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Date: Sun, 5 Oct 2008 20:59:44 +0900 (JST)
From: Subject: [KATARIBE 31775] [HA06L] チャットログ『殻を知り、これを突破すること』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <20081005115944.6B14B49DB01@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 31775
Web: http://kataribe.com/HA/06/L/
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2008年10月05日:20時59分44秒
Sub:[HA06L]チャットログ『殻を知り、これを突破すること』:
From:久志
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
チャットログ『殻を知り、これを突破すること』
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登場人物
--------
橋本保鷹(はしもと・やすたか)
:ワーモグラな少年、のほほん天才くん。実は相当な隠れブラコン。
ラケル・掛場・サッチャー (らける・けば・さっちゃー)
:セレスティアル財団所属の科学者。吹利ラボの責任者の一人
少しの差
--------
[Hisasi] #霞中、学生寮共有コーナーにて
保鷹 :「……(ぱらぱらと、何かを読んでる)」
[Hisasi] #英文
[Hisasi] #どこぞの学術誌だかなんだかみたいなのを読んでる様子
[Hisasi] #遠巻きに、
男子 :「……(ひそひそ)またトップだってよ」
女子 :「……(ひそひそ)うん、二位三位の子とはまるでちがう
:のに」
[Hisasi] #ニモさんとみっひーは何かと勉強してるところをよく目撃してた
のだが
[Toyolina] #学校がおわったらふらふら居なくなってる割には
男子 :「……やっぱ、ここ(頭つくつく)のデキ……違うよな」
女子 :「でも、放課後もあまり自習室にいないよね」
男子 :「うん、いつも授業終わった後は食事の時もみないぜ」
[Hisasi] #食事もラボでとってるから
保鷹 :「……(聞こえてないふり、でもちょっとだけひっかかる)」
女子 :「……愛想がないわけじゃないけど……なんだろ、やっぱ
:違うよね、世界とか」
男子 :「うん……波佐間とか御羽さんとかなら……まだ、なんか
:わかる気がするけど」
[Hisasi] #クラスでも、嫌われてるわけじゃあない。けど
[Hisasi] #ああ、こいつなんか自分らと同じところにいないんだな、というのが
[Hisasi] #一歩引いたところから見上げるといった風な
[Hisasi] #そんな目になりつつある
保鷹 :「…………」
男子 :「あ、なあ、橋本、さ」
保鷹 :「どしたの?」
[Hisasi] #笑顔で
男子 :「ああ、あのさ……こないだの中間の……ちょっと間違え
:たとこ、見直したいんだけど」
女子 :「よかったら、一緒に見てくれない?」
保鷹 :「うん、いいよ」
[Hisasi] #にこっと
男子&女子 :(なんとなく、ほっとしつつも、微妙に距離感がある)
保鷹 :「じゃあ、自習室行こうか?僕ももう一度見直しておきた
:いし」
[Hisasi] #決して嫌われているわけでもないのに、浮いている。
保鷹 :「…………(殻を破る……)」
[Hisasi] #何となく言葉を半数しつつ
保鷹 :「…………(軽く頭を振って)いこ」
男子&女子 :「うん」
[Hisasi] #席を立つ
休憩中に
--------
[Hisasi] ふむ、
[Hisasi] ラケルさんは動けるかんぅ
[Hisasi] かのう
[gombe] いまならいいよん
[Hisasi] #じゃあ、ラボにて
[Hisasi] #職員休憩室にて、ほけっと保鷹がココア片手に座ってます。
ラケル :(杖をつきながら登場
