[KATARIBE 32154] [HA21L] 大雪の日4

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Date: Thu, 12 Feb 2009 17:19:50 +0900
From: Subject: [KATARIBE 32154] [HA21L] 大雪の日4
To: kataribe-ml <kataribe-ml@trpg.net>
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[HA21L] 大雪の日4
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登場人物
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鞠山春菜
鞠山春菜の父
赤木


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 鞠山     :「ただいまー」
 鞠山父    :「おう、おかえり……ってなんだヒドい格好だな。風呂入れ
        :風呂!」
 鞠山     :「帰りにコンビニ行ったらひどい目にあってさあ。いきなり
        :吹雪きて転ぶしさあ」
 鞠山父    :「吹雪? ケガないか? 転んだりして」
 鞠山     :「だ、大丈夫だって、たぶん……ちょっとぶつけたけどさ」
 鞠山父    :「……お前にもしものことがあったら、母さんに申し訳が
        :たたんだろ。今、風呂わかすからさっさとはいっちまえ」
 鞠山     :「はーい」


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 鞠山@お風呂 :「あいたたた、うわ、痣になってる……」

 鞠山@お風呂 :「やっぱコンビニ行くのやめといたらよかったかも……でも
        :コンディショナー切れてたし、あのコンビニしか置いてないし
        :……もう、あいたたた」

 鞠山@お風呂 :(ちょっとだけ窓あけて外の様子を)
        :「うわ、やばい、めっちゃ降ってる、っていうか寒い!!」
        :(窓しめた)

 鞠山@お風呂 :「ふー……寒……友霞のいるところも、雪降ってんのかな
        :……っていうか、どの辺住んでるとか、聞いてなかったな……」

 鞠山@お風呂 :(湯船でぶくぶく)「ちょっと熱いな……(水出してうめる)」


[arca]   …はっ!
[Toyolina] ?
[arca]   吹雪か…なるほど


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 鞠山     :「……あれ、お父さん、お母さんと晩酌してんの?」
 鞠山父    :(仏壇の前)「ん? ああ。たまには、な」
 鞠山父    :「……ご相伴はナシだぞ。中学生のうちから酒なんて5年
        :くらい早い」
 鞠山     :「はいはいわかってます、っと(父の隣に座る)」

 鞠山父    :「やっぱり女の子は母親に似るのかなあ……」
 鞠山     :(おつまみつまんでた)「んー。お父さんに似たらちょっと
        :ごつすぎだから、それは遠慮するわ」
 鞠山父    :(ショック)
 鞠山     :「自分に似るよりお母さんに似てくる方が、お父さん的には
        :嬉しいんじゃないの?」
 鞠山父    :(やけ気味に日本酒グラスを空けて)「そうとも限んねーよ。
        :いつか家を出て行くんだからな」
 鞠山     :「老後の面倒はちゃんと見るから安心してって。そりゃ、
        :ずっと側にいる、とか言えないけどさ。親子だし、それは
        :縁切らなかったらずっとなんだし」

 鞠山     :「それに……ちゃんと覚えてないから、似てきたって言わ
        :れると、お母さんのこと想像出来て、ちょっと嬉しいし」
 鞠山父    :「春菜……」

 鞠山     :「それより聞いて? この前さ、友霞、あの子の手紙、
        :届けてもらったんだって」
 鞠山父    :「友霞ちゃん? ああ、病気、もう良くなったのか?」
 鞠山     :「……っていうわけじゃないんだけど、一応元気……には
        :してるみたい。まだしばらく退院出来ないけどって」
 鞠山父    :「そうか……良かったな、心配事一つなくなって」
 鞠山     :「うん。お母さんが助けてくれたのかもしれな……ふぁ……
        :ふぁ……ックシュ!!」
 鞠山父    :「ああもう、早く寝なさい。受験前に風邪こじらせたり
        :したら大変だからな」
 鞠山     :「はあい。わかりました。おやすみ!」

[Toyolina] 鼻ちーんして立ち上がる

 鞠山父    :「ああ、おやすみ」


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[Toyolina] 翌日。近所の中学校。

 赤木     :「鞠山、お前んち、セブンの○○店近かったよな?」
 鞠山     :「ん? あ、うん、昨日行った。参ったよ、吹雪なってさ、
        :転んでアザ出来ちゃって」
 赤木     :「お前それくらいで済んでラッキーだろ。あのセブンでさ、
        :駐車場で凍死してたヤツがいるって。お前ニュースとか
        :見てねーの?」
 鞠山     :「マジ? ……ヘタしたら、私も凍死してた? やっばー。
        :ラッキーだなー!」
 赤木     :「おう、頭打ってぶっ倒れてたら仲間入りだって。どうせ
        :またヘニョンだかなんとかってリンス買いに行ってたんだろ」
 鞠山     :「ニョロンだし、ニョとンしか合ってないし、コンディショ
        :ナーだし」
 赤木     :「ああ……ニョロンな、ニョロン」
 鞠山     :「いい加減覚えろよ……あ、そうそう、言ったっけ。友霞
        :……相変わらず、って話」

[Toyolina] うっかり手紙のこと言いかけた

 赤木     :「あ? あー夕方言ってきただろ。とりあえずさ、あんまり
        :気にしててもしょうがないっていうか……北メンになる
        :ためにやるしかねーって話」
 鞠山     :「……そう、だね。あんたはそうした方が絶対いいよ」

[Toyolina] こいつには絶対言えない。ユカタンが眼鏡リーマンと同棲!してる
      なんて

 赤木     :「同じとこいけねーと意味ねーしな。そうだ、鞠山、お前も
        :北高受けて北女なったら?」
 鞠山     :「ん? どういう意味? 北高遠いし、私南高でいいよ近いし」
 赤木     :「家事ってもそんなに手かかったりしないんだろ? もう。
        :そりゃ南高より三十分くらい余計にかかるけど、知ってる
        :ヤツいないと結構辛いし」
 鞠山     :「片道三十分増えたら一日一時間だし。家事はまあ平気
        :だけどさ……寂しがっちゃう。お父さん」

 赤木     :「……そっか……宮島は……」
 鞠山     :「もう知ってる。それはしょうがないねってすぐわかって
        :くれたよ」
 赤木     :「……そっか、ならそれはもうしょうがないか……運が
        :悪かったら、滑り止めで三人顔揃ったりしてな」
 鞠山     :「バーカ。赤木だけ滑り止めで私ら公立ちゃんと受かるっつの」
 赤木     :「んだと。今の覚えたからな。おれが北高で鞠山滑り止め
        :だったら死ぬほど笑ってやるからな!」
 鞠山     :「んじゃ私は肉まん一個くらい奢ってやるし」
 赤木     :「ったく……宮島はそんなこといわねえのに」
 鞠山     :「……そう、だね。まあほら、あの子良い子だから」
 赤木     :「んじゃ、おれ帰って受験勉強するわ。鞠山はどうすんの?
        :途中まで一緒帰る?」
 鞠山     :「校門出るまでならいいよ」
 赤木     :「反対方向だもんな。んじゃ帰るべ」


時系列と舞台
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2009年冬。

解説
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友霞の周りにあったかつての日常。


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Toyolina
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