。
 
2.文化人類学的な意見
 近親相姦タブーはにんげん集団が、その親族組織を維持するために編み出された。
 たんじゅんに言って、親族の内の女性を他の親族と交換することで親族組織はなりたつ。だから、女性を同族内で“消費”しないように、近親相姦タブーが編み出された。
 この説はうえのたんじゅん化した説明では、納得されない方もいると思われますが、実は20世紀人類学の最大の達成のひとつで、とても厳密な観察・分析に基づいた意見です。
 
 トートロジーではないか、と思われるかもしれませんけれど。
 今のところ、現生人類はおそらくその起源では(起源でも)バンド集団(十人弱から数十人程度の群団)を組んで、狩猟・採取の放浪生活を営んでいた、と思われます。
 
 群性のサルのライフ・スタイルがモデルになります。
 こうしたサルの場合、群れの中である程度成長した個体は、「離れサル」になります。別の群れに受け入れられるまで放浪するわけです。
 例えばニホン・サルの場合、離れサルになるのは普通オスサルなんです。だから、ニホンサルでは群れの間で、オスが交換される文化を持っている、と言えます。
 
 なんでヒトでは女性が交換されるかとゆうと、これは多分、共同作業で狩猟をおこなうのがバンドの男性だったからではないか、と推測されています。
 採取の方は男女共におこなったと思われますが。採取行動は、狩猟や農耕に比べると集団作業である性質は希薄です。
 そうした関係でヒトの集団では女性が交換されるようになったのだ、と考えられています。
 
■TRPGへの応用
 えーっと、この投稿に書いたあたりの事は、TRPGのマスタリングやプレイにの、直接参考にはあまりならないのではないでしょうか。
 近親相姦タブーの理由は、当事者達はみんなもっと別の理解をしてて、神話とかで説明するんですよね。
 
 ただ、オリジナル・ワールドを創ったりするときには、ふまえられると、実在感〔アクチュアリティ〕のある設定ができると思います。
 後、シナリオネタとしても、近親相姦以外のタブーの背景にここで紹介したような文化システムを構想すると、いろいろ説得力のあるイベント・リンクとかも考案できるのではないかと思います(私見)。
2000年02月16日:03時01分37秒
「ひと」の基準について / 灰色熊
異種族をどこまで「ひと」と認識するか、云々と書き込みましたが、補足します。

いくら昔の人間とて、有色人種や女性をヒト(ホモ・サピエンス)でないとは考えなかったと私も思っています。しかし法律的人格を認めない(権利を制限する)ケースはありました。そういう意味で完全に人間ではなかったわけです。

物や自然を人間的存在として扱うこともありました。ある種の動物を殺すことは「殺人」と同一視されるとか、人を殺した動物を裁判で裁くとか。(ヨーロッパでは害虫を教会が破門したこともあるそうな。)また前近代においては、動物や自然を擬人化して人格を認めるということが、一般的に見られました。物や動植物にも人間のような意識があると信じていたわけです。

ところが現代、動植物に人格があると信じている人はほとんどいません。法律的に権利を認められる動物はヒトだけです。逆にいえば、同じヒトであるのに人種や性別を理由に法的に差別することは許されません。つまり生物学的な基準のほかに「ひと」の基準を作ってはいけないのが現代なのです。

ですが、すでに述べたように前近代では「ひと」の定義は今よりずっと曖昧かつ多様だったようです。もし異種族が混在する社会なら「ひと」の定義はさらに複雑になって、例えば、人間がオークを殺すことは法的には殺人ではないが、宗教的には人を殺めたことになる、とか、オークは人間に人格を認めているが、食人禁忌に触れるとは感じていない(オークに共食いは無いとして)、なんてことになるのだろうかと考えたのです。それで、相手が「ひと」かどうか決めるよりも、相手がどのくらい「ひと」かという見方になっていくのではないかなあ、と思っています。

言っていることがわかりにくくて申し訳ありません。なんというか「我流」なものでして。
2000年02月15日:22時45分36秒
これまでのフォロー / SOW
 おお、いよいよ盛り上がってきましたね?

>ENTさん
 初めてじゃないスよ。[共和政と民主政の違い / ENT]当掲示板99年07月16日:00時43分30秒で時宜を捕らえた御助言頂いてます。
>ええと、人間の場合はそうかもしれませんが異種族の場合は「発情期」のようなものがあって、種族自体の生き死に関係する本能に逆らえない可能性が強いです

 昔、週間少年ジャンプに載ってた「レベルE」って漫画思い出しました。この漫画のある話で、受精可能な卵子を持つ雌を捕食して(!)雄の体内で受精、育成して、出産する宇宙人が地球に住み着いていて、連続行方不明事件を起こすというものがありました。
 ENTさんの書かれている「種族自体の生き死に関係する本能に逆らえない」というのが如実に表れた話です。
 自分は最初、かんなさんの書かれている「「性欲を異性と同性のどちらに抱くのか」は、生理的欲求とは違う」をそのまま肯定的に見ていたんですが、人間と同じ社会構造を必ずしも取らない異種族について、自分の認識が甘かったと言わざるをえません。
 かんなさんはおそらく、対象に対して抱く性的欲求は生理的なものではなく、社会的なものだとおっしゃりたいのではと考えています。
 ただ、これは人間のような生殖を行う、知的生物が選びうるものでしょう。
 前述したような生殖行動を持つ生物は性的欲求は食欲と混同されたものとして発現するはずですから、この場合、生理的欲求といっても差し支えがないように思います。
 まあ、寺田さんやかんなさんはおそらく、人間、乃至は人間と同じような生理構造を持つ知的生物を前提に置かれているとは思うので、それに限って言えば、かんなさんの指摘されている「「性欲を異性と同性のどちらに抱くのか」は、生理的欲求とは違う」というのは肯定されるべき意見でしょう。

>灰色熊さん
 なんか、ダークエルフの肌の色から広大な所に来ちゃいましたねェ。(笑)
>昔だったら、「女」は「ひと」じゃない、とか、「有色人種」はむしろサルに近い、とか言われてた一方で、全ホモ・サピエンスを同じものと見る視点も同時にあったとおもうのです。


 これは決して字義通りに言ってる訳ではないと思います。その当時の人もサルを飼おうとは思っても「有色人種」を飼おうとは思わなかったでしょう。稀にそうゆう嗜虐趣味の危ないのが居たとしてもそいつはきっとサルは飼わない。わざわざ、「有色人種」を飼うんじゃないかな。つまり、単に差別を肯定するための方便のようなもので、実際的には相手を「ヒト」と認識していたと思いますよ。
 だから、図式が拡張されるというより、異種族が混在して初めてそういう社会的構造ができると思うのですがどうでしょう。
>性的なタブーに加えて、・・・(中略、失礼!)・・・とはいえ、人間を食べる文化も実在するわけでして…。


 食人禁忌については、ちょっとそういう文化(人間を食べる文化)って結構多くて、自分は一般化し辛いと考えています。
 例を挙げると古代中国の宮廷料理のレシピに載ってる「両脚羊」とか、落ち延びた劉備玄徳をもてなす為に妻女を殺して肉料理をふるまう市井の「義人」の話とか、その話を聞いて、「感動」して「もらい泣き」する曹操孟徳とか、行者・武松にしびれ薬を盛って「にくまんの具」にしようとする母夜叉・孫二娘とか・・・あら、中国ばっかし(笑)
 ・・・こほん、え、ですからそれこそ異種族間なら食っちゃうてのは結構、横行するんじゃないかな、やっぱ。
 以前、敵役のオークを罵るときに

 「てめぇ! ふざけやがってこの、ブタ野郎! たたっ殺してトン汁にしてやるから、覚悟しやがれ!」

 と言ったPCが居て、他のPCがひいちゃった事がありました。なんせ、PC側のNPCにオークが居たからですが。
 まあ、ほんとに食っちゃったりはしませんでしたが、このPCの感覚は自分にはそれほど違和感を感じませんでしたが、他の若いコ達にはチト、「オドロキ」だったようです。

>タイガさん
 やはり、人間の想像力は侮りがたい。タイガさんが書かれた話、自分はいずれも未見です。どなたか心当たりのある方はお書き込み下さい。自分もそれは読んでみたいです。
2000年02月15日:21時08分18秒
[脱線]の更に脱線。子孫の作り方にも色々ありうる / タイガ
 皆さん現実から例を出しているのに、小説の話になってしまうので恐縮ですが。
 
