[KATARIBE 32092] [HA21L] 『迷宮』ラギ女編:その裏側――ねじれた男

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Date: Sun, 11 Jan 2009 19:20:09 +0900 (JST)
From: Subject: [KATARIBE 32092] [HA21L] 『迷宮』ラギ女編:その裏側――ねじれた男
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2009年01月11日:19時20分08秒
Sub:[HA21L]『迷宮』ラギ女編:その裏側――ねじれた男:
From:matuya


[HA21L]『迷宮』ラギ女編:その裏側――ねじれた男 
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登場人物
--------
乃依枝四深(のえぐさ・よみ)
  :睦生のナイトさま。左目の謎は不明。
稲浪睦生(いななみ・むつき)
  :四深のプリンセス。謎の手掛かりを入手。
ねじれた男
  :謎の観察者。


●戦場の観察者
--------------
 
[matuya]  #さあ観戦だけだとヒマだろう。 
[Hisasi]  #おう 
[kurov]   #にゃむ

[matuya]  観戦する二人。 
[matuya]  ふと何かの気配を感じた気がする。 

 睦生     :「……ポリビッチさん……」 
 四深     :「くそ、歯がゆいぜ……」 
 SE     :ガサ…… 
 四深     :「?今何か……」
        :(一瞬騎士とポリビッチ達から視線を外し、周囲を見回す) 

[matuya]  どこかで感じた気配。 
[matuya]  『死』の匂い。 

 睦生     :「え」 
 睦生     :「…………!」 

[Hisasi]  #睦生は感じとれます 

 四深     :(一応持ってきたバットを握る) 
 四深     :「こんな時に……」 

[matuya]  二人の潜んだ木の茂み――その上のほうから 
[matuya]  気配を感じる。 

 睦生     :「ヨミ、あそこ!」 

[Hisasi]  指差す 

 四深     :(ムツキの指差す方向を向き、バットを構える) 

[matuya]  枝に人が腰掛けている。 
[matuya]  ボロボロの青黒いコート。 
[matuya]  目深に被った帽子。 
[matuya]  レンズの目立つ眼鏡。 

 睦生     :「……この人」 

[Hisasi]  もう死んでるんだね 
[matuya]  男をまっすぐ視界に捕らえると 
[matuya]  なぜか視線がそれるような、視界が歪み、ねじれるような
      奇妙な感覚にとらわれる。 

 四深     :(頭をぶんぶんと振り、男に向き直る)
        :「誰だあんた、そこで何をしてる」 
 ねじれた男  :「オヤ――ミツカッタ」 

[matuya]  男、首をかしげる。
      首もとに手をやり、右手で喉仏を、ごきり、とねじる。 

 睦生     :「……ヨミ?」
 ねじれた男  :「ア。アー。あアあ。調整が不十分。 
        :「こんなものだろうか」 
 ねじれた男  :「よくみつけた。気配は出していないのだが」 
 睦生     :「どう、したの?」 

[Hisasi]  睦生にはきこえない 

 四深     :「誰だ、って聞いてんだ」
        :(バットを構えたまま、左手でムツキを庇うようにして
        :いつでも逃げられるように) 
 ねじれた男  :(ふたたび首をかしげる。こきりと音がする) 
 四深     :「こんな時間にこんな場所、それにその匂い。」 
 ねじれた男  :「はて――名前。名前か。
        : わたしは連続性のある個体として名乗ってよいのかな。
        : まあ自我など錯覚のようなものだし名前など記号のようなもの。
        : となればつまりどうでもよいのだが、
        : 問われたら答えるのは礼儀だともある。さてさて
        : ――となれば名乗るべき名前はこうだ」 
 ねじれた男  :「私はアラバキセイイチロウ……いやいや。
        : セイジロウにしておこうか」 
 四深     :「アラバキ……名前なんか聞いたってわかるか!
        : 私が聞きたいのは敵か、味方か、それ以外かってことだ。
        : なんでこんなとこにいる」 
 睦生     :「…………この、人」 
 四深     :「ムツキ、知り合いか?」 
 アラバキ   :「敵か味方かそれ以外。漏れのない区分。明確で良い。
        : だがこればかりは私と君たちとの関係性の問題だ。
        : というわけで先に理由を述べよう。見物をしている」 
 四深     :「……手を出す気はない?」 
 アラバキ   :「今日はあちらが本題。
        : 君たちが私にとって興味深い存在でなければ特には」 
 アラバキ   :「しかし――興味深くないかと言えば、そんなこともないのだが」
        :(ぎぎぎ、と片目をつぶる) 
 四深     :(身構える) 
 睦生     :「……」>ぎゅっと、ヨミの後ろで 
 四深     :「目的は何だ。クリスか、アストか、
        :(ないと思うけど)ポリビッチか」 

[Toyolina] #ヨミさんひどいw 

 アラバキ   :「状況から察するに騎士と標的のどちらかが
        : クリスとアストという名前らしい。
        : 目的は――あれだ。ああその」 
        :(頭を叩く。なんだか固い音がする) 
 四深     :「(標的……)」 
 アラバキ   :「そう。息するように当然のことなので思い出せなかった。
        : 知的探究心」
 
[TK-Leana] #こいつが、セガの筐体とコンパイルの存続した並行世界を開くために
      鍵を求めている魔術師か 
[matuya]  #エストポリス3も作成されているシャンバラですよ。 

 四深     :「……知的探究心?」 
 アラバキ   :「あれは汎次元回廊に通じる門、あまたある世界の鍵。
        : それが目の前で行使されるとなれば見逃すことはない」 
 アラバキ   :(ふたたび片目をつぶる)
        :「とはいえ――君の存在ももなにやら珍しいが」 
 四深     :「標的ってそういうことか。……珍しい?」 
 睦生     :「…………他界の、人?」 
 アラバキ   :「後ろの君も、か。おかしなものだ。ああ。特異点が近いのか」 
 睦生     :「…………(ぎゅ)」 

