[KATARIBE 30878] [HA21L] チャットログ『捕らわれた巧』

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Date: Tue, 6 Mar 2007 09:54:47 +0900 (JST)
From: Subject: [KATARIBE 30878] [HA21L] チャットログ『捕らわれた巧』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200703060054.JAA20140@www.mahoroba.ne.jp>
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2007年03月06日:09時54分46秒
Sub:[HA21L] チャットログ『捕らわれた巧』:
From:久志


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チャットログ『捕らわれた巧』
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登場人物
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 蒼雅巧(そうが・たくみ)
     :霊獣使いの蒼雅家の当主。御霞神社の守護を務めている。
 蒼雅千利(そうが・せんり)
     :蒼雅傍流の老人。故人。蒼雅西条の祖父で巧の守を務めていた。
 甚三紅(じんざもみ)
     :吸血鬼・黄櫨染さんの三女。医院の先生。美形フェチらしい
 白橡(しろつるばみ)
     :吸血鬼・黄櫨染さんの六女。ピンク色ナース。

夢の中
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 吹利県。
 信頼していた腹心・西条の裏切りにより、吸血鬼・真朱の襲撃を受けて捕ら
われの身となった蒼雅巧。
 その住まいである裏葉柳医院にて、熱に浮かされながら夢を見ていた。

 巧@ちび   :「じい!」 
 千利     :「おお、巧さま。いかがされました」 

[Hisasi] #かなり老いてるが足腰のしっかりしたじいさんにかけよるちび巧
      (6歳くらい) 

 巧@ちび   :「じい、来ていたのだな」 

[Hisasi] #ぺた、と 

 千利     :「はい、若様。久しゅうございます」 
 巧@ちび   :「じい……抱っこをして欲しいのだ、よいか?」 
 千利     :「かしこまりました」 

[Hisasi] #ひょい、と 

 巧@ちび   :「……」>ぎゅっと首に手を回して 
 千利     :「いかがされました、若様」 
 巧@ちび   :「……爺」 

[Hisasi] #しがみついたまま 

 巧@ちび   :「なあ、爺……私はどうして当主にならねばならないのだ?」
 千利     :「巧さま……」 

 巧@ちび   :「皆が言うのだ、当主はこうあらねばならない、と。蒼雅
        :の名に恥じぬように、と。甘えたことをいってはいけない、と」 
 巧@ちび   :「……私は怖い」 
 千利     :「……若様、蒼雅のお役目はご存知ですな?」 

 爺の問いかけに、顔を上げてはっきりと告げる。

 巧@ちび   :「乱れを鎮め、邪を退け、風都を護ること」 
 千利     :「左様で御座います」 
 千利     :「若様。蒼雅は皆、代々そのお役目を護ってまいりました」
 巧@ちび   :「……」>こくんとうなづく 
 千利     :「時にその命を賭け、傷を負ってでも、お役目を果たして
        :まいりました」 
 千利     :「ですが、若様。我ら蒼雅を支えてきた崇めてくれた者達
        :は、たとえ飢饉に苦しもうと災害があろうと決して我らを
        :見捨てず、自らの食を削ってでも我らを飢えさせまいと心
        :を尽くしてくださりました」 
 巧@ちび   :「……(こくん)」 
 千利     :「我らの働きを力を信じ、敬ってくださっている。我らは
        :その想いに報いねばなりませぬ。若様、お分かりですな?」 
 巧@ちび   :「……わかっている」 
 千利     :「人は生まれて必ず死ぬもの、死があるから生は尊い。
        :我らが命を賭すことは決して無駄ではありませぬ」 
 巧@ちび   :「……爺」 

[Hisasi] #でも死ぬのはいやなのだ、爺 

 千利     :「わかっております、若様。その辛さを引き受ける為に爺
        :がおりまする」 
 千利     :「老いたこの身では刀を振るって若様を御守りすることは
        :かないませぬが、こうして少しでも若様の心をお慰めでき
        :るのであらば、この爺、生き延びた意味がありまする」 
 巧@ちび   :「……爺」 

[Hisasi] #ぎゅ、っと 

[Hisasi] #途切れ途切れの記憶 
[Hisasi] #巧、十歳くらい 

 巧@少年   :「爺!」 
 千利     :「若様」 

[Hisasi] #杖をついてよろよろと歩く 

 巧@少年   :「爺、無理はいけないぞ」 
 千利     :「若様、ご立派になられまして」 

[Hisasi] #よく見ると爺の腕から足からいつからあるのかわからない古傷
      だらけ 

 千利     :「我が孫、西条はお役に立っておりますか?」 
 巧@少年   :「ああ、いつも私の稽古に付き合ってくれている。姉上に
        :もお優しく、とても頼れるのだ」 
 千利     :「それはようございました、あれには……辛い思いをさせ
        :てしまいましたから」 
 巧@少年   :「幼い頃、母君を亡くされた、と。父上にお聞きした」
 千利     :「……はい、あれ以来、我とは口も聞かず……ですが、
        :若様や梓さまのおかげであれも救われたことでしょう」 
 巧@少年   :「爺、私は当主を継ぐ者だ。爺に代わって私が西条も、
        :姉上も、至も、紫も……皆を護る」 
 千利     :「……もったいなきお言葉にございます」 

[Hisasi] #目をしょぼつかせて礼をする 

 巧@少年   :「……爺、最後にひとつだけわがままを言ってよいか」 
 千利     :「なんでございましょう」 
 巧@少年   :「……もう、決して泣かない、わがままも言わない、立派
        :な当主になるために力を尽くそう」 

[Hisasi] #ぎゅ、と爺に抱きついて 

 千利     :「若様」 
 巧@少年   :「……でも、少しだけ辛い」 
 千利     :「……ようございます、お泣きなさい」 
 巧@少年   :「……うぅ」 

[Hisasi] #わぁん、と 


うわごと
--------

 巧      :「……爺」>うわごと 

 無意識のうちに動く手。
 ふと、触れたものをきゅっと握る。

 巧      :「……なぜ……西条……」 

[Hisasi] #また、深い眠りに落ちる 

 甚三紅    :「……(じーん)」

 しっかと握った手を撫でて。

 甚三紅    :(うなされて眉をしかめて身じろぎする姿……)

 恍惚とした顔で寝顔を眺める図。

 白橡     :「おーい、患者さん待ってんだけど」
 甚三紅    :「マキロン塗っとけ(邪魔スンナ!コロスゾ!)」
 白橡     :「ハーイ……ごゆっくり」

 三女役得。


時系列と舞台
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 2007年3月初め。
解説
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 http://kataribe.com/IRC/KA-06/2007/03/20070305.html#230000
 捕らわれた蒼雅巧、過去の夢を見ながら。
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以上



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