[KATARIBE 31500] [HA06L] 彗の家出 13

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Date: Tue, 15 Jan 2008 17:04:45 +0900
From: Subject: [KATARIBE 31500] [HA06L] 彗の家出 13
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[HA06L] 彗の家出 13
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登場人物
--------
 途奥彗
 神終空音
 途奥火雲
 ハワード・オースティン・クーネルダール


鬼姉と対峙
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[Toyolina] 鬼姉ゴゴゴ
[Toyolina] >00:49 [saway]   勢いでめちゃくちゃやるには最適><
[saway]   なんというJOJO姉

 鬼姉     :「勘当しようと思ってたら戻ってきた」

[Toyolina] スレタイみたいだ

 空音     :「ご無沙汰しております」
 彗      :「今日は……お(ごくん)。折り入って、お話が」
 空音     :(トオクの手を握り落ち着かせる)
 彗      :(小さく頷いて)「お話があって、来ました」
 鬼姉     :「お話ね。何分くらいかかる話? 十分くらいだったら
        :聞いてあげられるけど(PCに向かいながら)」

 空音     :「今のような生活をいつまでも続けていてはトオクも世間から
        :どう言われるかしれません、どうか聞いてあげてください」
 鬼姉     :「聞くよ(手を止めて座ったまま向き直る)」
 彗      :(こくん)「ま、まず……最初に、謝ります。……箭内……
        :さんのこと」
 鬼姉     :「ん? やられたからやり返したんだろ? それは別にいい
        :じゃないか。なぜ謝る」
 空音     :(何か言いたくてうずうずしてくるがここは様子見)
 彗      :「なぜ、なぜって……やり過ぎた、から……」
 鬼姉     :(ふん)「なんだ。罪悪感か……まあいいや。15年もそんな
        :性格だったんだからな。今更変わったりもしないか」

[Toyolina] チェー、つまんねー。って顔

 彗      :「……ごめんなさい、申し訳ありませんでした」
        :(深々と頭を下げる)
 空音     :(あなたが"そんな性格"だからトオクはこうなるしかなかっ
        :たんだ──)
 鬼姉     :「……それで? 本題は?」
 彗      :「……家を、出ます」
 空音     :「補足させてもらいますと、既に家はでているわけですが、
        :それを社会的に見て問題のない形にしたい、ということです」

 鬼姉     :「そりゃ立派だ……15でそんなこと、普通言えない。社会的
        :に、ね。オトモダチの方は頭がいい。ちょっとは見習ったら。
        :それで」
 彗      :「……(ごくん)こ、高校は……行きたい、ので……お願い
        :します……」
 鬼姉     :「もっと具体的に」
 空音     :(がんばれ、トオク)
 彗      :「……そ、その間……三年間の、学費を……貸してください」
 鬼姉     :「貸す……なるほどね」

[Toyolina] ふむふむ、うんうん。となんか勝手に納得した様子

 鬼姉     :「で。私にどういうメリットが」
 彗      :「……わかりません……でも、……必ず返します」
 鬼姉     :「返すのは当たり前だ」
 空音     :「私が口を挟むのは差し出がましいですが、問題のない
        :家庭の体裁を維持できるかもしれません。いえ、必ずその
        :ように彼女はします。それに、野宿などして警察のご厄介に
        :一歩手前だったんですよ」

 空音     :「流石にそれはまずいと思って今はうちに居て貰ってますが、
        :いつまでもこのままでいることはできない」
 鬼姉     :「それはご厄介をおかけして……うちの不肖の妹が……
        :なるほどね、確かにそれはメリット、といえるか」
 空音     :「苦しい事を言っている、とは思いますが。彼女の決心、
        :固いですよ」

 彗      :「……この家には……戻りません。お金を返すときくらい
        :しか……それと」
 鬼姉     :「それと?」
 彗      :「もう、関わる気もありません……ですから、その……
        :何でも、条件として、受け入れます。最後、だから」
 空音     :(どきどきハラハラ)

 彗      :「箒も、返します」
 鬼姉     :「箒か。あんたの箒に、そんなに価値があるとは思えないん
        :だけどな……ふうん……なんでも、か」

[Toyolina] 椅子くるくる

 空音     :(ああ、またこの子は軽率にそんなこと口にしちゃって……
        :(あわあわ))
 彗      :「なんでも、です……」
 鬼姉     :「だったら──この本を使ってみな」

