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Date: Thu, 21 Jun 2007 10:13:08 +0900
From: Subject: [KATARIBE 31127] [BZ01P]エピソード『女難少年気絶する』
To: <kataribe-ml@trpg.net>
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ども、ナギィです。一日一エピソードー。
ということで、昨日のログを追加編集して一本仕上げてみました。
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エピソード『女難少年気絶する』
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登場人物
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赤坂渉(あかさか・わたる):苦学生スイーパー。女難の人。
海岡焔(うみおか・えん) :フェロモン料理人。女難の元。
アイカ(あいか) :渉の縁具。女難の元その二。
艶娘娘(えんにゃんにゃん):焔の縁具。全ての元凶。
傷顔の男 :本日の怨主。影薄い。
両手に危険な花
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赤坂渉は、掃除屋である。
大学の授業料を払う為、自分が食い繋ぐ為、渉は縁具と共に命を燃やす。
だが、彼にとって怨主などよりも厄介で、最も強大な敵は……。
アイカ :(じとー)
渉 :(……)
渉の縁具アイカは、見目麗しいエアライフルの縁具である。
だが、美しい花には棘がの言葉の通り、性格は冷淡で小言も多い。
そんなアイカが今、渉と彼の前に立つ女性を、じとりと睨んでいた。
焔 :「赤坂君やね、よろしくッタイ」
渉 :「あ、は、はい……」
アイカ :(じとおおおお)
渉 :「(しょ、しょうがないだろ!)」
心の中の言い訳は、アイカには届かない模様。
しかし、渉の言い分も分からなくはない。問題は、焔の姿にある。
焔 :「ん、どげんしたと?」
渉 :「いやその、海岡さん。その格好は?」
焔 :「ああ、これね。縁具の効果みたいなもんでねえ」
身に付けたサーモンピンクのエプロンをつまんで、焔は眉根にシワを寄せる。
それだけならば、渉もそこまで気にしない。問題は、その“下”である。
その事実を否定しようとする渉の前で、焔がくるりと振り返った。
エプロンの奥、露わな背中が美しい。美しいのは良いのだが。
彼女の上半身には、それ以外の衣服は見当たらなかった。
渉 :(くらり)
焔 :「怨主まだ来んねえ。て、どうかしたん?」
渉 :「い、いや、何でも!」
アイカ :(じとおおおおおおおお)
アイカの視線は既に、物理的な刺突感さえ受けるほどに強くなっている。
怨主と戦う前に、縁具に殺される。渉はそう直感し、神に願う。
そして何とか、神は微笑んでくれたようで。
傷顔の男 :「貴公、縁主とお見受けする」
渉 :「あ、はい、はいはいはいはい!」
傷顔の男 :「威勢が良いのは強気の証……その力、気極めん!」
ずるり。男の手の平から生える、銀色の刃。
日本刀の縁具を構えた男に、焔と渉、そしてアイカも戦闘態勢を取り。
焔 :「さあ、どっからでもかかってきんしゃい!」
渉 :「(よ、横いやいや見るな、見ちゃいけない!)」
別の意味で戦闘態勢になるのを必死に抑えつつ。
ともかく、戦いは始まったのである。
必殺フェロモンファイアー!
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それから十数分の時間が経ち。
赤坂渉は、絶体絶命の危機を迎えていた。
焔 :「海岡流猟理術、五月雨包丁!」
焔の手から放たれる大量の小包丁。傷顔の男はそれを刀で切り落とす。
焔の手がひらめく度、エプロンが大きく翻り、引き締まった腹、そして、
その上の南国の果実のごとき膨らみの端がちらり覗き。
渉 :「……(見るな見るな見るな、見たら集中切れる。
うっかり送還したらアイカに殺される)」
アイカ :(ごごごごごごご)
SE :ぱんぱんぱん!
傷顔の男 :「く、飛び道具か!」
淡々と銃を撃つアイカの目は、正に凶眼。その圧力に、男衆がたじろぐ。
唯一、事情を察していない焔。彼女がふと、手を膝につけ前傾姿勢を取った。
覗き見える谷間。傷顔の男がそこに釘付けになった瞬間、それは起きた。
焔 :「ふぁいあ♪」
SE :ぼわ!
焔の持つ焔具の能力。それは、色気を燃料に炎を生じさせる力。
炎を真正面から受けて吹き飛ぶ傷顔の男。受けた衝撃は大きかろう。
そして、焔の隣に居た彼も。
渉 :「……」(ぱたり)
焔 :「隙あり! て、あれ、赤坂君?」
渉 :「う、すみません、ちょっとめま」
目を開けた渉の眼前。圧倒的な質量を持って迫る爆乳。
その色香、いや、エロさの重圧に、渉の精神力が、切れた。
渉 :(ぐったり)
焔 :「あり、赤坂君。赤坂くーん?」
薄れていく意識。その中で、少年は思う。
渉 :「(てか、結縁して遠距離で戦ってれば良かったじゃん)」
後悔してももう遅い。彼の意識は、混濁の底に沈んで行くのだった。
説教タイム
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渉が目を覚ました時、勝敗は既に決していた。
黒こげになった傷顔の男を警察に突き出し、帰宅する途中。
渉は、とにかく謝っていた。
アイカ :「……今度からあの人とは組んでは駄目です」
渉 :「いや、でも、破壊魔と組むよりはましだと思うんだ」
アイカ :「戦闘中に気絶することの何がましですかっ」
ガミガミと怒るアイカにタジタジの渉。
今日一日はこれが続くのだろうなと思いつつ、つい考える事は。
渉 :「でも、眼福だったな」
アイカ :「渉!」
渉 :「ああはいうん、ごめん、ごめんってば」
渉 :「(ともあれ、あれは必殺だからなあ……)」
とにもかくにも。惑わされた男は謝るしかなく。
赤坂渉十八歳。この時ばかりは、縁具が女性体なのを呪ったのだった。
海より深く
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片や、結焔を解いた焔。彼女も実に、凹んでいた。
艶娘娘 :「あの少年、若いのに女難で苦労してるアルヨ」
焔 :「そげんこと言わんと。またやってしまったとよ……」
悪びれた様子もない艶娘娘に、焔はただ、深く深く反省するしかなく。
海岡焔二十一歳。焔の料理人と呼ばれる日は、まだまだ遠そうである。
時系列と舞台
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休日の昼間。中州の一角にて。
解説
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怨主退治に向かった渉のパートナーは、フェロモン料理人で……。
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きしとん、台詞チェックよろしくおねがいします。でわでわー。
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