TRPGのための政治学的設定の部屋 LOG 005

TRPGのための政治学的設定の部屋の1998年12月21日から1998年12月27日までのログです。


1998年12月27日:07時04分26秒
政治物? シナリオ講座  盗賊ギルド編−3 / カヲル
「めだたん程度に稼げ。やりすぎると、マッポに目を付けられる。」
 あるスリが、舎弟に話したこと。
 
 SWに限ったことではなく、RPGでは、頻繁に盗賊ギルド/マフィアなどが(後略)
 
 (3)犯罪の抑制
 (SWでは公式設定である上、ジョニイさんが書かれているので割愛)
 
 シナリオ5
 最近、街では窃盗強盗が多いです。住居に忍び込み、住人を皆殺しにした上に、金目のものを洗いざらい持っていきます。隠し金庫まで荒らされていたこと、子供部屋に寝ていたはずの女の子が、主の寝室で拷問の末に殺されていたらしい跡もあります。おそらくは、子供を拷問して、親から金目のものの在りかを聞き出したあと、双方を殺すという、残忍きわまりない手段を取ったのでしょう。
 
 街の親分(笑)は、こんな非道を許すわけにいかんと、昔の冒険仲間に声をかけます。そう、親分自らが、出撃する事になったのです!
 
 名声を得て、騎士隊長や学院の導師、高司祭になっていた者達が集結します。非道をただし、住民の憂いを絶つため、すすめ親分、がんばれ親分! 舎弟達みんなが熱いまなざしを送っているぞ!(爆)
 
 
 シナリオ6
 駆け出し冒険者のパーティーの一員になった盗賊君。まずは、盗賊ギルドに挨拶に行って、仕事の許可を得ようと思った。(面通しも必要だし)
 
 ところが、途中で、走ってきた人と正面衝突。転んでしまった。その人(童顔、かわいい)は急いでいたのか、謝るとすぐ行ってしまったので、気にしないで盗賊ギルドに行く。ところが、年会費を納めようとしたところ、財布がない!
 ギルドのお偉いさんは、詳しく事情を聞いた。
 「ははぁ・・・もぐりで仕事をしている奴がうろちょろしてると思ったが・・・そいつだな。顔は覚えてるか? よし、そいつをここに引っ張って来な。そうすりゃ、仕事料と相殺して、年会費ははらわんでいい。あと、そのスリの持っている金は、お前の取り分にしてやる。」
 そういって、にやりと笑うお偉いさん。どうやら、すかんぴんの状態で引っ張ってこさせて、年会費を払えない状況にしていじめるつもりのようだ。
 (そういえばあのスリ、ずいぶんかわいい顔だったな・・・このお偉いさん、変なシュミ持ってるらしいって噂聞くし・・・)
 
 ちょっとかわいそうな気もする。が、被害に遭ったのは自分だ。それに、駆け出しパーティの仕事には丁度いいかと無理矢理自分を納得させるのであった。
 
 
 うーーー、後一つ・・・これはもうちょっと待って下さい。書き切れません(T_T)
1998年12月27日:06時31分51秒
政治物? シナリオ講座  盗賊ギルド編−2 / カヲル
何と言いますか・・・ここに書き込むのをひかえているうちに、誤解からの返事なども来ているようで・・・(^_^)
 
 これは、きちんと対処しなかった私の責任ですね。
 
 まず、前の書き込みはシナリオ講座であって、「誰かに質問したかった」わけではありません。答えは「知っています」
 
 そもそも、SWでは、ジョニイさんがあげておられる事などは、『公式設定』です!
 
 私の書いたものも、『公式設定』であることに違いはありません。それどころか、「盗賊都市ドレックノール」は、国家を支配するほどの、多岐にわたる活動を行っています。ちょっと挙げてみましょう。
 治安維持、銀行、税務署、諜報機関、影の軍隊、一部の商人、商店、娯楽施設運営・・・
 当然ながら、ギルドマスターを前にした幹部会議は、『国王を前にした御前会議』とほぼ同様の意味を持ちます。
 
 ですから、私の書いたものは、本当にシナリオ講座なのです。
 <<と同時に、情報組織の一つも持たない国家なんて、という、ジョニイさんへのメッセージでもあります。 
 
 
 では、そろそろ本題に入りましょう。
 
 「信用はできぬ。しかし、利用することはできる。」
 ある皇帝が、側近の換言に答えた言葉。
 
  SWに限ったことではなく、RPGでは、頻繁に盗賊ギルド/マフィアなどが登場します。そして、これらは情報の入手手段として活用されることがあります。しかし、冒険者が簡単に連絡を取れるような非合法組織が、なぜ、当局に潰されないでいるのでしょう?
 
 以前、SWや一行でも話題に上ったことがありますが、多分に「政治的判断」と言う物があるようです。
 
 (2)対抗組織の牽制
 大抵のワールドには、やくざや盗賊ギルドよりもやっかいな組織が存在します。曰く、アサシンギルド、破壊教団、麻薬シンジケート。あるいは、国外の強力で強大なやくざや盗賊ギルド。
 これらに対抗する、もっとも安上がりな方法は何でしょう? 衛兵をたくさん配置する? 賞金をかけて、冒険者に狩らせる? 治安を徹底的に良くして、どんな些細な犯罪も目立つようにする?
 
 どれも、あまりいい手とは言えません。自腹を切らなければならないのは痛いです。
 
 それよりも、いい方法があるでは無いですか。自分の足下にある組織を利用するのです。
 
 蛇の道はヘビ、裏の事に詳しくて、なわばり意識の強い・・・そう、良心的な盗賊ギルドを認めてやって、それ以外の組織を見逃すなと言い渡すのです。
 これのもっとも素晴らしい点は、予算を計上する必要がないことです。
 最低限の数の衛兵をそろえておき、盗賊ギルドだけでは対応できないと言うときには手を貸してやります。
 盗賊ギルドのほうは、恩に着て、お菓子を持ってきてくれるかもしれません。(しかも、これは国に入るのではなくて、癒着している貴族個人に入るところがナイスです)
 
 
 シナリオ3
 ある国で、麻薬が出回り始めました。これまで、この国の盗賊ギルドは、暗殺、麻薬の二つには手を出さないという、仁侠やくざ的な所だったのに!
 信じられないと言う噂の中、盗賊ギルドからパーティに依頼が来ます。没収した麻薬を横領して、素人に流した奴がいる。ギルド内の人間を動かすと、派閥闘争が表面化しかねない。だから、代わりに調べてくれ。
 
 政府がしびれを切らす前に、持ち出された当時の状況、アリバイなどを調べ、犯人を推理し、麻薬供給ルートから、全ての麻薬を回収しなければなりません。回収が遅れると、麻薬取り締まりが厳しくなり、回収の最中に売人と誤解されて追っかけ回される羽目になります。
 
 
 シナリオ4
 最近、政府高官が相次いで事故死、病死しています。しかし、どうにも、釈然としない死に方ばかり。
 調べてみると、どうも、ある特定の派閥に属している人ばかりなのです!
 政府のほうは、高名な冒険者を雇って、事件の解明に乗り出しました。同時に、パーティは、盗賊ギルドから依頼を受けます。政府の雇ったパーティより早く、アサシンを探し出してくれ。できれば、生け捕りにして、政府につきだしてくれ。そうすれば、こちらの面目も立つから。
 
 捜査パート
 聞き込みなどで居所を割り出して踏み込む。次のターゲットを予測して待ち伏せる。黒幕を割り出して、接触を取ってくるところを一網打尽にする、等が考えられます。
 
 戦闘パート
 アサシンの強さそのものは、たいしたものでないようにしておきましょう。その代わりに、できれば生け捕りにしたいと言う点と、アサシンに有利な状況での戦闘に引きずり込みましょう。パワーゲームに慣れた人は、新鮮な戦い方を味わうことが可能なはずです。
1998年12月27日:02時14分27秒
[国家の構成要素と諸類型]要素整理の目論見 / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
>皇帝さんへ
>近代国家(ステート)と前近代国家(ポリティカル・コミュニティ)を明確に分けたほうが理解が容易になるかと思います
 
 ん〜、アタシは逆に、「近代国家」の枠組みに引きずられた感のある前近代的なワールド設定(社会設定)にはどこかしらにムリがあったり、不自然だったりする部分があると思って、気になっちゃうタチなんです。
#「時代劇」を目指してる「大活劇」とか、「騎士道物語」をベースにしたTRPGなら、別に構わないと思うんですけど。

 もちろん、架空世界の架空社会の構成が、歴史上の何かのモデルと同一である必要はないのですが。
 それにしたって、識字率が低い世界で、何世代にも渡って、広範に流通する共通語が維持されてる、とかはどぉしたって不自然だ、って思ったり。まぁほかにもイロイロあるんですけど(苦笑)。
#文字が広く共有されない環境では、口語は三世代もすれば領域ごとか部族ごとかに変質してくほぉが自然ですよね。
#変質しないとしたら、その世界の住民は全員、後天的に学習した知識を遺伝できる性質(笑)だとか、何かしら別の設定が必要であると思います。
 
 「国家の構成要素と諸類型」、一行掲示板で話の出ました「中華帝国の官僚制度」について書くため、下準備として書いてたのを、考え無しに投稿してしまったのですけれど。運の尽きって感じです(苦笑)。
 もちろん、「国家の構成要素と諸類型」、TRPGのワールド設定の参考になる水準までしか整理する気は無いです。こんな目論見きちんと論拠づけて整理できたら学者になれちゃうかもしれません(笑)。
 ご期待に添えるかどぉか、今ヒトツ自信が無い面もあるのですけど、よろしければ、気長におつきあいくださいませ。
 
 「国家」の考古学の辺りにつきましては、(ドンピシャではないのですが)次の本をご紹介させていただきます。
真木悠介,著、『時間の比較社会学』(同時代ライブラリー325),岩波書店,Tokyo,1997.
(OriginalEdition:岩波書店,Tokyo,1981.)
ISBN4-00-260325-3 C0310
1998年12月27日:02時01分35秒
[国家の構成要素と諸類型]「統治装置〔システム〕」の概念修正案 / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
#はうッ、皇帝陛下に識別子を賜りました、ぷれっしゃぁ〜(笑;いや半分は冗談ですけど)。
>PALM−12さんへ
 PALM−12さんに質問の形でご指摘をいただいた(1)〜(3)のポイント、すべて不整合であると受け入れます(無責任だなぁ;苦笑)。PALM−12さんには、いっつもお世話になりますです(礼)。
 早速ですけど、辻褄合わせ(?)を。以下はとりあえずの辻褄合わせであって、この方向で考えてみよぉと思うのですが、って感じの案です。
 新たに不整合が発生するかもしれませんし、まだ別のもんだいが潜んでいるかもしれせんし、みんさんにも、乞う突っ込み、って感じです。
 
>(1)「生活世界」には、『統治の正当性に関する〔共有された〕「権威」の観念』『統治の「永続性」に関する〔共有された〕幻想』も含まれているのでしょうか?
>(2)『統治の正当性に関する〔共有された〕「権威」の観念』『統治の「永続性」に関する〔共有された〕幻想』を「統治装置」の一部と定義されてますが、その場合、観念・幻想を保持する「非統治領民」自身も「統治機構」の一部となるのではないでしょうか? 
>(3)「統治機構」中の「慣習」「言語」は「統治機構」自身ではないと思うのですが? それともこれは第二次世界大戦時に日本が行った領地の「慣習」「言語」を規制する政策(そしてもっと静かな「慣習」「言語」の統治を行う為の規制)のようなものの事でしょうか?
 