ラケル :(ざっと休憩室内のメンバーを確かめる
[Hisasi] #ふと見やると、ちょっとほうけたような保鷹の姿が見える
[Hisasi] #他に人はいない様子
ラケル :「……連休のあと、研究再開で疲れましたか?(笑)」
保鷹 :「あ……サッチャー女史」
[Hisasi] #ばっと顔をあげて
保鷹 :「すみません……ちょっと、ぼんやりしてて」
[Hisasi] #テストの後のこととかをちょっと考えていたのだった。
ラケル :「いいえ、大事な時間ですよ(笑)」>ぼーっと
保鷹 :「……はい」
[gombe] #さっきのシーン?>テストのあとのこととか
[Hisasi] #です
[gombe] #うい
保鷹 :「……あの、サッチャー女史」
[Hisasi] #隣に座ったと思われるサッチャー女史に
[gombe] #想像を働かせる時間というのは、新しい考えが浮かぶには丁度いい
時間なのだが
[gombe] #うい
[gombe] #>隣に
[gombe] #正面でもいいよ
[Hisasi] #正面かな
[gombe] #(レイアウトにもよるが
ラケル :「何でしょう?」
保鷹 :「……最近、考えてるんです……殻を破るということが
:どういうことか」
[Hisasi] #ナントカの言葉を反芻しつつ
ラケル :「……殻、を?」
保鷹 :「ナントカさんが言っていたんです、僕たちが殻を破るの
:を待っている……って」
保鷹 :「殻って、なんだろう……って」
[gombe] #以下、1d6の1-4で、ラケルさん担当の調整者の口癖でもあったと
言うことに。>殻を破る
[gombe] #何かそういう感じしない?
[gombe] #>口癖
[Hisasi] #うむ
[gombe] 1d6
[kataribe] gombe: 6(1D6) = 6
[Hisasi] #ちがったw
[gombe] #KYなダイスがw
[Hisasi] #ラケルさんの担当者は「突破」ってゆってた
[gombe] #そう言うことになった
[Hisasi] #そして、調整者のゆってた突破という単語をおもいだした、
ラケルさん
[gombe] #たぶん5だったら特に口癖のない調整者だったんだぜ(ぉ
[gombe] #あえてそう言う言葉を口にしているのかも知れないがね>調整者
ラケル :「……(ふと)……“突破”……」
保鷹 :「……え?」
[Hisasi] #顔を上げて
ラケル :「私が財団に入った頃にお世話になった人には、そんな
:言葉をよく言われました」
[Hisasi] #自由、という言葉がある。尊ばれる言葉だけれど、ただ何の束縛
もないものとはなんだい? 定義やルールという枠線があって、
そこに「意味」が生まれ、価値を見出せる。
ラケル :「日本語では、殻を破る、と言うのかも知れませんね」
[Hisasi] #図式や定理で形付けられたものを知り、定義を知れば、自らの力
で次々と解き明かしていくことができる
[Hisasi] #”突破”することができる
[Hisasi] #そんな言葉
[gombe] #ふむふむ
保鷹 :「…………近い、と想います。ニュアンスの問題かもしれ
:ません。ただ……なんとなく、ですけど、近しいものを
:感じます」
保鷹 :「僕の周りには、きっとたくさんの殻があると思うんです」
ラケル :「……」
保鷹 :「……小さい頃は、家庭とか、近所とか、学校とか……
:小さな殻がたくさんあって、だんだん外の世界を知って
:……殻を出て、また次の殻へと」
一つ、息を飲んで。
保鷹 :「小さい頃、空を見上げた月を見て。あそこに秘密基地を
:つくろうと言った時……あの時は、そんな殻なんて知らな
:かった。ただ漠然とした広い世界しかなかった」
保鷹 :「でも、だんだん……色々なことを知って、見て、聞いて
:……見えてくるんです。逆に、殻がなければ気づけない
:ことが、たくさん」
ラケル :「その“殻”とは……たぶん、新しく知った世界の法則
:(law)と、自分の力の小ささと……それらが形作る“壁”
:なのですね」
ラケル :「知ることで、見えてくる」
保鷹 :「……はい」
保鷹 :「知れば知るほどに……でも、壁にぶつかることで……
:その先が、ぶつかった殻の中の世界が見えてくる」