[Toyolina] と、マホンさんをぽいっと投げる
[Toyolina] 魔本です
[saway]   見るからにやばそうですか
[Toyolina] これを手にしたせいでトオクさんは黒トオクになってわいせつ
      メガネをフルボッコにしてスッキリしました
[Toyolina] やばそうですね

 彗      :「……これ……これは……これだけは……(だめ、これは
        :だめ)」
 空音     :「これをトオクが所持することで、お姉さんにどういった
        :メリットがあるのでしょうか」
 鬼姉     :「見てみたいんだ、この子の本性ってのを。それに、元々
        :これはこの子のモノだしね」

[Hisasi]  持ってもイイよ、PL的には
[Hisasi]  呑まれなければ

 空音     :「なるほど。トオク?」(どうするの?)
 彗      :「……本性……」

[Toyolina] どす黒い感情。残虐性。倒れ伏すわいせつメガネ。その後に見た
      夢。そして、空音たんが言った言葉。

 彗      :(ゆっくりとしゃがんで本に手を)

 彗      :「……この本を……持つ、持ちます、けど……使わない」
 鬼姉     :「本性は隠すつもり?」
 彗      :「隠さない、けど……きっと、隠すのも、大変だし……だから」

 空音     :「人には様々な側面があります。だけどそれを理性で制御
        :してこその人。魔道に携わるものなら尚更──隠すなんて
        :後ろ向きな選択ではありません」
 彗      :「……私は……貴方の望むようには、なれなかったし、
        :なるつもりもない。だから、これを使うのは、出来ません。
        :でも、使いたくなる、私もいる、だから」

 彗      :「きっと、苦しむ……それを、見て楽しむくらいで……」

[Toyolina] この子は語彙が貧弱だから大変な発言にみえてならない
[Hisasi]  はぁはぁするトオクさん
[Hisasi]  実行する前に脳内で実行してはぁ、と
[Hisasi]  平和的に解決。
[Toyolina] 見て楽しむのは鬼姉。つまり苦しむ自分の姿を見て悦に浸る権を
      メリットして提示してみました
[Toyolina] とかいうと身も蓋もない

 鬼姉     :(ちょっと拍子抜け)「そうかい。まあいいや、それはもう
        :全部読んだし」
 彗      :「……他のことで、何かあったら」
 鬼姉     :「……箒で手を打とうか」
 空音     :(なんとかうまくまとまってきてる、のかな)
 彗      :「……はい」
 鬼姉     :「……一応きいとくけど、本当にいいんだな」

[Toyolina] 核金のないときこさんみたいなもんで

 彗      :「家を出る、っていうからには……当然だから」
 鬼姉     :「そうか、じゃあ遠慮無く」
 鬼姉     :「オトモダチの……カミハテさんだっけか。申し訳ないが、
        :少し席を外してくれないか」
 空音     :「……はい」
        :(去り際に彗の手首に指を絡め、タリスマンに気を通す)

[saway]   ついているから、のサイン

 彗      :(頷く)

[Toyolina] そしてしばらくしてトオクさんが部屋から出てくる。ちょっと顔色
      が悪い、けど外傷があったりはしない。

 彗      :「ソラネ、一応証人として立ち会ってくれって」
 空音     :「私でいいの? 必要ならお婆ちゃん呼ぼうか?」
 彗      :「……ちゃんとお金貸すところ、見てろってことだと思う」
 空音     :「わかった」

 鬼姉     :「んでいくらくらい要るんだ」
 彗      :「……いくら……だろ」

[Toyolina] 参考資料:私立高校(東京)の一年間の授業料は平均約85万円。

 空音     :「概算でよければ、試算を出しておきました」
        :(プリントアウトしたエクセルデータを出す)
 鬼姉     :(眉がぴくりと動く。数字を見て)
 彗      :「……」
 空音     :「本来ならばこれに食費光熱費その他諸々の諸経費が追加
        :されてこれくらいかかるわけですが──」
 鬼姉     :「……しょうがない。貸すと言ったんだからな。現金だと
        :今日は無理。振込でいいなら今すぐ」

[saway]   気前いいなーw
[Toyolina] 中学生二人の前で渋ったりとか大人として出来ないw

 彗      :「……現金だと危ないので……振込で」
 鬼姉     :(PC操作して、振込結果をプリントアウトする)
        :「なんで一回100万円なんだ、面倒だな(ぶつぶつ)」

