[KATARIBE 31043] [HA06L] チャットログ『見舞い』

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Date: Fri, 25 May 2007 13:03:44 +0900 (JST)
From: Subject: [KATARIBE 31043] [HA06L] チャットログ『見舞い』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200705250403.NAA28948@www.mahoroba.ne.jp>
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2007年05月25日:13時03分44秒
Sub:[HA06L]チャットログ『見舞い』:
From:久志


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チャットログ『見舞い』
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登場人物
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 本宮尚久(もとみや・なおひさ)
    :本宮法律事務所所長。本宮家の後継でもある。
 本宮麻須美(もとみや・ますみ)
    :尚久の妻。命の期限が迫りつつある。
 六華(りっか)
    :冬女。本宮家に間借りしている。

見舞い
------

[Hisasi] #病院 
[Hisasi] #両手に抱えるほどの花束をもった男が一人 
[Hisasi] #入っていく 

 尚久     :「……」>かつかつと 

[Hisasi] #一室へ入っていく 

 麻須美    :「まあ、お父さん」 

[Hisasi] #白いベッドの上で体を起こしながら 

 尚久     :「ああ、無理に起きなくていいよ。具合はどうかな?」
 麻須美    :「ええ、検査だけですもの。少し退屈しちゃいました」 
 尚久     :「……そう、よかった」 

[Hisasi] #花束をちょいと、置いて、傍らの椅子に腰掛けて頬を撫でる
[Hisasi] #柔らかな頬、白い肌 

 麻須美    :「うふふ、お父さん、寂しかった?」 
 尚久     :「寂しかったよ。君がいない間ずっと」 
 麻須美    :「おっきな子供なんだから、いつまでたっても」

[Hisasi] #笑って頬を撫でる手に手を重ねる 
[Hisasi] #冷たい、細い手 
[Hisasi] #だんだんと 
[Hisasi] #だんだんとその命が僅かになっている、と 

 尚久     :「…………」 

[Hisasi] #きゅ、と手を握って 

 麻須美    :「大丈夫」 
 尚久     :「……わかってる、早く……家に帰ろう」 
 麻須美    :「明日の午後には退院ですよ、週末は一緒に過ごしましょ
        :うね?」
 尚久     :「……ああ」 

[Hisasi] #冷たい手をさすって 
[Hisasi] #少しでも、体温を命をわけてあげられるならば 

 尚久     :「……そうだね」 
 麻須美    :「そんな顔しないで」 
 尚久     :「……ああ、わかってるよ」 

[Hisasi] #握った手を頬にあてて、目をつぶる 

 尚久     :「…………」
        :>ぎゅっと目を閉じて、冷たい手を頬に当てている
 麻須美    :「いらっしゃい」 

[Hisasi] #そっと尚久の頬を両手で撫でて 
[Hisasi] #そのまま頭を胸に抱きしめる 

 尚久     :「…………」>背中に手を回して 
 麻須美    :「…………」>頭を撫でてる 

[Hisasi] #時間はだんだん残り少なくなってきている 

 尚久     :「……麻須美」 

[Hisasi] #魔王ですらどうにもできない、運命 
[Hisasi] #背中を回す手に、力が篭る 

 麻須美    :「……尚久さん」 

[Hisasi] #こんな寂しがりで甘えん坊な人を置いていかなければいけないの
      ね、と 
[Hisasi] #そっと頭を撫でながら 
[Hisasi] さあ、どんどん積み重なっていく 
[Toyolina] せつなし。 


家にて
------

[ER_kaki1] (ままはおにーだわー 
[ER_kaki1] <あんたがゆーか(げし 
[Hisasi] えー 
[ER_kaki1] あ、でも、この前からちょっと思ってたんですが 
[Hisasi] うに 