 種が異なると、そもそも子どもの作り方まで違ってくる可能性もありますよね。
 
 例えば、ラリー・ニーブンのノウンスペースシリーズに登場する「パぺッティア人」
 男性にあたる性が二つあり、それぞれ女性にあたるパぺッティア人に精子と卵子を与え、子どもを作ってもらう。女性は女性でそれとは無関係に子どもを作る。
 と言う、なかなかとんでもない方法で子孫を残します。
 あるいは、タイトルは忘れましたが、昔SFマガジンに載った小説(*)には、「男性に殺される事によって女性の死体がいずれ子どもになる」という更にとんでもない方法で子どもを作る種族が出てます。
 (これなんか、子どもが一人しか生まれないんなら段々と人口が減っていくはずですがその辺についてどうなっていたかは忘れました。
 また、小説ではありませんが、MOE BOOKSに「妖精のそだてかた」なる本があり、これには、「雌雄で子どもを作る時は、満月の晩に白い大輪の花の上で飛ぶ。その飛行の軌跡は雄は青、雌は赤になり花に吸い込まれる。この場合、産まれるのは雌。一人で特別な花に、七日七晩こもって分身を作る子ともあるが、この場合は必ず雄」という、如何にも妖精らしい繁殖方法が記されています(もう少し詳しく書いてありますけどね(^^;)
 他にも、こんどTRPGですが、パワープレイ第2版で追加された種族「バニー」は「女性しかおらず、異種族の男性によって純血のバニーを産む」となっています。
 (純血なら一人で産んでもいいんじゃないかと思いますが(^^;;。まぁ、色物ですし(^^;;)
 
 子どもの作り方に限らず、『結婚生活』のあり方やなんかまで入れるとそれこそ現実にも星の数ほど色々あります けど。
 * ちなみに、「ある旅人が子供たちに旅先でどんな性のあり方があったか教える」という内容の小説でした。
   ラストがすごく気に入っていた小説なんですが、タイトルを忘れてしまったのですごく気になっています。
   どなたご存知の方居りましたらどうぞ教えてくださいm(__)m
2000年02月15日:21時03分44秒
RE2:[脱線]性的欲望の在り方 / ENT
(灰色熊さんwrote)
|それからミツバチですが、女王蜂は、
|オス蜂との交尾で受け取った精子を体内にため、
|それを卵に少しずつ受精させてメス蜂(多くは働き蜂)を生みます。
|一方オス蜂は未受精卵から生まれます。

おお、逆でしたか。ご教示ありがとうございました。

ふむ、それからイルカやサル…そして人間など、大脳(知性)が本能を圧倒している場合、種を越えた交尾が起きやすいということでしょうか(ようやく話が戻ってきた)


2000年02月15日:17時53分21秒
RE:異種族が混在する社会への疑問 / 灰色熊
異種族が混在する場合、どこまでを「ひと」と認識するのだろう、というのが私の疑問です。昔だったら、「女」は「ひと」じゃない、とか、「有色人種」はむしろサルに近い、とか言われてた一方で、全ホモ・サピエンスを同じものと見る視点も同時にあったとおもうのです。
それで、自分(あるいは権力)を中心に同心円状にいくつかのレベルでの定義がなされるのかな、と自分なりに考えてみました。それで、異種族が存在する場合、この図式が外側に拡張されるのではないかと。

性的なタブーに加えて、殺人禁止・食人禁止のタブーなんかはどのへんまで適用されるのか、というのも気になります。「同族殺し」というのは、かなり狭い範囲でしか捉えていない連中が多そうですな。あと、口を利く動物や自分に良く似た姿の生き物は食べる気になれないのではないでしょうか。とはいえ、人間を食べる文化も実在するわけでして…。


(おわび)
鍼原神無さん、はじめまして。下の書き込みで唐突に指名してしまい失礼しました。人類学など幅広い知識にいつも感服しております。

2行目の「多種との交接が」は、「他種との交接が」の誤りです。
2000年02月15日:16時43分18秒
RE:[脱線]性的欲望の在り方 / 灰色熊
ええと、性欲自体は生理的欲求ですが、性的な習慣・好みなどは文化的な要素が圧倒的に大きいでしょうね。
たしか、イルカやサルの仲間では自然状態で多種との交接が観察されていたと思います。繁殖戦略的には不利な行動なのですが。これは、大きな脳がかえって不利に働いてしまうのでしょう。

そもそも性的なタブーの由来とは何なのでしょう。鍼原さんは人類学での学説などご存知でしょうか。よろしければ教えていただきたいのですが。

それからミツバチですが、女王蜂は、オス蜂との交尾で受け取った精子を体内にため、それを卵に少しずつ受精させてメス蜂(多くは働き蜂)を生みます。一方オス蜂は未受精卵から生まれます。
ちなみに、アブラムシ(アリマキ)は単為生殖を行なうことができ、その子は親のクローンです。ミミズは雌雄同体で自家受精も出来たと思います。この場合はいったん精子と卵を作ってから受精させるので、遺伝子が攪拌され、親のクローンにはならないはずです。
これはもう社会科学というより生物学の問題でしょうが。
2000年02月15日:15時58分39秒
異種族混在社会の社会的文化的様態の詳解 / SOW
 おお、来た来た。カキコが増えると言い出しっぺは気持ち良いなあ

>Prof.Mさん
 増えますね、確実に。インド・パキスタンの対立の遠因にイスラム教における火葬の禁忌にヒンドゥー教の荼毘が抵触しているからだ、というまことしやかな事を聞きます。
 死生観の違いは大きな摩擦を生み易いでしょうし、摩擦は事件になり易いですから。

>寺田さん
 ははあ、「アリス」ですか、すいません、失礼ながら知らなくて・・・って、おお、かんなさん、感謝! リンクが張られている。早速行きます。





 ははあ、これは面白そうですねェ。ちょっとやって見ようかな。

>かんなさん
 「アリス」へのリンク、ありがとうございます。
 自分も世界設定で社会的文化的様態が詳解されている方が好みですね。「AFF」とか「ウォーハンマーRPG」とかは非常に読み応えもあって好きですし、「ブルーフォレスト物語」や「アラベスク」なんかも好みの世界です(読み応えはちょっとですが)。自分が主にプレイしている「ハイパーT&T」はちょっとその辺り、ヘナチョコかなと感じてます。
 かんなさんの指摘された社会的スタンダードの幅と逸脱行為への一般的反応の部分は世界観の雰囲気にも関わってくるかな。
 幅が狭くて反応が厳しいなら「リアルでハードで生臭」くなると思うし、逆に幅が広くて反応が穏やかなら「コミカルでお気楽」な感じになるように思いますね。
 ただ、「コミカルでお気楽」な世界でも、やっぱ社会的文化的様態の設定はこだわって欲しいな。
 央華封神は自分も好きです。修羅国とか西域の羅刹とかの社会的文化的様態がもっと明確に公開されるとGMし易いんですけど・・・ねぇ
2000年02月15日:14時42分16秒
RE:[脱線]性的欲望の在り方 (さらに補足) / ENT
鮭なんかは、一生に一度の生殖(交尾/産卵)が終わると何も食べずに死にますよね。
また子育て中は親はほとんど食物を取らない生き物も結構います(鳥や虫(?)なんかにいたような)
恋わずらいや失恋して食欲がなくなるのも性欲(生殖欲)が食欲を圧倒した瞬間かもしれません。
2000年02月15日:14時36分19秒
RE:[脱線]性的欲望の在り方 / ENT
こちらの掲示板にははじめて書き込むと思います。ENT(エント)と申します。

(同性愛/異性愛)
(神無さんwrote)
|「性欲を異性と同性のどちらに抱くのか」は、生理的欲求とは違うよー。

ええと、人間の場合はそうかもしれませんが異種族の場合は「発情期」のようなものがあって、種族自体の生き死に関係する本能に逆らえない可能性が強いです(でも同性愛はどんな生物にも先天的に05-10%は存在するとかいう説もあったかな)。

「個体」というのにどういう意味があるのか…というのにもありますよね。

(生殖と雌雄)
ちょっと話が違いますが、ある種の生物は雌だけいれば生殖できるというのがありますね(交尾自体は存在しても)。
ミツバチの女王は交尾しなくても自分の分身である「働き蜂(すべて雌)」を産み続けたように思います。
オス蜂を産むのにだけ有精生殖(交尾)が必要だったような…(雄との交尾は遺伝子の組み合わせのギャンブルで強い子孫を残すためですね)

(味覚)
味覚はうろ覚えなんですが、
「甘い味」(糖分)はエネルギー源として絶対必要なので基本的に「快」に感じるように出来ているとか。「酸味」や「苦み」は腐っているものを食べないように「不快」に感じるようです。
(しょっぱさ/塩分は採りすぎず必要なだけ…ということでしょうか) ですから味覚も本来は生き死に関係有ると思われます。
(たしかTV朝日系『ビートたけしの万物創世記』あたりだったかな…?)

