[KATARIBE 32226] [HA21L] 夜会に忍び寄る影38

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Date: Wed, 8 Apr 2009 22:50:19 +0900
From: Subject: [KATARIBE 32226] [HA21L] 夜会に忍び寄る影38
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[HA21L] 夜会に忍び寄る影38
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登場人物
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狭間全般Wiki - 夜会に忍び寄る影

    http://hiki.kataribe.jp/HA/?YakaiNiSinobiyoruKage


会議を終えて
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[Hisasi]  からからと車椅子を押されながら

 ウヤダ    :「…………」

[Hisasi]  左半身だけでなく、右手の動きもおぼつかなくなってきた

 銀二     :「……」
 ウヤダ    :「……崩壊は一瞬、か」

[Suo]    車椅子の後ろを歩く
[Hisasi]  今まで過ごした一人の時間はなんだったのかな、と、思いつつ

 ウヤダ    :「だが、0だった頃より……今のほうが充実してると、思える」
 銀二     :「そうか……」

 銀二     :「充実しているからこそ、短く感じるというのもあるのかもな」

[Suo]    時間そのものも短かったけれど

 ウヤダ    :「そうだな……ファミリーを殺して、一人で生き延びていた
        :時間のほうが何倍も長かった……だが」

 ウヤダ    :「一人で過ごした60年よりも、お前やキャリー、アニーや
        :友霞が居る時間のほうが、遥かに濃い時間を過ごしたと思う」
 銀二     :「そうか……」
 ウヤダ    :「ひとりだと、時間がわからなかった……死に物狂いで生き
        :延びようとするその一瞬だけだった」
 銀二     :「…………」
 ウヤダ    :「戦死した石橋に成りすまして……同じく死んだ仲間の荷物や
        :無人になった野営地を漁って、日本語を覚えた」
 ウヤダ    :「最初は何もわからなかった、ただそれでも何もしない
        :という選択肢はなかった、目の前にある何かを片付けること
        :しかなかった」
 銀二     :「…………」

[Suo]    それもモローの仕組んだプログラム故か
[Hisasi]  学習しろ
[Hisasi]  と

 ウヤダ    :「……そのまま日本で、やくざものの石橋として、軟派の
        :鍬田として……そして仕事人ウヤダとして生きた」

 ウヤダ    :「動かなかった日はなかった、仕事をしなかった日は数える
        :ほどしかない」
 銀二     :「生きるため、ただ純粋に、生き延びるために……か」
 ウヤダ    :「……ああ、それが俺に課された命だった……」

 ウヤダ    :「……だから」

 ウヤダ    :「お前達と関わってからが、初めての、俺だけの人生だった」
 銀二     :「そうか……やっと掴んだ人生なのに……それが……」

[Suo]    こんな惨い終わりを迎えることになるなんて

 ウヤダ    :「…………」

[Hisasi]  手を広げてみようとする、だが指が動かない

 銀二     :「どうした?」
 ウヤダ    :「…………もう」
        :>言葉が一瞬つまりそうになった

 ウヤダ    :「……動かない」

[Hisasi]  一瞬、胸が詰まった

 銀二     :「……」
 ウヤダ    :「……銀二」
 銀二     :「ここに居るぞ」
 ウヤダ    :「ああ……頼まれて欲しいことがある」

[Hisasi]  お部屋つれてって、預かって欲しいものあるから

 銀二     :「おぅ」

 銀二     :「……とりあえず、部屋に行くかの」
 ウヤダ    :「ああ、頼む」

[Hisasi]  で、移動して。

 ウヤダ    :「そこの引き出しの一番下をあけてもらえるか」
 銀二     :「これじゃな(からり」

[Hisasi]  で、中に入っていたのはカーキのずた袋

 ウヤダ    :「袋が入ってる、それを」
 銀二     :「これは……石橋卓郎の荷物かの?」

[Hisasi]  以前ウヤダが持っていたあれ
[Suo]    渡す
[Hisasi]  膝の上においてもらった(うけとれないんだ
[Suo]    膝の上に置いた

