[KATARIBE 31134] [BZ01N] 梗林の休日

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Date: Sat, 23 Jun 2007 00:26:39 +0900 (JST)
From: Subject: [KATARIBE 31134] [BZ01N] 梗林の休日
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2007年06月23日:00時26分39秒
Sub:[BZ01N]梗林の休日:
From:葉月知洋


小説『梗林の休日』

登場人物
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 森風梗林(もりかぜ・こうりん):屋台『夜空』の店主。眼鏡の似合う人。
 茜(あかね):茜屋の店主。とても頼りない。
 シン:茜の縁具。実質的に保護者状態。

茜屋
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 中州の表通りから、少し細い道を進んだところにある小綺麗な店。
名を『茜屋』という。その店の扉を開け森風梗林は中へ入っていった。

 中に入ると中央辺りにある椅子に座ってこっくりこっくりとしている女の子
が1人。
「おやおや……寝ておられますね……」
 梗林は苦笑しつつも寝ている女の子に近づき、肩をぽんぽん、と叩く。
「……うゃー…………あ、梗林さんおはよーございますー……」
 肩を叩かれて、ゆっくりと目を開け、きょろきょろと辺りを見回して、目の
前の梗林に気づいて第一声が「おはようございます」である辺りで、彼女の性
格も分かるだろう。
「こらこら、茜ちゃん、営業時間中でしょう?」
「ああっ!いらっしゃいませっ!」
 大人が小さな子を叱るような柔らかさで注意する梗林の言葉で、慌てて仕事
へと戻る。梗林に茜と呼ばれた少女は名前のとおり、髪も瞳も茜色で、慌てて
いる今ですらほわー、とた雰囲気を纏っている。
「ともあれ、こんにちは。」
 微笑みを浮かべて、改めて挨拶をする。
「でも酷いじゃないですかぁー。折角寝てたのに。」
「仕事中に寝ては駄目ですよ……」
 そんな梗林にそんな発言を返す茜。顔が不満そうである。本気で言っている
のである。これには流石に苦笑を返す。
「えっ、でもシンさんに代わりの店番をお願いしてるから……」
 と、辺りを見回して、固まる茜。
「……居ないみたいだけれど。」
 2人のほかには誰もいる気配は無い。
 暫しの静寂。
「……はうぅっ!今日はシンさん呼ぶ前に寝ちゃいましたっ」
「……せめて、シンさん呼んでからにしましょうね。泥棒に入られてしまいま
すよ?」
 わたわたとしている茜。それを見てため息をつきながら忠告を入れる梗林。
「あうぅぅ……シンさーん……」
「茜、どうかしたん?」
 ちょっぴり涙目の茜が呼ぶと、店の奥の方から出てくる人影。
シンと呼ばれた人影は髪は藍色長く、後ろの方で大きな黒いリボンで結んであ
り、瞳はすこし釣り目で橙色。年齢は17歳くらいだろうか。感想は可愛いや格
好いい、綺麗辺りが出るであろう。
「……シンさんのばかぁー」
「どうしてそうなるん!?」
 いきなり責任転嫁。そして状況がつかめぬままいきなり言われて焦るシン。
「はいはい、落ち着いてくださいね。」
 くすり、と笑いながら茜の頭をぽんぽんとする梗林。
「うー……」
「何、なんやのん?」
「それはですね、茜ちゃんが店開けたままで居眠りしてたんですよ」
「はー、なるほど。茜、そらあかんよー。危ないやろ?」
「あぅぅ……叱られてる子供の気分ですよぅ……」
 まさに叱られてる子供の状態なのだが。
「まー、それは後でええ。梗林はんは何か用事があってきはったん?」
「そうでした。また象嵌を一つ頼もうかと思いましてね」
「お仕事ですかっ!?」
 梗林の言葉に素早く反応する茜。そう、ここは細工屋で、茜は一応店主であ
る。一応、作ったアクセサリを飾って売ってはいるのだが、店の位置の関係で
人があまり来ないことから生活は中々厳しい。シンが武器を作ることもあるの
だが、いかんせん知名度が無いに等しいのである。よって需要は殆ど無い。
……それぞれ、リピーターはそれなりの数がいるのだが。
「ええ、また新しいものが欲しくなりまして。」
「よーし、頑張らせてもらうのですよぅっ」
「梗林はん、毎度おおきに〜」
 仕事で張り切る茜と、シン、そしてそれを見て微笑む梗林。

なんだかんだ言っても和やかに話は進んだようである


時系列と舞台
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 屋台の定休日。
解説
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 梗林の訪れた店。細工物を手掛ける『茜屋』。
和み空間と言うか無防備空間。
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