[KATARIBE 31203] [BZ01N]聖騎士の聖剣

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Date: Wed, 11 Jul 2007 21:00:36 +0900
From: Subject: [KATARIBE 31203] [BZ01N]聖騎士の聖剣
To: 語り部 <kataribe-ml@trpg.net>
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液体窒素です。
氷さん、4つ目の縁具獲得のための小説を。

登場人物
・雪見屋氷:泣く子も凍る商工会会長。
・朝尾宴卓:一時期活躍した聖騎士。最近戦死した。

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東北には奥羽山脈が広がっている。
その北端に位置する場所に、ある山がそびえている。
標高2000m。一年を通してふもとから雪の降り積もるこの山の名は冷峰・悪凍山
(おとうさん)。
中腹での吹雪は凄まじく、地元民ですら登ることはまず出来ないと言われてい
る山である。

そんな雪の降るふもとに、氷は白い浴衣姿に下駄といういつものスタイルで立っ
ていた。

何故彼女がここにいるのか? それは例の如く仕事をサボったからである。
…いやそうではなくて、この山の頂上にある「縁具」があるからである。
それはかの伝説の聖騎士こと朝尾宴卓(あさお・えんたく)使用していたとされる
聖騎士剣―ラグナカリバー。
彼はこの縁具を使用し、数多くの怨主・崩主との戦いで勝利を収めたという。
だがつい2ヶ月前、宴卓が戦死したという情報が入った。彼の遺体とその縁具
はどこかへ消えてしまったとのこと。
興味を持った氷は、無契約になったであろうその縁具を手に入れようと、商工会
の権力を使い、その居場所を探した。
そして集まった情報をまとめた結果、ここ悪凍山の山頂にその縁具があるという
ことが判明したのである。

「でもなんで、中州からこんなに離れた場所にあるのかしら?」

そう言いつつも情報の信憑性は高いので、おそらくここにあることは間違いない
のだろう。
彼女は縁具、アイスバーン・クライシス(改)を召喚した。
キャノンモードで出てきたそれを、手早くジェットモードへチェンジ。
氷はそれを背中に装着した。
どうやらまともに2000mを登るつもりはないらしい。

「それじゃあ頂上へゴー」

ギュイィィィィンとチャージされたアイスバーン・クライシス(改)は、増幅された氷の
凍気を勢いよく吐き出し彼女を頂上まで飛ばした。

そして数分後、無事頂上に到着した氷はラグナカリバーを探し始める。
頂上はまったく吹雪いていないので、目当てのもはすぐに見つかった。
それは聖剣の名にふさわしく、大きな岩にまるで「私を抜けるものなら抜
いてみよ」と言わんばかりに…

「………竹刀…?」

竹刀が突き刺さっていた。
剣道で使うあれである。

「これが聖騎士・宴卓の使っていた縁具『ラグナカリバー』……なわけないわ
よね。ていうか、竹刀って岩に刺さるんだ」

もっとこう、いかにも「私、聖剣やってます」的なカッコイイ西洋剣を想像していた
のだけど。ガセネタだったのだろうか。

「ナンじゃ騒がしい。せっかく眠りにつけるというところじゃったものを」

氷がため息をついたとき、声が聞こえてきた。
声の主は…岩に刺さっている竹刀。

「あら、竹刀がしゃべった」
「むきーっ! 竹刀と失礼なっ ワシはこう見えても伝説の聖騎士剣・ラグナ
カリバーじゃい!」

どうやらあれがラグナカリバーで合っているらしかった。
言われてみれば心なしか輝いてる気がしなくもない。
しかし剣というには、刀身に刀剣類に必ずある「刃」の部分は当然見当たらない。
竹刀なんだから当然であるのだけれど。
どう見ても面や胴や小手を決めるのが精一杯に見える。

「聖騎士剣……ねぇ」

疑わしそうな目で自称・聖剣を見る氷。

「ぬぬっ、信用しておらんな? ならばいいだろう、ワシを抜いてそこにある別の
岩を斬ってみるがいいわい」

とりあえず、言われたとおりに柄を握って岩から抜いてみる。
意外に抵抗なく抜けた。
しかしやはり竹刀を持っている感覚しかない。
乗り気はしなが、一応岩に対して横薙ぎに振ってみる。

スパッ

「………あらら?」
「どうじゃい、見たか、我が切れ味を!」

見れば岩の断面は恐ろしくなめらかであった。
よく分からないが、どうやらこの竹刀がやったらしい。
本当に聖剣…だったのか。

「…どうやら本当みたいね。ならいいわ、どう私と契約しない? いろいろと退屈
はしないと思うわよ」

妙に自信を持って氷は言う。

「ふん、先ほどから竹刀竹刀としきりに言っておった小娘が生意気に。しかしまぁ
いいじゃろ。そうまで言うなら宴卓のようにワシを楽しませてみせい。確かにこの
まま眠りにつくには勿体無いでな」

交渉は成立した。
こうして雪見屋氷は竹刀(聖騎士剣―ラグナカリバー)を新たな縁具としたのであ
った。

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時系列
・黒竜討伐セッションの3日後。東北、冷峰・悪凍山山頂にて。

解説
・氷さん、4つ目の縁具をゲット。
・悪凍山は「東北の父なる山」とされています。
・一緒に消えた朝尾宴卓の遺体は、聖剣の刺さった岩の下に埋められています。


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