[KATARIBE 31458] [HA06L] チャットログ『一筋、唯一の光』

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Date: Sun, 16 Dec 2007 18:43:19 +0900 (JST)
From: Subject: [KATARIBE 31458] [HA06L] チャットログ『一筋、唯一の光』
To: kataribe-ml@trpg.net
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2007年12月16日:18時43分19秒
Sub:[HA06L]チャットログ『一筋、唯一の光』:
From:久志


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チャットログ『一筋、唯一の光』
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登場人物
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 葉島多菜(はじま・たな)
    :父に裏切られ、母が壊れ、弟を失い、傷つききった少女。
 御羽貞我(おわ・ていが)
    :多菜とは異母兄妹にあたる。葉島貞男の事件をきっかけに出会う。
 職員 :ひまわりの家の職員

面会
----

 休日、ひまわりの家へと訪れるオワタ。

 オワタ    :「……」 

[Hisasi] #オワタが出かけた先 
[Hisasi] #児童保護相談所 
[Hisasi] #年季の入った建物、囲いのある庭には子供が遊んでるらしい声が
      聞こえる

 オワタ    :「……」 

[Hisasi] #暫く入り口を眺めた後、意を決したように 
[Hisasi] #戸を開けて中に入り、受付で事情を話す 

 オワタ    :「……すみません」 
 職員     :「ああ、聞いてるよ……御羽君、だね」 
 オワタ    :「……あのう、あの子は」 
 職員     :「……ああ、会うかい」 

[Hisasi] #微妙に言いよどんだ 
[Hisasi] #視線が落ちる 

 オワタ    :「えっと……元気、ですか?」 
 職員     :「……」 

[Hisasi] #一瞬の間 
[Hisasi] #その沈黙が答えだった 

 オワタ    :「どこにいます?」 
 職員     :「こっちだよ」 

[Hisasi] #職員に案内されて 
[Hisasi] #奥の一室のドアのガラスをそっとのぞいて 
[Hisasi] #見てることに気づかれないように 

 多菜     :「…………」 

[Hisasi] #部屋の隅、窓に寄りかかるように 
[Hisasi] #膝を抱えて座る十歳の女の子 
[Hisasi] #やせ細った体、黒目勝ちの目がやたら大きく見える。 

 職員     :「……ずっと、あのまま誰とも口を聞こうともしなくてね」
 オワタ    :「…………」 
 職員     :「カウンセラーの人とも全く意思疎通するそぶりを見せて
        :くれなくて……」
 オワタ    :「ずっと、あの時から……?」 

[Hisasi] #保護されて、父の逮捕を知って 

 職員     :「……一時期、父親の話題が出るたびに悲鳴を上げて泣き
        :出して……」 
 オワタ    :「……っ」 
 職員     :「今は、少し落ち着いてるようだけど」 
 オワタ    :「……」>唇を噛んでる 

[Hisasi] #でも、どうにも出来ない 

 職員     :「……彼女と、会ってみるかい?」 
 オワタ    :「はい」 

[Hisasi] #顔を上げて。 

 職員     :「わかった」 

[Hisasi] #ドアをノックして 

 多菜     :(びくっ) 

[Hisasi] #怯えたような顔になって、すぐさまきっとドアを睨む 

 職員     :「多菜ちゃん、お邪魔するよ」 
 多菜     :「…………」>ぎっと、職員を睨んでる 
 職員     :「お客さまだよ、君に会いに来たんだ」 
 オワタ    :「……」 

[Hisasi] #遠慮がちに部屋に入って 

 多菜     :「!」 

[Hisasi] #大きな目を更に丸くして 

 オワタ    :「やあ……多菜ちゃん、だね」 

[Hisasi] #腹違いの妹、でも、数回しか会ったことのない。どう接していい
      かわからない 

 多菜     :「…………」 

[Hisasi] #でも明らかに職員らに向ける目とは違う 

 オワタ    :「元気だった、かな」 
 職員     :「じゃあ、少しだけ私は席をはずすよ」 
 オワタ    :「はい」 
 多菜     :「…………」 

[Hisasi] #じっと、オワタを見上げてる 

 オワタ    :「……多菜ちゃん」 
 多菜     :「…………」>じっと 
 オワタ    :「……」>でもなんて声を掛けてあげればいいのか、何が
        :できるのか 
 多菜     :「…………」>じーっと顔を見てる 
 オワタ    :「……」>そっと、手を差し出して 
 多菜     :「……」>ぎゅっと唇を噛んでる 
 オワタ    :「……何も出来なくて、ごめん」 

[Hisasi] #この子に何が出来るのか、 

 オワタ    :「一番辛いのは……君なのに」 

[Hisasi] #父のことを思い出して 

 多菜     :「……ぅ」 

[Hisasi] #顔をゆがめたオワタを見て 

 多菜     :「う……わぁんっ!」 
 オワタ    :「……っ」 

[Hisasi] #飛びついてきて 

 オワタ    :「……多菜……」 
 多菜     :「うわぁぁぁぁんっ」 

[Hisasi] #ぼろぼろと涙がこぼれて 

 オワタ    :「……多菜」 

[Hisasi] #背中を撫でて、頭に手をのせて 
[Hisasi] #何が出来るのか、わからないまま 
[Hisasi] #声を上げて泣く多菜の頭を撫でることしかできないオワタ 
[Hisasi] こうして、多菜→オワタのどうしようもない想いが 
[gombeLOG] せつなし 
[Toyone] /(^o^)\ 

