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Date: Tue, 26 Jun 2007 22:42:04 +0900
From: Subject: [KATARIBE 31171] [BZ01P]エピソード『二重のダイア』
To: <kataribe-ml@trpg.net>
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ども、ナギィです。
本日エピ第二段投下。ムッツリ(ぇ)
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エピソード『二重のダイア』
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登場人物
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ミフネ・S・ウェブリー:美貌のサックス奏者。寡黙な人。
津茂井保(つもい・たもつ):一級清掃術師。ムッツリな人。
セッション
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その日、中洲の裏路地で、一つの闘いが行われていた。
重く響く打撃音。高く響く悲鳴。
その闘いを誰も止めない。その闘いを誰も知らない。
人知れず行われる、音と音の格闘。
路上で鳴り響くジャンベとサックスのぶつかり合いが、不意に途切れた。
ミフネ :「ふぅ……」
保 :「ふぃぃ。ミィ姐さん、ありがとうございました」
流れる汗。しばらく、荒い吐息の応酬が続く。
息を整え、ミフネは縁具であるサックスを召還し、保はジャンベを戻す。
学校帰りのミフネに出会った保からの誘い。突発セッションも悪くない。
いつもどおりの寡黙な顔で薄く笑ったミフネは、そのまま立ち去ろうとし。
保 :「ああ。ミィ姐さん、ちょっと」
ミフネ :(・×・?
保 :「セッションのお礼に、掃除の方で手に入れた縁具を」
ミフネ :(>×<!
驚くミフネに、保は荷物の中から小さな袋を取り出してみせる。
袋の中から取り出されたのは……小さな紅色の布切れだった。
ミフネ :(・×・??
保 :「これこれ、じゃーん」
保がさっと広げた布は、ひし形の中にひし形の穴が開いた形をしている。
小首をかしげるミフネの身体に、保はその布をぴたりと当てる。
保 :「ほら、やっぱりぴったりだった」
ミフネ :「……服?」
保 :「ええ、『Divagram』といいましてね」
ミフネ :「Diva……」
Diva(ディーヴァ)。それは、歌姫を指す言葉。
人の声とサックスの音は同じだという。だとすれば、この縁具は力になる。
だが。水着としてもきわどすぎる縁具の外見に、シャイな心が引っかかる。
しばし迷う。その姿を見て、保はその縁具をひょいと畳んだ。
保 :「うーん。ミィ姐さんは気に入らなかったですか」
ミフネ :(´・×・`)
保 :「やっぱ、自信、ないですか」
ミフネ :「ん……」
保 :「でも。この縁具、拡声機能が強化されるんですよ」
ミフネ :(>×<!!
高いアンプ要らずの拡声機能。それは、貧乏音楽家として実に欲しい。
縁具を袋に戻そうとする保の手を、衝動的に掴む。彼は、胡乱に笑った。
はい、と手渡される縁具。羽根のごとく軽い布を、そっと撫でる。
保 :「それじゃ、僕はそろそろ。大事にしてくださいね」
ミフネ :「あ……うん」
にこり笑ったミフネに手を振って、保はそそくさと歩き出す。
彼女に見えない影で、彼は、にやり笑った。
保 :「(作戦成功。これでミィ姐のエロ姿見放題!)」
ミフネ :「新しい……縁具……」
ミフネ :(^×^)
保の思惑など、知るはずもなく。
ミフネは、新たな契約の期待に、豊かな胸を膨らませるのだった。
時系列と舞台
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夕方の路地裏。
解説
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二人きりの突発セッション。その後で、保がお礼に出した品は……。
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……保のキャラ、これで固まりそうだ。
ミィ姐、がんば!(>×<ノシ
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