修正:「統治装置〔システム〕」は、国家に共有される「統治の『永続性』に関する〔共有された〕幻想」を根拠付ける為、「権威」を管理し表現する。
 「統治装置〔システム〕」は、「統治機構」〔統治者と、狭義の統治者集団〕の複合である。
 「統治装置〔システム〕」は、国家に共有される「統治の『永続性』に関する〔共有された〕幻想」を根拠付ける為、「権威」を管理し表現する。
 「統治装置〔システム〕」は、法(含む慣習の解釈に根拠付けられる法の裁量運用権)、言語の公的用法を管理する。
※「領民」の「生活世界」には、言語の世俗的用法が属する。
※「『統治機構』のテリトリーである公空間も統治装置に含まれる」、は削除しよぉかと思います(考え中)。
 「統治の『永続性』に関する〔共有された〕幻想」は、領民の「生活世界」に属す。「統治装置〔システム〕」を構成する、統治者たちも彼らなりの「生活世界」を有するからである。
 
 「法治機構」「警察機構」「外交機構」などは「統治装置」のサブシステムである。「生産装置」「経済装置」、「育成装置」の管理権が、「統治装置」と「生活世界」のどちらに有されるかも、ある「国家」の個性は左右される。
 
#あぁッ、勢いでエライことに手を出してしまいましたぁ(汗)。いじょ。
1998年12月27日:01時41分01秒
【情報と政治】拙論の対象範囲および補足 / Prof.M

拙論の対象範囲に関する質問に対する回答:
 まず,<2>「政治」をシミュレートするために必要な情報の量と質をもう一度よくお読み下さい。私の話において対象としているのは,ゲームマスターだけではありません。参加している(ゲームマスターも含んだ)プレイヤー全員が対象です。つまり,先の発言で私が挙げた項目はその把握量に差こそあれ,プレイヤーキャラクターも知っている必要があるということです。


#蛇足ではありますが,「生のままの」情報をゲームマスターがプレイヤーに提供する場合,裏をとる等を行うことを考慮すると,ゲームマスターが用意しなければならない情報量は,最終的に得られる情報1つに対し,およそ10倍ほどになるのではないかと私は考えています。もちろん,10倍というのは恣意的なものですので,実際にはもっと少なくて済むかもしれませんが,それでも数倍にはなるでしょう。

#この話に関して,私は参考文献として『コスティキャンのゲーム小論』(G.コスティキャン 著,翻訳はNiftyServe RPGフォーラム有志),『ロールプレイング・ゲームの達人』(G.ガイギャックス 著,多摩 豊 訳,社会思想社教養文庫)を読むことを強くお勧めします。
1998年12月26日:21時39分55秒
[国家の構成要素と諸類型]要素の分類について / 皇帝

  鍼原神無さんの言われた、国家の要素について
 
>「国家」の要素:国家を構成する要素を、分節すると、一番たんじゅんな段階では、「領域」〔統治領域〕、「領民」〔被統治領民〕、「統治装置(システム)」の三要素へ分節し得る。
 
  とありました。近代以降に限定した場合以下のように簡素化できると思います。
 
  国家の要素、「領域」、「領民」、「主権」
  領域:国境で囲まれた一定の地域が確保されている。 
  領民:言語、習慣、文化などについてある程度の共通性が保たれている。
  主権:一元的な権威が共有され、制度を制定しこれを強要するための組織が確立されている。
 
*国連は、下部組織(各国)に対し主権を有さない(行政、立法等)ので国家ではない。
*家庭、市町村は、対外的に主権を有さないので(犯罪を犯せば逮捕されるし、税金も払わなければならない。)国家ではない。
 
  もっとも、上記の要素は近代国家に限定したものでありますから、封建社会以前の国家を含めての定義を検討される場合、鍼原神無さんのおっしゃるように広義の意味を含めなければならなくなり、難しくなると思います。やはり、近代国家(ステート)と前近代国家(ポリティカル・コミュニティ)を明確に分けたほうが理解が容易になるかと思います。私は前近代国家についてほとんど知識がないのですが、PALM−12さんのおっしゃるように歴史、民俗学の分野に属するような分野のような気もします。私もPALM−12さん同様続きを楽しみに待っています。できれば「国家の考古学」あたりさらに詳しく教えていただければうれしいです。
 
話はかわって私事になり恐縮ですが、この掲示板で皆様のご意見を参考にさせていただき大変勉強になりました。RPGのシナリヲ作成にもだいぶ利用させてもらいました。また、来年もよろしくお願いします。ちょっと早いですけど皆様よいお年をお迎えください。
1998年12月26日:20時37分32秒
シーフギルドについて / あずま

ども、あずまです。参考資料の提示だけ。

シーフギルドについて、カヲルさんが書き込まれておりましたが、
その存在や存在定義、存在感、また、政府機関との連携、シナリオへの導入、
からみなどに最適の資料として、
Advanced Dungeons and Dragons の 『Thief HandBook』 を上げておきます。
非常に細かい設定やら、史実でのシーフの存在、からみなど、
知っておいて損は無いでしょう。
決して表舞台に出ることの無いシーフの、詳しい説明文などは必見です。
是非ご一読をおすすめします。

なお、ファンタジーにおけるシーフのからみやすいシナリオなど、カヲルさんがあげられているのとは少し違いますが、
カヲルさんの問いかけの部分などの答えも載っています。


1998年12月26日:20時14分16秒
盗賊ギルドが容認される理由についてひとこと / アキト
>カヲルさんwrote
> SWに限ったことではなく、RPGでは、頻繁に盗賊ギルド/マフィアなどが登場します。そして、これらは情報の入手手段として活用されることがあります。しかし、冒険者が簡単に連絡を取れるような非合法組織が、なぜ、当局に潰されないでいるのでしょう?
 
 国家が手を伸ばしてくる(領主が封じられる)前から、盗賊ギルドなどのすでに互助会的なものがあったのではないでしょうか。
 
 国の介入以前から、ある程度そこが社会として調和が取れていたなら、国家はそれをこわすという選択肢をとらず、既存の組織を容認して、徐々に切り崩していくという方法をとっていくんだと私は思います。
 
 以上です。 
1998年12月26日:16時25分54秒
Re:「国家」の構成要素と諸類型 / PALM−12
あう、面白いなぁ......って事で質問です。

>「国家」の構成要素と諸類型 / 鍼原神無さん
>「国家」の要素:国家を構成する要素を、分節すると、一番たんじゅんな段階では、「領域」〔統治領域〕、「領民」〔被統治領民〕、「統治装置(システム)」の三要素へ分節し得る。
> それぞれの要素はさらに下位の要素の複合から成り立っている。
>●「領域」の概念は必ずしも領土とは限らない、遊牧民国家の場合、文字どおり領域が国家のテリトリーとして観念され得る。
>●「領民」の概念は、領民とその「生活世界」を含むものとする。
>●「統治装置」は、「統治機構」〔統治者、狭義の統治機構、及び、法及び慣習、言語〕、統治の正当性に関する〔共有された〕「権威」の観念、統治の「永続性」に関する〔共有された〕幻想が複合したものである。「統治機構」のテリトリーである公空間も統治装置に含まれる。


(1)「生活世界」には、『統治の正当性に関する〔共有された〕「権威」の観念』『統治の「永続性」に関する〔共有された〕幻想』も含まれているのでしょうか?

(2)『統治の正当性に関する〔共有された〕「権威」の観念』『統治の「永続性」に関する〔共有された〕幻想』を「統治装置」の一部と定義されてますが、その場合、観念・幻想を保持する「非統治領民」自身も「統治機構」の一部となるのではないでしょうか? 

(3)「統治機構」中の「慣習」「言語」は「統治機構」自身ではないと思うのですが? それともこれは第二次世界大戦時に日本が行った領地の「慣習」「言語」を規制する政策(そしてもっと静かな「慣習」「言語」の統治を行う為の規制)のようなものの事でしょうか?

