[KATARIBE 32070] [HA21L] チャットログ『狂い壊れゆく者達』

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Date: Sat,  3 Jan 2009 15:05:57 +0900 (JST)
From: Subject: [KATARIBE 32070] [HA21L] チャットログ『狂い壊れゆく者達』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <20090103060557.ADA8E49DB02@www.mahoroba.ne.jp>
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2009年01月03日:15時05分57秒
Sub:[HA21L]チャットログ『狂い壊れゆく者達』:
From:久志


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チャットログ『狂い壊れゆく者達』
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登場人物
--------
 ウヤダ
    :かつて吸血鬼狩り組織エキドナ・ファミリーに居た。
 ファミリーの兄弟達
    :狂い壊れていった。

古い記憶の中
------------

[Hisasi] #冷たい石畳 
[Hisasi] #しいてあるボロ布はすっかり変色し、虫食い跡だらけ 
[Hisasi] #かび臭い匂い、澱んだ空気 
[Hisasi] #身を寄せ合うようにうずくまる、まだ少年少女といっていい年頃
     の子達 

 ウヤダ@少年 :「……」 

[Hisasi] #冬の寒さが、凍みる 

 レニー    :(かたかた震えてる) 
 ウヤダ@少年 :(その肩に腕を回して) 

[Hisasi] #寄り集まった子供達の中心で 
[Hisasi] #傍らのレニー、周りの子らの体に手をまわして 

 ウヤダ@少年 :「…………集まれ、少しはマシになる」 
 レニー    :「……寒い」 
 アサド    :「マムは、まだ戻らないな」 

[Hisasi] #まわした腕の中で震えるレニー、背中合わせに座ったアサド、
     その両脇には震える仲間 

 エド     :「……今度も、武器を減らされるのかな……」 

[Hisasi] #対吸血鬼用の武装 
[Hisasi] #それは決して安いものではなく、戦いを続けるためには相応の
     支援が必要で 
[Hisasi] #銀弾、銃、銀装備などの効果的な武器はだんだんと減ってきて
     いた 
[Hisasi] #だが、戦いは避けて通れない。 

 ウヤダ@少年 :「……銀弾がなくても、杭とナイフででも渡り合える」
 セエレ    :「……でも、ウヤダはそれでいい、けど」 
 ロッシ    :「どうなるんだろう……俺達」 
 ウヤダ@少年 :「マムとイリが帰ってくるまで待機する、そうだろう」
 レニー    :「……ウヤダ」 

[Hisasi] #かたかた震える体 

 ウヤダ@少年 :「…………待つんだ、他に生きる道はない」 

[Hisasi] #黙り込む少年少女たち 
[Hisasi] #互いに身を寄せ合って、寒さに耐えながら 
[Hisasi] #先の見えない不安を胸に押し込めて 

 ウヤダ@少年 :「……他に、何もないんだ……俺達には」 

[Hisasi] #その目は、どこか諦めきった色を浮かべながら 
[Hisasi] #17・8歳ほどに見える少年からは想像もつかないほどの、諦め
     と虚無が満ちていた。 
[Hisasi] #かつて過ごした世界の中、自ら望んだ道があったことなどひとつ
     としてなかった。 
[Hisasi] #今までも、これからも…… 

 声      :「こっちだよ」 
 ウヤダ@少年 :「!」 

[Hisasi] #顔を上げた 

 レニー    :「マム!」 

[Hisasi] #顔を上げた少年少女達 

 声      :「ほ、ほおぅ、ふえへ、へへへへ」 
 エキドナ   :「ああ、お前達、帰ったよ」 
 アイリス   :「こちらですわ」 
 モロー    :「ふえへ、へへへへ」 
 ウヤダ@少年 :「……マム」 
 エキドナ   :「客人だよ、知っている者もいるだろう。さあ、並びな」 
 モロー    :「ふ、ふえへ、へへへへ」 
 ウヤダ@少年 :「…………」 

[Hisasi] #その男は、何度か見たことがあった 
[Hisasi] #マムとなにやら話している姿、常軌を逸した目でファミリーを嘗
     め回すように見つめる姿、 
[Hisasi] #いずれも、どこかウヤダの嫌悪感をかきたてる、いやな目の男
     だった 

 レニー    :「…………(ぎゅ、と。ウヤダの背に隠れながら)」 

[Hisasi] #並ばされた子供達をじろじろと眺めながら 

 モロー    :「ふふ、へへへ……イイ素材だ……ふふふふ、ふへへへへ」 
 ロッシ    :(ぞく) 
 エド     :(ちらちらとウヤダに視線を送っている、この不審な男を
        :どうしたいかと) 
 ウヤダ@少年 :「…………」 
 エキドナ   :「……どうだい、使えそうなのは」 
 モロー    :「ふ、ふ、ふ。い、いい、いい……ね」 

