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Date: Mon, 17 Dec 2007 00:08:23 +0900 (JST)
From: Subject: [KATARIBE 31464] [HA06N] 小説『指折り数えて』
To: kataribe-ml@trpg.net
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2007年12月17日:00時08分23秒
Sub:[HA06N]小説『指折り数えて』:
From:久志
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小説『指折り数えて』
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登場人物
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相羽尚吾(あいば・しょうご)
:ヤク避け相羽の異名を持つ刑事。嫁にはダダ甘だったりする。
川堀ひとみ(かわほり・−)
:吹利県警婦警さん。22歳独身彼氏なし。ある意味被害者。
指折り数えて
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指折り数えて、当日を待つ。
まるで幼稚園児が遠足を待つかのように。
十一月八日。
デスクの上に山のように詰まれた報告書と調書を全て上司に提出し、相羽は
意気揚々と県警の休憩室に訪れた。
「相羽さん……ご機嫌ですね」
「おう、川堀ちゃん」
澱んだ空気をしょった川堀がうわめ遣いで相羽を見上げる。
ここ数日、通常勤務に加えて、夜の零課勤務で深夜帰りのせいか、目の下に
どんよりとクマが出来ている。
「だいじょぶ?大分、きてるみたいだけど」
「……ふ、ふふ……はい……もう、慣れました」
手にしたパンダプリントのカップになみなみと注がれたブラックコーヒーを
飲みつつ、どこか放心したように遠くを見る。
「体、持たないよ? 俺らとは基礎体力違うんだからさ」
「……はい」
だらんと椅子にもたれかかって、ぐいっとコーヒーを飲む。
「ああ、そうそう」
「はい?」
「お礼、言わないとね」
「え?」
「ほら、相談乗ってくれたじゃん」
目をしばたたかせる川堀に軽く片目をつぶってみせる。
「え、と」
「ほら、プレゼント考えてくれたしょ」
「あ」
スイッチが切り替わったかのように目を輝かせる。
「指輪、買ったんですか!?」
「うん、なかなかいいのが見つかってね」
「どんな!どんなのですか!?」
「んーまあ、今度見せたげるよ、デザイン同じだし」
「え?」
お揃いのリング。
もう既に受け取りをすませ、ラッピングをしてもらい、デスクの引き出しに
密かにしまってある。
「折角だからさあ、お揃いにしたんだよ。結婚指輪代わりに、ね」
「…………はい?」
事も無げにいう相羽の顔を見て、目を丸くする。
お揃い、と。
オウム返しのように繰り返し。
「……あ……あ、あの」
「ん?」
「指輪……ですよね」
「うん、プラチナの」
えぐりこむような見えない一撃。
「…………はぅっ」
川堀の脳裏を走馬灯のようによぎる元彼の姿、合コンで別の子にかっさらわ
れたイケメンの顔が流れては、消える。
「……ふ、ふふふ、ふ……」
そのまま、がっくりとその場に沈み込んだ。
「って、川堀ちゃん?どしたん」
合掌。
時系列
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2007年11月8日
解説
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真帆の誕生日、本人よりも楽しみにしている相羽。とばっちりを食う川堀。
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以上
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