 ウヤダ    :「…………ああ、石橋卓郎と鍬田利朗の手記と、鍬田の母
        :……しずさんの手紙が入ってる」
 銀二     :「……出すか?」
 ウヤダ    :「頼む」

[Hisasi]  で、かなり古い手帳二冊と色あせた手紙

 ウヤダ    :「……」>腕をうごかして、指先で触れる、触れるだけ。

[Hisasi]  つまめないしめくれない

 ウヤダ    :「これを……預かっていて欲しい」
 銀二     :「わかった」
 ウヤダ    :「……こいつらのことは、手記を通したことでしか知らな
        :かった。だが、俺がここで生きていく中で……こいつらは
        :仲間だった」
 銀二     :「……」
 ウヤダ    :「……しずさんは、何の縁もなかった俺を……気遣って
        :くれた。俺がわかっていなかった頃に」
 銀二     :「優しい人だったんじゃのぅ」
 ウヤダ    :「……そう、だな」

 ウヤダ    :「……今はもう墓標もない……継ぐ者もいない無縁仏と
        :して、時間だけが過ぎて」

 ウヤダ    :「せめて、お前が持っていてくれないか。いつか終りが
        :来る日まで」
 銀二     :「わかった。……これはワシが預かろう」
 ウヤダ    :「……頼む」

[Hisasi]  泣くたくない
[Hisasi]  泣きたく
[Hisasi]  でも泣いてもいい気がするぜ
[Hisasi]  手帳を手に取ろうとした銀二
[Hisasi]  ふと、その手に雫が落ちた。

 銀二     :「……」

[Suo]    そっと肩に手を置く

 ウヤダ    :「…………」>唇を噛んでいる

[Hisasi]  涙がこみあげた

 ウヤダ    :「……まだ、終わりたくない」
 銀二     :「……」

[Hisasi]  ぎんちゃんの胸にすがるように

 ウヤダ    :「……消えたくない……やっと」
 銀二     :「……」

[Hisasi]  やっと家族と仲間ができて、ちょっと言いづらいけど好きな子
      できたのに

[Hisasi]  これをユカタンは見た(家政婦的に
[Toyolina] mjd
[Hisasi]  車椅子座ってうごけねーウヤダさんが銀ちゃんに縋って泣いてます
[Suo]    背中ぽんぽんしてます
[Hisasi]  死にたくねえ、って
[Suo]    よーしよしよしよしよしよしよし

 ウヤダ    :「……」>ようやく落ち着いてきた
 友霞     :(うやださん、泣い……てる……)

[Toyolina] 廊下の影で立ち尽くす
[Hisasi]  肩震わせて泣いてます
[Hisasi]  ユカタンの前ではやっぱり大人の対応してますが(がんばって
[Hisasi]  銀ちゃんの前だと強がれない

 ウヤダ    :「…………」>ぐし、と腕をうごかして顔をぬぐった

[Suo]    ハンカチで顔ぬぐってあげるよ

 ウヤダ    :「……奴を、仕留めてくれ……悪夢を、終わらせてくれ」
        :>拭われながら
 友霞     :(……私、じゃ好きってだけじゃ……受け止めれない、の
        :かな……)

[Hisasi]  そりゃJCに泣いて縋るのは、、
[Hisasi]  で、膝の上の手帳と手紙を見て
[Toyolina] 一度やってるくせに……!>JCにすがる

 銀二     :「……(よしよし」
 ウヤダ    :「……生き延びられる可能性は、限りなく低いんだろう……
        :元の俺でなくなるかもしれないというのも」

 ウヤダ    :「でも……生きたい」

 ウヤダ    :「……最後まで、生きつづけたい」
 銀二     :「……ワシが、見届けよう」
 ウヤダ    :「…………ああ」

[Hisasi]  で、ずたぶくろを託して

 銀二     :「それで、ワシが滅びるまでずっと、覚え続けよう。……
        :折に触れて、誰かに話して伝えよう」
 ウヤダ    :「……銀二」
        :>腕をあげた、握手してやってくだしあ、握り返せないけど
 銀二     :「そうすれば……御主の足跡と意思は誰かの心の中で生き
        :続けるじゃろう……」