[Hisasi] #白髪出っ歯鉤鼻眼鏡の、薄気味悪い老人 
[Hisasi] #黄色い歯をむき出して笑いながら、楽しげに並ぶ子達を嘗め回す
     ようにながめつつ 

 エキドナ   :「素材としてイイのは折り紙つきさ、かといって壊れちま
        :っちゃ困るからね……いけるかい?」 
 モロー    :「ひ、ひゃ、ひゃ……もちろん、ひゃ、ひゃ」 

[Hisasi] #足を止めてレニーの腕を皺だらけの指でつまみながら 

 レニー    :(びくっ) 
 ウヤダ@少年 :「…………」 

[Hisasi] #無言でレニーの前に腕を伸ばした 
[Hisasi] #かばうように 

 モロー    :「ふふ、ひ、ひ、ひ、ひ、ひ」 

[Hisasi] #睨みつけたウヤダの目を見て 
[Hisasi] #口元を歪めて笑う 

 モロー    :「イイ目だ、イイ、じつに」 

[Hisasi] #くく、くく、くくくくく 

 エキドナ   :「処置はあんたに任せるさ、だが失敗しちゃ困るのは後に
        :してほしいね」 
 モロー    :「わかっているわかっている、ふふ、ひひひひひ」 

[Hisasi] #ぬらりと、見上げた目 

 ウヤダ@少年 :「…………」 

[Hisasi] #一瞬、背筋を走る不快感と喉元にこみ上げる嫌悪感 

 エキドナ   :「ああ、任せるよ」 
 モロー    :「……くく、くくくく」 

[Hisasi] #ずるりと、長すぎる上着の裾を擦って、背を向けて歩いていく 

 ウヤダ@少年 :「…………」 

[Hisasi] #あの男が何者か、それはわからなかったが 
[Hisasi] #男の全身から感じる狂気と、胸の悪くなるような嫌悪感は、 
[Hisasi] #確実にこの先にある何かを予感させていた 


弟と姉
------

[Hisasi] #記憶 

 声      :「ウヤダ!」 
 ウヤダ@少年 :「…………ロッシか」 
 ロッシ    :「ウヤダ、ここにいたのか」 

[Hisasi] #息を切らしてかけてくる赤毛の少年 

 ウヤダ@少年 :「……どうした?」 
 ロッシ    :「イリが探してた、次に仕掛ける作戦で」 
 ウヤダ@少年 :「……わかった」 
 ロッシ    :「ねえ、俺はそろそろウヤダやレニーと同じ前衛になれる
        :かな?」 
 ウヤダ@少年 :「まだ早い」 
 ロッシ    :「でも!」 
 ウヤダ@少年 :「向き不向きがある、ロッシは後方から銃での支援のほう
        :が腕をいかせる」 
 ロッシ    :「…………でも」 
 ウヤダ@少年 :「問題はない、お前の腕はいい」 
 ロッシ    :「…………うん」 
 ウヤダ@少年 :「イリはどこにいる」 
 ロッシ    :「うん、あっちに……」 

[Hisasi] #なんかちょっと、しゅんとした風に 

 ウヤダ@少年 :「わかった」 

[Hisasi] #去り際に、わしっとロッシの頭を掴んで 
[Hisasi] #歩いていく 

 ロッシ    :「…………」 
 ロッシ    :「…………俺だって」 

[Hisasi] #その背を悔しそうに見つめながら 
[Hisasi] #姉を探すウヤダ 

 アイリス   :「…………」 

[Hisasi] #ひざまづいて、静かに祈りを捧げる後姿を見つける 

 ウヤダ@少年 :「…………」 
 アイリス   :「……神よ……我が兄弟達を照らし……お導きください」

[Hisasi] #祈りのアイリス 
[Hisasi] #食事の時、眠りの前、そして死者に捧げる時 
[Hisasi] #姉は長い祈りを捧げていた 

 アイリス   :「……救いを……願いを……御心のままに」 

[Hisasi] #胸にさげた十字架 
[Hisasi] #両手にとって、目を閉じて 
[Hisasi] #だが、その祈りに、愛し捧げる者に、 
[Hisasi] #何を返してくれただろうか 

