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Date: Tue, 6 Mar 2007 11:12:51 +0900 (JST)
From: Subject: [KATARIBE 30879] [HA21P] 御霞神社襲撃の翌日。裏葉柳医院にて
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200703060212.LAA22848@www.mahoroba.ne.jp>
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Web: http://kataribe.com/HA/21/P/
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2007年03月06日:11時12分51秒
Sub:[HA21P] 御霞神社襲撃の翌日。裏葉柳医院にて:
From:Toyolina
[HA21P] 御霞神社襲撃の翌日。裏葉柳医院にて
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登場人物
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白橡 三女に手厳しい六女
焦香 五女。仲裁役。
甚三紅 六女に弱い三女。美形フェチ。
黄櫨染 お父さん。年度末は忙しいらしい。
五女と六女の会話
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白橡 :「コガ姉、モミ姉のバカはまだこもってんの?」
焦香 :「うん」
白橡 :「ふーん。美形好きなのはわかるけど、あれフェチだよね
:フェチ」
焦香 :「今頃再確認?」
三女・甚三紅の趣味については、妹たちにはモロバレな様子。
きっと、隠そうともしていないに違いない。
白橡 :「いや、改めてすげえなって。あの情熱、例えばほら、
:医療に役立てたら、今頃水虫の薬くらい出来てると思う」
焦香 :「いや、塩酸プテナフィンでいいじゃんそんなの」
白橡 :「じゃあ風邪の特効薬」
焦香 :「対処療法でいいんじゃね」
水虫に悩む美形がきたら、がんばって研究するかもしれない。
──いやないか。せんせい自らお薬を塗布してくださる方向にいきそう。
白橡 :「……医療はとりあえずおいといて。知ってた?」
焦香 :「聞いてから答える」
白橡 :「【錬金術師】が死んだんだって」
焦香 :「物騒な話」
白橡 :「家ごと焼かれたっていう話」
早速、耳に入っている、同族が滅んだという話。
オールドスタイルである【錬金術師】は、山中に屋敷を構えていたのだった。
焦香 :「ふーん。やっぱかっこつけて、山奥とか住んだりすると
:ダメだね」
白橡 :「住むなら町中だよね。あの屋敷、下水道きてないんだよ、
:しんじらんね」
焦香 :「よく知ってんね」
白橡 :「一回お遣いでいったことあるから」
焦香 :「ふーん。んでそれ、姉ちゃんに言いにいくの?」
白橡 :「そうしようと思ったんだけど、美形いると、モミ姉無駄に
:強いからあとにする」
このツインテールのお嬢さんは、どうやら姉の顔を見ると一度は暴力的行為
に走らないと気が済まないらしいが、姉も姉で、いつもやられてばっかりという
わけではないらしい。
焦香 :「……あんまり姉ちゃんいじめんなよ」
白橡 :「いじめてるつもりはないんだけどな」
焦香 :「姉ちゃんいなくなったら、病院やってけないんだからさ」
白橡 :「はーい」
院長(父)はあちこちフラフラしているし、妹二人はあくまで看護師なので、
医療行為は出来ないし、そんな技能もない。なので、上の姉が居なくなっては
困る、ということは白橡も理解している。
とてもそうは見えないが、じゃれ合ってるつもりなのだった。吸血鬼って怖い。
その晩、院長室では
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フラフラしている院長が、またフラフラ出かける様子。
黄櫨染院長 :「というわけでしばらく空けなくてはいけない。タイミング
:悪いよねえ」
甚三紅医師 :「行ってらっしゃいませ。プラン通りにしておきます」
現在入院中(正確には、強制的に入院させるため、拉致してきたのだが)の、
蒼雅巧から入手した血液の実験プラン。ある程度の生体実験も行うことになって
いる。
黄櫨染 :「うん、任せた。あああと、あんまり取りすぎちゃダメだよ」
甚三紅 :「──具体的にお願いします」
黄櫨染 :「注射器一本……いや二本が限度」
甚三紅 :「……(ちぇー)」
娘の趣味が、美形の血液収集であることはよく知っている。並大抵の人間で
あれば、多少多めに採血してもどうということはないが。
黄櫨染 :「だって貴重だからね。それに後でお返ししないといけないし」
甚三紅 :「取り戻しにきたら? たとえば明日とかに」
黄櫨染 :「それはないんじゃない。ただでさえ神社手薄なんだ、
:外注さんに頼むにしてもなかなか」
甚三紅 :「返した後、意趣返しされたり──」
黄櫨染 :「っていうのはあんまり考えられないな。なんせあの神社、
:守護者ばっかりで攻撃者が居ないし」
本当にそうだろうか、と思うが、先方について詳しく把握しているわけでは
ないので、とりあえず黙っておくことにした。
甚三紅 :「責任の所在はお父様でいいんですか」
黄櫨染 :「そりゃそうだろ」
それでもまだ不安があるらしい。
確かに、甚三紅を初めとした三人の姉妹は、戦闘能力という点においては、
見劣りする。襲撃を受けては、防衛に徹しても不安が残った。
黄櫨染 :「……ちゃんと真朱や濡羽色は置いておくから」
甚三紅 :「淡蒲萄は?」
黄櫨染 :「この件には全然絡んでないから、あの子には関わらせない
:ように」
甚三紅 :「はい、お父様」
護衛の配置を約束させたことで、甚三紅の不安も解消されたようで。
この件に殆どタッチしていない、一番上の姉にも言及する。
もっとも、回答は予想していた通りだった。
黄櫨染 :「にしても面倒だよなあ、幡多町に屋敷あるのに、なんで
:本国行かないといけないんだか(ぶつぶつ)」
甚三紅 :「去年もそう言ってらした」
黄櫨染 :「来年からはあそこで済ませられるように文句言っておこう
:(ぶつぶつ)」
甚三紅 :「ではそろそろ診療に戻ります、患者さんを待たせており
:ますから」
愚痴を聞いてほしいのか、なにやらぶつぶつ言い出した父親を放っておいて、
三女は院長室を出て行く。もっとも、今は夜、診療時間外だ。
待たせている患者さんとは、蒼雅巧に他ならず、彼女は寝ずの看病をして、
悦に入るつもりなのだった。
父親はというと、一人残されていることに気づいているのか否か──。
黄櫨染 :「ああ、よろしく。それにしても長老どもめ(ぶつぶつ)」
黄櫨染はまだぶつぶつ言っていたのだった。
大丈夫か?
時系列と舞台
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2007年3月初旬。御霞神社襲撃の翌日。
解説
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首謀者黄櫨染は別件で医院を離れる。
甚三紅は美形の患者さんを抱えて、ご機嫌。
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Toyolina
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