[KATARIBE 32064] [HA21L] 『迷宮』魔術編:インドのパズルボックス 

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Date: Sat,  3 Jan 2009 03:38:17 +0900 (JST)
From: Subject: [KATARIBE 32064] [HA21L] 『迷宮』魔術編:インドのパズルボックス 
To: kataribe-ml@trpg.net
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2009年01月03日:03時38分17秒
Sub:[HA21L]『迷宮』魔術編:インドのパズルボックス :
From:matuya


[HA21L]『迷宮』魔術編:インドのパズルボックス 
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登場人物
--------
ジョシュア・フレミング
  :英国魔法庁、一級導師。ちなみに既婚者。
内藤礼門
  :AbyssDiver。《夜の境界》団の若き小達人。 

●導師ジョシュアと異界の箱
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 ■半年前 
 ■英国 
 ■他界レベル:2 

 ジョシュア  :「――ジョシュア・フレミング、一級導師。入室します」 

[matuya]  踏み入れた先は暗い部屋。 
[matuya]  静まり返った伽藍の中で、ぽうと青い火が灯る。 
[matuya]  魔術師協会の上司は、なまなかなことでは姿を見せない。 
[matuya]  姿も形もそれ自身が、くくりの魔術の媒体となるからだ。 

 声      :「速やかな来訪に感謝する。ジョシュア・フレミング」 

 声      :「手短に話をする」 
 声      :「君に奪還任務を命ずる」 

 声      :「盗まれたものは『インドのパズルボックス』」 
 ジョシュア  :「――――大英博物館?」 
 声      :「その封印庫より盗まれた」 
 声      :「百年前に『迷宮』を開いた鍵だ」 
 声      :「1900年。当時の女王陛下は翌年この世を去られたが、
        : あの心労のためかもしれぬ」 
 声      :「パズルボックスを奪還せよ。『迷宮』はみだりに開いてはならぬ」 
 ジョシュア  :「承知。ところで占術局のサポートなり、あるのでしょうかね」 

 声      :「星辰が定める位置は日本。その吹利と呼ばれる地方」 
 声      :「当地に潜伏し、ことの起こりを待て。
 声      :「事前にことを収めれば最上」 
 声      :「さもなくば、『迷宮』に関わることごとく、
        : 汝の権限にて拭いさらえ」 
 ジョシュア  :「重ねて承知。では今夜立ちます。
        : 私の仮の仕事くらい用意しておいてくださいよ。
        : そうですね。たまには教師とかいいな」 

 ジョシュア  :「そうだ。どうせならジョシコーってやつがいいです。よろしく」 

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[Saw_vaio] #大変に共感できる 
[matuya]  #権利は最大限に使う男、ジョシュア・フレミング一級導師であった。 
[Toyolina] #これはいい先生だ。仲良くしたい(PLが) 

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[TK-Leana] むう、いい英国紳士だ 
[TK-Leana] 現地の土地勘がある助手とかいりませんか。
      06からイギリスに魔術留学にいったうちの礼門くんが
      割と近い立ち位置にいると思うんだ 


●内藤礼門と馴染んだジョンブル
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[TK-Leana] まつやさんまつやさん 
[matuya]  みゃあみゃあ。 
[TK-Leana] うちの礼門を21に移動させて
      ジョシュアさんとからませてみたいのだけどいいかしら 
[matuya]  やあ。懐かしいひとだw 
[matuya]  ではご当地の魔術師の協力を得る線で。 
[TK-Leana] 卒業後イギリスにわたってたんですよ 
[matuya]  ますます出会ってそうですね。 
[TK-Leana] 土地勘があるのでコネで連れてこられたのだろうかな。
      割と大きい任務っぽいし 

------ 

 ジョシュア  :「いやいやいや。暫く住んでみたがいいですね。
        : このひなびた感じがとてもいい」 

[matuya]  六畳一間の下宿であった。 
[matuya]  部屋の真ん中にはコタツがあった。 
[matuya]  ベストの上に綿入れを着込んだ英国人が、急須から紅茶を湯のみに注ぐ。 

 礼門     :「なんか、近頃の日本人よりよっぽどなじんでますね。導師」 
 ジョシュア  :「ティーセットもそろえてみました。
        : 轟に入れば豪に従えとききますしね」 
 礼門     :「ここまで日本文化に馴染んでるブリテン人って
        : 初めてみましたよ」 
 ジョシュア  :「初めは英国式にしようとしたところ、
        : 部屋にベッドが入らないことに気づきましてね」 
 ジョシュア  :「地勢がよいとかで占術庁に指定されたのです。この部屋」 
 礼門     :「……ここがですか?」 
 ジョシュア  :「とてもとてもめだたない。
        : 迷いませんでしたか。ここに来るまでに」 
 礼門     :「……なるほど、そういう意味では意味のある隠れ家かも
        : しれませんね」 
 ジョシュア  :「潜伏任務にはちょうど良いのです。
        : 生徒にも付けられずに住んでいますしね」 

