[KATARIBE 31632] [HA06L] チャットログ『調整者の追憶』

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Date: Tue,  6 May 2008 03:18:46 +0900 (JST)
From: Subject: [KATARIBE 31632] [HA06L] チャットログ『調整者の追憶』
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2008年05月06日:03時18分45秒
Sub:[HA06L]チャットログ『調整者の追憶』:
From:久志


-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= 
チャットログ『調整者の追憶』
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登場人物
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 ナントカ・カントーカ
    :セレスティアル財団職員。その正体は……
 金の卵達
    :未来を希望されてつつ、殻を破ることができなかった者達
 狩間
    :霞中学校理事長。ナントカの上司。色素薄い。
 橋本保鷹(はしもと・やすたか)
    :ワーモグラな少年、セレスティアルラボ所属。金の卵。
 ハワード・オースティン・クーネルダール
    :長い時を生きる魔術師。財団の協力者。ひたすら怪しい。

儚い者
------

[Hisasi] #何処か 
[Hisasi] #一人の老人が病院のベッドに寝ている 
[Hisasi] #傍らには家族らしい数名の男女と子供 

 老人     :「…………(静かに目を閉じている、延命機器は全て取り
        :外されて、かすかな呼吸)」 

[Hisasi] #傍らには医師と、看護婦が老人の様子を見つつ 
[Hisasi] #そのベッドの傍らに置かれた小さなテーブル 
[Hisasi] #その上に置いてある写真立て 
[Hisasi] #かつての老人の若い頃と思われる青年と、数名の若者 
[Hisasi] #そして、老人の若い頃と思われる青年の隣に、 
[Hisasi] #金髪の可愛らしい女性が 
[Hisasi] #長い髪、グリーンの目 

 老人     :「……(消え入りそうな声で何かを呟いた)」 
 家族     :「……(必死で耳を寄せて聞こうとする)」 

[Hisasi] #だが、老人が呟いた言葉は、音として告げることはなく 

 老人     :「…………」>ふぅっと、何かが抜けるように 

[Hisasi] #息を引き取った 
[Hisasi] #老人の名を呼ぶ家族、傍らの医師があゆみよって 

 医者     :(動かなくなった老人の目、脈、その他確認して) 
 医者     :(首を横に振る) 

[Hisasi] #涙をこらえる家族、後を看護婦に任せて医師は病室を出て行く 
[Hisasi] #廊下で 
[Hisasi] #一人のサングラスの男がいる 

 医師     :「(ぺこりと)……残念ながら」 
 ナントカ   :「……そうですか」 

[Hisasi] #もう一度サングラスの男に一礼して医師が去っていき 
[Hisasi] #看護婦に支えられるようにして、家族が部屋を出て行く 

 ナントカ   :(病室のドアをあけて) 

[Hisasi] #一人、 

 老人     :(静かに永い眠りについている) 

[Hisasi] #歩み寄って、老人の顔をながめて 

 ナントカ   :「……お休みなさい……あなたは、頑張った……」 

[Hisasi] #殻を割ることが出来ずに死んでしまったとしても 

 ナントカ   :「また、継ぐ者が……殻を割って飛びたたんとする子が、
        :いつかきっと」 

[Hisasi] #視線が写真立てに 

 ナントカ   :「……Type.L、希望がいる限り」 

[Toyolina] きゃ 
[Hisasi] #後日、新聞に訃報が乗る、どこぞのエライ研究者が死亡したと 
[Hisasi] #セレラボに在籍し、色々と功績を挙げてたらしいよ、へー 
[Hisasi] #あまり目を留める記事ではないけれど、そこそこな人であった、と 
[Toyolina] 何代前なのかしら 
[Hisasi] #三人目なのでしょう、いまのLさんは 
[Toyolina] #その理屈だと先代は大変性悪だったのではないかと期待する 
[Hisasi] #まさに運命の女だったのでしょう 


夜間飛行に思う
--------------

[Hisasi] #どこか 
[Hisasi] #ハシバミ色の髪サングラスに黒スーツの男と、その向かいで科学
     者らしい若い男がなにやら手にした資料を熱心に見ている 