それではごきげんよう。


2000年02月15日:10時31分28秒
[脱線]性的欲望の在り方 / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
>寺田さんへ
 えーっと、細かいポイントと思われるかもしれませんし、実際寺田さんの論旨には関係してこないと思うんですけど。
 いちおー。
 
 「性欲を異性と同性のどちらに抱くのか」は、生理的欲求とは違うよー。
 
 ほら、生理的欲求ってゆーのは、水を飲む、とか、食事をするとか睡眠をとるとか、排泄をするとか、ソレをしな事が個体の死に結びつくようなものの事だから。
 
 異性愛者でも同性愛者でも、にんげんは性行為しなくても死なないじゃん。だから生理的欲求とは違う。
 
 えーと、塩分を摂取したいとか、甘みを摂取したいとかゆーのも、直ちに死に直結するわけではないけど、死との結びつきが軽い(または遠い)生理的欲求、とかとらえるとよいのではないでしょーか(←素人考え:苦笑)。
 
#脱線だし、掲示板の範囲とも違うかもですけど、短いから許されて。
#アタシ的には重要ポイントと思うんで、揚足取りとか解さないでね☆
2000年02月15日:09時35分00秒
異種族設定の微妙なポイント / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
@SOWさんWrote (「異種族混在の状態はネタの宝庫か?」,当掲示板,2000年02月15日:02時59分22秒)
 >既存のファンタジーRPGって基本的にこの状態〔異種族が「ひとつ」の社会には統合されてはいない状態:カンナ記〕ですから、その方がやりやすいのかな? いや、デザインがですけど。
 
 どーなんでしょーねー。
 アタシが思うに、異種族が「ひとつの社会に統合されてる場合」、「ひとの社会には統合されてない場合」、どちらにしてもそれぞれに異なったポイント(←デザイナーとかが考えるべきもんだい点)はあるような気がするんですけど。
 
 ただ、物語類型的に観ると、TRPGのセッションで扱われる「冒険」のストレートなものは、ワールドの内に「異郷」が設定されてた方がやり易いって事はありますよね。
 ですので、異種族はジャンルとしてのTRPGと親和性が高い、って事は言えるのかもしれません。
#ここで「『冒険』のストレートなもの」って言ってるのは、「冒険」って概念に批評的考察を加えた、「職業的冒険者がルーチン・ワークをこなす『だけ』ならそれは真の『冒険』とはかんがえづらい」とか、「恋愛だって『冒険』だ」とか、そーゆー、突っ込んだ話はおいといて、って意味です(笑)。
  
 えーと、異種族存在は、その社会的・文化的存在様態(場合によっては生理的・生態的なそれも)がちゃんとワールド設定に説明・描写されていると、とてもTRPGをおもしろくする要素と思います。
 アタシは好きですけど。
 
 例えば寺田さんの「アリス」ですけど。
 デザーナーである寺田さんが、「三種類の人間に分類され、そして差別が存在します」って言ってられますけど。
 
 そこに「差別」があるって判断はプレイヤーの観点からの判断なわけです。
 PCの観点からの発想では、「魂の“欲求”が異なる存在」は、今風にゆうなら、反社会制行動病質者、とかそんな感じで。なんたって「魂の“欲求”」につき動かされちゃいますんで。
 PCには、彼らは「極悪人」とか「非道者」とか、いーとこ「犯罪者なししはその予備軍」にしかみえない、はず(と思う)。
 こーゆー二重性を意識しながらプレイしてくのがおもしろいと思うんですよね。
 いや、アタシほらキャラプレ者で物語生成論者だし(笑)。
#デザイナーに意見する(?)とはアタシもいー度胸ですが(←冗談です:笑)。
#補足説明ってとこで理解していただけると嬉しいです。
 
 で、まー、まず、そーゆー架空世界の社会的・文化的スタンダードが明瞭に書かれているルールだと異種族はおもしろく遊び易いと思います。
 
 それから、次のレベルのポイントになるんですけど。社会的・文化的スタンダードには、普通幅があったり逸脱者が出たりするんですよね。社会の規模が大きくなり、機構が複雑化すればするほど、その傾向は増えると考えてよいでしょう。
 次のレベルのもんだいとして、ルールからそれらの幅や逸脱行為が判断、または解釈できるかどうか。
 逸脱行為への社会の側の一般的反応(容認/黙殺/排除、とか)も含めてですね、ルールに手掛かり程度でも。書かれてるかどうかがポイントでしょうか。
 
 事例としては、例えば、異種族間では生殖不能な世界があったとして、その世界で異種族が交接したら、それは現実世界での獣姦行為みたいにみなされちゃうのか、どーなのか、とかですね。
 
 その辺が異種族を扱うワールドデザインのポイントだろーなー、って思います(私見)。
 だからシナリオ・ネタの抽出でも、その辺がワールド設定的にどーなのかが、ポイントになるのでは、と思います。
 
 あー、えーっと。アタシが言ってるのは、TRPGで異種族を扱う場合、常に、リアルでハードで生臭いものでなくてはいけない・とかって意味ではありません。
 例えば「央華封神」ですけど、デザイナーの友野翔氏が公に、「央華の世界では知性のあるものは、たいてい言葉が通じるのだ、神話的昔話的世界だから」ってコメントがあるんですけど。
 こーゆー(「神話的昔話的世界」)処理もありだと思います。
 昔話の世界だったら、獣姦行為なんてザラですよね(笑)。社会が容認するかどーかはまた別だけど。
#なぜか、ルールブックではなくって、リプレイブックの地の文での発言なんですけどね。
#央華封神リプレイ2『空の果てまで翔んでいけ!』電撃ゲーム文庫G-7-7,メディアワークス,Tokyo,1996.ISBN4-07-304237-8 C0176 P.19より.
2000年02月15日:05時28分41秒
異種族と違う存在 / 寺田大典
異種族ではないのですが、私の作っているオリジナルTRPG『アリス』では、人間の中で肌の色や概観に捕らわれない『たった一つの存在への抱いてしまう感情(魂からの欲求)』によって三種類の人間に分類され、そして差別が存在します。

現実世界である事柄に関して、生理的欲求が異なる事からの分類というと……例えば性欲を異性と同性のどちらに抱くのか、というのが存在しますね。

ただ、それを『異種族』とは言わないわけですが(そんな事言ったら殺されますな)。アリスの場合、そうしたネタを出しながら基本的には『平和』を求めるゲームなので、より難しい状況ってのも存在します。

こうした部分から異種族というのを考えてみると、もっと深みが出るかもしれませんね。(アメリカ人と日本人でセックスアピールもかなり違うし、ファンタジー世界での人間とエルフだったらどこが違うのだろう?とか)
2000年02月15日:03時24分58秒
RE:異種族混在の状態はネタの宝庫か? / Prof.M
異種族混在ってことは,死生観なんかも異なってくるわけで,その辺まで踏み込んで考えるとさらにシナリオネタ増えるんじゃないかな?
2000年02月15日:02時59分22秒
異種族混在の状態はネタの宝庫か? / SOW
どうも、言い出しっぺのSOWです

>かんなさん
 あ、そうか。奴隷制もあったんだ。失念してました。奴隷制があるとかなりスムーズに異種族混在社会が成り立っちゃうな。
 「2000年02月13日:22時26分42秒」時点では階級制度とか、積極的な差別構造とかを考えてました。もちろん、「平等の理念・・・」というのも考えていましたけど。
>異なる種族が「ひとつの世界」に共存しているから、といって、それが「ひとつの社会」に統合されなくてはならない、って理由は別に無いわけで。

  それはそうですね。既存のファンタジーRPGって基本的にこの状態ですから、その方がやりやすいのかな? いや、デザインがですけど。
>アタシ、前から「混血は可能だけど一代雑種」って世界は、アクチュアリティ〔実在感〕あってシブイわよねー、とか思ってるんですけど。

 お、シブイなぁ、オフィシャルがこの辺設定してないから今度使おうかな。

>Thalionさん
 レスが前後しますが、ご容赦ください。
 混血かあ、これも失念してたなあ。確かに違ってくるでしょうね。
 エルフ×Dエルフの混血なんか性格、絶対歪むだろうなあ。
 自分のアイデンテティにドツボにはまって悩むの間違い無しだもんな。

>読まれている皆さん
 この異種族混在社会の件はファンタジーに限らず、人間以外の種族があるシステムでは面白いシナリオソースになりそうです。思い付きだけの内容でもきっと誰かがフォローしてくれるでしょう。少なくとも自分はできるだけしますから、もっといろんな意見を読ませてください。
2000年02月14日:20時43分30秒
[異種族混在]混血の在り方 / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
@ThalionさんWrote
 >異種族間で混血が可能かどうかで、随分と内容は違ってくると思います。
 
 うん、そーですよね。
 アタシ、前から「混血は可能だけど一代雑種」って世界は、アクチュアリティ〔実在感〕あってシブイわよねー、とか思ってるんですけど。
 
 つまり、◎◎ハーフには、生物的に生殖・出産能力がないような設定ですね。
 まー、TRPGの場合、そーゆーヤツに対する社会的評価のスタンダード・指針がワールドでキチンと書かれてないと、「宝の持ち腐れ」になりかねないですけどネ。
 
#「シャドウラン」の事はありがとうございます。ナカグロなし、ですね。了解です。
2000年02月14日:10時16分30秒
異種族の混在する社会 / Thalion
異種族間で混血が可能かどうかで、随分と内容は違ってくると思います。 ちなみに、はりはらさんが例えに出していらっしゃるシャドウラン(中黒は要りません)では、全種族が混血可能ですが、「ハーフ」は存在せず、両親のどちらかの種族になります。
2000年02月14日:00時51分01秒
雑感・異種族が混在する社会について / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
>SOWさん
#お久しぶりです。
 