というか「慣習」と「言語」って、根源的かつ身近なものなんで、もうちょっと説明が付かないと難しいと思います。 あと、「タブーの体系とそれを管理する装置」については”民俗学かじり”の血が騒ぎますね。

>#たまたま書きかけてたので、投稿します
>#ちょっとまだ、整理不足で読みづらいし(困)、細部の整合性に怪しいところもあるんですけれど。

ってわけで長文投稿に乞う御期待でしょうか?
っていうか読みたいです(我ながら図々しいなぁ) 

ではでは
1998年12月26日:10時06分20秒
「国家」の構成要素と諸類型 / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
#たまたま書きかけてたので、投稿します
#ちょっとまだ、整理不足で読みづらいし(困)、細部の整合性に怪しいところもあるんですけれど。
#「政治学」ってゆぅより、「社会学」、「人類学」傾向だと思いますけど、ご容赦くださいませ。
 
「国家」の要素:国家を構成する要素を、分節すると、一番たんじゅんな段階では、「領域」〔統治領域〕、「領民」〔被統治領民〕、「統治装置(システム)」の三要素へ分節し得る。
 それぞれの要素はさらに下位の要素の複合から成り立っている。
●「領域」の概念は必ずしも領土とは限らない、遊牧民国家の場合、文字どおり領域が国家のテリトリーとして観念され得る。
●「領民」の概念は、領民とその「生活世界」を含むものとする。
●「統治装置」は、「統治機構」〔統治者、狭義の統治機構、及び、法及び慣習、言語〕、統治の正当性に関する〔共有された〕「権威」の観念、統治の「永続性」に関する〔共有された〕幻想が複合したものである。「統治機構」のテリトリーである公空間も統治装置に含まれる。
 
国家の概念規定:「統治機構」による「統治領域」と「被統治領民」に対する統治が、「被統治領民」及び、「統治機構」の双方に共有された統治の正当性に関する観念(「権威」の観念)と、統治の「永続性」に関する幻想とで支えられた複合を「国家」と見なす。
 
●例えば、「国連」は下位の諸国家を統治する段階に至っていないので「国家」ではない。
●例えば、「家庭」は「統治装置」の内に、狭義の統治機構、公空間の要件を欠くので「国家」ではない。
●生産装置(システム)、経済装置(システム)、教育装置(システム)、法治機構、軍事機構、外交機構などは、「領民」が正当として受け入れる統治の永続性を支持する為に(「永続性」の)幻想が続く範囲で、領民の生活を保証・維持するサブシステムである。
 「生産装置」「経済装置」は、「領民」に付随する「生活世界」の領域に属し、「法治機構」「警察機構」「外交機構」などは「統治装置」のサブシステムである。「教育装置」は「統治装置」と「生活世界」の両者にまたがるサブシステム。
●統治装置の内で、複数の権威と統治機構(狭義の統治機構)がせめぎあう国家も少なくはない。
●一国家一民族の国家規定は、近代に特殊な観念で普遍的なものではない。
 民族(ネーション)の概念規定は通例、「言語、習俗、宗教(神話)を一にするにんげん集団」。これに対し、素朴な段階の「部族社会」段階の同族意識はエトノスと概念規定される。エトノスは、神話(含む血縁幻想)を媒介にした部族社会間の緩い同族意識であり、「習俗」や「言語」に関しては、変異(ヴァリアント)包含しつつ、ネーションにあるよぉな、単一化への強制力(「教育装置」「法治機構」による強制力)は持たない。
 「民族」(ネーション)の概念は、近代になって実態としての「エトノス」が制度的に整理されたものであり、政治的イデオロギーの一類である。

◎領域概念をキーにした国家の諸類型
 「非定住型国家」:チンギス・ハーンの国家(蒙古帝国が定住型国家に転じたのはチンギスの死後)。
 「定住型国家」:大体の国家はこれ。
 定住型国家の下位に、さらに領域の在りかたによる諸類型を見出し得る>「都市国家」、「オアシス国家」、「属領化型国家」(西欧型近代国家は属領化型国家の一類型)。
 
◎領民概念をキーにした国家の諸類型(統治装置の在りかたも強く関わる)
 「複民族国家」「帝国(世界帝国)」「多民族国家」「連邦国家」「国民国家(「近代国民国家」)、など。
※「近代国民国家」は実態としては、多民族であることのほぉが多いが、主に教育装置(システム)の働きで、「国民国家」への強いバイアスがけられていることが多い。
 
◎統治装置の在りかたをキーにした国家の諸類型
 「王国」「神権国家」「帝国(世界帝国)」「立憲国家(近代国民国家)」、など。
 
◎国家の考古学:「部族社会」と「部族連合」
 「部族社会」は、統治機構を構成し得る諸要素が、慣習の体系(タブーの体系)に埋没している段階のにんげん集団と見なせる。要素解釈によって、これを国家類似の複合と見なすこともできるが、(「部族社会」を)「国家」の一類型と見なすことにはやはりムリがある。
 「部族連合」は、「部族社会」と「王国」(「国家」)との間のステップと見なすことができる。
 「部族社会」の統率者は、血縁での世襲は必ずしも正当視されない、タブーの体系とそれを管理する装置(長老会、シャーマン)などによって、“実力者”が交代していく段階のにんげん集団が「部族社会」である。左記の事情は「部族連合」も同じ。
 ただし、なにかの事情で、統率者の権威が、タブーの体系を管理する装置より優越し、統率者のカリスマ(個人的権威)の血縁継承が正当視されるよぉに変質すると、「部族連合」が「王国(国家)」に飛躍することもあり得る。
 チンギス・ハーンの国家はこの典型(チンギス・ハーンの国家は比較的短期間で「部族連合」→「王国」→「帝国」と変化した希有な例)。
 また、古代ユダヤ民の共同態は、「部族連合」から「王国」へ変質した可能性が高い。旧約聖書のモーセに関する伝承をこの事態推移の痕跡として解釈することも可能。
 逆に、「部族連合」から「王国」への飛躍に失敗した事例としては、長老会に統率権を否認された、ジェロニモの例がある、と言われる。
1998年12月25日:23時34分30秒
Re:【冗句】外交官を演じる(銅大さんへ) / ジョニィ
 
 >追記:手元にX10モジュールがないため、もしかしたらごく一部に間違いがあるかも知れません。
 ぎゃはははははっ。面白すぎますぅぅぅぅぅぅ!!
 
 #取り乱してすみません。
 
 私がメガトラベラーで、或る国の外務大臣をやった時に、以下のような事がありました(その時の簡単なリプレイです)。
 
 両開きの扉の前で、そのちょび髭を生やした黒髪の小男は私に振り返った。
 扉が開かれると同時に、私は目の眩むフラッシュに見舞われた。
 誰かに手を取られて移動しながら、このフラッシュは止めてくれ、と私は思っていた。
 気がつくと、あの小男が私に右手を差し出していた。
 私としては、この様な独裁者と握手をするのは気が進まなかったが、外務大臣としては多少の事には我慢しなければなるまい、と思った。
 そして、握手を交わした時、今までよりも更に大量のフラッシュがたかれ、またしても私の視界を奪ったのだ。
 握手が終わり、ふと周囲を見た時、私は愕然となった。
 何と私は、直径が5mはあるかという惑星儀の前で、独裁者とにこやかに握手をしてしまったのである。
 この写真が、どのようなプロパガンダに使われるのかと思うと、顔が引きつるのであった...。
 
 #この時私が思ったのは、「は、はめられた...」でした(笑)。
1998年12月25日:23時30分05秒
Re:外交の数値化(らむださんへ) / ジョニィ
  
 >(1)D&Dモジュール(X10)
 >外交の結果も基本的にダイス一発勝負
 どんなに努力しても最後はサイコロに泣かされるというのは、プレイヤーがかわいそうですよね。
 
 >(2)『ペルシアン・ガルフ』
 カードの使用は、面白いですね。
 でも、RPGだと、らむださんの言う様に、意外性が面白いのだと思うので、GMによる判断は必要というわけですね。
1998年12月25日:23時28分11秒
Re:国家の特徴の表現:プロイセンの例(らむださんへ) / ジョニィ
 
 >国家というものを論じるとき、何も限定がない「国家」のままだと議論になりにくいのですが、さりとて個別事例だけでも話の幅がつくりにくいのですよね。
 私としても、らむださん言われる「現実世界の国家のイメージを使えないか?」と言うのは、とても良いアイデアだと思います。
 はっきりとした「国家設定としての土台」があると、皆さんも意見を言い易いのではないでしょうか。
 
 #らむださんは、プロイセンはお好きですか?
 #私も勉強しようと思っていますが、最近時間がありません(T_T)。ビスマルク宰相閣下万歳!
1998年12月25日:23時26分27秒
Re:シナリオ講座:盗賊ギルド編1(カヲルさんへ) / ジョニィ
 
 >「敵を知り、己を知らば、百戦して百勝危うからずと言うではないか。情報を制した者が、その場を制することができるのだよ。」
 カヲルさんは「孫子」がお好きなのですか?
 
 >SWに限ったことではなく、RPGでは、頻繁に盗賊ギルド/マフィアなどが登場します。そして、これらは情報の入手手段として活用されることがあります。しかし、冒険者が簡単に連絡を取れるような非合法組織が、なぜ、当局に潰されないでいるのでしょう?
 私が考える、一つの理由として、犯罪件数を一定以下に保つ効果があるのではないでしょうか?
 盗賊達も馬鹿ではないと思うので、悪戯に犯罪件数を増やして、治安組織の取り締まりを強力にしたくはないと思うのです。
 で、ギルドが統制する事によって、犯罪件数を一定レベルに保つ効果があるため、国の方でも治安維持の面から黙認する。と言うのは考えられないでしょうか?
1998年12月25日:23時22分00秒
【情報と政治】考察1について(Prof.Mさんへ) / ジョニィ
 
 Prof.Mさん、返事が遅れて、すみません。
 確認なのですが、Prof.Mさんの対象は、GMをする人の為の情報ですよね?
 