[Toyolina] いくらくらいなんでしょうね
[Toyolina] 5,600万円くらい?
[Toyolina] 僕がほしいな(じゅるり)

 鬼姉     :「じゃあこれ借用書。中身見て間違ってなかったらサイン」
 彗      :(見比べてサインする)
 鬼姉     :(……せっかくアウディ買おうと思ってたのに……)

 彗      :「……ありがとうございます」
 鬼姉     :「……いいよもう。早くいきな。返済も振込でいい」
 彗      :「うん、それじゃ……さようなら」

[Toyolina] 最後なのに、目も合わさない二人だった。

[Toyolina] ところで魔本は魔力とかなくても読めたりするんでしょうか。
[Hisasi]  読めますよ
[Hisasi]  知識に善悪は無い
[Toyolina] ナルホロ。
[Hisasi]  使いようによっては
[Toyolina] もう箒で飛んだりできなくなっちゃったんで。
[Hisasi]  良くも悪くもなる
[Hisasi]  じゃあ、彗専用魔本になってあげよう
[Hisasi]  表紙を赤くして
[Hisasi]  角もつけるよ
[Hisasi]  ぷらすちっくで
[Toyolina] 赤いw
[Toyolina] 彗
[Toyolina] 星の絵とか書いてあるんですか
[Hisasi]  鬼姉が赤のサインペンでなぐりがいた流れ星が
[Hisasi]  超適当に
[Toyolina] おのれ姉め
[Toyolina] 最後まで


ハワードと会話
--------------

 彗      :「ララともお別れかな」

[Toyolina] 手乗りもと使い魔ルリビタキ

 彗      :「もう、ララが何、って言ってるのか、わかんなくなっ
        :ちゃったんだ」
 ララ     :(特に気にせず手乗り状態)
 彗      :「山に帰る? 一緒にくる? くるんだったら……嬉しい。
        :でも、前みたいに、放し飼いとかは出来ないよ」

 彗      :「ずっと籠の中……カラスとか危ないし」

 彗      :「それでも、いい?」
 ララ     :(腕を伝って肩に)
 彗      :「ごめん、ほんとにもう……わかんないから」
 ララ     :(さらに頭の上に)

[Hisasi]  今はお外?
[Toyolina] お外です
[Toyolina] もうすっかり公園の常連なので
[Hisasi]  じゃあ、ふと
[Hisasi]  見覚えのある黒コートを見かけます
[Toyolina] 北ー

 ハワード   :(歩いてる)

[Hisasi]  そして、ふと互いに目が合った。

 ハワード   :「……また、ここにいらしたんですか」

[Hisasi]  このおっさんのせいで大変なことになったのに
[Hisasi]  なんか逆にすっきりしてるんですか、トオクさん
[Toyolina] すっきりしちゃってますね

 彗      :(あ……)「はい、そうですね……気に入っちゃって」
 ララ     :(コートのフードに収まる)
 ハワード   :「そうですか、陽だまりにいれば……暖かいですからね」

[Hisasi]  隣で

 ハワード   :「悩みは……解決されましたか」

[Hisasi]  鷹揚にベンチの隣に腰掛けて

 彗      :「……はい。いろいろあって、なくしたものも……ありま
        :すけど」
 ハワード   :「ほう」

 ハワード   :「結果的に、貴方は満足できましたか」
 彗      :「夢……も一個、なくなりました。でも、それくらいしな
        :いと、ダメだったんだって……わかったから。満足……
        :はい、満足してます」
 ハワード   :「なるほど」
 彗      :「いろいろ、学べましたから」

 彗      :「きっかけは……貴方がくれた、この本です」
 ハワード   :「……お役にたてたのかな、それとも」

[Hisasi]  ひどい目にもあったでしょうに

 彗      :「どっちとも言えないです……でも」
 ハワード   :「陰陽、というものを知っているかい」

[Hisasi]  ぽつりと

 彗      :「知識としてなら……」
 ハワード   :「中国に渡った際に、学んだものでね。受動的な性質を
        :「陰」、能動的な性質を「陽」……陽は善ではなく、陰は
        :悪ではない」

 ハワード   :「君の内に秘めたもの、それは確かに君自身の念であり、
        :君の陰たる自分」
 彗      :「……はい」
 ハワード   :「それを封じ込め、抑圧し続けてきた……それが君の歪み」