ラケル :「私も……そういうものだと思っていました。知ることに
:よって、その向こうに行くかどうかの選択すらも、初めて
:できるものなのだと」
保鷹 :「はい……」
ラケル :「ここにとどまることもできる。でも」
保鷹 :「……思うんです、殻の中は……ひょっとしたら心地いい
:のかもしれない」
保鷹 :「……殻の中にいれば、理解しようとか思わなくても……
:安心で穏やかで過ごせるのかもしれない」
[Hisasi] #家族のことを思い出して
保鷹 :「そこにいれば……満たされるのかもしれない、でも」
[Hisasi] #もどかしい
ラケル :「……ええ。知ってしまった“向こう”にある何かを、
:知りたい。知らずにはいられない」
保鷹 :「はい」
[Hisasi] #深く頷いて
ラケル :「それに、これまでの“殻”を思えば、“向こう”には知
:りもしなかったもっと別の何かがあるかも知れない」
ラケル :「知れば知るほど」
保鷹 :「楽しいことばかりじゃない、楽しいことも楽しくない
:ことも辛いことも苦しいこともあって」
保鷹 :「……でも、その向こう。潜り抜けた向こうになにかが
:ある、本当に遠い遠い先に、何かがある」
ラケル :「(うなずく)……そういった人のための言葉、なので
:しょうね。突破、そして、殻を破る」
保鷹 :「僕は……辿りつきたい」
[Hisasi] #試験で首席とか、頭の出来がどうだとかそんなのどうでもいい
ラケル :「……ヤスタカ」
[gombe] #ふ、と微笑んで
[Hisasi] #辿りつきたい場所に行くための手段でしかない、どうしようもない
ほどアウトオブ眼中
保鷹 :「はい?」
[Hisasi] #顔をあげて
ラケル :「あなたが子どもの時に月を見上げていたときの思いと、
:将来あなたが月に立ったときに考えていることと。それを
:比べて、どのようであると思いますか?」
保鷹 :「……素直に、まっすぐなままの自分でいられるでしょう
:か……そうありたいけれど」
ラケル :「……私は、3つのパターンを思い浮かべてしまって。
:でも、そのうちのひとつだけは自分はなりたくないです
:ね(笑)」
保鷹 :「え?」
保鷹 :「どんな……パターンですか?」
ラケル :「まっすぐ、月にどんなものを建てようかとわくわくして
:いる自分。理想的な自分ですね」
ラケル :「二つめは、月に建てる建造物のために資材がどうである
:とか抱えられる人口はいくらであるとか、そう言う計算
:ばかりしている自分。俗物で、でも一番ありそうで、
:ちょっとイヤですけれど(苦笑)」
ラケル :「三つ目は……既に外宇宙のことを考えている自分」
保鷹 :「……(どきり)」
ラケル :「子供の頃の自分から見れば寂しいけれど……でも、
:とても私たちにはありそうな選択で」
保鷹 :「…………はい」
[gombe] #ごめ、遅れ気味
[Hisasi] #おk
ラケル :「でも、それを考え、進み続けられる人だけが、“突破”
:できるのだと思います。全てを知り、全てを糧にし、見え
:ていただけのものをその手に掴む」
ラケル :「それで自分の世界が変わるか、そうでないか。それすら
:も、選ぶことができればいいのでしょうけれど」
保鷹 :「……最初は、世界は小さくて……でも、ある日その世界
:が小さな世界だって気づくんです。自分のいる世界がどん
:なものか、その向こうの世界がなんであるか、その世界が
:どうあってその遠くにまた広がっていって……そ」
保鷹 :「そこは遠い山の向こうかもしれない、信じられないくら
:い険しい道かもしれない」
保鷹 :「誰も理解されないかもしれない、それでも構わない」
[Hisasi] #今日のクラスメイト達のように
ラケル :「先日言いましたね、人によって目標までの遠さが違うと。
:……恐らく、持てる目標の限界というのは、その“気付い
:ている自分の世界”の広さによるのかも知れません」
保鷹 :「…………はい」
ラケル :「多くの人は、ある程度広くなった自分の世界の中に、
:自分の居場所を得て満足してしまう」
ラケル :「“殻を破る”ことをやめてしまう、と言うことかも知れ
:ません
保鷹 :「…………(ぎゅっと、手を握り締める)」
[Hisasi] #やめたくない、やめたくないよ