 んーと。割と大ザッパなとこでのお返事になる、と思いますけど。
 
 多彩な異種族が、もし・「ひとつ」の社会に混在して、なおかつ社会が成り立っているなら。
 
 その類型には、、、
 アメリカのように、社会が平等の理念を一応掲げたシステムになってる<シャドウ・ランみたいのとか。
 古代ギリシアのように家内奴隷制を制度化してるか。
 それとも、古代ローマを代表にするような古代的帝国のように、組織化された奴隷制を持った帝国態勢で、諸諸の種族が、諸王の王である皇帝を中心に統合されるか。
 
 「もし」現実の歴史にモデルを求めるなら、まずはこの辺ではないかなー、と思います。
 
 ただ、古代ギリシアも、古代ローマも、技術力が今ほどでないから奴隷制に依存してたとか、いや、奴隷制が基幹にあったから、技術革新のモティベーションガなかったんだ、とか、鶏と卵のような議論がありますので。
 
 魔法技術とかがある、架空ファンタジー世界なんかだと、奴隷制に頼らない帝国態勢で、異なる出自の種族が混在しても、なおかつ奴隷制に依存しないで帝国態勢を保つ可能性だって、あり得るかもしれません。
#その辺は魔法を含めた技術力とか、自然環境の過酷さとかのパラメータ次第でしょう。
 
 TRPGだと、設定しだいで、もっともっと、いろんな可能性も考えられる気もします。
 
 異なる種族が「ひとつの世界」に共存しているから、といって、それが「ひとつの社会」に統合されなくてはならない、って理由は別に無いわけで。
 
 人口密度が低い、相対的に広大な世界ならば、緩い部族連合とか。
 まったくの異族が、沈黙交易のような手法で、軽い接触を維持しながら、微妙に棲み分けてるとか。

 ニホン列島で山人・山カがマジョリティに同化されたって言っても、アタシは、趨勢が定まったのって、近世の話だと思うんですよねー(私見)。決定的になったのは明治維新後の話かもしれないですし(超私見)。
 だから、TRPGだったら、例えば多島海とか、地勢によっては、広大な領域に渡らない場合でも、棲みわけの可能性、あるかもしれません。(でも人口密度はもんだいかな、やっぱ)
 
 後、「国家(帝国)は共同態の上に乗っかっているだけ」とかいわれたアジア型の帝国(アタシがこの類型概念信じてるってわけではないですけど)とかをモデルにするなら、「ひとつの社会」なんだか、どーなんだかよくわかんない雑然とした在り方もイメージできると思います。

 「央華封神」には、人間・虎・龍・蝗の四大異族のほかにマイナーな異族も棲んでいますけど。
 アタシはあんまり「ひとつ」の社会って感じがしないでいます。
#天界も仙人も、あんまり下界のあれこれに直接介入しないし(笑)。
#個人的には、「央華」のそーゆー曖昧な感じが好きだったりします(笑)。
2000年02月13日:22時26分42秒
異種族が混在する社会への疑問 / SOW
 灰色熊さんの書き込みから考えたんですが、多彩な異種族が混在した社会は実際どうなると思います? 皆さん。
 現実の世界と違い、明らかに別種の知的生物同士で構成される社会は成り立つか?(成り立つだろうな、多分)
 成り立つとすればどのようになるのか?
 アメリカのように「サラダボウル」化するのか?
 それとも「山カ山人」のようにマジョリティに呑み込まれてしまうのか?
 まあ、構成する異種族の状態によってケースバイケースだとは思うけど、ありうる類型とそこに至る過程、各々の社会での問題点などがあれば世界設定の創作やシナリオソースとしても使えそうだと思いませんか?
2000年02月10日:01時05分57秒
Re:Re:ダークエルフの肌の色 / 灰色熊
はじめまして、SOWさん。わざわざありがとうございます。その後、気づいたことを書きますね。

うろ覚えですが、AD&Dのダークエルフは悪役だったと思います。
指輪物語の世界には、光のエルフ(ハイエルフ)と暗闇のエルフ(ダークエルフ)が存在しますが、肌の色や善悪とは無関係です。

北欧神話はよく知らないのですが、なるほど、調べてみるとルーツが分かるかもしれませんね。詳しい人が教えてくれるといちばん助かるのですが(^^;


>そのあたりさすがに最近のデザイナーは分かってると信じたいスね。

古いものは、はっきり言ってやばいです。最近のものでも不安を感じることがあります。各GMさんの意識も問題になりますし。シャドウランくらい差別問題に正面から取り組んでいれば安心して見ていられるのですが。

ええと、私がダークエルフを使うとしたら、ちょっと考えてしまいます。それぞれのゲームの設定によるのですが、我々と価値観がまるで違うので悪に見える(が、彼らなりの論理がある)という解釈にするでしょうね(これでもちょっと問題あるが)。SOWさんの意見と大体同じです。

「絶対悪」みたいな設定になっていると、登場させるのをためらってしまうなあ。
2000年02月07日:21時37分12秒
Re:ダークエルフの肌の色 / SOW
 はじめまして、灰色熊さん。
 ははあ、ダークエルフの肌の色ですか
 いや、ヤバイかどうかって言えば、ヤバイ!でしょうね。
 そのあたりさすがに最近のデザイナーは分かってると信じたいスね。

 AFFでは闇、黒、山、森、海のエルフがいますが、やっぱり闇エルフの肌の色は漆黒のようです。ちなみに黒エルフは黒と灰色の中間の色をしているようですが、必ずしも邪悪と混沌の勢力ではないようです。むしろ中立と考えたほうが良さそうです。

 T&Tでもダークエルフは「黒い」スね。
 ただ、「黒」ホビットというのもいて、これは見た目ホビットと何ら変わらないという話です。(少々、目つきが険しく、髭(!)なんか生やしているようですが)
 「黒」ホビットがそう呼ばれるのは邪な事を平気でやる悪党だからですが、それは別種族ではなくて、単に個人的なモラルの問題では、と昔思いましたね。

 TORGのエルフが褐色の肌なのは知りませんでした。(マスターの奴が「ナイル」しかやらなかったんで)ゲームブック「ブラッドソード」シリーズのエルフも確か肌が浅黒かったような、古い事なんでうろ覚えですが。
 エルフの語源になったと思われる「北欧神話」の「アレフガルド」の住人も肌の黒い小人じゃなかったかと思います(これもうろ覚えだな)。

 さて、私としては

 ○ダークエルフは確かに肌が黒いが、必ずしも悪ではない。
 ○悪であるか善であるかは個々人のパーソナリティによるものである。
 ○ただ、種族の習俗として人命を軽視したり、他の種族を蔑んだり、他のエルフに部族的怨恨があったりする。
 ○これらの事から、「その世界」の一般的な人々には「邪悪な種族」という偏見を持たれている。

 という解釈を以ってルールブックの設定を見るべきかなと思いますね。
 このあたりの考えは「ブルーフォレスト物語」の魔族の位置付けからきてますけど。
 灰色熊さんや他の皆さんはどうでしょうか?
2000年01月25日:15時51分00秒
ダークエルフの肌の色 / 灰色熊
 はじめまして、灰色熊と申します。どうぞ、よろしくお願いします。
 
 さて、時々見かける、「白い肌のエルフは善で、黒い肌のエルフは悪」という設定ってやばいと思いませんか。
 ゴブリンとか「悪い種族」という設定自体よくないという意見は置いておくにしても、なぜよりによって肌の色、で区別しなければいけないのでしょうか。もともと海外のファンタジーの設定なのでしょうが、白人の偏見を無神経、無批判に踏襲することはなかったはずです。
 差別意識などなく、無意識にやっているのでしょうが、それが逆に危ない。私は別に政治的に正しいRPGなんて求めませんが、外部の人はどう思うでしょうか。
 アメリカ産のダークエルフは青系統とか、嘘っぽい肌をしていることも多いのですが(笑)、日本では褐色なのも少し気になります。
 
 メジャーなところではソードワールドにダークエルフが出てきますね。これの昔の設定では「漆黒の肌」だったのが、最近では「浅黒い肌」に変わっています。何か事情があったのかな。
 TORGのエルフは「肌は褐色」で、かつ「善」だったっけ。
 ルーンクエストのエルフは植物(!)だから参考にならないし。
 
 どなたかダークエルフに詳しい方がいたら、ご意見をください。
99年07月29日:20時29分57秒
とりあえずここまで / SOW
 10日ほど様子見してましたが、これ以上は出そうもないっスね。
 民主主義については一応ここらで切り上げましょうか?
 何か思うところがあれば随時誰か書き込むということで。
 私見としては速水さんの説が面白いですね。ま、ハードな世界設定では使いにくそうですが。

