[KATARIBE 31195] [HA06P] 性別不詳

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Date: Tue, 3 Jul 2007 16:37:17 +0900 (JST)
From: Subject: [KATARIBE 31195] [HA06P] 性別不詳
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2007年07月03日:16時37分17秒
Sub:[HA06P] 性別不詳:
From:Toyolina


[HA06P] 性別不詳
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登場人物
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 御厨正樹    吹大工学部一回生
 坂崎つかさ   同理学部一回生
 品咲渚     同文学部一回生


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『創作部部員募集! 何かを創作することが好きな方はぜひ!』

 御厨正樹が、張り紙をしていた。
 いわゆる、サークルメンバー募集の張り紙だが。
 それを見た渚の琴線にどこか触れるものがあった。

 渚      :「……まだ非公認サークルやのに部って(ぷふふ)」
 正樹     :「……そんなにおもしろい?」
 渚      :「創作研よりは語呂ええし、気持ちはわかるよ」
 正樹     :「いやまあ、創作同好会いいけどさ……やっぱ、名前は
        :創作部が良いなあと」
 渚      :「いきなりでっかく出た方が見てもらえやすそうやしね」
 正樹     :「そこまでは考えてなかった……」

 ぷふっ、とまた吹き出す渚。

 渚      :「張り出したのは今日から?」
 正樹     :「そうだね、これ作るのにおもったより時間かかったし」
 渚      :「じゃあ、まだ入部希望はおらんの?」
 正樹     :「あー、一人は確保したよ」

 正樹     :「友達百人作るんだーって俺に声かけてきた、えーと名前は
        :(携帯で確認)」
 渚      :「おお? 友達、百人? ……百人って……」
 正樹     :「坂崎つかさってやつだな」
 渚      :「……女子?」

 とりあえず、どちらともとれる名前だが。
 この御厨正樹という男、なぜか同性の友達が少ないので、とりあえず女子?
などと思った。

 正樹     :「……あれ、どうだっけか……うーん?」
 渚      :「どうだっけか、って……」

 どんな生き物やねん。
 と、ツッコミそうになる。

 正樹     :「いや、ほんとによくわからないんだって」
 渚      :「一人称が僕で、男の子っぽいけど、線が細いとか」
 正樹     :「うーん、そんな感じのような……違うような……」
 渚      :「めっちゃ髪の毛サラサラでかわいいんやけど、のどぼとけ
        :でとるとか」
 正樹     :「のど仏あったかなぁ?」
 渚      :「……女の子なんちゃうの、それ」
 正樹     :「う、うーん……」

 性別不明というより、オカマじゃないか、そののど仏とか。

 正樹     :「別に性別なんてどうでも良いだろに」
 渚      :「え、いや気になるって……」
 正樹     :「なんで?」
 渚      :「え、だってさ、なんていうの。男子やったら男子で、あ、
        :ちゃんと友達新しくできてるんや、ってこっちも安心するし」


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 つかさ    :「お、正樹くーん」
        :(遠くからおーいといった感じで駆けてくる
 正樹     :「おー」
 渚      :「ん、あの人?」
 正樹     :「そうそう」
 つかさ    :「やあやあ。あ、創作部の張り紙かー。本格始動したんだね」

 張り紙を見ながら。

 正樹     :「善は急げってね」
 つかさ    :「そっかー。あ、はじめまして」
 渚      :「あ、ども、初めまして」

 渚は軽く会釈しながら、正樹に視線で促す。

 正樹     :「えっと、渚、こっちがさっき言ってた新入部員」
 つかさ    :「ども、坂崎つかさです」
 渚      :「品咲渚です。えーっと、つかさくん? つかささん?」

 ジャブ、というにはいきなりの直球。
 

 つかさ    :「えっと、どっちでもいいですよ。お好きなように。えっと
        :ボクは渚さんのことなんてお呼びすればいいのかな?」
 渚      :「え、うーん。渚さま、以外やったらいいっすよ」
 つかさ    :「渚さま以外……じゃあとりあえず渚さんで」
 渚      :「うん、よろしくー」

 右手を出す渚。つかさもつられて手を出す。

 つかさ    :「あ、はい」

 渚は、見た目ではなんとも判断出来ないので、握手することで、判断するこ
とにしたのだ。
 男性と女性では、大抵の場合において、手が全く違う。肌のきめ細かさ、柔
らかさ、大きさ、爪の大きさ等々。常日頃、紫の手を握り慣れている、彼女な
らではの見分け方と言える。
 感触としては柔らかく、大きさとしては小さめだった。爪の形もきれいで、
それなりに手入れされているようにも思える。