 ナントカ   :「君は参加しないのかな?」 
 青年     :「……うーん、参加したいのは山々なんだけど、もうちょ
        :っと確認しておきたいんだ」 
 ナントカ   :「熱心なのは感心しますが、根をつめすぎるのは体に毒で
        :すよ?」 
 青年     :「うん、わかってる。でも……学費も研究設備も全て出資
        :してもらっているんだ……少しでも在籍してる間に結果を
        :だせるようにしたいんだ」 
 ナントカ   :「(ふぅ)……気質ですかね、日本人的……凝り性ともい
        :うべきでしょうか」 
 青年     :「そうかもしれないね、これを片付けたら僕も後からいく
        :つもりだから」 
 ナントカ   :「ええ、彼女も喜ぶでしょうし」 
 青年     :「……うん、まあ……そうだね」 

[Hisasi] #黒髪の青年、ちょっと視線が宙を泳いで 

 ナントカ   :「後で車を出しますよ(時計を見つつ)」 
 青年     :「ありがとう」 

[Hisasi] #そして、資料やらの積み重なった机の上、カバーにかかった一冊
      の本を手に取るナントカ 

 ナントカ   :「……ん?」 

[Hisasi] #学術書とは明らかに違う文庫本 
[Hisasi] #ぱらりとめくると 
[Hisasi] #サン=テグジュペリ、夜間飛行 

 ナントカ   :「……愛読書ですか」 
 青年     :「ああ、それか……古いでしょ。小学校の頃にもらった奴
        :だから」 

[Hisasi] #懐かしそうに受け取って 

 青年     :「時々、読み返したくなるんだ」 
 ナントカ   :「ほう」 
 青年     :「この頃は、まだ夜に飛行機を飛ばすことさえ命がけで。
        :これを読み返すと、当時の郵便飛行という事業の開拓の
        :最前線が……見えてくるんだ」 
 ナントカ   :「…………」 
 青年     :「だから、時々……いや、何度も、これを読み返す」 
 ナントカ   :「……何故?」 
 青年     :「もう少し先、いや……まだもうちょっとだけ先かな、
        :こんな風に開拓していく図が新しく起きるんじゃないかな
        :ってね」 
 ナントカ   :「……ほう」 
 青年     :「いつか、人が宇宙に飛ぶことさえ命がけだった頃がある
        :……そんな話を白髪頭の僕が遠い目で懐かしそうに聞く日
        :がね」 
 ナントカ   :「……夢見がちですね、だが、いい夢です」 
 青年     :「おっと(時計を見て)すまない、あと少しで終わるから、
        :下で待ってて、すぐ出る」 
 ナントカ   :「ええ、慌てすぎないように」 

[Hisasi] #部屋を出て行く 


そして、今
----------

[Hisasi] #セレスティアルラボ 

 ナントカ   :「……」>珈琲を片手に、資料を見ている 
 保鷹     :「あ、ナントカさん。お疲れ様です」 

[Hisasi] #白衣姿のちっこいのが、資料かかえて歩いてきた 

 ナントカ   :「ああ、お疲れ様です、橋本くん。大分、チームの方とも
        :馴染んでいるようですね」 
 保鷹     :「はいっ」 

[Hisasi] #黒髪 
[Hisasi] #日本人の金の卵。かつて、本国にも数名在籍していた 

 ナントカ   :「…………」 
 保鷹     :「……ナントカさん?」 
 ナントカ   :「ああ、いえ……」 
 保鷹     :「あの、疲れてますか?」 
 ナントカ   :「いや、大丈夫。君と同じ日本人の研究員が居たのを思い
        :出してね」 
 保鷹     :「本国にも、いらっしゃるんですよね」 
 ナントカ   :「ええ、あなたと同じく、若いうちから在籍して研究員と
        :して勤めている人がいまして」 
 保鷹     :「……僕も、早く……中学を出てからかな……本国でも認
        :められるようになりたいですね」 
 ナントカ   :「なれますよ、君は自分の力を信じるべきだ」 
 保鷹     :「……はい」 

[Hisasi] #ちょっと照れつつ 

 保鷹     :「ありがとうございます(えへへ)」 
 ナントカ   :「…………」 

[Hisasi] #殻を割るのは自身で無ければならない 

 ナントカ   :「…………たとえ、その殻を割ることが出来ずに……死ん
        :でしまうとしても(小声)」 
 保鷹     :「え?」 
 ナントカ   :「いえ、では私はこれで戻ります」 
 保鷹     :「はい、お疲れ様です」 