 ハワード   :「違うかね?」
 彗      :「……そうです」

 彗      :「友達にも言われました。こんなになるまで我慢して、って」
 ハワード   :「それは、いい友人に恵まれたのですね」

 ハワード   :「……私の娘達は、許しあうことも理解しあうこともでき
        :なかった(ぼそっと)」

 ハワード   :「君と同じです、抑圧し続け……己を歪めてしまった」

 ハワード   :「同じ過ちを、私は見たくはないのですよ」
 彗      :「それは、私も一緒です。姉、姉だった人とは、もう……
        :でも、もう交わることはないですから……同じ過ち、では
        :ギリギリないかもしれません」
 ハワード   :「そうですか……いえ、抑圧した末の決裂ではなく、理解
        :した上での貴方の選択ならば……それは意味あることでしょう」
 ハワード   :「貴方の中の、陰たる自分と……向き合えますか?」

[Hisasi]  つーかヤバイ人だけど、彗さんの周りで頼りになる大人って、
      ひょっとしてこのおっさんくらいしかいないのかな
[Hisasi]  どう頼りになるかは置いておいて

 彗      :「向き合わないといけない、そう思います。そうでないと……
        :また、間違っちゃうから」

[Toyolina] そうですね
[Toyolina] 白トオクのときは大丈夫なんですが……

 ハワード   :「(くくっと笑って)……よい顔ですね」
 ハワード   :「貴方の一歩を応援できればと思いましたが、出すぎた事で
        :すね」
 彗      :「いえ……さっきも言いましたけど、今こうして居られるのは
        :……きっかけは、貴方です」
 ハワード   :「そうですか。では、お好みのデザートでもご馳走しましょう。
        :多少なりとも、貴方を振り回した負い目もありますから」

[Hisasi]  ケーキおごっちゃるぜ
[Toyolina] ワーイ
[Hisasi]  好きなだけくいな
[Hisasi]  へでもねえぜ
[Hisasi]  でも魔力ないから三つくらいが限度か
[Hisasi]  kskないし
[Toyolina] はい。

 彗      :「……はい、ごちそうになります」
 ハワード   :(むしろ、こちらが礼をいわねばならないのですがね、お嬢さん)
        :「ええ、どうぞ」

[Hisasi]  ご案内しつつ
[Hisasi]  ケーキとお茶をご馳走になって
[Toyolina] そんな裏事情を関知する術もなく
[Hisasi]  さあ、ゼロからスタートだ、と。
[Hisasi]  うむ

 彗      :「ごちそうさまでした」
 ハワード   :「どういたしまして。貴方の行く道の幸いを片隅で願って
        :いますよ」

[Hisasi]  ぺこり、と一礼して
[Hisasi]  去ってゆく黒コート黒髪口髭

 ハワード   :(歩いてゆく)

[Toyolina] ろくでもないことしてるんだが悪人には見えないw

 ハワード   :(にぃ、と笑って)

[Hisasi]  風に消えた


おまけ
------

[Toyolina] ハワさんカッコイー
[Hisasi]  でもロクなことしてないんだぜー
[Hisasi]  悪ではない、けど
[Hisasi]  善でもない
[Hisasi]  思うままに行動してるから
[Toyolina] ウム
[Toyolina] トオクさんの場合はたまたま丸く収まっただけだw
[Hisasi]  ですよ
[Hisasi]  大抵破滅してるんだから
[Hisasi]  破滅したのはハワさんのせいではないんだが
[Hisasi]  原因になってるのは事実
[Toyolina] なのに怨んでないなんてトオクさんなんてお人好し
[Hisasi]  トオクさんたら
[Toyolina] やっぱり凹んでるときに優しくしたから好感度高いんだ
[Hisasi]  とりあずヤバイ大人だけど、それなりに大人らしく彗さんに接した
      点とかも
[Hisasi]  頼れる大人いなかった彗さんにはポイントでかかったんだろう
[Hisasi]  両親エアーだし姉はああだし
[Hisasi]  眞由美&氷我利さんは頼っちゃだめだとか思ってたし
[Toyolina] PL事情がいいあんばいに
[Hisasi]  また会いそうですが
[Hisasi]  それはまだ先の話


時系列と舞台
------------
1月7日?


解説
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思った以上に、素っ気ない姉妹の別れ。


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Toyolina
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