[KATARIBE 31906] [HA06P]エピソード「ペンタ・ストライク」

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Date: Sun, 9 Nov 2008 01:25:31 +0900
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[HA06P]エピソード「ペンタ・ストライク」
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登場人物
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 里見ぎぐのまゐ・ペンタ http://kataribe.com/HA/06/C/0814/

転入生がやってきた
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 潤野学舎中学校、二年三組教室。
 担任の教師に連れられた男のかんばせに生徒たちは目を奪われた。
 高く筋の通った鼻梁。驚くほど長い睫に切れ長の眼。品のいい形をした薄い
唇。そして艶やかな黒毛──

 そう、男は美しかった。

 男      :「そう、男は美しかった! 大事なことなので二回言う」
 担任     :「……あ、あの。もういい? もういい?」
 男      :「ああ、続けてください」
 担任     :「それじゃあ、紹介しますね。今日からみんなのお友達に
        :なる里見ペンタ君です」
 ペンタ    :「よろしく」(翼をふりあげた)
 教室     :「ざわ……ざわ……」
 ペンタ    :「で、俺は何処に座ればいい」
 担任     :「え? え? ペンタ君座るの? というか座れるの?」
 ペンタ    :「まったく、おかしなことを言う女だな、お前は……」
 担任     :「ひぃっ、ごめんなさい! 謝るから食べないで! それ
        :じゃあね、それじゃあね……そこの一番後ろの席、今日休
        :みだし使っていいです」
 ペンタ    :「あの窓際の席か。ふむ、悪くない」
 ペンタ    :(ぺたぺたぺたぺた)
 ペンタ    :(どさっ)

 周囲の生徒達の好奇の視線が男に注がれる。
 そんな中、横の席の女生徒がひそひそと男に話しかけてきた。やれやれまた
哀れな子猫ちゃんが男の色香に惹かれてやってきたようだ。

 湯宮     :「私は湯宮。東海道湯宮エリーゼ。よろしくね、ペンタ 
        :君」
 ペンタ    :「ああ、よろしく」
 湯宮     :「ねえ、一つ聞いていい?」
 ペンタ    :「なんだ」
 湯宮     :「ペンタ君は人なの? ペンギンなの?」
 周囲の生徒  :(行った! 行った! 湯宮が行った! ありがとう湯宮、
        :良くぞ聞いてくれたっ!)
 ペンタ    :「おかしなことを……こんな美しいペンギンがいるもの 
        :か」
 湯宮     :「で、でも人類とは思えない足の短さだよね。歩くときペ
        :タペタいってるし」
 ペンタ    :「失敬な! 俺の脚は長い! モデルが裸足で逃げ出すほ
        :どにだ!」

 激昂した俺は、じゃなかった、男は机に足をかけた。と、胴の下に隠された
長い脚が露わにされる。

 湯宮     :「……うわぁ、これはアンバランスだ」
 ペンタ    :「わかってくれたのならそれでいい」
 湯宮     :「うん、ごめんね、変な事言って。今度魚買ってあげる 
        :ね」
 ペンタ    :「俺の好物を見抜くとは、たいした奴だ……」

 女からの貢物を俺は拒まない。
 そんなひそひそ話を打ち切るように担任教師の女が声を張った。

 担任     :「そ、それじゃあこのまま一限の授業始めちゃっていい?
        :いい?」
 ペンタ    :「ああ、うまくやれよ。俺が見守っていてやる」
 周囲の生徒  :(声渋い、渋い、無駄にかっこいい)

その日の居合部
--------------
 湯宮     :「……なんか、石膏像みたいに綺麗な顔が張り付いたペン
        :ギンがクラスに転入してきた」
 部員A    :「は?」
 部員B    :「はい?」
 湯宮     :「いやだから、石膏像みたいに綺麗な顔が張り付いたペン
        :ギンがクラスに転入してきたんだって!」
 部員A    :「部長、疲れてるんじゃ?」
 部員B    :「いや、彼氏がいなくて持て余した欲求で脳が……」
 湯宮     :「なんだとっ!」
 トリ     :「あの、その人……私の弟です。多分……」
 部員A    :「え?」
 湯宮     :「なんと!」
 部員B    :「いやいやいや、色々とおかしいだろ」
 トリ     :「きぐるみという事で理解してあげてください。基本的に
        :はいい子なので……」
 湯宮     :「あー、そっかー、きぐるみかー。なんだー」
 部員A    :「それで理解しちゃっていいの!?」
 トリ     :「おねがいします」(ほんわかスマイル)
 部員B    :「いいよいいよー、トリちゃんがそういうならそれでいい
        :よー」 (なでなでなで)
 湯宮     :「まったくだねっ。トリちゃんはうちの部の宝だねっ」 
        :(なでなでなで)
 部員A    :「なんだこの部……」

解説
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師走。ウル中にやってきた5号。

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