Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage
Date: Sat, 16 Jun 2007 15:39:58 +0900
From: Subject: [KATARIBE 31085] [BZ01P]エピソード『閑古鳥の鳴く店』
To: <kataribe-ml@trpg.net>
Message-Id: <002501c7afe1$28c74980$3318a8c0@tubo01>
X-Mail-Count: 31085
Log: http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/31000/31085.html
ども、ナギィです。
小説として書きかけてた話をエピソードにしてみました。
お暇な時にでも読んでくだされば幸いです。
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
エピソード『閑古鳥の鳴く店』
----------------------------
登場人物
--------
鬼島歓子(きじま・かんこ):凶相の掃除屋。壊す人。
河合草菜(かわい・そうな):ほえほえ事務員。止める人。
クロスケ(くろすけ):事務所のマスコット(縁具)。エロい鳥。
止まった。
----------
中洲の端、雑居ビルの一角。
掃除屋事務所『はみんぐばーど』で、ぽつりと少女が呟く。
カンコ :「ガス、止まってる」
小さな鍋の中で、水に浸かった袋ラーメン。
最後の望みをかけて、少女はもう一度ツマミを回す。
無情に過ぎる時。そのラーメンが食せない事を知った少女は。
カンコ :「……ちっくしょおおおおおおおおおお!」
ソウナ :「ちくしょうじゃないですよおカンコさあん」
ぱたぱた。ばさばさ。
事務所の奥から出てきたウェーブヘアの少女の手に、紙の帳簿。
カンコ :「ん、なに、領収書は取ってあるでしょ?」
ソウナ :「収入がなかったら領収書もなにもないですよお」
カンコ :「ンあ? なによ、アタシちゃんと仕事してるっしょ」
ソウナ :「だーかーらー」
どさ、と広げられた帳簿に踊る、真っ赤な文字。
面倒臭そうに帳簿を見た少女が、ぽかんと口を開けた。
カンコ :「ウソ、あの銅像こんな高かったの? マジかよ」
ソウナ :「そもそも、銅像を武器に使わないでくださいい」
カンコ :「えー、だってさあ、重いしでかいし、いいじゃん」
反省の色を見せない少女。だが、人は食わねばならぬのだ。
がっくりと肩を落とす事務員の肩に、黒い縫いぐるみのような物が留まる。
クロスケ :「まあまあ、カンコの我侭は、今に始まったこっちゃねえ
だろ?」
ソウナ :「うう、でもお」
クロスケ :「大丈夫。この俺様にとっておきの手があるぜ」
ソウナ :「本当ですか!」
クロスケ :「おうよ。まずはだな、南新地あたりのオーナーにカンコ
の写真を渡してだな、一番高値出す所に売って」
SE :がし。
SE :がららら。
SE :とおりゃあ!
SE :ひゅるるるるる。
ソウナ :「うわ、見えなくなった」
カンコ :「ふん、自業自得だ。おら、リスト出せリスト」
二つ結びのクセッ毛をかきむしる少女に、事務員は一枚の紙を渡す。
そこに書かれているのは、罪を犯した縁主、『怨主』の情報がずらり。
ざっとリストを眺めた少女は、ニタリ、悪魔のように笑った。
カンコ :「さあて、一発行って来るかい」
ソウナ :「くれぐれも、赤は出さないでくださいねえ」
そんな心配、少女が気にするわけでもなく。
戸口の傘入れから金属バットを引き出し、少女は事務所を出て行く。
カンコ :「ククク、ひと暴れするぜえ」
そう言って笑う顔は、地獄の鬼よりも恐ろしく。
彼女の名は鬼島歓子。中洲で悪名轟かす『閑古鳥』である。
時系列と舞台
------------
梅雨前の中洲。掃除屋事務所『はみんぐばーど』
解説
----
ライフラインを止められピンチの少女たち。そこでエロ鳥が出した秘策とは。
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
---------------------------------------------------------------------
http://kataribe.com/ 語り部総本部(メインサイト)
http://kataribe.com/ML/ メーリングリストの案内
http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/ 自動過去ログ
Log: http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/31000/31085.html