 >1.「政治」をシミュレートするために必要な情報の種類
 私の知る限り、大臣は、Prof.Mさんの書かれた項目については、メインで遊んでいるMTの中では、使用する場所については設定しているようです。さすがに有象無象のNPCについて迄はしていないでしょうが(多分、有象無象のNPCはアドリブなのではないかと)。
 
 >私が思うに,万単位の人口を持つ集団を率いていくのに「自分が直接動く以外に情報収集の手段がない」などと公言するのは,自分に(ゲームとしてであっても)「政治」を扱う資格がないと言っているのと同じではないでしょうか。
 これは、大臣の「私は帰ってきた!」に書いてあった事ですよね?
 誤解を招く書き方をして申し訳ありません。
 この場合の直接動くとは、「自分で何を調べるのかを決定」して、使用出来る「組織」の「部下等に命令する」等の事を含んでいます。
 
 >2.「政治」をシミュレートするために必要な情報の量と質
 Prof.Mさんの言う通り、情報の確度(正誤)を判断する事は、とても重要だと思います。
 
 >3.「政治」をシミュレートするために必要な情報の相関性
 ここが難しい所なんですよね。でも、避けては通れないんですよね(笑)。
 
 >*1:他国の方が税率が低ければ,商取引の中心は隣国に移るでしょうし,農民の場合なら農地を捨てる可能性さえあります(これに伴って,治安状況が悪化することは言うまでもないでしょう)。
 今のドイツ企業が、通貨統合によって、税金の安いオーストリアに進出するのと同じ様な物ですね。
 
 >次回(年明けになりますが)は,情報収集の方法について話をすすめる予定です。
 Prof.Mさんの書き込みはとても参考になるので、楽しみです。あまり無理なさらずに頑張って下さい。
1998年12月25日:17時59分59秒
【冗句】外交官を演じるシナリオ(D&DのX10) / 銅大


D&DのX10とは懐かしいですねぇ。

このシナリオは『自国に侵略してきた軍隊を撃破するために、外交官で
あるキャラクターたちが他国に援助を求めて旅立つ』というあらすじだと
記憶しております。
三国志でいうなら、赤壁の戦いの前に、呉との同盟を求めた蜀の孔明のよ
うなもの。相手を動かすために丁々発止の駆け引きが楽しめる.....のでは
ないかと、普通なら考えますよね。
が、しかし。
さすがはD&D。一筋縄ではいきません。

PC「ぜひ我が国との同盟と、援軍派遣をお願いします!」
A国の大臣「ふむ、たしかにそちらの提示した条件は魅力的です。が、しか
し....」
PC「何か問題でも?」
A国の大臣「最近、この国の辺境でドラゴンが暴れておりまして、そちらに
軍を送らなくてはならんのですよ。残念ながら国外に派兵してい
る余裕はありません」
PC「なら、そのドラゴンが退治されれば何の問題もないわけですな」
A国の大臣「そのとおりです」
PC「わかりました。私もオックスフォード大学で国際外交を学んだ男です。
((眼鏡をクイ、と持ち上げて ジャキン、とドラゴン・スレイヤーを装着 ))
そのドラゴン、この私が倒してごらんにいれましょう。ですから援軍の方、
何とぞよしなに」

それだけではありません。

PC「よろしいですか。我が国が占領された場合、あなたがたは海へ通ずる
交易路を失うのですよ。試算ではありますが、この国の主要輸出品であ
るスパイスの売り上げは最大で74%の減少が見込まれます。失業率は、
20%近く上昇し-----」
B国の王「ええい! ごちゃごちゃうるせぇ! 難しい話をするんじゃねぇ!」
PC「失礼しました。では、援軍の方は....」
B国の王「出してやらんこともない。だが、おまえさんの言っていることが
本当かどうか確かめてからだ」
PC「どうすれば信じていただけるので?」
B国の王「(もろ肌脱いで、岩のような拳を突き出し)そりゃおめぇ。男な
ら拳と拳を交えて語り合うのよ!」
PC「わかりました。私もケンブリッジ大学で国際外交を学んだ男です。
(眼鏡を外し、背広を脱ぎ捨て、ファイティング・ポーズを取る)
お相手いたしましょう。ですから援軍の方、何とぞよしなに」

がんばれ外交官!
戦え外交官!
祖国は君の帰りを、君の帰りだけを待っている!
王都落城まで、あと3ヘクス! あと3ヘクスしかないのだ!


追記:手元にX10モジュールがないため、もしかしたらごく一部に間違い
があるかも知れません。

1998年12月25日:14時13分42秒
外交の数値化 / らむだ
 外交のことで。自国に対する他国の友好度を数値化したゲームについて、2つほど思い出したので書きます。
  
 (1)D&Dモジュール(X10)
  
  『レッドアロー・ブラックシールド』という粋な名前の対侵略軍戦争シナリオ。
 PCは使節として諸国を駆け、侵略を受けた国に援軍を送るよう、要請してまわります。このとき、それぞれの国家でいろいろ任務などを課されるのですが、それにうまく応えられるかどうかで、各国の援軍派遣決定チェック(2d6で国ごとの達成値以上)にボーナスやペナルティがつくというもの。
  
 ここでのポイントは、ある国家がすでに援軍の派遣を決定していると、その友好的・敵対的な国家の反応が上下する点。侵略軍側に対して元々友好的な国家もあるので、その場合は、いかにして参戦させないかが勝負となります。また、PCの交渉中も、専用マップにて戦争そのものは(大規模戦闘ルールに基づき)推移し、PCたちに影響を与えていきます。
  
 レベル的にPCの国際舞台への登場といった状況で、ある既成の要職から外交そのものを扱うというわけではありません。また、外交の結果も基本的にダイス一発勝負ですが、国家からの支援はだめでも、PCが個人的に仲良くなったNPCたちを連れていくという、非常に冒険者らしい次善策も示唆されていました。
  
  
 (2)『ペルシアン・ガルフ』
  
  第三次世界大戦架空戦シミュレーションゲーム。中東動乱を米ソの2プレイヤーが争います。
 PLは手札として数枚の外交カードを持ち、これを使用することで中東地域の10を越える諸勢力を味方に引き入れようと努力します。カードにはPL(例えば米)の行う外交(A国支援、とか)と、その影響(A国+1、B国−1など。たいがい、あちらを立てればこちらが立たない)が示されます。
  
 外交ボード上には米陣営とソ陣営を左右につなぐ数段階のマス目が表され、中東諸勢力のマーカーが、国情に合わせて米寄り・ソ寄りのマスに置かれます。1つのラウンドでは米ソが同時に1枚のカードを出し、マーカーはそれらのカードの数値分のマス目だけ左右に動き、米ソのいずれかの陣営に到達すれば、自国側として完全に参戦します。
  
 イスラエルとかシリアあたりは1,2枚のカードで簡単に米・ソの陣営に入るのですが、イラクなどは容易に腰を割らず、かといってあまりテコ入れしていると、イラクに敵対する諸勢力が敵PL側についてしまったりします。カードによっては+−とも大数値ばかりというものもあり、リスクは大きくとも一発に賭けるという思い切った外交も表現できます。
  
 ボードによってPLの目に見える数値を示し、カードによる駆け引きを可能としていますが、いかんせんカードにない内容の外交はできません。RPGの場合ですと、ある程度予想される選択肢についてはGMがその影響を数値化しておき、PCの意外性ある行動に対してはその場で判断する、という程度でしょうか。
 2国が敵対し、開戦に備えて両国の間にある諸勢力(傭兵団、ギルド、山賊など)との同盟を図るという限定状況なら、このシステムでもいけるかも。
1998年12月25日:12時14分35秒
国家の特徴の表現:プロイセンの例 / らむだ
  
 国家というものを論じるとき、何も限定がない「国家」のままだと議論になりにくいのですが、さりとて個別事例だけでも話の幅がつくりにくいのですよね。
 その間をつなぐものとして、現実世界の国家のイメージを使えないものか?『グイン・サーガ』でも、例えばモンゴールは東欧スラブ国家っぽいし、イメージの手がかりが何かしらありますよね。どの国家にも、その国家独特の要素というものがあって、その特徴が示されれば、見ている方も「あ、あの国みたいな」と雰囲気を察することができます。
 で、とりあえず、現実世界の国家を設定化し、特徴を抽出してみるとどうなるのかな、と思い、試してみました。
  
 [例]
 プロイセン王国(7年戦争直前ぐらい)<適当。以下も含め、あくまでイメージです。
  
 1)国土: 寒冷で平坦。とくに東部は痩せている。河川多い。自然国境はほとんどない。緩衝地をはさんで列強に囲まれている。
 2)民族: 勤勉で徹底的。いくぶん粗野。言語はまだ未熟。外来語の流入多い。
 3)農業: 小規模荘園が残存。麦、馬鈴薯、酪農。西方に比べ収穫量低い。
 4)商工業:都市部でようやく工場制手工業勃興。しかしイギリスに圧倒されている。
 5)体制: 絶対主義。啓蒙君主のもと、法体系の改革に着手するが、貴族の反対が強い。ただし、王権をおびやかすような強大な貴族はいない。
 6)宗教: ドグマ的な領邦教会の独占に対する、啓蒙思想の「寛容」擁護。
       道徳的堕落を防ぐ新たな宗教教育の希求。
 7)軍事: 軍事的天才である君主に率いられた、優秀な正規軍。しかし人口少ないので補充が困難。
       学校教育制度の拡充による、農民の徴兵準備。
 8)外交: 2正面作戦の回避。列強への参入。
 9)文化: 大学新設によるザクセンへの対抗、公教育の整備。文学などはイギリス、フランスなどの後塵を拝す。
       外来文化への傾倒と、徐々に高まる自国文化への希求。
 10)階級: ユンカー。没落しゆく小規模荘園主。軍隊士官・将官階級に地歩を占め、服従と規律の精神を形成してゆく。 
       明確な市民階級はまだ存在しない。英仏的啓蒙思想の流行と挫折。
  
 不十分なうえに適当な内容ですみません。私自身、これに「歴史」が付け加えられなければ何の意味もなさないと思っていますが。
 ...うーん、逆に、もっと単純化・類型化できないかなあ。
1998年12月25日:10時52分44秒
【情報と政治】D&D領地経営ルールの場合 / らむだ
>Prof.Mさんへ
  
 ご提案にしたがい、タイトルをつけました。
 提示していただいた情報の各項目について、実際のRPGではどのようになっているのかを、(Prof.Mさんはご存じでしょうが)D&Dコンパニオンセットの領地経営ルールを例に考えてみます。
  
>国内政策
>1)農地面積および収穫量
   ルールなし。
>2)商取引
   ルールなし。交易品については、各地域のサプリメント(ガゼッタ)で補足。
>3)通貨の安定度
   ルールなし。
>4)治安状況
   領地の「信頼度」。経営の巧拙やイベントにより増減する。
   ただし、増減は概ねDMに一任される。(増減幅の限界はある)
>5)自国の人口
   1家族5人として概算、ある確率で自然増。イベントで減少。
>6)食料の自給状況
   ルールなし。
>7)国庫の収支(収入/出費の内訳)
   収入は資源の種類(植物・動物・鉱物)と人口から算出。
   出費は俸給、建設費、軍隊維持費などの総計。
>8)自国軍の形態(傭兵,国民軍,その他),練度,装備,規模
   大規模戦闘ルールあり。
>9)(プレイヤーキャラクターが官僚,臣下の場合)主君の感情,性格,行動様式,思想
>10)自国の文化的背景(思想,宗教,他)
   サプリメントおよびDMによる規定。
  