 ウヤダ@少年 :「…………」>じっと、祈りが終わるのを待っている

[Hisasi] #傍らに立ったウヤダの姿すら気づかないほどに 
[Hisasi] #深く、強く、ただ祈りながら 

 アイリス   :「…………(静かに目をあけて)ウヤダ、ごめんなさい、
        :きていたのね」 
 ウヤダ@少年 :「いや、大丈夫だ」 

[Hisasi] #ちら、と十字架を見て 

 ウヤダ@少年 :「……いつものことだろう、イリの祈りは」 
 アイリス   :「……ウヤダ、神は等しく愛を注いでいる、誰一人例外は
        :ないのよ」 
 ウヤダ@少年 :「…………」 

[Hisasi] #眉をよせる 
[Hisasi] #信じられない、とでもい痛げに 

 アイリス   :「いつか、わかるわ……ほら」 

[Hisasi] #その手に十字架を触れさせて 

 アイリス   :「……きっと、わかる」 
 ウヤダ@少年 :「…………」 

[Hisasi] #銀の十字架 
[Hisasi] #だが、イリを初めとしたファミリーの子らは教会へいれてもらえ
     たことはない 
[Hisasi] #忌まわしい、悪魔のような殺戮集団。血生臭い処刑人達 
[Hisasi] #彼らの働きで平穏を得ているはずの者達は、彼らを忌み嫌った 
[Hisasi] #汚いものを見る目で見下し、門を閉ざし、歩く後姿にあからさま
     な罵声がとんだ 
[Hisasi] #愛し、祈り続け、その先に、何があるのか 
[Hisasi] #ウヤダにはわからなかった。 

 アイリス   :「……そうそう、次の作戦の話だったわね、向こうで話す
        :からいらっしゃい」 
 ウヤダ@少年 :「わかった」 

[Hisasi] #差し出された手 

 アイリス   :「ウヤダ?」 
 ウヤダ@少年 :「……ああ」 

[Hisasi] #握る 
[Hisasi] #初めて会った時も、姉はこうやって手を差し伸べてくれた 
[Hisasi] #……その手を、最後に握ったのは 


崩壊へと
--------

[Hisasi] #崩壊の時は、刻一刻と近づいてきていた。 
[Hisasi] #戦い続け、狩り続け、いつしか貴族らの後ろ盾や有権者の影にい
     た吸血鬼や、辺鄙な地で巣食っていた下賤な吸血鬼達はなりを潜め
     始めた 
[Hisasi] #技術が変わり、世界が変わり、あらゆるものがゆるりと変わって
     行った 
[Hisasi] #旧体制とした、吸血鬼狩り組織だったファミリーは、まるで落と
     し子のように、袋小路の中でその道を見失いつつあった 
[Hisasi] #散々彼らを利用し、手を汚させてきた、教会、有力者達が次々と
     手を引いて 
[Hisasi] #ろくな武装も与えられぬまま、厄介ごとを押し付けるがごとくに 
[Hisasi] #次々と戦いへと戦いへと 
[Hisasi] #あまつさえ、抵抗をする地域を制するために、わざとその地に吸
     血鬼を追い立て 
[Hisasi] #吸血鬼化を促した後にファミリーを送り付けて惨殺させ、その地
     を奪い取るといった 
[Hisasi] #人にも吸血鬼にも劣る卑劣な手段をも 
[Hisasi] #だが、戦いを避ける術は、ファミリーにはなかった。 
[Hisasi] #一人、また一人とファミリーは人を減らしていき、そして正気を
     失っていくものも後を絶たなかった 
[Hisasi] #それが、狙いかもしれなかった。 
[Hisasi] #そして 
[Hisasi] #決定的な崩壊が 

 声      :「……ねえ、ウヤダ」 

[Hisasi] #遠くから声がする 

 ウヤダ@少年 :「ロッシ、どうした。昨日はどこへ行っていた」 
 ロッシ    :「……ウヤダ」 

[Hisasi] #弟の声が、おかしかった 

 ウヤダ@少年 :「ロッシ?」 

[Hisasi] #赤毛の少年、その見開いた目には光はなく 

 ロッシ    :「……痛くないんだ」 
 ウヤダ@少年 :「ロッシ……これは!」 

[Hisasi] #だらりと垂れた両腕に数えきらないほどの傷跡が 

 ロッシ    :「痛くないんだ……怖くなんだ……さっき、足を焼いたん
        :だ、でも火がちっとも怖くないんだ、熱いのに、怖くない
        :んだ」 
 ウヤダ@少年 :「ロッシ、どうしたんだ!」 

[Hisasi] #掴んだ腕は、血まみれで、だが、その傷がゆるゆると塞がっていく

 ウヤダ@少年 :「ロッシ…………」 
 ロッシ    :「マムに言ったんだ……ウヤダみたいに、レニーみたいに
        :戦えるようになりたい、後ろで震えていたくないって……」 

