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Date: Mon, 12 Mar 2007 10:50:08 +0900 (JST)
From: Subject: [KATARIBE 30889] [HA21L] 『水』にまつわる一つの悲劇１
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200703120150.KAA03962@www.mahoroba.ne.jp>
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Web: http://kataribe.com/HA/21/
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2007年03月12日:10時50分08秒
Sub:[HA21L] 『水』にまつわる一つの悲劇 １:
From:Toyolina
[HA21L] 『水』にまつわる一つの悲劇 １
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登場人物
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甚三紅 蒼雅巧の血を入手し、生体実験中
焦香 晩ご飯の支度を始めようとしていた
白橡 書類仕事を片付けようとしていた
裏葉柳医院１８：３０
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白橡 ：「ねー、モミ姉、まだ引きこもってなんかやってんの？
：流石にやばくね？」
焦香 ：「んなこといったってな。お父様直々の仕事やってるらしいよ」
白橡 ：「この前の患者さんのアレ？」
焦香 ：「そうなんじゃね。なんかラットやたら買い込んでた」
[TK-Leana] ああ、破滅の足音が
[Toyolina] はい。
白橡 ：「ラット？ 何に使うんだ。実験でもしてんのかな。ラットを
：人間に作り替える実験とか」
焦香 ：「無理すぎんだろそれ」
[TK-Leana] 美少年ラット
[TK-Leana] いや、違うか
[Toyolina] 人面ねずみ
白橡 ：「むー」
焦香 ：「そのうち出てくるって。心配しすぎんなよ」
[Toyolina] くりくりと、指先で白橡のツインテールの毛先を丸める
白橡 ：「し、心配なんてしてねー」
焦香 ：「はいはい。ケンカ相手だもんな」
白橡 ：「知るか！ あんなヴァカ！」
焦香 ：「はいはい。様子見といてやるから、あんた書類仕事やっときな」
[Hisasi] うああ
[Toyolina] 五女死亡フラグ
[Hisasi] なにげにピンクナースさん懐いてたんだ
[Hisasi] すげぇやっちまった感
[Hisasi] (いまさら！)
[Toyolina] まさにいまさらｗ
裏葉柳医院１８：３５
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[Toyolina] 甚三紅せんせいのひみつけんきゅうしつでは
甚三紅 ：「うーん、順調。シミュレーション通り」
マッチョなラット：(アクリル水槽のなかで走り回ってる)
[Toyolina] 硝子だと割れちゃうから
甚三紅 ：「こっちもなかなか」
クレバーなラット：(寝床にしきつめた古新聞を開いて読んでいる)
[Toyolina] せんせい満足そう。ご満悦。
甚三紅 ：「蒼雅の血……巧クンの血……すごい(うっとり)」
[Toyolina] 巧クンあたりに熱がこもっている
[Toyolina] 手元の計画書にチェックを入れていく
[gombeLOG] この辺の出来事は、始祖が死ぬ前なんでしょうね
＞蒼雅の血はスゴイ
[Toyolina] 神社襲撃→巧脱出→の数日後くらいです
[Toyolina] なんでこれ終わってからです、始祖云々とか
[Toyolina] まそっぷ美味しい役回りゲットとかは
甚三紅 ：「お父様は、ここまででいいって言ってたけど」
[Toyolina] 二匹のラットは安定している。もう三日もこの状態を保っている。
[gombeLOG] ああ、たくみんと墨染が一人思い悩む羽目になるのよりも前でしたか。