>国外政策
>1)〜>4)
   国内政策に同じ
>5)政治形態
>6)政治機構
>7)隣国と,第3国との関係
>8)自国と隣国との関係
   サプリメントおよびDMによる規定
>9)自国の民衆の隣国に対する感情
>10)隣国の民衆の自国に対する感情
   サプリメント(ガゼッタ)では、他国民から見たある国の典型的な印象を、必ず数例挙げている。
>11)隣国の食糧自給状況
   ルールなし
>12)隣国の政治中枢の感情,性格,行動様式,思想,言動
>13)隣国,第3国の軍備
>14)隣国の文化的背景
   サプリメントおよびDMによる規定
  
 なお、PCの政治能力はスキルルール(オプション)によってある程度補足されます。
 D&Dの場合、詳細な領地経営ルールと、1国1冊を基本とする設定サプリメント(ガゼッタ)によって、幾分それらしい「政治」のシミュレートが可能となっているように思えます。
 しかし、それでも、収穫量などの重要な事項は意外にもルールで定められていません。
 また、「信頼度」の増減がDMに一任されていることから明らかなように、政治的行為がもたらす影響・反応を決定するのは、ゲームシステムではなくDMという一個の人間です。
 ただ、これは、ゲームシステムによって客観的な結果を導くことをあきらめ、DMの恣意にまったく委ねている、というものでもないでしょう。
 つまり、詳細な設定(PLにもその一端が機に応じて伝達される)が、PLやDMの判断を助け、PL(PC)の政策決定に対するDMの反応が恣意的なものでなくPLたちに納得できるものになるよう、方向づけているのだと思います。
  
 #あまり目新しい結論ではないですが...(自滅)
1998年12月24日:21時36分58秒
【情報と政治】提案:『「情報」の面から見た…』関連発言の題名の付け方 / Prof.M

前発言で,私,「意見があったら遠慮なく発言して下さい」と書きましたが,その発言の題名の付け方について一つ提案があります。

それはですね,本発言のように題名の頭にヘッダ(見出し)をつけるというものです。良く行われる“RE:”をつけるという方法をとるにしても,元発言の題名は少々(?)長いですし,だからといって適当な題名をつけていたのでは,発言内容の把握の面ではデメリットが大きいですからね。

私が今書いている小論,『「情報」の面から見た…(以下略)』関連の発言には,題名に必ず【情報と政治】と入れるというのは如何でしょうか?


1998年12月24日:00時04分22秒
政治物? シナリオ講座  盗賊ギルド編−1 / カヲル
小説形態で新説発表はしばらく控えないといけないようですね。では、シナリオ講座でも書いてみましょう(^^)
 
 
 「敵を知り、己を知らば、百戦して百勝危うからずと言うではないか。情報を制した者が、その場を制することができるのだよ。」
 ある軍師が、戦疑板を前につぶやいた言葉。
 
 SWに限ったことではなく、RPGでは、頻繁に盗賊ギルド/マフィアなどが登場します。そして、これらは情報の入手手段として活用されることがあります。しかし、冒険者が簡単に連絡を取れるような非合法組織が、なぜ、当局に潰されないでいるのでしょう?
 
 以前、SWや一行でも話題に上ったことがありますが、多分に「政治的判断」と言う物があるようです。
 
 (1)情報の入手手段として必要。
 Prof.Mさんも書いておられますが、政治を行うには膨大な量の情報を必要とします。しかし、貴族が個人で情報組織を持つのは、かなりの無理があります。国家が所有する情報収集組織・・・CIA等と同等の維持費が必要です。こうなると、貴族が個人で情報収集組織を持つよりは、必要な情報を買うほうがはるかに安上がりです。
 
 これは、国家に置いても同様です。国が貧乏で、たくさんの情報員を雇うことができない場合は良くあります。(特に若い国家には) 
 こういう場合、お金を与えるのではなく、「存在を見逃してやるから情報を納めろ」と政治的取引をするわけです。ある意味、封建領主制に似ているかもしれません。
 
 シナリオ1
 国家に納める上納金・・・でなくて(^^)、情報を収集するために、他国に行って来いとパーティの盗賊に命令が。一人では無理そうなので、仲間に相談した盗賊は、盗賊ギルドに交渉して報酬を取り付ける。
 目的は、隣国の軍備がどれほどかを調べる事。
 たくさんある砦を巡り、街の噂を調べる。忍び込む。空から魔法使いに偵察してもらう。運び込まれる兵糧の量から推し量る。等々
 
 情報をきちんとつかんでいれば、侵略戦争は有利に展開。砦の中に進入したことなどがあれば、もう一度進入して、砦の門を内側から開ける決死隊に志願しないかと・・・成功すれば英雄です。
 
 
 シナリオ2
 パーティは、とある貴族の内情を調べてくるように依頼される。それが済んだ後しばらくして、一通の手紙を、その領主の書斎の中に隠してこいと依頼が・・・
 戦士は番兵として潜り込んで警備状況を探り、女性キャラは、メイドとして潜り込み、盗賊はもちろん・・・
 
 当然任務成功の次の日には、その領主の政敵が動かした官憲が大挙してやってきて、「動かぬ証拠」を見つけだすでしょう。うまくとばっちりを食わないように、さりとて怪しまれないように対処しないといけません。
 
 長くなるのでいったん切ります〜
1998年12月23日:21時13分37秒
「情報」の面から見た「政治」のRPGへの導入に関する考察(1) / Prof.M

遅くなりました。私見『「情報」の面から見た「政治」のRPGへの導入に関する考察』を始めたいと思います。私自身,政治学を学んだ訳ではありませんし,どのようにまとめたら良いか悩みましたが,『「政治」をRPGに導入する場合,どの程度まで考えなければならないか』に主眼をおいて話を進めることにしました。「政治を導入するには,これでは不足/偏りがある」,「当を得た内容ではない」など意見がありましたら,是非発言していただきたく思います。

今回は,RPGのメインテーマとして政治を捉えた場合,どのような種類の情報が必要になるか,その質と量,情報の相関性について,私見を述べていきます。

では話を始めましょう。

第1章:RPGのメインテーマとして政治を据えた場合

<1>「政治」をシミュレートするために必要な情報の種類

 まず最初に,中世的世界で政治を行う場合,政府が必要とする情報にはどのようなものがあるか,書き出してみましょう。

国内政策
1)農地面積および収穫量(過去10年以上)
2)商取引(交易品の種類,交易額,関税,専売,流通機構など)
3)通貨の安定度(国際通貨に対する自国通貨の交換比率,物価)
4)治安状況(民衆の領主に対する感情,貴族の国王に対する感情,犯罪)
5)自国の人口
6)食料の自給状況→収穫量,商取引,人口のデータから算定が可能
7)国庫の収支(収入/出費の内訳)
8)自国軍の形態(傭兵,国民軍,その他),練度,装備,規模
9)(プレイヤーキャラクターが官僚,臣下の場合)主君の感情,性格,行動様式,思想
10)自国の文化的背景(思想,宗教,他)

国外政策
1)隣国の経済状況(農地面積,収穫量,関税など)
2)隣国の商取引の状況(交易品の種類,交易額,関税,流通機構など)
3)隣国の通貨の安定度(国際通貨に対する隣国の通貨の交換比率,物価)
4)治安状況(民衆の領主に対する感情,貴族の国王に対する感情,犯罪)
5)政治形態(封建制,君主政,共和政,貴族政)
6)政治機構(領主が直接携わっているのか,官僚制が整備されているのか,情報収集組織が存在するのか)
7)隣国と,第3国との関係(敵対的,中立,友好的,同盟,属国,血縁関係,他)
8)自国と隣国との関係(敵対的,中立,友好的,同盟,属国,血縁関係,他)
9)自国の民衆の隣国に対する感情
10)隣国の民衆の自国に対する感情
11)隣国の食糧自給状況
12)隣国の政治中枢(国王,領主,国家元首など)の感情,性格,行動様式,思想,言動
13)隣国,第3国の軍備(形態(傭兵,国民軍,その他),練度,装備,規模)
14)隣国の文化的背景(思想,宗教,他)

以上,私がRPGの主題に(大臣氏が言うところの)「現実世界を仮想世界に反映させ、模擬的に行動し、結果を得る事」を目的として「政治」をおいた場合,最低限必要と考える情報を大まかに分類したものですが…ずいぶんたくさん出てきましたね(^^;(中には項目1)〜4)の様に対象が異なるだけで分野が同じものもありますけどね)。
さらに,陰謀劇とかもゲーム内で絡めるのなら,「対象人物の日々の行動」「対象人物の他との交流の内容(会話,書簡,他)」「対象人物に関わる人物の行動」など,必要となる情報は倍増します。

 政治を行うには(例え架空世界で擬似的に扱うにしても),様々な分野に関する情報を必要とするのです。しかも規模が大きければ大きいだけ,必要な情報の量,種類は(指数的に)増大し,故に情報の収集手段(組織など)を持つことが重要となります。

#私が思うに,万単位の人口を持つ集団を率いていくのに「自分が直接動く以外に情報収集の手段がない」などと公言するのは,自分に(ゲームとしてであっても)「政治」を扱う資格がないと言っているのと同じではないでしょうか。


<2>「政治」をシミュレートするために必要な情報の量と質

 言うまでもないことですが,一つの項目に対してたった一つの(生のままの)情報しか与えられないのでは,政策にゆがみが生じるのは避けられません。従って,一つの項目について複数の情報源から複数の情報を収集することが必要になります。

 得られる情報は,断片的なものであったり,誤りがあったり,互いに矛盾するものであるのが一般的でしょう(つまり質,量にばらつきがある)。原因としては,視点が異なる(大商人と行商人とか)こととか,観察者の主観が混在しているとか,見方そのものが誤りであるとか,などが挙げられます。また,得られる情報は全体の一部のみを反映したものが大半で,事象全体を詳細に記述したものは稀でしょう。そこで,得られた情報の信頼性を検討し,断片的な情報から全体を推定する作業が必要になります。

 情報の信頼性を検討する手段として容易なのは,一つの項目についてともかく大量の情報を集めることです。その内容を統計的に処理することで,信頼性を確認することが可能となります(様々な方面から得た情報が同じ内容を示しているのであれば,その情報はかなりの確率で信頼できるでしょう)。ただし,この方法はとても時間がかかります。

 もう一つの方法としては,別の視点から見た情報と内容を突き合わせる「クロスチェック」があります。いわゆる「裏をとる」というやつですね。しかし,これには「複数の密偵を放ち,それぞれの報告を聞く」など相応の手段を必要とします。