ラケル :「大人になっても遠くに目標を持てるか、どれだけ遠い
:目標を初めに持てるか」
ラケル :「それができる人に、“殻を破る”という言葉がふさわし
:いのでしょう」
ラケル :「……私も、まだ夢は捨てていません。地上にいても、
:ここでできるだけのことをします」
保鷹 :「はい」
[Hisasi] #こくりと、頷いて
ラケル :「いつか、人類の“殻”にまで到達し、“突破”する……
:そこに少しだけでも近づけるように」
保鷹 :「……ありがとうございます、サッチャー女史……」
ラケル :「遠い目標……それすなわち、夢物語です。急に語っても、
:人に理解はされにくいですからね(苦笑)」
保鷹 :「……そうですね」
[gombe] #そこへ向かって歩む人間の態度や生活が、周囲と異なって見える
のは、保鷹の例を見るまでもなく明らか
ラケル :「……私は子供の頃、月に花畑を作ると言ったそうです」
保鷹 :「……え」
[gombe] #微笑んで
[Hisasi] #なんか同じような夢を
ラケル :「その時には笑われただけでしたが……それから40年
:近く経って、どこまで来れたのでしょうね(笑)」
保鷹 :「……どこまで……」
[Hisasi] #今は遠いけど、決して、、
[gombe] #ラケルさんが子供の頃は、既に月にアポロ計画が人を送り込んでいた
[gombe] #月の荒涼たる風景も人類は知っていた
[gombe] #そこで幼い少女が発した決意が一笑に付されたことは、想像に難くない
[Hisasi] #保鷹がちっちゃい頃、映画アポロ13を家族で見ていたテレビで
[Hisasi] #その時、お箸もったままぽかんと口をあけてご飯も食べずに食い
入るようにテレビを見ていたと
[Hisasi] #にーちゃはゆってた
[Hisasi] #その後、なんども電卓を叩いてどうやって月にとか、
[Hisasi] #やってたという
[gombe] #かわいい
[Hisasi] #にーちゃがダビングしてくれたビデオを何度も何度も見て
[Hisasi] #食い入るように。
[gombe] #小さい頃夢を笑われたことも忘れたラケルさんでしたが、
[gombe] #小学校の時には「この花とか、地球じゃなかったらどう育つんだ
ろう」ばかり考えるように
ラケル :「私は、目指すことに向けて進むあまりに、あれこれ寄り
:道ばかりしているように思います……あなたはほどほどに
:してくださいね(苦笑)」>保鷹
保鷹 :「……はい……」
[Hisasi] #こくん、と
[gombe] #保鷹の疑問やストレスは晴れただろうか
[Hisasi] #うむ、晴れただろう
[Hisasi] #アウトオブ眼中なのもかわらない
[Hisasi] #殻を突破することを諦めない。
[gombe] #それでよい、と言ってもらった
[gombe] #でも進み方は上手くやれ、と、これで何回目だと言わんばかりの
老婆心
[Hisasi] #うむ
[gombe] #ちょっとラケルさんの謎も解けて?きた
[Hisasi] #何があったのかきになりますね。
[gombe] #気になって下さい。かるまさんやナントカさんはご存知ですよ。
[Hisasi] #ナントカさんに聞いてみよう
[Hisasi] #あの人、結構人にかぶれてるし(ハワたんいわく)
[gombe] #では、さあ休憩もほどほどに、と、このシーンは〆られたことにし
ておこう
[Hisasi] #ありがっとー
[gombe] #いえいえこちらこそー
[Hisasi] #イイ感じで保鷹の迷いがはれてきた。
[gombe] #イイ感じなら、何より。
時系列と舞台
------------
2008年5月
解説
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取り巻く『殻』を知ること。そして突破すること。
http://kataribe.com/IRC/KA-06/2008/05/20080518.html#000000
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
以上
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