 銀二     :「おぅ」

[Hisasi]  がっしと握手して
[Hisasi]  で、袋もってさってゆく銀ちゃんを見送った。


残りわずか
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 ウヤダ    :「…………」

[Hisasi]  一人
[Hisasi]  JCちょっとだけ突撃しとこうぜ
[Toyolina] ええもちろん。
[Hisasi]  ぽつねんと、車椅子に座ったまま佇んでいるウヤダさん。
[Hisasi]  さっきまで泣いてたから目が赤い

 友霞     :(ウヤダに近づく)「……お別れ……済みましたか」
 ウヤダ    :「……(ぎくっ)」

[Hisasi]  ちょっとびくっとして
[Hisasi]  振り向いた

 ウヤダ    :「……友霞」

[Hisasi]  目が赤いぜ

 友霞     :(車いすをゆっくり押して)「……ちょっと、妬けちゃいました」
 ウヤダ    :「…………聞いてたのか」

[Hisasi]  怒りはしない、ちょっとだけ気恥ずかしい
[Hisasi]  かなり弱っている様子です

 友霞     :「わざとじゃないです……居合わせちゃうんです……それに」
 ウヤダ    :「……」>ユカタンを見た

[Hisasi]  ようやく気持ちが通じ合いそうになった時には、奴は死を目前と
      していた。

 友霞     :「かえってやる気出ますから。負けないぞって……」

 友霞     :「……間に合わないのが、……すごく、悔しいです」
 ウヤダ    :「…………」
        :>恋愛脳にいまいちついていけないウヤダさん

 ウヤダ    :「……よくわからない、感覚だ……だが、少しだけわかる
        :気もする」

[Hisasi]  他のやつが銀ちゃんと親しげだったら妬けるもんな
[Hisasi]  ……それもどうかと思うけど
[Hisasi]  ここはウヤダんがスイッチを押しておこう
[Hisasi]  のろのろと腕を動かして、ユカタンをだきよせる……ほど器用には
      動かない

 友霞     :「……あ(素直に抱き寄せられる)」
 ウヤダ    :「……もっと時間があったら……違う生き方ができただろうか」

[Hisasi]  誰に聞くってわけでもなく

 ウヤダ    :「お前とも」

[Hisasi]  ここでなんかちゅーしようとするけど、体上手く動かないんで
      ちょっとリードお願いします

 友霞     :「……う……出来ます……出来ますよぅ……」

[Hisasi]  恋空的にちゅーしておきます
[Toyolina] 変に体重かからないように気を遣いながら、ウヤダのほほに手を
      当てた
[Hisasi]  冷たい

 友霞     :「……時間、あったら……もっと、暖められたのに……」
 ウヤダ    :「……友霞」

[Hisasi]  カメラが空気を読む。

 友霞     :(ゆっくり顔を近づけてちゅーした)「これじゃ、足りないのに」

[Hisasi]  そんな、JCさん
[Toyolina] カラダ暖める的な意味でですよ!
[Hisasi]  そうですよね!(HAHAHA
[Toyolina] まだメロリンQが効いてるのかと
[Hisasi]  そのままぎゅっと抱きしめてフェードアウトって感じで
[Hisasi]  メロリンQすげぇな、、、
[Toyolina] 希釈するの忘れたんじゃねえか。。。
[Hisasi]  原液いれちゃったのか
[Hisasi]  カルピス原液レベル
[Hisasi]  お茶一杯
[Hisasi]  そりゃキクわ
[Toyolina] 始末書が増えた
[Hisasi]  ……長官(ほろり
[Hisasi]  というわけでありがとー
[Toyolina] おつかrさまでした
[Hisasi]  ユカタンが持ってるのはウヤダの予備記録マシンです
[Toyolina] 現時点での。
[Hisasi]  記憶とか肉体情報とか、でも作り直すには手間がかかるだけで
      (髭の作業一番多い)
[Hisasi]  髭がやる気を出してくれれば
[Hisasi]  (一番の課題)
[Toyolina] 髭のやる気……
[Toyolina] 接待が効きそうですね!
[Hisasi]  紳士だからね!


時系列と舞台
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3月

解説
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残りわずかな蜜月。

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