 もし,情報収集機関から一つの項目についての情報が一つしか無い場合,それは様々な情報をまとめ,分析した結果かどうか,ゲームマスターに質問する必要があります。

 ゲーム内で生のままの情報を与えられるのなら,情報の信頼性や内容の評価を適正に行うために「クロスチェック」を行うことが重要でしょうね。


<3>「政治」をシミュレートするために必要な情報の相関性

 前項で述べたように,政治を行うには様々な種類の,かつ大量の情報を必要とします。一つ一つの政策に必要な情報は,上に上げた項目の内2,3しか必要としない,という意見も(おそらくは)あるでしょう。でもちょっと考えてみて下さい。各政策は独立したものでも,その施行結果は,相互に干渉することのない独立したものなのでしょうか? 例えば,国内政策において,増税一つとってみても,政策決定の段階では,収穫量や交易額のデータがあれば良いように見えますが,実際には他国領(および自国内の封土)の税率や,関税額,物価などの情報がないと,政策が頓挫する可能性が高くなります(*1)。

 対外政策でも同様に,隣国だけでなく少し離れた位置にある国家の情報まで考慮しなければ,具体的な政策を打ち出すことは不可能でしょう(無論,自国と隣国以外に国がない場合は別ですが)。自国および隣国に都合の良い政策でも,それが原因で少し離れた国家に不利益があれば,戦争のきっかけをつくることになりかねません(少なくともその程度までは考慮する必要があります)。

 *1:他国の方が税率が低ければ,商取引の中心は隣国に移るでしょうし,農民の場合なら農地を捨てる可能性さえあります(これに伴って,治安状況が悪化することは言うまでもないでしょう)。

次回(年明けになりますが)は,情報収集の方法について話をすすめる予定です。
1998年12月22日:11時52分54秒
小説投稿について / まこと
このようなものは、長文投稿へのリンクもしくは自分のホームページに掲載すべきではないでしょうか?
1998年12月22日:11時48分55秒
社会集団成立の前提 / 皇帝
自然発生の集団と人為的に作られた集団の違いについて

走り回っていた先生方も落ち着きを取り戻し、何とか年を越せそうになってきましたので、以前に「後述させていただきます。」と言っていた部分につきまして、私見を述べさせていただき、先の発言を補完させていただきます。(LOG3「統率者に必要な能力」の補完です。参照していただければ幸いです。)

自然発生の集団と人為的に作られた集団の違い
社会集団(人間の集まり)は、その成り立ちにより大きく2つに分類されます。表題にあります通り、自然発生した集団と人為的に作られた集団です。自然発生した集団と言うのは「家族」であり、「村」であり、「国」であります。人為的に作られた集団と言うのは「会社」であり、「政府」であり、「軍隊」であります。それぞれの一例を挙げましたが他にもまだまだ沢山あります。前者は漠然とした集合体から自然発生し、後者は目的を持って集合され編成されていると言うことであります。
では、何でそんなこと問題にするの?と言うことですが、基本的に前者は信条体系(LOG2「意見交換のまえに」を参照していただければ幸いです)があらかじめ定まっていなく、後者は信条体系があらかじめ定まっている。ということです。この違いは大きなものがありまして、両方の場合とも集団を率(統率)いているわけでありますが前者の場合その集団の目的(信条)をも定め(統治)なければいけないと言うことが挙げられます。

自然発生の集団
その集団の目的を定め(戦略の決定)、その集団から合意を得、その目標に向かって集団をまい進させる。これが、人為的に作られる集団との大きな違いであります。確かに、実際「衣食足りて礼節を知る」とか「民富まざれば仁なすなし」とか言われていますように、その集団が利益の欠乏により生存できないようであれば、利益の追求を目標に掲げても良いのですが(安全についても同じ)、その目標を達成したならば、統治者は次ぎの目的を示さなければなりません。現在の日本が「衣食足りてなお礼節を知らず」といわれているゆえんは、戦後経済が困窮していた状態から経済の復興により利益が確保されるようになって、なお、目的を変更していないからに他ならないのです。

人為的に発生した集団
この集団は、最初に目的(任務)有りき、です。したがって統率者はその任務をどうやれば果せるか(戦術)を考えれば良いだけになります。この集団は(例えば会社、又はその中の部課など)、最初に任務があり、それを達成するために統率者(指揮官)を指名し、その統率者に人、物、金等を与えてその任務を達成させます。したがってその統率者の至上命題は「任務達成」にあり、自然発生の集団の統治者とはその性質を異にします。任務達成のために、与えられた資源(人物金)を使用する権限が(指揮権)与えられ、その責任を負わされます。

結 論
社会をモデル化し、世界設定の背景に使用する場合、その集団の成り立ちを考える必要があります。最初に自然発生の集団(国)を設定します。その集団の発生条件、周囲の環境(地政学的見地)からその集団の信条を推測し概定する必要があるでしょう。次ぎに、その自然発生した集団が目的等を達成するために必要な組織を(人為的集団)を設定していくと無理なく合理的な設定が可能になると思います。

*戦略と戦術の垣根は明確でなく現在では定義も明確でない状態です。したがって私の発言したように完全に分類できるわけではないことをご理解下さい。

集団成立の違いによるその集団の性質の違いを、私見を交え発言させていただきました。間違っている部分も多分にあると思います。ご指摘、ご意見いただければ幸いです。
1998年12月22日:07時01分37秒
ラムリアース戦記3:恐怖の黒い嵐 / カヲル
 これは、オリジナルラムリアースの設定に対しての新説発表を小説の形にしたものです。主に、「ロボトミー教育」と、「なぜ、農民兵主体のファン軍が、同じ農民に対してあれほどまでひどいことをできたのか」についてです。
 
 
  父上、一頭の狼に率いられた百匹の羊は、一頭の羊に率いられた百匹の狼に勝てるのです。動くのは今を置いて他にありません!
 
 ある騎士が父である領主に言った言葉。
 
 
 ファンの軍隊は、連戦に連勝を重ねていた。ラムリアースの隙をついたとはいえ、15の砦を瞬く間に落とした事は、充分賞賛に値するであろう。侵略地域はラムリアース国土の2割に迫らんとしている。
 
 戦利品も、実に膨大なものだ。砦に備蓄してあった分だけでなく、農民の蓄えを根こそぎ奪いつつあるのだから。
 通常の戦利品と比べれば、その量は正に桁が違う。
 
 もっとも、量はともかく、質についてはあまりよいとは言えない。農民が口にできるのは普通、町民よりは劣るものであるし、貴族とは比べるべくもないからだ。
 今回、もっとも多い戦利品はジャガイモである。寒冷な気候に適し、穀物ほどではないが保存が利き、パンと比べると調理も容易。ラムリアースが北方にありながら、高い自給率を誇る理由の一つがこれである。もっとも、少し暖かい地域になると、とたんに保存性が悪くなる。生育も劣る。ロマール辺りでは、有効な作物とは言えないであろう。
 
 ファン軍は、これらの戦利品を獲るために、部隊を中隊規模に分けて略奪を行わせていた。その際、いかなる暴行もしてよし、と言明している。
 
 いつもなら、農民兵達は、この命令に嫌悪を感じるような善良な・・・あるいは、朴訥な者達であっただろう。だが、今は違った。たくさんの砦を攻め、勝ち、圧倒的な数で少数の敵をなぶり殺しにするという行為を繰り返したのだ。血に酔っていることおびただしい。
 
 しかも、危ないと思われるような戦はまだ経験していない。戦とは命のやりとりであり、いつ自分が死ぬかわからないものだと言うことを知らないのだ。もっとも危険な狂気にとらわれていると言っていいだろう。
 
 そして、自分たちと同じ境遇の農民達に対してさえためらいを見せなくなったとき・・・その命令はやってきた。
 「赤子を皆殺しにせよ」
 それまでに行われた暴挙がいかなるものであったかは、私は語らない。皆、知っていることだからだ。
 
 戦争の狂気。それまでの非道な行い。罪悪感の麻痺。これらによって、例え自分がイヤだと思っても、言い出せない雰囲気。この、恐ろしい狂気に巧みに誘導されたファンの農民兵達は、全くためらわなかったのである。
 
 
 そして、ラムリアースの農民達は、このあまりな非道を前にしても、どうすることもできなかった。
 
 ラムリアースは、大陸一の古い歴史を誇る国である。当然ながら、農民統治のノウハウも膨大なものがある。それを使って、貴族達は、ある教育を施した。
 といっても、学校に通わせてさせるような教育ではない。
 あるいは、調教に近いものかもしれない。
 何世代もかけ、少しずつ、じわりじわりと続けた教育。
 その目的は、農民に無抵抗の服従を疑問に思わせない、と言うものである。
 
 貴族には従うもの。税は黙って出すもの。労役や兵役は進んで出るもの。そういった教育を施されたのだ。
 ある時はむちを振るい、ある時は見せしめに領民を殺し、少しでも逆らえば苛烈な罰を与え。同時に、従うものには飴をくれてやる。
 これにより、農民達は、唯々諾々と主に従うゴーレムのような「忠実な道具」と化していたのである。
 普通の国なら、鍬や鎌を取ってでも抵抗しただろう。
 が、この国では、あり得ないことだったのだ。
 あるいは、主である領主達がその場にいれば別だったのであろうが・・・
 代わりに指揮を執るべき者達が、早い時期に大きな砦に集合し、ファン軍に皆殺しにされたことも、書いておくべきだろう。今では、小規模な反抗が散発的に行われるだけだ。
 
 今・・・ラムリアースに吹き荒れる黒い嵐を防ぐ手だては無いのであろうか? 
 いや・・・今はまだ朝日は見えない。だが、もうすぐ。もうすぐだ・・・
 
1998年12月22日:03時05分13秒
掲示板移動についての提案 / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
 あずまさんからも提案がされていますが、アタシも、今続いている話題に関して、掲示板の移動を検討していただくことをお願いします。
 今の話題が盛り上がっていて、楽しみにされているかたもいらっしゃることもわかったうえで、あえてお願いいたします。
 個人的な提案ですが、ただちに移動してください、とか、いったん今の話題を中断してくださいと、お願いするつもりはありません。今の話題を楽しみに、交流を深めてられるかた多いですから。
 そこで、今の話題を続けながら、掲示板の移動や、(あずまさんの提案された)掲示板の新設などにつていて「簡易掲示板の活用法」掲示板で、並行して話し合われることを提案します
 特に、一連の話題にアクティブに参加されているかた主体での、並行検討をお願いしたいと思います
 