 ジョシュア  :「ニホンのジョシコーセーというのがこれほど
        : 容易ならぬものだとは予想もしませんでした」 
 礼門     :「割とみんな活動的ですよ。海外から来た英語以外の教師なんて、
        : ただでさえ珍しいですし……」 
 ジョシュア  :「お昼ごはんがカロリー過多なんですよ。
        : 気をつけないと太ってしまいそうだ。
        : ソレでなくてもご飯が進むというのに――そうそう、
        : ご飯に卵を落としてかき混ぜるとおいしいんですよ」 

[matuya]  #みんな弁当をくれるらしい。 

 礼門     :「卵かけご飯のおいしさをブリテン人から教わる日が来るとは、
        : ついぞ思いませんでしたよ」 

 礼門     :「と、そうだ。自己紹介遅れました。
        : 乃藤礼門、本日付でO∴N∴B∴より出頭しました。
        : お久しぶりです、ジョシュア・フレミング一級導師殿」 
 ジョシュア  :「Ya。ジョシュア・フレミング一級導師、乃藤礼門を迎え入れる。
        : お久しぶりですね」 
        :「さて。君がこちらに戻ってきたということは、
        : 仕事の手伝いなのでしょう」 
 礼門     :「一応、土地勘がない導師のサポートのためにと
        : 派遣されたんですけど……なんかこの馴染み具合を見ていると
        : 不要だった気さえしてきますね」 
 ジョシュア  :「いや。助かりますよ。やはり私がうろうろしていると
        : ひどく目立つのです」 
        :「目立たない格好にしようとしたら、
        : さらになぜだか人目が集まるし」 
 礼門     :「ちなみに、どんな格好です?」 
 ジョシュア  :「ジャージにサンダル履きとタオルで
        : カジュアルにそろえてみました」 

[Toyolina] #そんなジョンブルw 

 礼門     :「……カジュアルすぎてシュールですね」 
        :「あなたの場合、いっそスーツでも着てた方が
        : 目立たないような気が」 
 ジョシュア  :「あー。そういうものなのですか」 
        :「ともあれ私の捜査はいささか行き詰っているのです。
        : 使い魔とダウジングと新聞だけではどうも歯がゆい」 
 礼門     :「『インドのパズルボックス』でしたよね。
        : どういったシロモノか、私の方では伺ってませんけど」 
 ジョシュア  :「そうですね。ざっと説明しましょうか。
          見かけはただの黒い箱なのです――」 


■インドのパズルボックス
------------------------
 
  ・『インドのパズルボックス』はインド、モヘンジョ・ダロ遺跡より発見された
   遺物である。 
  ・出自としては明らかに、オーパーツに属する。 
  ・一辺は約十センチの正確な立方体であり、解析不能の黒色の素材で出来ている。 
  ・極めて強固な構造であり、現在まで破損には成功していない。 
  ・名前どおり、これはパズルボックスであり、
   日本で言う組木細工のカラクリ箱と同様の構造と思われる。 
  ・箱を解放するにいたる手順は、そのものが高度な魔術儀式となる。 
   ・魔術の効果は『召還』である。 

 ジョシュア  :「とまあ、ここまでが現在までの情報です」 
        :「ああ。いけない。肝心のことを忘れていた」 
 礼門     :「召喚、と言いましたけど。
        : それはもしや、解放の手順によってさまざまなものを
        : 召喚することができるとか、そういったものですか」 
 ジョシュア  :「そうそう。それですよ。
        :『パズルボックス』の繋がる先は『迷宮』なのです。
        : ご存知ですか、『迷宮』」 
 礼門     :「迷宮? と言っても、いろいろあると思うんですが」 
 ジョシュア  :「詩的に言うと『千億の扉の迷宮』。
        : 専門的に言うとあれですね。『汎次元交錯回廊』」 
 礼門     :「ああ、なるほど」 
 ジョシュア  :「どこでもあるがどこでもない場所。こことそこの間、です」 
 礼門     :「それで納得できましたよ。なぜ私が派遣されたのか」 
 ジョシュア  :「はて。そういえばレーモンの専攻は」 
 礼門     :「ええ、境界探索です。
        : ハイスクールでも地下探検部の部長をやってましたよ」 
 ジョシュア  :「すばらしい。うってつけだ――
        : パズルボックスはおそらく迷宮の結び目なのです」 
 礼門     :「門にして鍵ですか」 
 ジョシュア  :「世界のあらゆる扉は一度きり、迷宮の入り口として機能する。
        : しかしパズルボックスは、その仕掛けを解き明かせば、
        : 何度でも使える門となるのです」 
 ジョシュア  :「――まあ、そこに問題があったわけですが」 
        :「『パズルボックス』の開放は記録上三回。
        : そして規模こそ異なれ、必ず惨事が起きています」 
 礼門     :「使い方次第ではとんでもないですね。不確定的な可能性の扉を、
        : 確固とした縁故として構築するなんて」 
 礼門     :「……ちょっと何が起こるか想像できませんよ」 
 ジョシュア  :「……ええ。単に向こうから怪物の一・二匹が転がり出てくる
        : 程度ならかまわないのですが」 
 ジョシュア  :「まあ1900年にはウェールズの村が一個無くなって、
        : 後事のゴタゴタが続くうち陛下が心労で身まかられたそうです」 