>神村さん
 ここで「神」が出てくるのは、単に多くのファンタジー世界では「力ある神」が設定されているからでして、混乱させちゃいましたか?
 でぶ猫さんのいわれるとおり、古代において祭⇔政は同じ事なのでファンタジーで政治扱うと本当は避けて通れないはずなんですけどね、結構、無視してるゲームありますね。その辺、日本人的といっていいのかな?
 ただ、私としては「自律」という概念を持った「個人」というのが民主主義の根幹であろうと考えています。
 この思想が生まれた実例として「プロテスタンティズム」があると考えているわけで、必ずしも宗教的なところからこの思想が生まれると考えているわけではありません。
 ですから、仰るとおり、いかなる状況下であっても発生する可能性はあります。ただ、どのような場合であれ、この思想に至るには天才的な思想家の出現によるか、何らかの内省的思索(信仰であれ、哲学であれ)の広範で長期にわたる研究(現実の世界ではプロテスタントによる宗教論の研究がこれに当たると考えています)が必要であろうと考えているのです。

 では、また、いずれ。
99年07月19日:17時09分05秒
まつりごと / でぶ猫
 表題からわかるとおり、かつて政治と宗教(祭)は一致していました。
 政治から宗教が分離されたのはかなり最近になってのことですし、それもすべての国で実現したわけではありません。
 同じ人間が決めたことは別に守らなくてもこわくないでしょうが、神という虎の威があればやはりこわいものです。そういう点でよくできていたと思われます>政祭一致
 日本でも一揆の結構など村のおもだったところで話し合って決めるのは神社の境内であったりして、神様を立ち会い人にしたりしたそうです。抜けたら神罰かぶるぞってとこですね。
 ですから民主主義と神という関係を古代風に考えれば、有権者の多数決で決めたことをあがめる神に承認してもらうことで反対の人も従うようにうながし、一致団結を実現するとゆうところでしょうか
99年07月19日:15時40分10秒
神様と政治 / 神村和希
 難しいですよね。この問題って、日本人にとって「神」とか「信仰」というものが縁遠いものだから余計にそう感じるんですよね。
 僕の場合は「信仰」と「政治」の話しが出てくると政教分離とかも考えてしまうので。
 そういえば現実世界で数多くの信者をもっているキリスト教やイスラム教は一神教ですよね。仏教は神はいないって考えですけど、一神教に近いんですよね。
 現実世界での多神教はヒンドゥー教ぐらいしか思い浮かばない。ヒンドゥー教は世界で一番階級に厳格な宗教だからなー。
 やっぱり多神教での民主主義は難しいのかもしれませんね。
 僕としては宗教や信仰より「死生観」とか「葬儀」とかのことの方が気になるんですけどね。
99年07月19日:12時55分35秒
一神教こそ民主主義的かも / らむだ
  
  民主主義というものは、議会・民会などの決定機関が絶対性をもつ必要がありますから、
  かえって一神教の方がいいのではないか、と思います。
  古代ギリシアの多神教の場合でも、アテナイの守護(女)神はアテナだったわけですし、
  それぞれの都市ごとに固有の守護神が存在した時期が長かったはずです。
  ギリシア全体としては多神教ながら、その都市は一神教に近いという状態。
  フランス革命のときも、理性を崇める祭典を行ったりしているし、
  何か絶対的なよりどころを求めるのが、意外にも民主主義ではないでしょうか。
  
  むしろ、古代ローマ帝国の場合など、多様な民族を包含する必要から、
  非常に柔軟性に富む多神教を成り立たせていたとすれば、
  多神教は帝国に親近性をもつ、という考えもあると思います。
  
  #君主制の場合は、その権力の正当性をどこに求めるかにもよるでしょうが。
99年07月19日:10時36分10秒
民主主義と一信教について、私見 / 神村和希
 どうも、ここでははじめて書き込む神村というものです。
 最近、ここでファンタジーの民主主義の成立のことを話されていますよね。
 僕の私見なのですが、民主主義が定着するのには一信教より多信教の方がいいと思うんですよね。
 SOWさんいわく
>「民主主義が成立するための哲学的(現代なら社会学的というべきでしょうか)経緯においてプロテスタンティズムが必要不可欠の要素であった」
 ということなのですが、プロテスタンティズムあるいはそれに近い考え方は、多信教でも一信教でも、もしかしたら宗教に関係ないような場所からでも発生する可能性はあるのではないでしょうか。
 また、哲学的なものとは無縁かもしれませんが、多信教においては一信教より柔軟な考え方をしていることが多いみたいですから、民主主義のような政治形態が発生/定着するための土壌としてはこちらのほうが適しているのではないでしょうか。
 以上、私見でした。
99年07月19日:03時07分23秒
民主主義の神 / 速水螺旋人
>SOWさんへ
>それこそ、試練は多いけど恩恵は少ない神、なんじゃないかと。
 
 どうでしょうね。例えば「投票すると無病息災の祝福がある」なんて現世利益はアリなんじゃないでしょうか(笑)。
 「民主主義が好きな冗談の神」なんてのもいるかもしれませんし。
 
 ちょっとチャチャでしたが、いま時間がないのでこれ以上はまたいずれ(笑)。
99年07月19日:01時53分02秒
Re:共和制国家についていろいろと / SOW
>速水さんへ

>ええと、古代アテネも共和制ローマも、もともとは王政だったんですよ。念のため。
 ああっ! しまった! こんなヘマをやらかすとわ! これは、その、大変恐縮です。お恥ずかしい。
 どーも文章が曖昧で冗長ですね。読み辛かったのではないでしょうか? なるべく読み易い様に心掛けだけはしているんですが、実際にできないというのは非常に、汗顔の至りです。
 一応、速水さんに例示していただいた事実は知っています。投稿時に失念していました。補足しておくべきでした。申し訳ない。
 共和制国家についてはプロテスタントとかかわりなく、成立します。投稿の真意としては「民主主義が成立するための哲学的(現代なら社会学的というべきでしょうか)経緯においてプロテスタンティズムが不可欠の要素であった」ということが書きたかったのですが、どうもうまく説明できませんね。こりゃもう一度読み直さなきゃいかんなぁ。

>せっかくファンタジーなんですから、これぐらいヘンな神がいてもいいですよね(笑)。実際の歴史をなぞるだけでは面白くないでしょう。
 もちろんです! それくらいじゃないとファンタジーの神様とは呼べません! ただ、私としては歴史をなぞってるのではなく、民主主義に至るプロセスを考えたいのです。
 プロテスタンティズムの如き厳格で内省的な思想がなければ民主主義は生まれないと仮定(あくまで仮定)すると、民主主義の神も厳格で内省的なのではないか、と考えたわけです。それこそ、試練は多いけど恩恵は少ない神、なんじゃないかと。
 これが一神教ならまったく問題ありません。他に神がいる訳じゃないですから。しかし、多神教だと一般的に、より現世利益を与えてくれる宗派に大勢は偏るのではないかと思うのです。

>ドラゴン大陸での例も、要するにそういうコトだと思うのですが。
 実際、公開された公式の情勢下では共和制ですから、まったくそのとおりなんですね、これが。
 ただし、タルカス市の投票制度に至るにはやはり何らかのプロセスを必要とするのではないかと考えています。少なくともタルカス市が独立を宣言する前後に市民に支持される思想家か、運動家がいるべきだろうと思っています。タルカス市の初代市長がそうだったとするのは一番簡単なんですが、この辺が判然としないのが、再三申し上げている「違和感」なんですね。

 うう、ヘマやった後に反論めいた文章書くのは辛いなぁ。本人は猛省しておりますのでどうかご容赦のほどを。

>鍼原さんへ
 や、やるなぁ。「三賢者」は気づかなかった。
 「創造的知性」っつーやつですねぇ。ウチの若い衆もこうだとうれしいケド。
 やっぱり世の中侮れん!
 と、自戒を込めて鍼原さんに拍手。
99年07月17日:09時57分09秒
Re:共和制国家についていろいろと / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
 うん、「せっかくファンタジーなんですから、これぐらいヘンな神がいてもいいですよね(笑)。実際の歴史をなぞるだけでは面白くない」よね☆
 
 民主政って言っても、みなさん言ってられるよーに、アレコレ考えられるわけでさー。
 家父長しか、「個人」として参政権認めなかったりさ(笑)<古代ギリシア
 婦人は「個人」として参政権認めなかったりさ(笑)<19世紀頃までのヨーロッパ諸国
 ファンタジーでないけど、“Paranoia”的な世界でも、看板や制度のうえでは民主政だったりとか考えられるよね(笑)。
 第三新東京みたいに、コンピュータが割り出した政策を人間様の議会が承認してったら、制度の形式は、ちゃんと議会制民主主義だったり(爆)。
 速水さんが言ってる「『市民は投票せよ』『民主主義を実行しない市民には神罰が下るぞよ』という世にも恐ろしい神」って、上記「コンピュータ制議会民主主義(仮)」のファンタジー版、みたいなイメージでもよいのよね(?)。(笑)
99年07月17日:01時22分02秒
共和制国家についていろいろと / 速水螺旋人
>SOWさんへ
 ちょっと気になったことがありましたので、二、三指摘など。
 