[Toyolina] はい。
甚三紅 ：「次は……うーん、サルがいいんだけどサル居ないしな、今」
[Toyolina] 地下倉庫の在庫確認。お猿 なし 人体 なし
[Toyolina] 在庫確保してから続きやろう。今日はもう終わり
[Toyolina] 伸びをして、椅子から立ち上がろうとして、たちくらむ。
SE ：カシャン ガシャン
[Toyolina] とっさにつかんだのが、注射器やらメスやらを入れたバット。
[gombeLOG] 血の足りない吸血姫
[Toyolina] ご飯食べずに引きこもってましたからね
[gombeLOG] たしかに。
[Toyolina] 床に割れて混ざり合って散らばる蒼雅の血と、甚三紅の指先から
流れた血。
[Toyolina] そして、床に転がるラット入りのアクリル水槽。
甚三紅 ：「あーっ!! 巧クンの血が!! もったいない……」
[Toyolina] もったいない、たしかに。
マッチョなラット：「キィキィ」
[Toyolina] 水槽の蓋が外れる。飛び出してきて、床に散らばる血の斑点を
舐めていくラット。
[gombeLOG] もったいない、けど、とっさに出る言葉がそれなのはさすが
モミ姉さん(ｗ
甚三紅 ：「！ こら、わたしだって飲んでないのに、何勝手に飲んでんの、
：このネズミ！」
[Toyolina] お怒り
[Toyolina] 的外れな怒り方をして、手を伸ばしてラットを捕まえようとして。
甚三紅 ：「痛ッ……？」
[Toyolina] 手の甲に痛みが走る。見てみると。小指の付け根を、小指ごとかじり
取られている。
[Toyolina] マッチョだから
[TK-Leana] でかいラットならマッチョじゃなくても指くらいかじりとりますよ
[Toyolina] おそろしいことじゃ
甚三紅 ：「……このネズミ……ッ!!」
[Toyolina] お姉ちゃん怒った
[Toyolina] 瞬時に再生。同時に、左手の爪が、ラットの着地点を貫く。
甚三紅 ：「もう処分してやる、用済みだっての」
マッチョなラット：「キィッ」
[Toyolina] モミ姉VSマッチョなラット 開戦ののろし。
[TK-Leana] いかん、これはクレバーラットの策ですぞ
[TK-Leana] 多分
[Toyolina] ----
[Toyolina] アタリですｗ
[TK-Leana] マジデー
[Toyolina] いえ言ってみただけ。それもありかな、と。
[Toyolina] ３ターン目くらいで２対１になって
[TK-Leana] 造り手より頭が良くなった元ラット
[Toyolina] ジョジョ第四部のスタンド使いネズミみたいになってきますね
[gombeLOG] ひい
裏葉柳医院１８：４５
--------------------
[Toyolina] ひみつけんきゅうしつの扉の前。
焦香 ：「姉ちゃん、晩ご飯何がいい？」
[Toyolina] 返事はない。
焦香 ：「？ なに？ また試験管にでもほおずりしてんの？」
[gombeLOG] コガちゃん、逃げてー
[Toyolina] いろいろ私生活バレバレ
[TK-Leana] ゴゴゴゴゴゴ
[Toyolina] 返事はない。
[Toyolina] コガさんが一番悲惨かもしれないと思った。
[gombeLOG] 何も悪いコトしてないのに
[Hisasi] ひいい
焦香 ：「……入るよ」
[Toyolina] 鍵はかかったままだが。気にせずこじ開ける。
[Toyolina] 怪力なばっかりに
[Toyolina] 日頃こんな開け方ばっかりしてるから、錠前屋さんとかお得意さん。
すぐ来てくれて直してくれます。
[Toyolina] ドアチェーンも役に立たない。それはさておき。
[Toyolina] 部屋の真ん中。胸を押さえてへたり込んでいる姉の姿。
焦香 ：「ちょ、姉ちゃん、どうしたの」
甚三紅 ：「……ちゃだめ……早く出て」
焦香 ：「んなこと言ったってあんた、医者の不養生とか笑えなさ
：すぎんだけど」
[Toyolina] 勤務医ならまだしも開業医だし
甚三紅 ：「笑い話じゃ……早く出てって……でないと食べちゃう……」
焦香 ：「？ なに、そんなにしんどいの？ 棺桶入る？」