 六華     :「……本宮の、おじさん」 
 尚久     :「はい?」 

[Hisasi] #どうしました、と 
[ER_kaki1] #ちょん、と、首を傾げて、おうちに戻ってきたとーちゃんに

 六華     :「一度だけ……提案、いたします」 
 六華     :「奥様の命運を、私のそれと……取り替えましょうか?」 
 尚久     :「…………」 

[Hisasi] #じっと六華さんをみて 

 尚久     :(首を横に振る) 
 尚久     :「……それは、できませんよ」 
 六華     :「……何故?」 

[ER_kaki1] #いや、判る、から、不思議そうなわけじゃないけど、 
[ER_kaki1] #念のため、というように 

 尚久     :「……昔、ね。一度……彼女は命を失いかけたことがあり
        :ました」 

[Hisasi] #ぽつり、と 

 六華     :「…………」 

[ER_kaki1] #じーっと黙って見てる 

 尚久     :「その時……彼女の命を繋いだのは」 
 尚久     :「小池くんだった」 

[Hisasi] #血を与えて、 

 六華     :「……ああ(小さく、頷くように)」 

[ER_kaki1] #お互い長生きだなーとはわかるので 

 尚久     :「死んでもおかしくない程の血を……力を分け与えて、ね」 
 六華     :「…………(ちょっと首をかしげている)」 
 尚久     :「……泣いたよ、彼女を失うことも彼を失うことも……
        :辛すぎた」
 六華     :「でも、それは私の申し出とは違いましょう」 
 尚久     :「……できないよ」 
 六華     :「でも、小池様と、奥様とをひきかえることが出来ない、
        :これは私もわかります」 

[Hisasi] #きっと六華さんを犠牲にすることは自分も麻須美さんも納得できない 

 尚久     :「……だからといって、貴方を犠牲にすることをよしとす
        :ることは、私にはできません」 
 六華     :「……犠牲では、ございませぬよ」 

[ER_kaki1] #ぽつん、と 

 六華     :「万人が、枯れて欲しくないと願う花を、保とうと思うこ
        :とは……私にしても、犠牲ではございませぬよ」 
 尚久     :「…………」>小さく笑って首を振る 
 尚久     :「……きっと、彼女は……そうまでして咲き続けることを
        :よしとしないから」 
 六華     :「…………」 

[Hisasi] #そういう人だから、自分も失いたくないと思った 

 六華     :「それは…………良く、判ります」 

[ER_kaki1] #やっぱりちょっと笑って 

 六華     :「それでも……それは判っていても、一度は言わずにおれ
        :ませんでした」 
 尚久     :「……はい」 

[Hisasi] #なんかこう、尚父もわかってる 

 六華     :「奥様を……そして本宮様の心根を、疑うとかそういう
        :積りで申したわけではございませぬ。それだけは」 
 尚久     :「ええ、わかっています」 
 六華     :「……(ちょっと笑って、ぺこっと)」 

[Hisasi] #わかっていて、それでも言わずにはいられないというのは、
      よくわかる 
[ER_kaki1] #うに 

 尚久     :「六華さん……ありがとう、その気持ちだけでも」
 六華     :「……いえ」 
 六華     :「私にも……奥様は、まだまだ咲いていて欲しい、花の
        :ような方ですから」 

[ER_kaki1] #にこっと 

 尚久     :「ええ」 

[ER_kaki1] #長生きだからなあ>六華 
[Hisasi] #笑って 

 六華     :(にこっと笑い返して) 
 尚久     :「最後の最後まで、あの人らしく……咲いていて欲しい」
 六華     :「はい」 

[ER_kaki1] #深く頷いて 

 尚久     :「……それが願いです」 
 六華     :(深く頷いてる) 
 六華     :「……奥様は、明日にお戻りになりますよね?」 

[ER_kaki1] #ふっと、いつもの、まだ若いおにゃのこの口調になって 

 尚久     :「ええ、六華さんにも会いたがってましたよ」 

[Hisasi] #お庭のお花が綺麗にさいてるのにー 

 六華     :「わぁ……(にこにこっ)」 

[Hisasi] #一緒にお庭でお茶飲みながら眺めたい、と 

 六華     :「じゃあ、ちょっと色々用意してきますっ」 

[ER_kaki1] #こー、メイドさん(あれ、名前なんだっけ<おい)と相談して 
[ER_kaki1] #お花とか、飲み物とかご飯とかーと 
[Hisasi] #おー 
[Hisasi] #希さんだね、メイドさん 
[ER_kaki1] #にゃる 

 六華     :「希さーん(ぱたぱた走ってゆく)」 
 希      :「はい、承ります」(にこ) 
 六華     :「じゃ、一緒にご飯の用意、買いに行きましょう」 

[ER_kaki1] #と、なんか二人で話しながら 
[Hisasi] #うむ 
[Hisasi] #二人を見送って 
[ER_kaki1] #ほむ 

 尚久     :(ふっと目を押さえて) 