[Hisasi]  よくわからないけど不安 

 四深     :「特異点?さっぱりだ。わかるように説明してくれ」 

[Hisasi]  特異点、他界、 
[Hisasi]  なんだか嫌な予感がするんです 

 睦生     :「…………ヨミ」>不安そうな声 

 アラバキ   :「変わったことが起きるのだ。これからもっと。
        : 君たちの周りで。穴の上に立つこの街で」 
 四深     :「穴……?」 


●門の開放――その裏で
----------------------

 四深     :「……何だ?」
        :(男から視線を外し、クリス達のほうを見る) 
 アラバキ   :「ああ。来た」 

 四深     :「な……んだ、あれ」(上空を見上げる) 
 アラバキ   :「あれは他界をつなぐ力。
        : 汎次元世界にも稀なる宝具」 
 睦生     :「え、え……」 
 睦生     :「…………鍵?」 

[Hisasi]  思わず手にぎゅっと銀のキーホルダーを握り締めた 

 アラバキ   :「おや」 
 アラバキ   :(左目だけが動き、キーホルダーに横目を向けて)
        :「そんなものがこの世界に」 
 睦生     :「……え?」 

[Hisasi]  アラバキを見る 

 アラバキ   :「くすんでいるがそれはオリハルコン」 
 睦生     :「…………え」 
 アラバキ   :「かつてこの地にあったものたちが
        : それを作り使い失った」 
 睦生     :「…………これ、が?」 
 四深     :「なんでそんなものをムツキが……」 
 睦生     :「これ……私がずっと持っていた……拾われたとき、から」 

[Hisasi]  #そして睦生がどこから来たのかは不明 
[Hisasi]  #それはヨミも知っている 

 四深     :「かつてこの地に……」 
 アラバキ   :「ならば君はそういうものなのだろう」
        :(興味を失ったように、ききき、と左目がもどる) 
 四深     :「一体、何がいたんだ、ここに」 
 睦生     :「……ヨミ」 

[Hisasi]  なんか怖いよ、ヨミ 
[Hisasi]  ぎゅっと、ヨミにしがみつくように 

 アラバキ   :「そろそろおわるかな」 
 四深     :(片手でムツキを抱き寄せ)
        :「心配すんな。ムツキがどんなでも私は友達だ」 
 睦生     :「うん……ありがと、ヨミ
        : ……やっぱりヨミは、いつも、一番かっこいいよ」 

[Hisasi]  #けまいわー 
[Hisasi]  #いいぞいいぞ 
[Toyolina] #けまいけまい 

 アラバキ   :「おわったようだ。よい物をみた」 
 アラバキ   :「行くとしよう」(首をあげて上を向く) 

[matuya]  よく見れば、アラバキの体には細い糸が幾本もからまっている。 
[matuya]  桐の夜空の上空で、ばさばさと羽音が聞える。 

 四深     :「待て!まだ何も……!」 

[matuya]  いつかと同じ気配が多数。 

 睦生     :「……あ」 

[matuya]  やはりこれは『死』の気配。 
[Hisasi]  きゅっとヨミにしがみついたまま 

 四深     :「まさか、あれがドラゴン……?」 

[matuya]  アラバキの体が宙に踏み出す。
      幾本もの糸に攣られて、霧の夜空に舞い上がっていく。 
[matuya]  あの鳥の怪物が、遠い夜空に幾百羽。 

 睦生    :「……つぎはぎの」 

 アラバキ  :「時と世界の巡りあわせで、ふたたび出会う可能性もあろう。
       : 君たちは比較的興味深い」 

[matuya]  夜空の上から聞える、抑揚の無い声が遠ざかっていった。 

 四深    :(ほう、と息を吐く)
       :「……とにかく、クリスのとこに戻ろう」 
 睦生    :「……うん」 

[Hisasi]  きゅっとヨミの手を握ったままで 
[Hisasi]  なんか不安を抱えつつも 
[Hisasi]  ヨミがいてくれるから、大丈夫と。 
[Hisasi]  自分に言い聞かせて

 
●おまけ
--------
 
[matuya]  水の精霊使いで騎士だったが
      精霊がアレしたからつまりただの騎士。 
[Tihiro]  あれ、すごい損してる騎士さまw 
[matuya]  まあ水に侵食されといて無事なんだからそのくらいせんと。 
[Tihiro]  あー、確かに。 
[matuya]  精霊使いだったので自分の使役精霊を総勢使って肩代わり。 
[Tihiro]  水系でよかったですね 
[matuya]  しばらくは寝たきりに。 
[matuya]  クリスとアストを生活費を稼ぐため
      ホストクラブに叩き込むとか考えないでもない。 
[Toyolina] ひw 
[Tihiro]  うーむ、渋めな感じそうな…… 
[Tihiro]  ……性格次第では好みやも知れぬ 
[matuya]  装身具を質屋に放り込むだけでは限度がありますしね。 

[matuya]  右手首を左手でにぎってから左目に突き立てる動作を
      やってみたら絵に描いたような中二病体操第一になった。 
[Tihiro]  あーw 
[matuya]  一旦右手を大きく広げて前にかざし、プルプルさせるのがポイントだ。 
[matuya]  とりあえずクリス覚醒したし、ヨミとムツキ方面に伏線なげたし 
[matuya]  魔術師だしたし、『砂』も出たから目的はおおむねクリア。 


時系列と舞台
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12月末 『鍵と錠前』裏側シーン

解説
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そはオーディンに捧ぐ聖なる供物
次回「ヨミとクリスの炊事洗濯」
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Matuya


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