>元々は君主政であったところが民主政に移行するのはやはり少々、厳しいかと考えています。
 ええと、古代アテネも共和制ローマも、もともとは王政だったんですよ。念のため。
 
 あと、非プロテスタント圏の共和制国家といえば中世からルネサンス期にかけてのヴェネツィアやフィレンツェが有名ですよね。
 神聖ローマ帝国などにおいても、自治権を持った都市はたくさんあったわけですし。
 キリスト教が布教される前のゲルマン民族間でもキウィタスと呼ばれる民会が強い力を持っていました。
 ロシアではノヴゴロドが共和制国家として有名です。
 
>ファンタジー世界での民主主義の守護神
>守護神がこの概念を与えるとなるとその守護神はあまり恩恵の無い神様になりませんか?
 たいていのファンタジー世界だと神が実在するわけで、神罰なども実際にありえますね。ということで、「市民は投票せよ」「民主主義を実行しない市民には神罰が下るぞよ」という世にも恐ろしい神もアリだと思います。
 せっかくファンタジーなんですから、これぐらいヘンな神がいてもいいですよね(笑)。実際の歴史をなぞるだけでは面白くないでしょう。
 
 外部に君主を頂きながら、特にその君主の権力が弱い場合、自治を宣言して事実上独立する都市国家というのは歴史上ざらにあります。先に挙げたヴェネツィアも、もともとは東ローマ帝国支配下の都市でした。
 ドラゴン大陸での例も、要するにそういうコトだと思うのですが。
 
 個人的に一番楽しい政治システムは、腐敗しきった民主主義だと思うですねえ。ああ悪趣味(笑)。
 フンタまたやりたいなあ。
 
99年07月16日:23時15分23秒
皆さんのご意見を読んで(うわっしまった尻切れトンボだ) / SOW
 どーも、SOW再びです。投稿確定してからドラゴン大陸の話が入ってないのに気づきました。長文は書いてから貼り付けるべきでしたね。この投稿の前の[皆さんのご意見を聞いて]をご覧になってからこの投稿は読まれたほうがいいです。
読み難くしてしまってすいません。

 さて、では書き忘れた事を書き足しましょう。

>らむださん
 守護神ですか、う〜ん現実的ですね。ファンタジー世界で民主主義を扱おうとするとこういう意見が出るのは当然といえるでしょう。
 ただ、弱い民衆や農民ではやはり自律的個人の概念に到達する事があるかどうか疑わしいと感じているんです。
 中国古代史上最大にして最初の農民反乱といわれる『陳勝・呉広の乱』は結局、新しい皇帝を戴いただけでしたから自律的個人を概念として持っていないとイカンのではと考えるわけです。
 守護神がこの概念を与えるとなるとその守護神はあまり恩恵の無い神様になりませんか? 神に祈るのではなく、自分の道は自分で切り開きなさいっつーのは弱い民衆や農民にはチト酷では。
 でもRPGの世界設定で使うのを考えるとこの方が分かりやすいんだよな。
 この辺りは他の人の意見も聞きたいですね

>YANさん
 YANさんのご意見については大体そのとおりだと思います。ま、共和政といったほうがいいですが、私の前の投稿でも書きましたが、それがまず第一段階です。一足飛びには民主主義に到達しないでしょうから。
 ただ、ロードス島で民主主義が生まれうる精神的土台が弱いですね。チャ・ザでは個人という概念を育て得ないでしょうし、他の神々も個人を育てるには不適とみています。
あ、一柱を除いては、ですが。
 さて、誰でしょう? ピン! とくる方もいると思いますが、「ファラリス」です。「汝が欲するところを為せ」なんて「個人至上主義」といっていいのでは? こう書くとふざけてると思われるかもしれないので書き足しておきますと、必ずしも民主主義は善といえない、という前提を了解していただきたいのです。社会学上、民主制も共和制も君主制も政治形態の一種に過ぎませんから善悪で判断してはいけません。ってココにくる方にはいまさらですね。

>ENTさん
 ENTさんが語義の不明瞭を指摘してくださったのには感謝します。ありがとうございました。語義が不明瞭な状態で論を進めると泥沼化する事が、まま、ありますから。
 [皆さんのご意見を聞いて]で私が民主主義国家と判断している理由は財産制選挙を行っているらしいからです。これはかなり画期的な事なのですが、そこに至る経緯がまったく言及されていない為、違和感をぬぐえないでいるわけです。
 基本的な歴史事実はこういう事になっています。

 「竜の腹」地方は東西の「竜の脚」、「竜の腕」が長年にわたって争奪してきた地方である。
 双方が膠着状態に陥った近年、「竜の腹]地方の各都市は「脚]「腕」双方からの干渉をはねつけ、独立を宣言した。
 両国の軍事バランスに乗った不安定な状態を改善する為に5つの大規模都市が統一的行政を行う「五都市会議」を設置。盟主である最大都市「タルカス市」が実務を行っている。

 ここででた五つの都市の行政機関がどのような成り立ちなのかは公式には出ていません。雑誌サポートでの記事中の文言から少なくともタルカス市では投票が行われており、カートラ市では市内の4大学、1専門学校の出向者による行政機関があると思われます。
 他の都市もいずれ、共和制である事は疑い無いのですが、盟主であるタルカス市が市民による投票、もちろん市税を払う事が出来る者が市民です、で市政の決を採っているならば遠からず「竜の腹」地方全体がその方向に行くであろうと思われます。
 この民主制の萌芽とも言うべきものが生まれる精神的背景が厭戦気分や被植民地の反抗心だけで片付けられては、やっぱり納得いかないわけです。
 ドラゴン大陸における神々の中では「探求教」か「混沌教」が自律的個人を生みうるかどうかですが、いずれもこの地方では有力な信仰ではありません。
 いったい「竜の腹」の人々はどこから自律的個人を手に入れたのか、あるいは手に入れつつあるのか、というのが疑問な訳です。

 こういったところですか。では、皆さんのご意見をお待ちしております。
 文章の整理が下手で申し訳ない! 反省は隠れてやってます。が、お気づきの点があればご指摘ください。
 では

(sf:重複削除しました)


99年07月16日:21時06分41秒
皆さんのご意見を聞いて / SOW
 どーも、皆さん多彩なご意見ありがとうございます。
 少し、いやかなり曖昧な表現をしてしまいました。申し訳ありません。
 そこで[民主主義について]で曖昧だった点をはっきりさせておこうと思います。
 まず、「特に必ずしも一神教が強力な勢力を持っていない社会において・・・」云々についてですが、これはわたくしのミスです。正確には「一神教」ではなく、「プロテスタンティズム(清教思想)」と書くべきでした。プロテスタンティズムから民主主義に至る経緯は後述しますのでちょっとお待ちください。
 次に「私が継続的にプレイしているゲームの公式ワールド」について。これは角川書店から出てる(た?)「ハイパーT&T」の「ドラゴン大陸」をさしています。ドラゴン大陸は首、腕、腹、脚、尾、翼の6つの地方からなり、この内、腹だけが民主主義国家です。あるいは国家でさえないかもしれません。ただ、ENTさんの書かれているように厳密には共和政というべき政治形態をしています。これを「民主主義国家」と私が判断している点についても後述します。

>鍼原神無〔はりはら・かんな〕さん
 確かに古代ギリシャの都市国家は民主政ですね。隣接する他の国、というか都市、も同様の政治体制ですからそういう文化的背景が最初からあった民主政でしょう。
 ただ、アレクラスト大陸やロードス島のような元々は君主政であったところが民主政に移行するのはやはり少々、厳しいかと考えています。
 『個人』という概念を持ちこまなければ民主主義はありえないのでは?