[Hisasi] #でも涙はでない 
[Hisasi] #小さく息をついて、部屋にもどっていく 
[ER_kaki1] #ほむ 
[MOTOI] #希さんも心苦しいだろうなぁ。元々奥様に雇ってもらったことだし 
[ER_kaki1] #うにゅぅ 
[Hisasi] #でもいてくれないと 
[Hisasi] #尚父一人だと生活でけへん 
[Hisasi] #……家事とか 
[ER_kaki1] #てか、こう、一応、『運命を取り替えて延命可能』なきゃらが
       手元にいるので、どうしても一度はこの問答しておきたかった
       のだ(えう) 
[ER_kaki1] #…………>家事とか 
[Hisasi] #先輩並にできないよ! 
[ER_kaki1] #そこらが尚の字の共通点じゃー 
[Hisasi] #……orz 
[meltdown] #なんか、自走式地雷の面目躍如ですな 
[ER_kaki1] #ほえ?>地雷 
[meltdown] #六華さん 
[ER_kaki1] #なんでやねーん 
[meltdown] #そんな感じ 
[ER_kaki1] #だって、ふつーさあ、自分の命を相手ととっかえられて、相手
       は絶対生きてて欲しい人がいっぱいまわりに居て 
[ER_kaki1] #自分はもう相当長生きしてきたから 
[ER_kaki1] #それに、老いることは無くても、死ぬことは自分の命だと可能
       だから、と、そこまで見切ったら 
[meltdown] #これこれ、あの人は、リセットされる人なので 
[ER_kaki1] #普通一度は、こういう申し出するさね? 
[ER_kaki1] #ほえ? 
[meltdown] #主観時間はそんなに長くないはずですが 
[ER_kaki1] #そらーそうだけど 
[ER_kaki1] #無為な時間は、無意味に長いからなあ 
[meltdown] #まー、ながかろうが、みじかかろうが、爆発するには関係ない
       か(まて) 
[meltdown] #その普通が、難儀のクオリティですよな(しみじみ) 
[ER_kaki1] #なんでやねーーん 
[ER_kaki1] #言うだろうふつー 
[ER_kaki1] #いや、相手はいらねーと言うだろう、とは六華も思ってただろ
       うけど、でもそれでも 
[meltdown] 言わないと思う人(挙手) 
[ER_kaki1] #言うと思う人ー(挙手) 
[Toyolina] 条件次第。生きてるのに飽きてるなら言うだろうし、未練あるな
      ら言わないと思う。 
[Hisasi] うむ 
[ER_kaki1] (1/2票ずつだな) 
[Toyolina] もっとも、善意が未練を上回ったら言うかもしれない。そんな
      長寿じゃないので想像でしかないけれど。 
[ER_kaki1] (を、己のほーだー(嬉々)) 
[Hisasi] 小池さんは自分犠牲になったら救える 
[Hisasi] 食べてもらわないといけないが、、、 
[ER_kaki1] うむ 
[Toyolina] カーニバル 
[Hisasi] それはどっちも無理だ 
[ER_kaki1] いや、六華にしたら、小池さんに救う手がある、とは思ってる。 
[Hisasi] うん 
[ER_kaki1] #互いに人間ちゃうし 
[Toyolina] ERさんが普通と言い切るのは六華さんがある意味生きなくてもい
      いやって思ってるからでは。 
[ER_kaki1] ただ、小池さんを犠牲にするのと、自分を犠牲にするのと、どち
      らが本宮夫妻にとって楽か、といえば、自分だろうと。 
[ER_kaki1] んー、いや、生きても話は書ける。 
[meltdown] ERさんのは、基本的に「自滅も又よし」というスタンスが強いで
      すから 
[ER_kaki1] (そらもうきっぱり) 
[ER_kaki1] というか、単なる自滅じゃないじゃん。 
[Hisasi] でも誰かを犠牲にとかなるのを 
[meltdown] まぁ、滅にも色々ありますからな 
[Hisasi] きっと麻須美ママは拒む 
[Hisasi] 尚父も 
[ER_kaki1] 自分以上に、生きていたら喜ぶ人が多い、と、きっちり判るから
      言うのさー 
[ER_kaki1] うん>犠牲にして生きることを拒む 
[Toyolina] 俯瞰してるんすね。 
[ER_kaki1] 判っているから、この一度だけ、と、限るわけで 
[ER_kaki1] #申し出を 
[ER_kaki1] でも、一度は言う、のだろう、と。 
[Hisasi] うむ 
[Hisasi] そして断られて、ああそうだろうな、と 
[ER_kaki1] うん。 
[Hisasi] なんとなくお互いわかってる 
[ER_kaki1] (こくこく 
[ER_kaki1] うん、と言って欲しいなと思いつつ、いわないだろうなとも 


時系列と舞台
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 2007年5月
解説
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 http://kataribe.com/IRC/HA06/2007/05/20070524.html#220000
 http://kataribe.com/IRC/KA-04/2007/05/20070524.html#230000
 麻須美を見舞う尚久、失われつつある命の前に何もできない。
 そんな中、六華がある申し出をする。
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以上



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