 渚      :「うん、そしたら、うちはつかさちゃん、って呼んでもええ
        :かな」
 つかさ    :「え、つかさちゃんですか? えへへ、なんかテレるなー。
        :そんな呼び方する人は初めてなんで。でも、なんか悪く
        :ないかも」
 渚      :「気に障ったら変えますけど、なんかうちそういうとこ鈍い
        :みたいで(えへへ)」
 正樹     :「大丈夫、そのうちつかさ様って呼ばれるだろうし」

 一呼吸はさんで続ける。

 正樹     :「俺の友人に」
 つかさ    :「つ、つかさ様? いやだなー、ボクそんな様付けされる
        :ようなタマじゃないですよぉー」
 正樹     :「俺も何度も言ったんだが、もういい加減あきらめた」


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 つかさ    :「もしかして、知り合い全員様付けなんですか?」
 渚      :「そう? うちはそう呼ばれるとすっごく嬉しいけど」

 正樹のいう友人とは、蒼雅紫のことだ。おわかりでしょうけど。
 渚はもはや、脊髄反射的に、自らの惚気た感想を述べた。
 渚的には、「紫に、渚さま(ハートマーク)って呼ばれるとすごく嬉しい」
こう言ったつもりなのだが……。
 事情を知っている正樹と、知らないつかさとでは、反応が好対照だった。

 正樹     :「……のろけは良いからw」
 つかさ    :「えっと渚さんは、女王様タイプなんですね」

 確かに、様付けで呼ばれるのが好きと主張したのだ。そう思われるのが自然。

 正樹     :「……高笑いあげながら鞭打ち?」
 渚      :「そ、そんな趣味ないってないって、するのもされるのも
        :カンニンや」
 正樹     :「まぁ、別の友人から話を聞いたがその一家はみんなそんな
        :感じらしいから、気にするな・」
 つかさ    :「高笑いあげながら鞭打ち? あ、いや、そういうんじゃ
        :ないですよー。何変な想像してるんですか」
 渚      :「うんうん、一応誰にたいしてもそういう風やから、うん、
        :その子は」
 つかさ    :「へー。由緒正しい家なんですか?」

 丁寧な物腰なのだ、ということを伝えたかったのだが。
 事情を知らないつかさとしては、至って普通の質問をしたつもりだった。
 しかし。しかし。
 大好きな紫のことを訊かれては、渚としてはもう……紫のすばらしさを伝道
する機会としか、受け取れなくなるのだった。


 正樹     :「ちょ、紫の事は渚に聞いただめっ」
 つかさ    :「え? え?」
 渚      :「うん、あのね(もがもが)」

 緊急時の危機管理能力に定評がある正樹が、いち早く渚の口を手でふさぐ。
 そして、笑ってごまかす。
 首をかしげるつかさ。もがもが言ってる渚。

 正樹     :「あ、あははははは……一応古い家だって事は聞いてるよ」
 渚      :(うんうん)
 つかさ    :「へー。今度お会いしてみたいなー」
 正樹     :「そのうちね、この渚と紫も創作部に勧誘する予定だから」

 正樹     :「そのうち集合かけるから」
 つかさ    :「はーい」
 正樹     :「……もう、離しても大丈夫かな」
 渚      :(こくこく)
 正樹     :「はい」

 妙に仲の良さそうな二人を見て、つかさが、ふと、疑問を口にする。

 つかさ    :「そういえば、正樹くんと渚さんと、ゆかり、さん? は、
        :一緒の中学とか高校からお知り合いなんですか?」
 正樹     :「高校で同じ部活動に居たんだよ」
 つかさ    :「なるほど。もしかして、創作部って」
 正樹     :「高等部にあるよ……今は詩歌創作部になってるかもしれ
        :ないけど」
 つかさ    :「ほうほう。いいなー。ボク、ここの大学にそういう知り
        :合いいないから」
 渚      :「まあまあ、せっかく大学でなんていうの、新たなスタート?
        :なんやし」
 つかさ    :「そだねー。ボク、友達100人できるかな運動してるん
        :だけど。始めたの大学デビュー記念だし。えへへー」
 渚      :「今日で一人クリアしたし、割と順調なんちゃう?」

 何気なく言う渚。彼女の友達閾値は低い。

 つかさ    :「今日で一人? ……はっ!? 渚さん、そうだよね。ボク
        :たち友達だよねっ」(ガシッ
 渚      :「う、うん、そやね、割と力強いね、つかさちゃん(いてて)」
 つかさ    :「あ、ごめん。つい力入っちゃって。えへへー」

 女の子にしては握力あるなあ。
 渚はそう思った。しかし、紫も結構なお力の持ち主なので、それほど不思議
には思わなかった。


時系列と舞台
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 2007年7月頃


解説
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 性別不詳、そもそも人間なのかどうかも怪しい人があらわれた!


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Toyolina 



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