[Toyolina] 美形の写真がいっぱい内側にはってあるせんせい専用棺桶。
[Toyolina] ふと、甚三紅がへたり込んでいる周りに視線を
[Toyolina] 散らばったままの注射器の破片やらメス。そして、ラットの死骸が二つ
焦香 ：「あー、掃除だったらやっとくから。晩ご飯食べて寝ときなって。
：ほら、立てる？」
[Toyolina] 隣にかがみ込んで、姉の肩に手を回す。その腕全体で感じる違和感
焦香 ：「っ……姉ちゃん、ちょっと、何こんな汗かいて……」
甚三紅 ：「だから、出てけって……言ったのに……ほんとバカなん
：だから……」
[Toyolina] うつむいたまま、閉じた瞳から、流れる涙。なのに、その口元は
笑っている。
甚三紅 ：「お腹空いてるんだ。すごく。もう三日くらい食べてない
：もの……だから、今から食べる」
焦香 ：「今？ まだこれから買い物行くんだけど……って」
[Toyolina] 少し身を起こした甚三紅。それにつられて、傾く焦香の体。
[Toyolina] 肩に回した腕が、張り付いている。いや──取り込まれている。
甚三紅 ：「だめ、今ここで食べるの、だってお腹ぺこぺこ。もうホントに
：倒れそうなんだもの。それに、コガって美味しそう。毎日生肉
：食べてるし」
[Hisasi] ひい
[Toyolina] もうお姉ちゃんはお姉ちゃんでなくなってました。
[Hisasi] きゃあああ
[gombeLOG] 目がもう違う人に(汗
[Toyolina] 右手再生したときにうっかり巧クンの血が入ってしまった次第
焦香 ：「……ッ!!」
[TK-Leana] くちもとからぞろりと覗く、吸血鬼では有り得ない魚のように並んだ牙
[Toyolina] 力任せに引き抜こうとして。右腕一本、丸ごと持って行かれる
[Toyolina] くっついたまんまだったから。
焦香 ：「アンタ、誰だ……姉ちゃんの中に居るのか」
甚三紅 ：「？ 誰って、あんまりじゃない？ 見てのとおり、甚三紅
：姉ちゃん」
[Toyolina] 右腕を振りおろした、だけに見えた。咄嗟に転がって避ける焦香。
[Toyolina] 半ば液状化した右腕が、伸びすぎたのか背後の壁にまで叩きつけられる。
甚三紅 ：「やだ、運動は食後じゃないと。お腹空いてるんだからさ」
焦香 ：「あんた一体、どうしちゃったんだよ……」
甚三紅 ：「どうもしてない……ううん、どうもならない？ どうも
：ならなくなった？ まあいいや。コガもそうなるんだし、
：なったら解るよ。じゃ、いただきます」
[Toyolina] 今度は。
[Toyolina] 振り下ろすのではなく、貫こうとする。右腕そのものが、勢いよく、
肉の色をした水となって。
[Toyolina] 部屋から転がり出るコガさん。右腕をどうにか再生して、廊下を
駆けようとして。
[Toyolina] 背後から、水音が聞こえた。
[Toyolina] ホースで壁にぶちまけるような水音。
[Toyolina] 続きは日付変更線の後
[gombeLOG] それが、コガさんが聴いた最後の音であった
[Toyolina] ざっぱーん(液体になって移動) もがごぼ(とりこむ)
上っ面だけ固体に戻る(取り込み完了)
[gombeLOG] ぎゃあ
[gombeLOG] そして一回り大きくなったモミ姉
[Hisasi] お腹が(よせ)
[Toyolina] 死角とった、と思ったらそっからコガさんが出てきます
[TK-Leana] 手始めに病院に来ていた美形どもを飲み干しまくるぜ
[TK-Leana] とかいう話？
[Toyolina] そうなっちゃうかもしれない
時系列と舞台
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2007年３月初旬〜中旬。蒼雅巧の脱出後数日して。
解説
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アクシデントで、『水』からの生成物である、蒼雅家の血を取り込んでしまっ
た甚三紅。
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Toyolina
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