[Hisasi] #かたかたと傷だらけの自分自身の体をだきしめるように 

 ウヤダ@少年 :「一体、何が」 
 ロッシ    :「……任せろって、言ったんだ……あいつが……モローが」
 ウヤダ@少年 :「!」 
 ロッシ    :「わからない……わからないよ、ウヤダ……どうなってる
        :んだか、どうなってしまったのか、痛くないんだ、怖くな
        :いんだ! どうなってしまったんだ!!!」 

[Hisasi] #石畳に両腕を叩きつける、何度も 

 ウヤダ@少年 :「ロッシ! よせ!!」 
 ロッシ    :「嫌だ! 嫌だ嫌だ嫌だ!!! 嫌だ! 痛くない! 
        :怖くない!! なんで!俺は!!」 

[Hisasi] #もがくロッシを羽交い絞めにして、、、だがありえない力でふり
     ほどかれる 

 ウヤダ@少年 :「ロッシ、お前……何が」 
 ロッシ    :「嫌だ……嫌だ……なんだ……どうして……あ、ああ……
        :あああああああああ!!!」 

[Hisasi] #頭を叩きつけ、割れる額から溢れる血、なおも頭を打ちつけなが
     ら、泣き叫ぶ 

 ロッシ    :「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!! ウヤダ、イリ! 
        :イリ! 助けて、助けて!!!」 
 ウヤダ@少年 :「ロッシ…………」 

[Hisasi] #歪みはじめたもの 
[Hisasi] #それは、最初 
[Hisasi] #泣き叫びながら、自らの体を傷つけて暴れる姿を 
[Hisasi] #なすすべもなく見つめるしかなかった。 


堕ちていく者
------------

[Hisasi] #一人、また一人 
[Hisasi] #それは増えていった 
[Hisasi] #ある者は恐怖を失い、ある者は痛みを失い、まともな判断を失い、
     理性ある言葉を話す力を失い 
[Hisasi] #だが、引き換えに長年培ったものを覆すほどの強靭な肉体と恐ろ
     しい戦闘力を身につけて 
[Hisasi] #戦え 
[Hisasi] #殺せ 
[Hisasi] #マムの言葉のみを忠実に守る、殺人機械へと 

 ウヤダ@少年 :「…………」 

[Hisasi] #狂人となっていく仲間達の中。 
[Hisasi] #つい先日まで話していた戦友が、一晩で化け物へと化して 
[Hisasi] #ひとり、またひとりと 
[Hisasi] #失われていく 

 ウヤダ@少年 :「…………」 

[Hisasi] #いっそ狂えたらよかった 
[Hisasi] #底冷えするような現実よりも、狂気の世界の中に逃げ込みたかった 
[Hisasi] #遠くから声がする 

 ウヤダ@少年 :「……あ」 

[Hisasi] #聞き覚えのある声だった 
[Hisasi] #だがそれは穏やかな祈りの声ではなく、甲高い悲鳴だった 

 声      :「アアアアァァアアアァァアアアアァアアア!!」 

[Hisasi] #何かを叩きつける音、じゃらじゃらと鳴る鎖の音 
[Hisasi] #バンシーの悲鳴のような、背筋の凍る絶叫が 

 ウヤダ@少年 :「…………イリ」 

[Hisasi] #手を差し伸べてくれた 
[Hisasi] #祈りを捧げていた 
[Hisasi] #姉の 

 アイリス   :「アアアァアァァァァァ!!!!」 

[Hisasi] #鉄格子のはまった牢の中 
[Hisasi] #両手両足を鎖で繋がれたまま 
[Hisasi] #正気の失せた目で両手を石畳に何度も叩きつける姿 

 アイリス   :「ウアアアアァァァアアァァァ!!!」 

[Hisasi] #髪を振り乱し、開ききった目、息を荒げながら、なおも暴れる姉
     の姿を 

 ウヤダ@少年 :「…………イリ」 

[Hisasi] #だが、もうそれは 
[Hisasi] #姉ではなかった 
[Hisasi] #化け物 

 ウヤダ@少年 :「…………」 

[Hisasi] #牢の前になにかがおちていた 
[Hisasi] #銀色に光る 
[Hisasi] #チェーンの切れた銀の十字架 
[Hisasi] #踏みにじられて、僅かに曲がった…… 
[Hisasi] #イリが肌身離さず身につけていたはずの 

 ウヤダ@少年 :「…………イリ」 

[Hisasi] #膝をついて、落ちた十字架に視線を落とす 

 ウヤダ@少年 :「……これが、神の愛か、イリ?……これが」 

[Hisasi] #全てのものに等しく愛は注がれる、と 
[Hisasi] #これが、神の愛か?神の与えたもうた愛か? 

