[KATARIBE 32106] [HA21L] 内部説明会

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Date: Sun, 18 Jan 2009 00:27:25 +0900
From: Subject: [KATARIBE 32106] [HA21L] 内部説明会
To: <kataribe-ml@trpg.net>
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X-Mail-Count: 32106

Web:	http://kataribe.com/HA/21/
Log:	http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/32100/32106.html

[HA21L] 内部説明会
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登場人物
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薗煮広矢(そのに・ひろや)[県警][熱血][眼鏡][オタク][愛すべき馬鹿][正義]
[特務部隊][眼鏡]
http://kataribe.com/HA/06/C/0627/
ワータイガーの刑事さん:古賀猛(こが・たける)[獣人][捜査零課]
[マタタビで酔う]
http://kataribe.com/HA/21/C/0108/


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 吹利県警、ある会議室にて。
 一応兼任零課ではあるものの、まだ一般の枠を出ない署員たちを対象に、薗
 煮広矢は『水』およびそれに準ずる怪異に遭遇した際の対処についての説明
 会を行っている最中だった。

 薗煮   :「……そして、このパターンわけに従い」
 薗煮   :「諸君ら全てに追わせるのは厳しいものだとは理解する、だが」
 薗煮   :「だがやってくれ、無茶を承知で言っている。しかし注意は充分
              に払ってくれ、矛盾しているとは思うが……まずは汚染及び被
              害拡大の抑止、そして己の安全」

[Hisasi]   #ぺちと、ホワイトボード叩いて

 薗煮   :「実際の対処においては、零課の水対策班が行動を行う。それ
              までの現場の確保及び通路封鎖、情報の封殺などに全力を尽く
              して欲しい」

[Hisasi]   #命令は絶対だがそれなりに必死に案を講じている薗煮さん

 薗煮   :「また、この後、零課に応援要員が配属されることになっている、
              人手不足は承知だから多少の緩和が望まれるだろう」

[Hisasi]   #まあ、応援要員は平坂の息かかってんですけど

 薗煮   :「今回の説明会、そしてまとめの資料を元に各自対処を頭にい
              れてくれ、またの講習にて改善案などがあったら遠慮なくこち
              らへ投げかけてくれ、以上、解散」

[Suo]      #署員達が各々退出してゆく中、一人席に座ったままの古賀

 古賀   :「…………」
 薗煮   :「古賀、どうした?」

[Suo]      #なにやら思案している様子で、薗煮の声が聞こえている様子は
             無い

 薗煮   :「古賀?」
 古賀   :(やっと我に返り)「え?ああ、お疲れ様です」
 薗煮   :「……どうした、お前。この所様子がおかしいぞ?」


 古賀   :「そうですか?」
[Suo]      #ぱらり、と資料を畳み

 薗煮   :「ああ、覇気が無い」
[Hisasi]   #ぺちっと肩に手を

 古賀   :「いや、別に……別に、そんなことは……」
 薗煮   :「……んんー」

[Hisasi]   #きらんと眼鏡を光らせて
[Hisasi]   #ずびし、と眉間にびっと人差し指

 古賀   :「!?」
 薗煮   :「……反応が遅いぞ、古賀。らしくない」
 古賀   :「……」
 薗煮   :「お前、なんぞ悩みでもあるのか?」
 古賀   :「……いえ、特には無いですが」
 薗煮   :「その顔は嘘をいっているとマジックで書いてある」

[Suo]      #平坂からは調査していることは零課の他の人には絶対言わぬよう
             にと念を押されているので何もいえない

 古賀   :「いえ……ですから、本当に何も……」
 薗煮   :「…………古賀」
 古賀   :「はい」
 薗煮   :「お前、命じられたことだけが全てだと」
 薗煮   :「思っているか?」

[Hisasi]   #じっと古賀さんの目を見てる

 古賀   :「……命令を守ることが全てでは無いと思います。現場では命
              令通りに行かないことなんて沢山ある……ですが……」
 薗煮   :「だが、なんだ?」
 古賀   :「命令を守ることは基本事項だと思います」