>長瀬篤史さん
 長瀬さんへのお返事と併せて先ほどの、プロテスタンティズムから民主主義、という考えを述べさせていただきましょう。
 民主主義成立の為の市民の台頭というのは間違いありません。この場合の市民は有産市民、ブルジョワです。彼らは貴族や聖職者、君主らに並ぶほどの資本力を持っていました。その資本力を背景に政治的発言権を要求してきたのがいわゆる市民の台頭ということです。
 では、ブルジョワはその資本力をどこから手に入れたのか、もちろん商工業によって手に入れるのですが、ここでプロテスタンティズムがかかわってきます。
 プロテスタントは、聖職者を通じて行っていた信仰を改め、聖書を通じて個々の信徒が直接、神に信仰を契約するのだと考える宗派です(この点は重要で、ここに『個人』という概念が生まれる土壌が作られます)。この考えは既成の聖職者を重視せず、教会の権威を蔑ろにするものでしたから宗教論争となるわけです。
 宗教論争の詳細はさほど関係しませんので割愛して、その結果どうなったかというと、既成の宗派では卑しいとされていた商工業者をプロテスタントは取り込んでいきます。プロテスタントは「いかなる生業であっても神の恩恵にあずかれる」と説き、この階層の人々の支持を受け、そしてこの将来ブルジョワと呼ばれるようになる人々はプロテスタント信者となるわけです。
 プロテスタント信者は勤勉、実直、質素、倹約を美徳とします。これはプロテスタントが修道会などの信仰の実践に重きをおいた会派から生まれたからです。
 もともと、商工業は利潤を生み易い生業です。彼らがこれまで資本力を増大できなかったのは、その生業を卑しみ、贖罪だの寄付だのといって利潤を収奪していた教会権力や世俗権力のためでした。これらに替わる新しい精神的な柱となったプロテスタントは、商工業者が利潤を上げることを「神からの正当な恩恵」と認めました。しかも、前述したように、「勤勉」「実直」に働き、「倹約」して「質素」に暮らせばどうなるか? いわずもがな、商工業者の資本は蓄積され増大していく訳です。
 こうして市民が台頭する背景が出来ました。
 同時に市民の方も変化し始めます。プロテスタントによって示された神と個々人の直接契約という構図は神の下に個々人は平等であるという思想を生み、王権や教会の権威を否定し始めます。ここまでくればもう説明の必要は無いでしょう。後は怒涛の変革の時代に入るわけです。

 一応、ここまでの論はM・ウェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義」(略して『プロ倫』)に沿って書いてるつもりですが、なにぶん読んだのが太古の昔なもので勘違いしてるかもしれません。現役の方で間違いを見つけたらバシバシ指摘してください。もう一度勉強しなおします。

 さて、最初に私が「特に必ずしも一神教が強力な勢力を持っていない社会において・・・」と書いたのはプロテスタントのような謹厳な思想を民衆が受け入れるには一神教が社会の根幹を支えるような構造でなければならないのではないかと思っているからです。
 また、多神教の多くは内省的な信仰よりも、より現世利益を優先した信仰であると考えます。だとすると『個人』という概念にその社会の哲学が辿り着く事が可能かという疑念を持つわけです。
 例えば中華文化は紀元前後には官僚制という現代に至ってなお代替がかなわない完成された政治機構を創出していますし、哲学においてもきわめて実効力のある思想を紀元前から近代に至る間、生み出しつづけましたが、ただ、『個人』という概念だけは生み出せていません。
 この辺りが私の疑問の中枢にあります。果たして民主主義は普遍的に存在が可能なのかという事です。旧教と世俗権力による抑圧と新教という宗教的批判精神の出現、当時の歴史的、地政学的、文化的位置関係の偶然が生み出した奇跡だか、悪夢だかではないかという疑念を持っているわけです。
 そういう風に考えているとファンタジー世界で果たして民主主義というものが本当に誕生するのか、という事になるわけです。

 むむ、長くなりました。これでなに書いてるか分かってもらえるのか? 
99年07月16日:08時59分12秒
守護神さえいれば(Re:民主主義について) / らむだ
  >SOWさん
  
  はじめまして。らむだと申します。
  
  >一般的なファンタジー世界での民主主義について皆さんはどのようにお考えでしょうか?
  >特に必ずしも一神教が強力な勢力を持っていない社会において、民主主義は自然発生的に起こりうるのか? というのは私にとってちょいとした疑問なのです。
  
  多神教の中に、民主主義を守護する神様がいればいいのだと思います。
  ブルジョアとしての近代的市民階級が成立し得ないファンタジー世界では、
  近代国民国家におけるような民主主義は実現不可能でしょう。
  しかし、たとえば農民が自主独立を図り、その結果、直接民主制を生み出すということはありそうです。
  #商人だとENTさんのおっしゃるように貴族制・寡頭制になりそう。
  
  ヨーロッパでも、腐敗した教権に対する宗教運動の中で、そういう制度を生み出そうとした集団が数多くあります。
  農民・弱き民衆の守護神が、そのまま民主制の守護神になるということで、いかがでしょうか。
99年07月16日:00時43分30秒
共和政と民主政の違い / ENT
はじめまして、ENTと申します。

ええと政治学の方で書くべきかも知れませんが、
横から見るに、何か混同されたまま語句を使われているようなので余計なお世話でしょうが書き込みます。
(ご存じでしたら申し訳ありません)

まず、共和制(共和政)と民主政(民主主義)は違います。

ここしばらく、民主政が君主政と対応するような論旨で進んでいたので気になりました。

「君主政」と対応するのはあくまで「共和政」です。
そして共和政はかならずしも民主政とは限りません。

君主政=一人の君主が政治を行う
(大臣が補佐したり立憲君主であったりもしますが…)
共和政=君主政ではない政体(主権者の数によって寡頭政/貴族政/民主政がある)

民主政はあくまで共和政の一部でそのものではありません。ですから貴族政である共和政もありえます(君主政でなければ)。

ロードス島のライデン共和国では
民衆が選挙で指導者を選んでいるようにはおもえませんのでどちらかというと貴族政でしょう(もしくは寡頭政)。

ついでにいうと史実でも中世(古代?)のアイスランド共和国はそもそもヴァイキングですし、
キリスト教ではなかったと思います。
(こちらも周囲は王国だったのでは?…そもそも彼ら(貴族/族長たち)がノルウェーの王権から逃れるために建国したので…)

よって「(貴族政)共和国」が「君主国」群の中にあっても,
あまり不自然ではないのでは…と個人的に思います
(しかし、本当に直接選挙で指導者を選んでいる民主共和国だとすると…
うーん(笑)…でも何か秘密があるかもしれません)。

それではごきげんよう。
チャチャレスみたいで申し訳ありません。


99年07月15日:23時22分04秒
商業国家であれば…(RE:民主主義について) / YAN
 
 SOWさん、初めまして。宜しくお願いします。
 
> 一般的なファンタジー世界での民主主義について皆さんはどのようにお考えでしょうか?
 
> この疑問は私が継続的にプレイしているゲームの公式ワールドにおいて、
> ある国が周りの全てが君主制であるのにもかかわらず民主国家として成立
> している事に違和感を感じている理由でもあります。

 
 例えば、「ロードス島戦記」においては、商業国家のライデンがそれに当たりますよね。
 まあ、民主主義といっても、「評議会」と呼ばれる大商人の集まりによって、国家運営
 されているようですけど。
 
 国を守るべき君主が不甲斐なく、あるいはこういった「組合」が強力な権力を持ったときに、
 君主制の形が崩れてくるんじゃないでしょうか。
 
# まあ、実際のところ民主主義といっても、「選挙で為政者を決める」
# …なんてレベルのものは、なかなかないと思います。 
99年07月15日:23時12分59秒
re:民主主義について / 長瀬篤史
はじめまして、SOWさん。
 
えと、ちょっと分からないところがあるので質問させてください。
 
>特に必ずしも一神教が強力な勢力を持っていない社会において、民主主義は自然発生的に起こりうるのか?というのは私にとってちょいとした疑問なのです。
 
というSOWさんの主張がよく飲み込めないのです。私の記憶が正しければ、民主主義が成立する過程(私達の歴史で言えばフランス革命への流れでよろしいですか?)において、その原因となったものは、非常に乱暴ですが一言で表すと市民の台頭であり、そこには1神教は関係が無かったような気がするのです。
 