[Hisasi] #席を立って、戻っていくナントカ 

 ナントカ   :「…………」 

[Toyolina] #不吉なやつだ 


忠告
----

[Hisasi] #霞中学校理事長室 

 狩間     :「……ふむ」 
 ナントカ   :「彼は順調に成果をあげています、ラボでも認められつつ
        :あり、充分に見込みがあると思われます」 

[Hisasi] #ガルマ的髪分け、ダブルのスーツ、顎に手をあてて資料を見つつ 
[gombeLOG] #前髪をいじっているんじゃないのか 

 狩間     :「うむ、見込みに間違いは無いようだ」 
 ナントカ   :「はい」 
 狩間     :「学園のカウンセラーとしての評判もこちらに入っている、
        :今後は生徒達のケアに重点を置く活動を進めて欲しい」 
 ナントカ   :「わかりました」 

[Hisasi] #満足げに前髪をつまみつつ、くつくつと笑う狩間 

 狩間     :「……時に、ナントカ」 
 ナントカ   :「はい?」 
 狩間     :「君は、調整者としては随分長い期間勤めているな」 
 ナントカ   :「はい、経験が重要でもある職ですから」 

[Hisasi] #調整者とは、金の卵を道を踏み外さないように歩ませたり、焦り
     すぎて自滅したりしないように、あれこれ気を配るひとのことを
     いう(セレ業界語) 

 狩間     :「ああ、経験が重要であり、金の卵達の精神的なケアとサ
        :ポートをする……」 

[Hisasi] #ぱさっと、資料を机に置いて 
[Toyolina] #なんとうさんくさい肩書き 

 狩間     :「しかし……君はいささか調整者として長く勤務しすぎた
        :感もある」 
 ナントカ   :「と、おっしゃいますと?」 
 狩間     :「金の卵達に必要以上に愛着を持つことを危惧しているの
        :だよ」 
 ナントカ   :「それは」 
 狩間     :「もちろん、ある程度の思いいれや保護意識は必要といえ
        :る。だが、過剰な思いいれや愛着は時に彼らの足枷になる
        :ともいえないか?」 
 ナントカ   :「そのようなことはありえません」 
 狩間     :「いや、念のためだ。君がそのようなことはないとこちら
        :も認識している」 

[Hisasi] #ちらっとナントカを見て 

 狩間     :「日本校立ち上げは充分成功といえる、ここ数年は君の
        :立場は変わらない。ラボにおいても学校においても、その
        :働きに期待していることは事実だ」 
 ナントカ   :「はい」 

[Toyolina] #数年とな 

 狩間     :「その後は、君には管理部へと移籍することになるだろう。
        :適切な距離というものは大切だ」 

[Hisasi] #管理部、文字通り管理の人。運営本部サイドなので、あまり金の
     卵らと接触することはなさそうだ。 

 ナントカ   :「わかりました」 
 狩間     :「時間をとらせてすまなかったな、戻っていい」 
 ナントカ   :「はい」 

[Hisasi] #一礼して 
[Hisasi] #部屋を出て行く 

 ナントカ   :「…………」 

[Hisasi] #廊下を歩いて 
[Hisasi] #道ゆく生徒に会釈とかしつつ 

 ナントカ   :「……」 

[Hisasi] #足を止めて 
[Hisasi] #窓の外を見る 
[Hisasi] #放課後、生徒らが遊んでいたり、希望者参加の追加講習を受けに
      行く姿も見える 

 ナントカ   :(目を閉じる) 

 #青年    :「もう少し先、いや……まだもうちょっとだけ先かな、
        :こんな風に開拓していく図が新しく起きるんじゃないかな
        :ってね」 
 #青年    :「いつか、人が宇宙に飛ぶことさえ命がけだった頃がある
        :……そんな話を白髪頭の僕が遠い目で懐かしそうに聞く日がね」 