 アタシが掲示板移動(含む新設の検討)をお願いする理由は次のよぉなものです。
1>SW固有の設定の突っ込んだ解釈のうえに為されている話題が多いので、(アタシのよぉな)SW門外漢は話題に加わりづらい。
2>すでにSWベースのオリジナル設定ワールド、少なくともSWオフィシャルワールドから派生したパラレルワールド(?)の域に達しているので、例えSWに詳しい人でも、(YANさんの言われるとおり)、初めてこのボードをみた人(含むROMの人)は混乱する。
3>「SWオフィシャルワールドからオリジナルワールドへスピンオフした際のスピンオフのエンジニアリング思想」、「政治のモデルを如何にシステムに反映させたかのエンジニアリング思想」などがあまり明確化されていない→そのため、他のグループの参照や、他のシステムへの応用が考えづらい(私見では、下線付け部がこのボードのガイドラインがめざすところだと思います)。
 以上三点の理由です。

 YANさんは「今の所、他の話題は上がっていませんから、移動しなくても構わないんですけど…」と言ってられます、これは一面事実で一連の話題がこのボードを占有しているわけではないのですが。
 しかし、上記の理由があいまって、話題についていけない的に感じてる人が、タイヘン入りづらい雰囲気が固まりつつあるのも、また、事実ではないかと思います(私見)。
 異論もあおりかと思いますけれど、この件、「USAGE」掲示板に書き込んでいただけましたら、アタシもきちんと応答したく思います。
#ジョニィさんにしてみれば、SW掲示板からせっかく移動してきたので、おもしろくないかもしれませんけれど、そこをあえて、ご検討お願いしたく思います。
1998年12月22日:00時03分23秒
Re:向こうに参加したい(アウレ・マハール黒剣騎士団長へ) / ジョニィ

 >ラムリアースの小村 焼け残った農家
 >「マハール導師、なぜこのような事を許すのだ。すでにラムリアースの1/3は押さえた。 われらの領土となる土地を自らの手で破壊しているではないか。」
 >「わからぬか。それがわからぬうちは、うぬはまだ騎士止まりよ。
 >ラムリアースが反攻の体制を整えられた後もこの地を押さえられると思っておるのか。
 >ファンはラムリアースにまだまだおよばぬ。たしかに奴等の驕りがこの好機をわれらに与えた。
 >われらはできるうちにできるだけのことをせねばならんのだ。この戦いにしくじればファンは滅ぶ。」
 「相変わらずだな、マハール」聞きなれた声が背後からした。
 「その事が解っているのは、我が国では卿と、国王陛下、それと私ぐらいかも知れんな。」そう言いながら、クローク将軍が近づいて来る。
 「マハール、すまんが、優秀な騎士団長である卿には、もう少し苦労してもらう事になりそうだ。」口の端に悪戯っ子のような笑みを見せる将軍。
 「実は…」
 
 アウレ・マハールさん、勝手に続き書いちゃってすみません、雰囲気が出ていた物ですから、つい...(笑)。
 あと、勝手にファン王国の時からの、「黒剣騎士団長」にしてしまいましたが、宜しいでしょうか?
 
 >前回の戦術の意味
 >当時の状況を私がファン側から見るとこうなります。
 お見事です。見識の高さに感服いたしました。
 
 >もしあちらへの参加がOKでしたら、現在のファンドリア側の戦略も発表しましょう。
 こちらこそ、お願いします。ファンドリアの方の戦略をアウレ・マハールさんがどうお考えになるのか、とても興味があります。楽しみにしています。
1998年12月22日:00時00分56秒
ラムリアース戦記:(カヲル候女へ) / ジョニィ
 
 >前提2、とりあえず、ジョニイバージョンの設定は、将軍のつかんででいる噂レベルのもの(^^)として扱う。 あるいは、完全に無視する(ジョニイさんすいません〜)
 カヲルさん、大変面白く読ませて頂きました。私の事など気にせず、どんどん書いて下さい。
 続きが、とても楽しみです。頑張って下さいね。
1998年12月21日:23時59分40秒
王国設定、J:屯田兵(MARS大臣へ) / ジョニィ
 
 >勘違いがあったのですね。
 とんでもありません、こちらこそ、失礼致しました。
 
 >1,屯田兵の規模
 >軍事教育をした者の全てを投入します。
 屯田兵って給料、国が払うのですか?
 私、実は屯田兵について良く知らないので、教えて頂ければ、とても助かるのですが...。
 
 >一番の理由は表向きはこちらがまったく戦意を持っていないと思いこませるためです。
 なるほど、まるでゲリラの様ですね(笑)。恐ろしい。

 >賠償金請求
 相手にとっては大変イヤーな感じですね(笑)。
1998年12月21日:23時58分27秒
『政治セッション・レポート』について(ENTさんへ) / ジョニィ
 
 >セッション(もしくはキャンペーン)が終わった後など、「実行した政策、みなさんから提案した政策」が「どのように実行され、過程を経て、如何なるなる結果を迎えたか」を簡潔に報告されることを期待します(笑)
 頑張ってみます。
 
 >この政治セッションは毎回、どのように経験点を算出し、どのように評価されているのですか?
 もらった事無いかも(笑)。
 何故かというと、時間切れで終わらない事もありますし(27時間続けても終わらず、死屍累々)、国が滅びない限り話は続き、滅びた時にはミッション失敗(笑)、経験点なしですから。一応区切りがついたら1000点という事にはしようという話にはなってますが...。
 
 参考にならなくてすみません。
1998年12月21日:23時38分40秒
(現在の話題に関して)掲示板の移動、賛成です / YAN
 
 今の話題を、他の掲示板に移すことについて、賛成でーす。
 
 今の状況では、このボードを初めて読まれた方が混乱するのではないでしょーか。
 
 今の所、他の話題は上がっていませんから、移動しなくても構わないんですけど…。
 
 この際、専用ボードに移動したほうが、もっと「やりたいほうだい」できるのではないかと(;^^)。
1998年12月21日:23時22分04秒
RE.掲示板を移動してはどうですか? / 皇帝
 
  あずまさんへ
 
  始めまして、皇帝です。「掲示板を移動してはどうですか?」を読ませていただきました。ジョニィさんとこのボードを利用されている皆さんへの心配からのご配慮による発言と思います。ですが、私見を述べさせて頂けば、私はまったく
 
> 「SWを身内でどう遊んでいるか、それに対して、みんながどう思うか」
 
  というような感想はいだきません。私の独断で恐縮ですが、ジョニィさんは多分、政治的な思考をする前提として、「ラムリアースの設定」を行い、その状況の下で、どのような政治的手法、判断、政策を取ることが可能か、また、そう考えるに至った理由などを聞きたくてこのような書き込みをしているように思えます。
 
  実際私も、皆さんの提案されたいろいろな政策とそれを採用した理由などを参考にさせていただき、シナリヲ作成に役立たせて頂いています。特に、らむださん、MARSさん、d−muraさん、ENTさんを始めとする方々の具体的で詳細な政策とそれに至る考え方や、アウレ・マハールさんの「向こうに参加したい」などは、片方の陣営からの視点ではなく、両方の陣営から見る政策のあり方として大変参考になりました。
 
  ラムリアースの設定もジョニィさんが長文投稿に記載されたものに多少の修正で現在のところ落ち着いているようですし、政治の話をするにも、私が過去に書いたような一般論よりも、このような「前提条件」が具体的に決まっていた方がより、やり易いのではないかと思います。
 
  私としては、場所を移動する必要性を感じないのですが、どうでしょうか。ご意見頂ければ幸いです。
1998年12月21日:11時56分47秒
掲示板を移動してはどうですか? / あずま

どうも、あずまです。

話の内容が、「SWというシステムで政治を如何に扱うか」から、
ROMをしていた感じからすると変化しているように思います。
現時点では、「SWを身内でどう遊んでいるか、それに対して、みんながどう思うか」に見えます。
つまり、ここで話し合われたことがジョニィさん達の遊び方に影響を与えているとは思えず、
SWでの新しい遊び方の提案とも思えなくなっているのです。

98年12月13日:04時27分22秒の、「ラムリアース設定補完委員会」を作ってはどうでしょう? / 佐藤宇育さん
という書き込みから、内容の変化を期待していたのですが、変わらないようです。

そこで、提案なのですが、無料の掲示板システムを貸し出しているところもありますし、
ご自身でHomePageを持っていらっしゃるかたもおありでしょうから、
そういう所に移動されてはいかがでしょうか?
または、管理人のsf氏にお願いして、掲示板を別に作って貰うとか、
sf氏からTRPG Netのスペースを月いくらかでお借りするとか(<援護射撃(笑))。

このまま、この掲示板群のリソースを消費していく様な内容には思えなくなってきましたが?


