[KATARIBE 31602] [HA06L] 旧知

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Date: Tue, 15 Apr 2008 23:23:03 +0900
From: Subject: [KATARIBE 31602] [HA06L] 旧知
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <4804BA47.7080103@gombe.org>
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 ごんべです。
 新キャラを動かし始めたので、久々にログ切り。

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[HA06L] 旧知
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春三月、吹利にて会う
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[gombeLOG] 3月某日
[gombeLOG] @マリカ

ドクター・クレイ:(ブレンドコーヒーのカップを前に、どっかりとソファー
         :席に座って腕を組んでいる)
 (以下、ドクター)

 SE      :いらっしゃいませー

 SE      :カツン  カツン  カツン

 ドクター   :(ミラーシェードのグラサンの奥で目を開ける)

 SE      :カツン(ドクターの席の傍まで音が近づく

 女性     :「Hi」(ドクターの傍らに立って、ドクターに声をかける)

[gombeLOG] #日本人にしては整った、怜悧とも可愛いとも取れる女性
      #40前後と思われるがそれにしては若く見える

 ドクター   :「……」(グラサンの奥の目を、ぎろりと女性の足に向ける

[gombeLOG] #女性は片方に杖をついている
      #杖をつくたびに、固いゴムの石突が床に対して音をたてる

 女性     :「来て下さると思ってました」
        :(第一声とは裏腹に、流暢なやわらかい日本語)

[gombeLOG] #にっこりと笑いながら、ゆっくりとした動きでドクターの
       正面の席に腰掛ける

 女性     :「近頃は吹利にいらっしゃるという話を、信じて正解でした」
 ドクター   :「足は」(唐突に口を開く)
        :「まだ治らないのかね」
 女性     :(少し笑みを翳らせ)「……ええ」

 SE      :ご注文はいかがなさいますか  A cup of coffee.
        :……は?  ……ああ、珈琲を、ひとつ
        :かしこまりました(汗)

 ドクター   :(何か言いあぐねていたが)
        :「……日本へは、何か用事かね?」
 女性     :「吹利にしばらく赴任することになりましたから」(にこ)
 ドクター   :「……」(目を見開く)
        :「私にコンタクトを求めるものだから、何かと思えば」
        :(ぼそぼそ)
 女性     :「貴方には、挨拶をしておかなければと思って」
 ドクター   :「財団、かね?」
 女性     :「ええ」
 ドクター   :「……まだ財団にいたとは」
 女性     :「……」

 SE      :おまたせしました

 女性     :(一口コーヒーを口に)
        :「……いまの私でも。その能力を活かせる場所ですわ」
 ドクター   :「だが、その君の将来を、断(た)った場所だ」
 女性     :「クレイ」(かぶりを振る)
        :「……後悔はしていないわ」
 ドクター   :「……」
 女性     :「そうそう。貴方には、渡さなければならないものがあるの」
 ドクター   :「……?」
 女性     :(がさごそ>鞄)

[gombeLOG] (柔らかい紙の包みを取り出す

 女性     :「これを」
 ドクター   :(受け取る

[gombeLOG] (がさがさ)
[gombeLOG] (細長い箱、そして中からは万年筆

 ドクター   :「……?」(怪訝そうな顔)
        :「……!」(急に何かに気付き、女性の顔を見返す)
 女性     :「……ずっと……渡さなければ、と思っていたの」
 ドクター   :「……」
        :「これを……今の君から私に寄越すというのかね?」
 女性     :(見つめる)
 ドクター   :「持ち帰り給え……これを受け取るべき男は、私ではない」

        :(机の上を滑らせ押し戻そうとするドクターの手を、女性
        :の手が押しとどめる)

 女性     :「待って」
 ドクター   :(かぶりを振る)「だめだ」(手だけを引く)
 女性     :「……」
 ドクター   :「帰り給え」
        :「私は……想い出の中の君を、大事にしたいのだ」
 女性     :「……」(笑みが消える)
        :(数瞬の後、ふ、とため息をつくように笑みを戻す)
        :「わかりました」
        :「ありがとう、クレイ。今日、貴方に会えて良かったわ」
        :(ふらつきながらも自力で立ち上がる)
 ドクター   :(腕組みをしたまま、じっと動かない)
 女性     :「ごきげんよう。……また、機会があるといいわね」
 ドクター   :「……」(黙ったまま)

 SE      :カツン  カツン  カツン

 SE      :ありがとうございましたー

 ドクター   :「……」

[gombeLOG] #しばらくの間、何かを考えているように微動だにせず

 ドクター   :「……二十年。……いや」
      :「……長い……な……」

[gombeLOG] (ふう、と大きく息をつく)
      #立ち上がって精算に行こうとしたドクターの傍に、とある人影
      が寄り添う

 響      :「……追跡者や監視者はありません。発信器の類もクリア
        :ですわ」
 ドクター   :「……」
 響      :「?……お忘れ物ですよ」
 ドクター   :「ん?」

[gombeLOG] #27号がテーブルから取り上げたのは、女性が置いていったと
      思しき名刺

 響      :「……All green, です。どうぞ」(差し出す)
 ドクター   :(一瞬迷うが、受け取る)
 響      :「あの女性」
        :「多分お若い頃は、3号に似ていたんじゃないでしょうか?」
        :(去った方に何となく目をやりつつ
        :「そう思いません?」(ドクターに)
 ドクター   :「ラケル・サッチャー。アメリカ国籍」
        :「物理学と生物学で、正真正銘の博士号を持っている」
 響      :「日系人ですね」
 ドクター   :「うむ」
        :「……セレスティアル財団の、研究者だよ」

[gombeLOG] ----

[gombeLOG] というわけで、見ている人がいなくなるほど時間がかかったが、
      そういう人と言うことになりました
      >ラケルさんもドクターも


時系列
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 2008年3月下旬


解説
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 長らく音信の途絶えていた旧知の二人が再び逢う。
 その関係は、友人か、あるいは。

 少なくとも、女性の若き日の姿を形にとどめようとするほどに、ドクターは。


登場人物
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ドクター・クレイ
   :マッドサイエンティスト。所在不明、神出鬼没。
ラケル・掛場・サッチャー
   :セレスティアル財団所属の科学者。日系アメリカ人。


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ごんべ
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