[Hisasi] #思い出すのは、かつての金の卵の姿 

 ナントカ   :「……愛着は、時に足枷となる、か」 

[Hisasi] #サングラスの奥の表情は読めない 
[Hisasi] #ふと、背後から 

 保鷹     :「ナントカさん!」 
 ナントカ   :「!」 

[Hisasi] #振り向くと、 
[Hisasi] #てこてこと、制服姿で駆け寄ってくる 

 保鷹     :「今日はカウンセリングの方でしたか?」 
 ナントカ   :「いえ……少々、理事と話をしていまして。君はこれから
        :ラボに?」 
 保鷹     :「はい、四時からミーティングで」 
 ナントカ   :「そうですか、私も報告が終わりましたので、すぐにラボ
        :のほうへ向かうつもりです」 
 保鷹     :「はい、じゃあまた後で」 

[Hisasi] #手を振って 
[Hisasi] #てこてこてこと走っていく 

 ナントカ   :「…………」 

[Hisasi] #後姿を見送って 

 ナントカ   :「…………」 

[Hisasi] #目を閉じて 
[Hisasi] #しばしそのまま目を閉じてから、目を開いて歩き出す 
[Hisasi] #管理側にも色々あるようです。 


志半ばのままに
--------------

[Hisasi] #セレスティアルラボ、休憩室 
[Hisasi] #日も落ちて、職員達はもう帰宅している 

 ナントカ   :「……」 

[Hisasi] #ハシバミ色の髪サングラスに黒スーツの男 
[Hisasi] #窓の向こうは、所々に点った灯りと 
[Hisasi] #時折、巡回で動く監視カメラから反射した光がちかちかと 

 ナントカ   :「……(ふぅ)」 

[Hisasi] #手にしたカップはすっかり冷めたコーヒー 
[Hisasi] #サングラスの向こう 
[Hisasi] #遠い眼差し 

 #青年    :「いつか、人が宇宙に飛ぶことさえ命がけだった頃がある
        :……そんな話を白髪頭の僕が遠い目で懐かしそうに聞く日
        :がね」 

[Hisasi] #在りし日の青年の姿 

 #保鷹    :「……ナントカさん?」 

[Hisasi] #思い出す、少年の姿。 

 ナントカ   :「…………」 

 狩間     :「金の卵達に必要以上に愛着を持つことを危惧しているの
        :だよ」 

 「それは掟なのですよ。
  我々は待つことしかできない、信じることしかできない。
  どれだけの可能性があり、突破しうる才を持っていても、
  我々が殻を破ってはいけない」 

[Hisasi] #何があっても 
[Hisasi] #食虫植物にモノリスを投入して知性を与えるとかそういうことは
     しちゃだめ 
[Hisasi] #マニアックすぎるネタ 

 ナントカ   :「……そう、手を出すことはできない」 

[Hisasi] #浮かぶ記憶 
[Hisasi] #昔 
[Hisasi] #ある部屋 
[gombeLOG] #何歳なんだナントカさん…… 
[Hisasi] #レントゲン写真を手にした医師 

 医師     :「……これを」 
 ナントカ   :「これは……」 

[Hisasi] #くっきりと映った黒い影 

 医師     :「開いてみないことにはわかりませんが……恐らくは」
 ナントカ   :「……」 
 医師     :「……故郷にご家族は?」 
 ナントカ   :「ええ、両親と……連絡が必要ですか?」 
 医師     :「すぐにでも……覚悟が必要かもしれません」 
 ナントカ   :「…………」 

[Hisasi] #すぅっと血の気が引いていくのを 
[Hisasi] #その後、 
[Hisasi] #病室にて 

 青年     :「ああ、君か」 

[Hisasi] #ベッドの上で青年が手を振る 

 ナントカ   :「起きていていいのですか?」 
 青年     :「退屈でしょうがないよ」 

[Hisasi] #ベッドの端に置かれたワープロを指して 

 青年     :「少しでも……残しておきたいことが、遣り残したことが
        :まだまだあるのに」 
 ナントカ   :「…………無理をしないことだ、治るものも治らない」 
 青年     :「…………取り繕わないでくれ」 
 ナントカ   :「……」 
 青年     :「なあ……君は、君なら本当のことを言ってくれると思っ
        :てる」 
 ナントカ   :「……はい」 
 青年     :「……僕は、もうもたないのかな」 
 ナントカ   :「…………はい」 
 青年     :「そう……か、うん……ありがとう…………君は、嘘は
        :つかないから……すまない、嫌な役をさせてしまって」 
 ナントカ   :「……」 
 青年     :「すまない、わかってる……わかってるんだ……ただ、
        :怖いんじゃないんだ……悔しいんだ」 