 ウヤダ@少年 :「……イリ……」 

[Hisasi] #涙はもう、出なかった 


なにもかも
----------

[Hisasi] #夜 

 ウヤダ@少年 :「……」>ふらふらと 

[Hisasi] #寝床へと 
[Hisasi] #身を寄せ集めた仲間だった者たち 
[Hisasi] #あの時は寒さに震えて身を寄せて暖めあった 
[Hisasi] #だが、今は、身を寄せあっていても、何もかもが違っていた 

 ウヤダ@少年 :「…………!」 

[Hisasi] #誰かがいない 
[Hisasi] #いつも側にいた、、、 

 ウヤダ@少年 :「レニー!」 

[Hisasi] #レニーがいない 
[Hisasi] #背筋が凍る 

 ウヤダ@少年 :「レニー! レニーっ!!」 

[Hisasi] #駆け出す 
[Hisasi] #走り回りながら 
[Hisasi] #武器庫に、見回り室に、広間に、台所に、裏庭に 
[Hisasi] #いつも後をついてきたはずの、拒んだ後も、それでもついてこよ
     うとした妹の姿を 

 ウヤダ@少年 :「…………レニー」 

[Hisasi] #まさか 

 ウヤダ@少年 :「レニー!返事をしろ!レニー!!!」 

[Hisasi] #ものかげをさがし、声をだし、その姿を探す 
[Hisasi] #レニーまで 
[Hisasi] #まさか 

 ウヤダ@少年 :「レニー!!」 

[Hisasi] #ドアを開けたさき 

 レニー    :「…………」 
 ウヤダ@少年 :「レニー……こんなところに」 
 レニー    :「…………」 

[Hisasi] #ゆらり、と。後ろを向いていたレニーが振り向いた 

 ウヤダ@少年 :「……レニー?」 
 レニー    :「…………ウヤダ」 

[Hisasi] #見上げる目 

 ウヤダ@少年 :「レニー、どこにいっていたんだ?」 
 レニー    :「……ウヤダ……」 

[Hisasi] #レニーの手元で何かが光った 

 ウヤダ@少年 :「!!」 

[Hisasi] #咄嗟に身をかわして 

 レニー    :「…………えへへ、やっぱり」 

[Hisasi] #目をむいて、笑った 

 ウヤダ@少年 :「レ……ニー……」 

[Hisasi] #冷水をあびせられたかのように 
[Hisasi] #全身が冷えた 

 レニー    :「……ふふ、ふふふふ、ねえ、ウヤダ、ウヤダ……ウヤダ
        :ウヤダウヤダウヤダ」 

[Hisasi] #口元をつりあげて 
[Hisasi] #その目は 

 ウヤダ@少年 :「…………レニー、お前、も……」 

[Hisasi] #腕が震えた 
[Hisasi] #なにもかも、なにもかも 

 レニー    :「ふふ、うふふふふ、ウヤダ、ウヤダウヤダ……ふふ、
        :あはははは……ふふ、ふふふふふ」 
 ウヤダ@少年 :「…………」>全身の力が、抜けた 

[Hisasi] #狂っていったファミリー 
[Hisasi] #なす術もなく、 

 ウヤダ@少年 :「…………レニー…………」 
 レニー    :「あははははははは、ふふ、はは、あははははははははは」

[Hisasi] #正気の失せた目で笑う妹の姿を 
[Hisasi] #ただ見ているしかできなかった。 


なんてひどい
------------

[Hisasi] なんだか、もう気の毒でしょうがなくなってきた(今更!?) 
[Toyolina] 気の毒すぎますぅ 
[Hisasi] そりゃあ心殺して仕事にあけくれないと壊れちゃいますね 
[Hisasi] このままウヤダンが人間らしくなっていったら、このどうしようも
    ねえ過去と向き合うってことで 
[Toyolina] 記憶消してくれる優しいお父様なんていなかったですものね 
[Hisasi] 一人だけですから 
[Hisasi] でも、おぢさん書いててすげー楽しかったんだ、ゴメ 
[Toyolina] ^^ 
[Toyolina] マムかモローもきっとドSですね 
[Hisasi] もちろんです 
[Toyolina] 一番苦しみそうな奴を最後にとっておいた 
[Hisasi] ほんとに周りドSばかりなんだね、、、 
[Hisasi] ドSに好かれるにも程があるよ、、、 


時系列と舞台
------------
 遠い過去
解説
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 ウヤダの過去。壊れていった仲間達。
 http://kataribe.com/IRC/KA-06/2008/12/20081212.html#000000
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以上



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