[KATARIBE 31945] [HA21L] チャットログ『泣き虫レニー』

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Date: Mon, 24 Nov 2008 22:49:08 +0900 (JST)
From: Subject: [KATARIBE 31945] [HA21L] チャットログ『泣き虫レニー』
To: kataribe-ml@trpg.net
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2008年11月24日:22時49分07秒
Sub:[HA21L] チャットログ『泣き虫レニー』:
From:久志


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チャットログ『泣き虫レニー』
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登場人物
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 ウヤダ
    :腕利きのハンター、元吸血鬼狩り組織に身を置いていた。
 レニー
    :吸血鬼に全てを奪われた少女。

戦場
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[Hisasi] #ざらりと鼻の奥をくすぐる土ぼこりの匂い 

 ウヤダ@少年 :「…………」>ぎゅっと武器を手に 

[Hisasi] #同じく武器を取った兄弟達 

 アイリス   :「ウヤダ」 

[Hisasi] #背後から背を叩かれた 

 ウヤダ@少年 :「…………」 
 アイリス   :「恐れることは無いの、でも何よりも慎重に……確実に
        :しとめなさい、いいわね?」 
 ウヤダ@少年 :「…………(頷く)」 
 エキドナ   :「よし、ボウヤ達」 

[Hisasi] #子供達の前に立つ、包帯女。その隙間から覗く目がじろりと見る 

 エキドナ   :「……さあ、狩りを始めるよ……一匹残らず、蛆虫共を
        :しとめるんだ」 
 子供達    :(ざっと武器を手に構える) 

[Hisasi] #皆一様に感情の無い目で 
[Hisasi] #マムの号令と共に、人間ならではの武器弾薬と連携を中心にした
     総攻撃を 
[Hisasi] #撃ち込まれる砲弾、手にした銃に聖別された弾丸、武器は全て 
     祝福され吸血鬼に致命傷を与える 

 ウヤダ@少年 :「……(無機質な目で銃撃を繰り返す)」 

[Hisasi] #紙切れを撃ち抜くように 
[Hisasi] #悲鳴の切れ端を残して灰と化す吸血鬼 

 ウヤダ@少年 :「…………」 

[Hisasi] #無駄なく弾を充填し 
[Hisasi] #撃つ 
[Hisasi] #撃つ 
[Hisasi] #何度も何度も 

 ウヤダ@少年 :「…………」 

[Hisasi] #ふと、銃撃の繰り返される中、自分が音のない世界にいる錯覚を
     覚える 
[Hisasi] #周りの全てが異質な遠い世界のことのように思える 

 ウヤダ@少年 :「……狩れ」 
 ウヤダ@少年 :「……敵を狩れ」 
 ウヤダ@少年 :「……狩れ」 

[Hisasi] #いつしか 
[Hisasi] #焦土と化した村で 
[Hisasi] #一人佇む 
[Hisasi] #村を丸ごと吸血鬼化され、住人は皆殺し。 

 ウヤダ@少年 :「…………」 

[Hisasi] #全て殺され吊るされ灰と化し、無人と化した村で 

 ウヤダ@少年 :「…………」>佇んでいる 

[Hisasi] #そこに 

 SE     :カタン 
 ウヤダ@少年 :「!」 

[Hisasi] #咄嗟に傍らの銃を手にとって 
[Hisasi] #音のした方へ向ける 

 SE     :カラン 
 ウヤダ@少年 :「何者だ、出て来い」 

[Hisasi] #銃口を向けたまま、低い声が響く 

 ?      :「ひっ」 

[Hisasi] #あるボロボロになった一軒の家 

 ウヤダ@少年 :「出て来い」 
 ?      :「う……」 

[Hisasi] #怯えきった様子で出てきたのは 

 女の子    :「…………うぅ」 

[Hisasi] #ぎゅっと両手で小さな人形を抱きしめた10歳ほどの少女

 ウヤダ@少年 :「動くな」 
 女の子    :(びくっ) 
 ウヤダ@少年 :「……」>銃口を突きつけたまま女の子ににじり寄って

[Hisasi] #ごり、と。女の子の頭に銃口を当て 

 女の子    :「ひぃ」 
 ウヤダ@少年 :「そのまま頭に両手を組んで膝をつけ、そのまま動くな」
 女の子    :「……(怯えながら震える足で膝をつく)」 
 ウヤダ@少年 :「……(がしっと、小さな頭を掴んで)」 

[Hisasi] #吸血鬼化してないか 
[Hisasi] #簡易に調べ、吸血鬼が触れると火傷するなんぞやを首に押し当て
     たり

 ウヤダ@少年 :「……人間か」 
 女の子    :「…………っく、うぅ」 

[Hisasi] #人形を抱きしめたまま 
[Hisasi] #震えて泣いている 

 ウヤダ@少年 :「…………」 

[Hisasi] #暫く無感情に女の子を眺めて 

 ウヤダ@少年 :(手を差し伸べる) 
 女の子    :「…………(びく)」 
 ウヤダ@少年 :「来い」 
 女の子    :「……う」 
 ウヤダ@少年 :「マムのもとへ連れて行く、来い」 
 女の子    :「……う……」 

[Hisasi] #差し伸べたウヤダの手と顔を交互にみて 

 ウヤダ@少年 :「来い」 
 女の子    :「…………」>そろそろと手を伸ばして 

[Hisasi] #きゅっと握った 

 ウヤダ@少年 :「…………」>そのまま無造作に引っ張る 
 女の子    :「あ……」>こけそうになる 
 ウヤダ@少年 :「歩け」 
 女の子    :「…………(ふるふると首を横に振って)」 
 ウヤダ@少年 :「……歩け」 