[Hisasi] #ベッドに倒れて片手で顔を覆って 

 ナントカ   :「……」 

[Hisasi] #伸ばしたもう片方の手を掴んだ 

 青年     :「……悔しいなぁ……悔しい、悔しいよ……見たい世界が
        :あるのに、知りたいことがあるのに……もっと、遠くに行
        :きたかった、もっと残したかった……超えてみたかった……」 
 ナントカ   :「…………」 

[Hisasi] #掴んだ手 
[Hisasi] #どんなに大切な金の卵であろうとも、人の手に負えない病をどう
     こうしてはいけない 

 青年     :「……あの空の向こうに行きたかった……いきたかったの
        :に……悔しいよ……」 

[Hisasi] #最後はもう声にならなかった 

 ナントカ   :「…………」 

[Hisasi] #手を握ったまま 

 ナントカ   :「……」 

[Hisasi] #回想終わり 
[Hisasi] #目を閉じて首を横に振る 
[Hisasi] #金の卵の命はとても短い 


謎の男
------

 ??     :「……儚いものは、時に眩しく美しいものですね」 
 ナントカ   :「……(顔を上げる)」 

[Hisasi] #どこからとも無く現れた黒マントに黒髪、口髭の男 

 ナントカ   :「……あなたですか」 
 ハワード   :「失礼、驚かせてしまいましたか?」 

[Hisasi] #普通に出現しろよこのおっさん 
[Toyolina] wwww 

 ナントカ   :「あなたにはここの最新警備も無意味ですね」 
 ハワード   :「珍しくもの思いにふけっておられた様子でしたので」 
 ナントカ   :「そうですね……儚いものです。時間があることだけが
        :よきこととは必ずしもいえない」 
 ハワード   :「殻を破る……それは確かに、一生、いえ多くの人生を
        :かけたものでしょう」 
 ナントカ   :「……貴方は、殻を破らなかった」 
 ハワード   :「魔術と科学……元は同じ根であった、だが、魔術は個に、
        :科学は公に」 
 ナントカ   :「殻を破ることではなく、個に集約し、変成した者」 
 ハワード   :「……自身の限界を突き詰め、人であることすら逸して
        :しまった弱い存在です」 
 ナントカ   :「……いや、貴方は強いのでしょう。己の求めるものを
        :極限まで追い続け、そして昇華した」 
 ハワード   :「私達のような魔術師は、常に孤独です。己を高め、突き
        :詰めるために……それは異質なものですから」
 ナントカ   :「……」
 ハワード   :「彼らの成長は、私も楽しみです。私のような歪な存在
        :からみると、彼らはとても眩しい」 

 ふっと、目を細めて。

 ハワード   :「いずれ……彼らは見るのでしょうか。全てを背負って、
        :大手を振って、空の彼方を」 
 ナントカ   :「その時は、彼らか、或いはその意思を継ぐ者か」 
 ハワード   :「……貴方は見続ける?」 
 ナントカ   :「私は見続ける……思い出もやがて消える」 
 ハワード   :「雨の中の涙のように?」 

[Hisasi] #ちらと、ハワードを見た 

 ナントカ   :「その時が……来るまでは」 
 ハワード   :「……(くつくつくつ)」 

[Hisasi] #ふわりと、黒マントの姿が浮いた 

 ハワード   :「随分と、人にかぶれていらっしゃる……いえ、そのほう
        :が……親しみを覚えますよ、ミスター」 
 ナントカ   :「光栄ですね」 
 ハワード   :「本部が危惧するのもわかります。願わくは、貴方と……
        :金の卵達のよき運命を願って」 

[Hisasi] #しゅるんと消える 

 ナントカ   :「…………」 

[Hisasi] #随分、人にかぶれてきてしまっている様子。MIBには毒が足りな
     かった。 
[Hisasi] ……ナントカ死にそうですね、フラグ的な意味で 
[Toyolina] ここ数日ですっかり志望フラグが 


時系列と舞台
------------
 2008年4月上旬?
解説
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 調整者、ナントカの追憶。
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= 
以上



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