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Date: Sun, 5 Oct 2008 21:24:39 +0900 (JST)
From: Subject: [KATARIBE 31777] [HA06L] チャットログ『心の揺らぎ』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <20081005122439.3A911306801@www.mahoroba.ne.jp>
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Web: http://kataribe.com/HA/06/L/
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2008年10月05日:21時24分39秒
Sub:[HA06L]チャットログ『心の揺らぎ』:
From:久志
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チャットログ『心の揺らぎ』
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登場人物
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橋本保鷹(はしもと・やすたか)
:ワーモグラな少年、のほほん天才くん。実は相当な隠れブラコン。
ナントカ・カントーカ
:セレスティアル財団職員。一応本名らしい。実は宇宙人。
夏休み
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[Hisasi] #霞中学校、学生寮
保鷹 :「よいしょ」
[Hisasi] #麦藁帽子かぶって
[Hisasi] #でっかいジョウロを持って
[Hisasi] #水遣りに
保鷹 :「……暑いなぁ」
[Hisasi] #つば広の麦わら、メガネは遮光レンズ
[Hisasi] #モグラさんだから
[Toyolina] #ラクダシャツに腹巻き
[Toyolina] #ニッカボッカに足袋
[Hisasi] #そのまま学生寮裏にある花壇というか、お願いして野菜とか朝顔
とか植えているマイ畑へ
[Hisasi] #水場でざーっと如雨露に水を汲んで
保鷹 :(のてのて歩いて)
[Hisasi] #ざーっと水を撒く
保鷹 :「ふぅ」
[Hisasi] #首にかけたタオルで顔を拭いて
[Hisasi] #というか畑は土掘りをする為の名目なので別にそこまで本気に
栽培しなくていいんだけど
[Hisasi] #土ばかり掘って何もしてないと怪しまれるかもとか、
[Hisasi] #あの地雷兄とは比べ物にならないくらい真面目
保鷹 :「……少し、体力ついてきたかな?」
[Hisasi] #端に座って一息
保鷹 :「……(ため息)」
[Hisasi] #このところ、学校の成績も問題ない、ラボでも順調、トレーニ
ングで体力も少しついてきた
[Hisasi] #なのになんか気が晴れない
保鷹 :「うまく行ってる……のかな?でも……なんでだろう」
[Hisasi] #どっかの長兄とかどっかの金髪さんのことを考えると
[Hisasi] #なんかふとどこか複雑になる
[Toyolina] #兄と同列。出世したぜ\(^o^)/
保鷹 :「……何してるのかな」
[Hisasi] #兄は多分高橋と一緒に海にナンパ
(ついてきてって泣きつかれたらしい)
[Hisasi] #結果はまあお察しくださいとしか
保鷹 :「…………暑い」
[Hisasi] #じーわじーわ
声 :「日陰で休まれてはどうです?」
保鷹 :「あ」
[Hisasi] #振り向くと、夏でも黒スーツグラサン(暑苦しい)の男
[Hisasi] #でもなぜか汗一つかいてませんね
ナントカ :「帽子をかぶっているとはいえ、熱中症になってしまい
:ます」
保鷹 :「ナントカさん……」
ナントカ :「マメなのはよいことですが、無茶は禁物です」
保鷹 :「はい、すみません」
[Hisasi] #よいせと立ち上がって
ナントカ :「持ちましょう、ラボの休憩室で冷たいものなどのんで
:落ち着いたほうがいい」
[Hisasi] #ひょいとジョウロを手に
保鷹 :「ありがとうございます」
ナントカ :「君は、有用な人材です。当然でしょう」
保鷹 :「……はい」
ナントカ :「……」
[Hisasi] #金の卵は大切に育てなければいけない、
[Hisasi] #変に親心を出してはいけないのよ、ナントカ。
[Hisasi] #と、ちょっと言い聞かせるセレ人的に若造なナントカさん
(でも100歳はこえていそう)
[Hisasi] #ふぉーっと空調の聞いた中で
ナントカ :「どうぞ」
[Hisasi] #紙コップに入ったオレンジジュースを差し出して
保鷹 :「ありがとうございます」
[Hisasi] #一口飲んでふーっと
保鷹 :「……(はぁ)」
[Hisasi] #生き返る
ナントカ :「…………」
保鷹 :「?」
保鷹 :「あの、ナントカさん?」
ナントカ :「ああ、いえ」
[Hisasi] #サングラスの奥の目を細めて
ナントカ :「何か、悩みでもおありですか?」
保鷹 :「……え」
[Hisasi] #どきっとした
ナントカ :「一学期末頃から、どこかそんな様子があるように思いま
:したので」
保鷹 :「…………はい」
保鷹 :「……僕は」
[Hisasi] #座ったまま
保鷹 :「本当にこのままでいいのかな、って」
ナントカ :「このままと言いますと?」
保鷹 :「自分の目的の為なら、迷わない、進みたい……その気持
:ちは変わらないんです」
ナントカ :「はい」
保鷹 :「今でも迷ってない、でも、迷ってないはずなのに」
保鷹 :「僕が何とも思っていなくても、周りは僕を型にはめて
:見たり、対抗意識を燃やしてきたり」
ナントカ :「はい」
保鷹 :「何とも思わなければいい、自分が良いようにすればいい、
:それもわかっているのに」
[Hisasi] #なんか色々自分がよくわからない、そんなお年頃
ナントカ :「……」
保鷹 :「なんだか最近、自分がよくわからないんです」
[Hisasi] #金髪さんのことを考えるとちょっと不思議な気持ちになったり、
兄が彼女の話とか友達と仲いいの見たり海外にいくとかいう話を
きくと切なくなったり
ナントカ :「人が自分自身を知る手段は、一人では出来ません」
保鷹 :「え?」
ナントカ :「自分はこうだと自己完結してしまうのは楽です、だが
:それは思考停止です」
保鷹 :「…………」
ナントカ :「迷って悩んで、知り合って学びあって始めて人は固
:まってゆくのです」
保鷹 :「…………はい」
ナントカ :「君は才能を持っている、しかし君は同時に悩みやすい
:年頃の少年でもある」
保鷹 :「…………」
ナントカ :「悩みを持つことは当たり前なのです、目的があろうと、
:理が通じることでなくとも」
保鷹 :「…………はい」
ナントカ :「そこで考えることを放棄することは、もっともよくない
:ことです」
ナントカ :「時に、信用できる相手を見つけて打ち明けることや、
:気持ちを切り替えることも大切です」
保鷹 :「……ありがとうございます」
ナントカ :「これも、私の仕事です」
保鷹 :「でも、本当に、感謝してます」
ナントカ :「…………」
保鷹 :「ナントカさん?」
ナントカ :「……いえ」
[Hisasi] #でもこの子もすぐに老いて死んでしまうのかしら、とか
[Hisasi] #一瞬思った
ナントカ :「いまは、何事も無理をしすぎないことです」
保鷹 :「はい」
[Hisasi] #ぺこっと頭を下げて
[Hisasi] #立ち去ってゆく保鷹の後姿を見送るナントカさん
ナントカ :「……金の卵……全ては、始まりの彼女とその願いの為に」
[Hisasi] #呟いて
[Hisasi] #去ってゆく
時系列と舞台
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2008年8月
解説
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人知れず悩む保鷹。そんな彼に声をかけるナントカ、随分人にかぶれている。
http://kataribe.com/IRC/HA06-01/2008/08/20080803.html#230000
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以上
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