1998年12月21日:11時27分23秒
向こうに参加したい / アウレ・マハール
 ラムリアースの小村 焼け残った農家
 「マハール導師、なぜこのような事を許すのだ。すでにラムリアースの1/3は押さえた。 われらの領土となる土地を自らの手で破壊しているではないか。」
 「わからぬか。それがわからぬうちは、うぬはまだ騎士止まりよ。
 ラムリアースが反攻の体制を整えられた後もこの地を押さえられると思っておるのか。
 ファンはラムリアースにまだまだおよばぬ。たしかに奴等の驕りがこの好機をわれらに与えた。
 われらはできるうちにできるだけのことをせねばならんのだ。
 この戦いにしくじればファンは滅ぶ。」

読参みたいになってきたんですけど、私は向こうに参加したい。悪の帝国ファンドリアで 陰謀をめぐらせてあげましょう。
 前の侵攻に参加していてもまだ生きていて不思議はないですからね。

  前回の戦術の意味
  前提
 ファンはラムリアースに対し国力で劣っている。
 現在(当時)、ラムリアースは首脳二人を一気に失っており、軍事的に速やかな決断を下せる状況に無い。
 今回の侵攻でファンはラムリアースを打倒できない。

  こうした前提から、前回の侵攻の目的です。
 ラムリアース国土の1/3を破壊する事により、ラムリアースとファンの国力を均衡させる。
 今回破壊した地域の民衆のラムリアースへの信頼感を破壊し、ファンへの恐怖を植え付ける。
 中期的にはこの地域の領主を中立化し、最終的にはファンの衛星国家を設立する。この地域を入手できればラムリアースに対し国力で優越できる。
 当時の状況を私がファン側から見るとこうなります。
 もしあちらへの参加がOKでしたら、現在のファンドリア側の戦略も発表しましょう。


1998年12月21日:02時06分23秒
re:ラムリアース戦記を読んで / カヲル
皇帝陛下、お褒めに与り光栄です〜。一人は、面白いと思って下さる方がいたのですね。良かったです〜
 
 どれぐらいかけるか、それはわかりませんけど、しばらく書いてみたいと思います〜
 
 あと、作家というわけではありませんけど、ドージンに小説を書いてます。内容は・・・聞かないで(笑)
 
 もっとも、原稿を送る代わりに読み終わった同人誌をもらうという関係なので、編集作業には関わっていません。2回に一度はボツになりますし(^_^)

 シナリオネタ・・・もちろんオッケイですよお(^o^)
 面白いシナリオになることを祈ります〜
 
1998年12月21日:00時40分04秒
ラムリアース戦記を読んで / 皇帝
カヲルさんへ
  すごいですね、これ。カヲルさんって職業、作家なんですか?良い雰囲気出てますよね、シナリヲのねたに使わせてもらいます。(いいですか?)
1998年12月21日:00時31分57秒
ラムリアース戦記2:王城の暗雲 / カヲル
ある御前会議を見た、冒険者が漏らした言葉 
 「貴族って奴はよ、自分の栄達と利益しか頭にないんだよ。口ではもっともらしいことを言ってても、その実自分の利益が裏にあるのさ。」
 
 
 ラムリアースの王城グレイ・フォレスト。その謁見の間。そこでは、イルアーナ14世を前にして御前会議が開かれていた。議題は、老齢と病で相次いで亡くなった、騎士団長と将軍の地位をどうするかについてである。
 
 貴族1「やはりここは、副騎士団長だったクラモン男爵を騎士団長にするのが順当ではありませんかな?」
 貴族2「論外だ!身分が低すぎる!副官という役職でさえ分不相応なのだぞ!」
 貴族3「確かに。それよりは、代々武官を務めてきたハイオン侯爵を推挙します。身分、財力、共に申し分ない」
 貴族1「何を言う!ろくな実戦経験もないハイオン侯爵など、相応しくないわ!」
 貴族4「まあまあ、そういきり立たずに。それでは、実践経験、身分、財力、共に申し分ないリヒャルト殿はどうですかな?国境の砦を10年も守り抜いたと言うことで、兵からの人望もあります。」
 貴族5「論外だ!そやつの父は、冒険者上がりの新参者 なのだぞ!そんな成り上がり者に任せられるか!」
 貴族6「確かに、伝統ある我が国の騎士団長に、そんな成り上がり者をつけるわけに行きませんな」
 リヒャルト「成り上がりだと?実力もないのに生まれだけで高い地位についている貴様らに言われたくないな。俺も父もラムリアースに対して多大な貢献をしている。お前らよりもはるかに、な。」
 貴族4「まあまあ、リヒャルト殿。確かにお腹立ちの気持ちはわかりますが、そう険悪にならずに。皆さん、今、ファンが我が国に侵攻してきているのです。ここはやはり、実力のある者を押すべきでしょう」
 貴族3「実力だと?リヒャルトの守る砦はあっさり落とされたではないか」
 貴族2「いや、弁護するわけではありませんが、城主のいない状態で10倍の戦力に攻められたら、さすがにどうしようもないでしょう」
 イルアーナ14世「・・・・・・・・」(終始無言)
 
 みな、必死になって自分の支持する候補者を推挙し、他の候補者を誹謗している。自国が現在、侵略を受けていることなどお構いなしだ。
 
 いや、ファンが侵略してきた故にこそ、もめていると言えるかもしれない。
 
 安定した国では、家柄ばかりが重視され、実力による人事は行われにくくなる。今回のファンの侵攻は、滅多にない手柄を立てるチャンスなのだ。成り上がるチャンスなのだ。その手柄を、立てやすいように采配してもらうためにも、自分の属する派閥の者を上に立てなければならない。
 
 一度特定の地位につけば、よほどの失態を起こさない限り死ぬまでその地位についたまま。これはつまり、次のチャンスは当分訪れないと言うことを指す。今しかないのだ。
 
 
 彼らは知らなかった。あるいは、侮っていたと言うべきか。攻められたのならば攻め返せばいい。土地を奪われたのなら奪い返せばいい。そう思っていた。
 
 自分たちの国で、何が行われているのか。民達が徹底的な略奪と暴行を受け、大量の死者が出ていることを。民衆に、ぬぐい去ることのできない恐怖と・・・ラムリアースと言う国に対しての不信感を植え付けるために、あらゆる非道が行われていることを。
 
 侵略の目的は土地を奪うこと。すなわち、民衆に対しては、さほどの非道を働くはずはない。そう思いこんでいたのかもしれない。あるいは、「多少の」非道を働かれても、換えって好都合と考えた者もいるのかもしれない。  ファンの非道から救われたと民衆に思わせることができれば、今後の統治がやりやすくなると。
 
 一部では、知っている者もいた。だが、ファンの非道が表だって問題にされることはなかったのである。
  
 いずれにしろ、ファンの軍隊が好き放題をする時間を与えたこと。これは、認めなければならない失敗と言うべきであろう・・・
1998年12月21日:00時28分37秒
TRPGのための政治学的設定の部屋 LOG 004 / sf
TRPGのための政治学的設定の部屋 LOG 004として1998年12月13日から1998年12月20日までのログを切り出しました。
1998年12月21日:00時26分26秒
ラムリアース戦記:魔法戦士ルカオンの帰還 / カヲル
 前提1,ファン王国末期の混乱について、公式設定とできるだけ同じにする。
 前提2、とりあえず、ジョニイバージョンの設定は、将軍のつかんででいる噂レベルのもの(^^)として扱う。
あるいは、完全に無視する(ジョニイさんすいません〜)
 
 
  ある軍師曰く
 「より強力な敵に勝つには、正面から戦ってはいけません。それでは必ず負けます。」
 「と言うわけで、奇襲と各個撃破を併用した作戦を考えてきました。」
 
 男は、水晶球に向かって、意識を集中していた。背の高い、がっしりした男だ。腰に剣を差している。一見して戦士のようだ。普段着と言うことなのか、重い鋼の鎧は着ていない。だが、目ざといものなら、彼の指にはまった、メイジリングに気づいただろう。そう。彼は、魔法戦士なのだ。
 彼の名はルカオン。東方諸国では、かなり有名な冒険者だ。 
 
 ルカオン「ほ、本当ですか!?ラムリアースがファンに攻撃を受けた!?しかも、宣戦布告もなしに!?」
 
 ここは、世界最大の国、オランの王都にある賢者の学院である。
 そこの一室で彼は、遠話の水晶を使って、実家の次兄と話しているのだ。定期的に近況報告をしろ、さもなくば家を出ることは許さんと言われているので、しかたなく今回も・・・と思っていたら、とんでもないことを次兄から聞いてしまった。
 ルカオン「それで、戦況はどうなのです?うちは大丈夫なのでしょうね?」
 せわしなく、水晶に向かって質問する。水晶に写った次兄は、深刻な顔で答えた。
 ヘリオン「かなり良くない。我が国は、今、将軍と騎士団長が老齢と病で相次いでなくなり、後継争いで大もめにもめている。主立った貴族の当主達は皆王都に行っていて、指揮をするものが国境付近にいない。その隙をつかれて、各個撃破されている。あるいは、お二人が亡くなったのもファンの謀略なのかもしれんな・・・うちも父上と兄上が王都に釘付けになっている」
 
 ルカオン「く・・・わかりました、では、こちらから増援を送ります。」
 ヘリオン「増援?お前、オランにいるんだろう!?だいたいただの冒険者が、まとまった数の兵士を持っているはずも・・・」
 ルカオン「違いますよ、兄上。冒険者を送るのです。」
 ヘリオン「な・・・そんなもの、役に立つわけが!」
 ルカオン「魔法を使える者が多く、個人の実力は高い。統制は取れていませんが、グループを組んでいるレベルでの結束力は絶大。数人のグループで、数十人の兵士の働きをしてみせる奴らです。そして何より、ここはオラン。かなりの数を集めて見せますよ。」
 そういって、ルカオンはにやりと笑った。
 
 最近覚えた、転移魔法を使えば、オランからラムリアースまでの距離は問題にならない。資金については、これまで冒険をしてため込んだ魔法の宝物を売ればどうにでもなる。
 そして、さらにいくつかの問題点を話し合った後、ルカオンは、まず仲間を説得するために冒険者の店へと向かった。
  
 
 好き放題に略奪と暴行を続けていたファンの第97中隊が奇襲を受けて物資を強奪されたのはこの3日後のことである。
 しかし、ファン軍の上層部はこれをあまり重視しなかった。
 略奪により物資が非常に潤沢であったこと、辺境に派遣した小部隊からの報告であったこと、略奪された量が、その部隊の行動に影響されるほどの量でなかったことなどが主な理由である。
 だが、この時すでに、12の部隊が同じ被害を受けていたことは全くつかんでいなかった。
 
 理由はいくつかある。
 まず、第97中隊が受けた被害と同程度の被害であったため、部隊の指揮官があまり重要な事だと考えなかったこと。略奪を受けた村人が、何とかして食料を取り戻そうと、闇に紛れて忍び寄るというのは頻繁にあったこと。落とした砦からの敗残兵が小規模な襲撃をかけてくることも頻繁にあったこと。なにより、部隊指揮官に自分の失態を隠し、手柄ばかりを報告したいという心理が働いたこと。
 
 これらによって、ファン軍上層部は、組織的な反抗が密かに始まったことを気づかないでいたのだ。あるいは、今まで恐れていたラムリアース軍に連戦連勝していためにおごりと侮りの心が芽生えていたからかもしれない。
 
 だが、この対応の遅れが、ラムリアース軍に貴重な時間と軍事行動を行うための物資を与えたことは否定できない。
 
 ・・・包囲されて補給の途絶えていたルーナムに久々に食料が運び込まれたのはその2日後のことである。

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