[Hisasi] #ぐいと、手を引く 

 女の子    :「…………ふぇ」 
 ウヤダ@少年 :「歩けといっている」 
 女の子    :「……やぁ、ママ……」 

[Hisasi] #いやいやと首を振って 

 ウヤダ@少年 :「みんな死んだ」 
 女の子    :「……っ(ひっと、声にならない悲鳴をあげて)」
 ウヤダ@少年 :「皆死んだ、お前はファミリーになる、奴らを狩るんだ」
 女の子    :「……ファミリー?」 
 ウヤダ@少年 :「そうだ」 
 女の子    :「……ファミリー」 

[Hisasi] #きゅっと、ウヤダの腕にしがみついた 

 ウヤダ@少年 :「行くぞ」 
 女の子    :「……(ぎゅっとウヤダの腕にしがみついたまま震えな
        :がら頷いた)」 

[Hisasi] #そして 

 エキドナ   :「生き残りかい?」 
 ウヤダ@少年 :(頷いた) 
 女の子    :(震えながらウヤダにしがみついてる) 
 エキドナ   :「娘、名は?」 
 女の子    :「…………レニー(ウヤダにしがみついたまま)」 
 エキドナ   :「よし、いいだろう。叩き込んでやるよ(包帯まみれの
        :顔で、口元を歪めて)」 
 レニー    :「…………(びく)」 
 エキドナ   :「ウヤダ、お前がルールを叩き込んでおやり」 
 ウヤダ@少年 :「わかった」 
 ウヤダ@少年 :「来い、レニー」 
 レニー    :「……あ、う(手を引かれるまま)」 

[Hisasi] #でも、離れまいと手にしがみついて 
[Hisasi] #握り締めた手 
[Hisasi] このときの子が、レニー。この後モローに改造されて頭が壊れて
    しまいました。 
[Hisasi] 今もサーカスでモローのオモチャです、すくわれねえ 

 いや、改造前にもう壊れてました、合掌。

兄妹
----

[Hisasi] #どこか 
[Hisasi] #泣いている声がする 
[Hisasi] #しゃくりあげるように 
[Hisasi] #その声は、聞き覚えがあった 

 ウヤダ@少年 :「……レニー」 
 レニー    :(ひっく……ぐすっ) 
 ウヤダ@少年 :「泣くな」 

[Hisasi] #しかしその声は無機質で容赦ない 

 レニー    :(びくっ)「……うぅ」 

[Hisasi] #人形を抱きしめたまま 
[Hisasi] #震えながら泣いている 

 ウヤダ@少年 :「武器を取れ」 
 レニー    :「…………うぅ(ふるふると首を横に振る)」 
 ウヤダ@少年 :「武器を取れ、奴らを狩れ」 
 レニー    :「……うぇ(人形を抱きしめたまま)」 
 ウヤダ@少年 :「それは、お前を助けない」 

[Hisasi] #無造作に抱きしめていた人形を掴んで 
[Hisasi] #取り上げる 

 レニー    :「う、ああぁぁ!」 

[Hisasi] #縋りつく 

 ウヤダ@少年 :「これを持っていたら武器を持てない」 
 レニー    :「う、ひっく……うわあぁぁ」 

[Hisasi] #泣きじゃくりながら、ウヤダの手の人形を取り替えそうとすがり
     付いて

 ウヤダ@少年 :「武器を取れ」 
 レニー    :「やぁ、ひっ……く、ふぇ」 

[Hisasi] #返して返してと伸びあがる少女 

 ウヤダ@少年 :「…………」 

[Hisasi] #何故これが大事なのか? 
[Hisasi] #理解できない 

 ウヤダ@少年 :「…………わかった」 

[Hisasi] #折衷案 

 レニー    :「……ふぇ……?」 

[Hisasi] #ポケットから何かをとりだして 

 ウヤダ@少年 :「……」>ぐるぐると皮ひもで人形をきゅっと縛って

[Hisasi] #その先に結び目をつくって 

 レニー    :「……あ」 

[Hisasi] #レニーの首にかけた 

 ウヤダ@少年 :「これでいい、武器を取れ」 
 レニー    :「…………」>首から下げた人形を見て 

[Hisasi] #ウヤダを見上げた 

 ウヤダ@少年 :「どうした」 
 レニー    :「…………(ぎゅっと首から下げた人形を手で包んで)」

[Hisasi] #顔をあげて 
[Hisasi] #銃を取った 

 ウヤダ@少年 :「それでいい」 
 レニー    :「……ウヤダ」 

[Hisasi] #右手に銃を 

 ウヤダ@少年 :「こい、レニー。訓練だ」 
 レニー    :「うん……」 

[Hisasi] #左手にウヤダの手をとって 
[Hisasi] #首にはヒモで下げた人形 

 レニー    :「……ウヤダ」 

[Hisasi] #ずかずか歩いていくウヤダの後をついていきながら 

 レニー    :「…………ウヤダ」 

[Hisasi] #じっとその背中を見つめて 
[Hisasi] 妹はそれなりに可愛がっていたようです、もう記憶の彼方ですが。
[Hisasi] ちまちま積んで行く、でもやっぱり小説にしないとなぁ 

 この頃はまともだった。
 武器を手に取り、敵を殺し始めてから。少しづつ、狂っていった。


時系列と舞台
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 今から百年近く?昔の何処かの光景。
解説
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 ウヤダとレニーとの出会い。
 http://kataribe.com/IRC/HA21/2008/11/20081105.html#000000
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以上



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