[Suo]      #薗煮警部補の目を見返す。だが、どうにも目に力が無い

 薗煮   :「そうだな、俺達は本来そういう者だ。俺らが命令を守り行動
              起こさんで……誰の示しになる、それは事実だ」

 古賀   :「…………」

[Suo]      #何かを言おうとして口を開きかけ、止める

 薗煮   :「……だが、それが信じるに足るものか、それはお前の内の正
              義だけが……決められる」
 古賀   :「俺の、正義……」
 薗煮   :「俺はな、古賀。昔、上の命に背いたことがある」
 古賀   :「…………」
 薗煮   :「俺は俺の正義を裏切らない」
 薗煮   :「……それを押し通して、俺は命を背いた。まあ……飛ばされ
              たがな」
 古賀   :「そうだったんですか……」
 薗煮   :「それは、組織としては正しい処置だった。処分もな」
 古賀   :「…………」
 薗煮   :「だが……俺は自分の行動に一つも後悔はしなかった」
 薗煮   :「己を曲げて、正義に背いて……お前は納得できるか?」
 古賀   :(正義、か……俺のやろうとしていることは本当に正義なの
              か……?)
 薗煮   :「俺はお前が迷ってるように見える」
 薗煮   :「何かはわからん、ただ、そう見える」
 古賀   :「多分、薗煮警部補の仰る通りだと思います……正直、どうし
              て良いか分からない」

[Suo]      #後半、吐き捨てるように早口で

 薗煮   :「ならば、頼れ。自分だけではどうにも出来ないことがあると
              きに、助力を乞うのは恥でもなんでもないんだぞ」
 古賀   :「ありがとうございます。その……」

[Suo]      #丁度そのとき、タイミング良く携帯のバイブレーター音が鳴り

 古賀   :「警部補、失礼します」
 薗煮   :「……」>眉をあげる

[Suo]      #携帯を取り出して表示を確認する。平坂警視正から

 薗煮   :「…………」>眉を寄せる

[Hisasi]   #その表情から何かを察している様子

 古賀   :「ぴっ)古賀です。……はい。今、丁度レクチャーが終わった
              ところで。……いえ、それは……大丈夫です。はい。……はい。
              ……無論です。はい。……わかりました。それでは」

 薗煮   :「……古賀」

[Hisasi]   #電話終わってから

 古賀   :「……失礼しました」

[Hisasi]   #ぢっと見る目
[Suo]      #唇を噛み締め

 薗煮   :「……今のは、誰だ?」
 古賀   :「…………」

[Suo]      #言うべきか言うべきでないか
[Hisasi]   #葛藤
[Suo]      #片桐の行動の理由がはっきりするまで、零課職員であっても絶対
             に口外してはならないと
[Hisasi]   #これは極秘捜査だ
[Hisasi]   #君を信じて
[Hisasi]   #片桐を追ってくれ、君ならやってくれると信じている

 古賀   :「すみません、今はまだ、どうしても言えません……」
 薗煮   :「…………わかった」

[Hisasi]   #引いておく

 薗煮   :「……ただ、言っておく」
 古賀   :「……はい」

[Hisasi]   #ぽすっと肩を叩いて

 薗煮   :「溜め込むな」
 古賀   :「…………」
 古賀   :「……はい」
 薗煮   :「抱え込んでどうしようもなくなる前に、みっともなくてもい
              いから助けをもとめろ」
 薗煮   :「……俺だって、そんな時期はあったよ」

[Hisasi]   #肩をすくめて

 古賀   :「…………」
 薗煮   :「そんとき、俺に同じことを言ってくれたのは、片桐さんだ」
[Hisasi]   #にっと笑って

 古賀   :「…………」
 薗煮   :「俺は戻る、まだ次の説明会と打ち合わせがあるからな、お前
              も無茶しすぎるな」

[Hisasi]   #片手あげて
[Hisasi]   #さあ、悩ましいね
 古賀   :「はい、分かりました。……薗煮警部補もお気をつけて」

[Hisasi]   #ああいってくれた薗煮は片桐を信じてるんだぜ

 古賀   :(いいのか?……本当にいいのか、これで……?)
 古賀   :(俺も片桐さんには色々お世話になった……けど……こんな、
              恩を仇で返すような……)
 
[Suo]      #去ってゆく薗煮警部補の背中を見送ってから、資料を手に部屋へ
             と戻る。

[Suo]      #円卓のウヤダと零課の片桐巡査が御霞神社で密会する現場を押さ
             えることになり、事態は最悪の方向へと向かってゆく――

時系列と舞台
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2009年初旬。

解説
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守るべきは命令か、仲間か。
自問自答を繰り返すが答えは出ない。

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蘇芳 


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