「国王は神によって承認された」とするルイ14世のような絶対王権制なら、一神教が多分に影響を及ぼしているような気がしますが。
 
すいません。よろしくお願いします。
99年07月15日:23時04分55秒
Re:民主主義について / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
>SOWさんへ
#今日は、はじめまして。
 うーんと、古代ギリシアの都市国家とか民主主義の国もありましたね。
 自分達だけ民主主義で、奴隷制のうえに成り立ってて、よその国は侵略しほーだいでしたけど(苦笑)。
 そーゆーのなら、説得力あるかと思います<周りの全てが君主制であるのにもかかわらず民主国家として成立
#いや、マジで(笑)。
99年07月15日:22時21分49秒
民主主義について / SOW
 一般的なファンタジー世界での民主主義について皆さんはどのようにお考えでしょうか?
 特に必ずしも一神教が強力な勢力を持っていない社会において、民主主義は自然発生的に起こりうるのか? というのは私にとってちょいとした疑問なのです。
 この疑問は私が継続的にプレイしているゲームの公式ワールドにおいて、ある国が周りの全てが君主制であるのにもかかわらず民主国家として成立している事に違和感を感じている理由でもあります。
 民主主義がイカン! というのではなく、それならそれで民主主義に至る思想的経緯っとゆーのが明確なほうが良いだろう、と思うからです。
 さて、皆さんはどう思われますか?
98年11月12日:02時55分43秒
地下鉄サリン事件について / 美樹
報道問題に興味のある者です。 http://www.geocities.com/Tokyo/Dojo/1119/ で地下鉄サリン事件に対することこまかな 記事がありました。 今、マスコミの予断に満ちた報道を背景として 裁判では裁判長がある意味検察官のような 訴訟指揮をしてしまって弁護人は 大変なようです。 被告人に認否の留保をせずに早くやるように つめよるとか。 これふつうは検察官がやることなんですよね。 マスコミも弁護人のいくら 極悪人とはいえはじめに結論ありきで 被告人をリンチにするのでは裁判ではないし 法治国家ではない。まるで中世の魔女狩りだ。」 デュープロセスに乗っ取って訴訟をやってほしい、 という内容の発言はまったく 取り上げないようですし。 このような日本社会のあり方に危惧を 感じているのですがみなさんはどうお考えになりますか?
97年12月20日:18時49分26秒
差別と差別から発生している抑圧について / nonaka
 差別と差別から発生する抑圧とは別のものと考えているのですがどうでしょうか。
 ALPさんのいうところの「異邦人に対する警戒心」というものこそが差別の本質で、「余所者扱い」というのはそれによって発生する抑圧に過ぎない(過ぎない、というのはあまりに語弊のある表現ですが)のではなかろうかということです。
 世の中の差別に起因する諸々の抑圧に相対するには、悲惨を駆逐しようとする良識だけでは不足なのではないかと思うのです。
 「受け入れがたい他人の侵入」を恐怖と感じる体験は皆さんにもあるのではないかと思いますが、差別はこういうごく日常的な感情に起因しているものなのです(だから差別問題はなかなか無くならんし、啓発活動が重要になるのです)。
 心理的な境界を超えさせることについての恐怖というテーマでは例のアニメでもやってましたが(あれは結局ムリという結論だったのかな?)、それに限らず「未知のものを受け入れる」ことをテーマにシナリオを考えれば差別問題により近づくことがきるんではないかと思います。
 ALPさんとは逆に差別する側からのシナリオというものを考えます。それでもってことさらに悲惨さを強調せず、かわりにPCをより当事者に近づけてプレイを進めるのはどうでしょうか。PCの異星への帰化をテーマにトラベラーの偵察局シナリオを組むとか。PCは生きるために異星人の要求を受け入れなければならず、異星人はPCの要求に戸惑ってしまう…でもお互い歯を食いしばりながらお互いを理解しようとする(清水玲子のマンガにこんなのあったぞ。確か食人種との恋愛。チト論点が違うが)というシナリオ。
 PCでなくプレイヤーの世界観(というか美意識というか)に真っ向から挑戦するシナリオを提案します。
 …やっぱり受け入れ難い?
97年02月07日:02時30分38秒
差別問題をシナリオに持ち込むために / ALP
 という題目ですが、このようなテーマでシナリオを作ろうとするなら、まず単発ではなく、
キャンペーンの一環としてのスタイルを勧めますね。どちらかというと、普段はそういった問題には
触れる機会のない人もやはりいるわけで、言葉で説明してもうまくニュアンスが伝わらない場合が多いでしょう。
 それに対して、キャンペーンでは、導入からそれらしき感じを少しずつプレイヤー側に
(情報としてではなく)体験として経験させていけば、改めて説明することも少なくなるでしょうし、
そういった問題があることをプレイヤーも認識してくれるはずです。

 いつも、ファンタジーばかりやっているから、こういったことも、あって当然な選択肢になるんですよね。
ファンタジーに限らず、現代物でも一歩地方に出たら、そこはまだまだ「異邦人」に対して
警戒心が強いところでしょう。余所者扱いというものも、広い意味での差別と考えれば、
けっこう、現代物でもこのテーマでシナリオは作れるんではないでしょうか?

ALP
96年11月22日:21時56分38秒
差別を絡めたシナリオ / malraux
「差別するやつが悪、差別される方は同情の対象」というのは、たしかにヒーロー向けの勧善懲悪シナリオにぴったりなのですが、それだけではちょいと厚みが無いよな、とか思うこともたまにあります。
割とホラー系のRPGによくマッチするのが、「差別されていた者が差別する側に回る」という筋立てです。実際のアメリカにおいても、黒人に対する差別意識を一番強く持っているのは、裕福な白人ではなく、プエルトリカンなどの poor white 層だそうで、結構ありがちなパターンです。PC は立場上この見かけの悪役を倒さねばならないのですが、倒してみると実は彼も差別の被害者の一人であったということが。そうか、我々が真に戦わなければならない相手は、社会の歪みに他ならないのだ! (幕)

あと、「差別撤廃を旗印にテロを繰り返すテロリスト」をPC達が捕まえなければならない、というシナリオも有りえます。「俺達がやられたことを奴らにし返してやるんだ」と叫ぶテロリスト集団ですな。後味が悪くなる危険も高いのですが、例えば、テロリストの姉(実はこの姉が差別の犠牲になったことが原因で弟がテロリストになった)が目に涙を浮かべながら「弟を撃ってください」とPCに頼むシチュエーションとか、マスタリングの力量さえあれば一度はやってみたいという気もします。


96年11月22日:13時19分22秒
差別とRPG / ヴィト
RPGにおいて、差別などの問題は、 フレバーとして出すことはあっても、 シナリオの本質にまで絡ませることはあまりしません。 というか、重すぎて扱いきれないのです。 差別ではありませんが、次のようなシナリオを作ったことがあります。
 妹を殺された兄が、犯人(証拠不十分で釈放)に復讐しようとしており、 PCはその母親から彼をとめてくれるように依頼される。 が、彼は母親の目の前で、犯人に返り討ちにあってしまう。 この犯人の行為は、正当防衛なのだが、その場にいた人々は、それを証言しようとはしない。 PCは、犯人側の証人として、証言を要求される。 法の守り手でもあるPCが、どう証言するのか?
 このような、シナリオだったのですが、 PCは、何も考えずに「見てないよぉー」と答えました。 結局犯人はその場にいた浮浪者の証言により釈放となり、 さらに悪事を働き結局PCにやられてしまうのですが、 僕としては、PCにもうちょっと法の守護者として なやんでほしかったシナリオでした。 やっぱり、こういう重いシナリオをするときには、 あらかじめふっておいたほうがよいのでしょうか? ゲームに重さを求めるのは、まちがいなのかな? うぅん、でもこんな、ちょっと考えさせられるシナリオというのが ちゃんと出来るようになりたいなぁ、というのが、目標です。
96年11月20日:20時19分49秒
差別とファンタシー世界 / 村瀬
プレイする上では、実世界を背景世界にしたRPGよりファンタシー世界のRPGの方がやりやすいです。
これはPCとしての問題よりプレイヤーの意識の問題なんですけどね。クトゥルフなんかで人種差別、性差別を前面に押し出したシナリオをするのは、ゲーム的には間違っていなくてもやっていて楽しくないです。
ファンタシー世界で人間とエルフやモンスターのような異種族差別にすると、重い感じがなくなります。

これはこれで問題かも知れないけれど…。


96年11月20日:17時35分19秒
いきなり渋いテーマですね / GMN
 シャドウランなんかは世界設定に組み込まれてるのでそうでもないけど、現代日本でやろうとすると大変ですね。それこそ民俗学の領域まで行かないと・・・
96年11月19日:06時51分56秒
動機づけとしての差別 / sf
 一時的な誤解や文化的相違が原因の差別(とか排斥とか)であれば、それを解消する方向に行動するための動機づけとして有用ですね。シナリオの方向性が固まりますし、PCも動かしやすい。
 さらにキャラクター自身の動機づけとしても、差別は有用です。世界観によりますが、一般社会から排斥された存在として冒険者を意識してみると、わざわざ危険を侵す動機がはっきりしてきますよね。
96年11月18日:17時39分02秒
差別とRPG / 村瀬
 シナリオの動機付けとして、PCがいわれなき差別をうけるというのはよくやります。トラベラーとか社会的な(?)RPGだとこういった導入もやりやすいけれど、ファンタシーだと差別は当たり前的な雰囲気があってちょっとやりにくいかな。

96年11月18日:17時16分18秒
いきなりダークな話ですみません / tomy
社会現象で使いやすいものの一つにいじめと差別があります。ほのぼのした話には使えませんが、復讐物としてはかなり使える題材だと思います。つまり、いじめられた、差別で酷い目にあった被害者が復讐するという話です。プレイヤーはその復讐を止めるか、あまりに加害者が酷いなら協力するという形になると思います。復讐というものはすれば気が張れるというたぐいのものではないで、復讐者の心を何とかして救うところまで話(シナリオ)に含めても良いかもしれません。ただ根本的な解決、すなわち、いじめや差別をなくすというのは社会制度の大元に関わることなので、1シナリオにおさめるのは不可能といっていいでしょう。逆にこんなテーマのキャンペーンがもしできればすばらしいとは思いますが、思いテーマの話をプレイヤーを飽きさせない技量がマスターに必要です。解決の希望だけ持たせて一話で終わるのがベターな選択ではないでしょうか。こういう話をゲームで軽々しく扱って良いのかという気もしますが、逆に自粛すればいいというものでもないと思いますので書かせてもらいました。
96年11月16日:04時53分47秒
TRPGのための社会科学設定 / sf
 とりあえずついでに作ってみました。
 法制や社会現象の利用についてなど、歴史以外の社会科学を扱うつもりです。重複する部分も多々ありますが……。

TRPGのための社会科学設定の部屋ログ / TRPG.NETホームページ / Web管理者連絡先