 多菜     :「……おにいちゃん……」>すげー蚊の鳴くような声で 
 オワタ    :「……ん?」 
 多菜     :「……また来てくれる?」>縋りつくように 
 オワタ    :「うん、また顔見に来る」 
 多菜     :「……うん」 
 オワタ    :「だから、多菜も……元気でいろよ?」 
 多菜     :「うん、元気でいる、だからまた来て、お願い」 

[Hisasi] #必死 

 オワタ    :「ああ」 

[Hisasi] #でも、彼女よりも今の家族よりも優先することは出来ない。
      それはオワタにも多菜にもわかっている 

 多菜     :「……うん、お願い、いい子にしてるから、絶対」 


せつない
--------

[Hisasi] #もう縋れるものが何もない 
[Hisasi] #会ったばかりの兄しかいない 
[gombeLOG] #繋がる糸は一人だけに 
[Hisasi] #でも、父親に良く似ていて。でも性格は全然違っていて 
[Hisasi] #そりゃあ、もう。ニモ以上にオワタ一筋にもならあ 
[Toyone] #いやん、ニモさんがどうにかなりそうになったらさらなる難敵が
[Hisasi] #たぶんりまさんに敵対はしないと思われる 
[Hisasi] #だって、敵対したりしたらオワタに嫌われる 
[Hisasi] #オワタに嫌われたくない、会いに来てほしい。だから、絶対に
      いい子でいい顔をしなきゃとかいう 
[Hisasi] #強迫観念にかられてそうですよ、多菜さん 
[gombeLOG] #あれですよね、オワ家の家族団らんが崩壊したその日に後妻の
       お腹にいたのはこの子なんですよな 
[Hisasi] #ですな 
[Hisasi] #そんな多菜さんの心を癒せるか 
[gombeLOG] #その強迫観念、絶対にありそうだ 
[Toyone] いつたいどうすればいいんだ 
[Toyone] そんな心理に気づかず優しくしたりするんだぜりま子さん 
[Hisasi] #少しづつ、強迫観念にとりつかれてオワタ以外に心を閉ざして
      しまった多菜さんを 
[Hisasi] #とかしてゆくのだ 
[gombeLOG] #オワタも、多菜は悪くないのにあの時の子だと言うこともわか
       っているから、時折複雑な思いが頭をよぎったりするのか。
       でも父が一番の原因でヘタレであったと言うことはわかってし
       まったから、そう言うこともないかな 
[Hisasi] #むしろオワタにしたら、父の被害者としか 
[gombeLOG] #そういうことだねえ 
[Hisasi] #しかし、可哀想だ。という 
[Hisasi] #同情はあっても 
[Hisasi] #ニモに対するような愛情まではもてない 
[Hisasi] #しょうがないよ、血が繋がってても他人 
[Hisasi] #多菜とオワタの温度差が 
[Hisasi] #多菜にとっちゃあ、オワタは唯一縋れる存在。 
[Hisasi] #オワタにとっては、父の被害者で同情すべきか弱い存在。 
[Hisasi] #さて、どうなることか 
[Hisasi] #というわけで寝よう。 
[gombeLOG] 多菜の方の境遇が悪すぎる 
[gombeLOG] 追い詰められすぎですよな 
[Toyone] そうですね 
[gombeLOG] 温度差も出るのは仕方ない 
[gombeLOG] 本来、互いに赤の他人なのに 
[gombeLOG] 多菜としては、すがらざるを得ない 
[gombeLOG] だんだん、すがるべき相手と思えてきてしまうに違いない 
[Toyone] お父さんに顔似てるし 
[Toyone] お父さんと違ってちゃんとしてるし 
[Toyone] あ 
[Toyone] >オワタに嫌われたくない、会いに来てほしい。だから、絶対にいい
     子でいい顔をしなきゃとかいう 
[Toyone] このジレンマと板挟みで 
[Toyone] 病み路線(((・д・;))) 
[gombeLOG] 既定路線ですな 
[gombeLOG] 無理しなくていいんだよと言ってあげられる人物は、周りにはお
      らん 
[Toyone] しかし向き合えるのはオワりまくらいしかおらん 
[gombeLOG] http://hiki.kataribe.jp/HA06/?HajimaTana 
[gombeLOG] うむ、できた 
[gombeLOG] 箱を作っておかないと、良い話題が埋もれる 
[Toyone] すばやいおしごと 


時系列と舞台
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 2007年10月ごろ
解説
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 心を閉ざしてしまった多菜。唯一縋れるのは腹違いの兄・オワタのみ。
 http://kataribe.com/IRC/HA06-02/2007/11/20071122.html#000001
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= 
以上



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