[matuya]  胸に手を当てて眼を閉じて、God Save the Queen と呟く。 

 礼門     :「……それは、どうやって事態を収束させたんですか?」 
 ジョシュア  :「パズルボックスを逆に解いて元に戻したそうですね」 
        :「……ところでルービックキューブとか得意ですか。
          私、二面以上そろえたことがないのですが」 
 礼門     :「ええと、まあ、一般人程度にはできます」 
 ジョシュア  :「それは心強い。いざという時はお願いします。
        : なあに。公開鍵暗号を正面から素因数分解するような
        : 程度のものだということです」 
 礼門     :「まあ、たしなみとしてくらいなら暗号学は学んでますけど
        : ……普通に無理じゃないですかね、それ」 
 ジョシュア  :「ラプラスの魔でもついてないと無理そうですね。
        : というわけで私としては事が起こる前に何とかしたい」 
 礼門     :「大体はわかりました」 
 ジョシュア  :「あなたの境界探索のスキルが頼りになります。
        : パズルボックスの近くでは次元のねじれが
        : 起こっているでしょうから」 
 礼門     :「……そういえば、吹利には地下に天然の迷宮があるんですが。
        : そちらとつながりが出来る可能性もあるんでしょうか」 
 ジョシュア  :「在っても驚きはしませんが――
        : それよりも問題があるものがひとつ」 
 礼門     :「?」 
 ジョシュア  :「カスミガイケ」 
 礼門     :「……まさか、水にも関わりが?」 
 ジョシュア  :「いや直接には。ただ、あの『水』の近くは同じく、
        : 世界の隔たりが曖昧になる。
        : そこが調査の妨げでしてね」 
 礼門     :「……なるほど、判別が難しいと」 
 ジョシュア  :「歪みと歪みが干渉して生じるパターン。
        : それが私では読みきれない」 
 礼門     :「占術庁の方ではなんと?」 
 ジョシュア  :「『天球盤に曇りあり。赤い星ひとつ。青い星ふたつ』」 
 ジョシュア  :「誰かあの婆さんに解りやすい英語を教えてくれないものか」 
 礼門     :「解りやすく、分からない事を言ってくれるだけだと思いますよ」 
        :「とは言え、その象徴を読み解いて具体的に役立てるのも
        : 魔術師の仕事です。
        : まあ、私の方からも霊視してみましょう」 
 ジョシュア  :「よろしく。私は引き続き広域監視と分析を続けます」」 
 礼門     :「女子高で?」 
 ジョシュア  :「そこが大変なところでして……
        : いや。男子校にしておくべきでしたかね」 
 礼門     :「……共学でいいのでは?」 
 ジョシュア  :「主な問題はたぶん、ジョシコーセーの方々なのですよ」(溜息) 

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[TK-Leana] 紳士にはなりきれなかった様子 
[matuya]  奥さんいますからね。 
[TK-Leana] ホント軽い気持ちで言ったんですね 
[TK-Leana] 結論:遠くで見てるうちが花 
[matuya]  ものめずらしかったんです。 
[Toyolina] JKがいっぱいなら女子校がいい!→女子校内部の真実を知り絶望 
[matuya]  水兵服にスカートなんて珍妙な組み合わせの人々が
      たくさんいる場所なんて。
[Toyolina] いったらブレザーだった 
[matuya]  さらにスカートの下にジャージズボンだった。
      珍妙なのは間違いなかった。 
[TK-Leana] ファンタスティックすぎる 

  ★HA21C:AbyssDiver:乃藤礼門(ないとう・れいもん)
    http://kataribe.com/HA/21/C/0104/

[TK-Leana] 能力値を大幅にグレードアップして、
      ハンドベルトコンピューターと拳銃を装備した 
[TK-Leana] そのうち蒼雅さんちにもあいさつにいこう 
[Hisasi]  おー 
[Toyolina] 女子的な輪郭なんですね 
[TK-Leana] わりと 

時系列と舞台
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6月 および 12月

解説
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懐かしきは友の声
遠き日の絆はなおここに

次回「内藤礼門と御霞の社」
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Matuya


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