[KATARIBE 30760] [HA06P]エピソード『花屋・三景』

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Date: Tue, 06 Feb 2007 18:22:21 +0900
From: Subject: [KATARIBE 30760] [HA06P]エピソード『花屋・三景』
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こんにちは葵でっす。

因ちゃんを忘れるわけにはいかないっ
さーどんどんいくよーっ
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エピソード:『花屋・三景』
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登場人物
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 如月 尊(きさらぎ・みこと):花屋FLOWER SHOP Mikoの店長、最近退魔と
                どっちが本業かわからない状況に。
 http://hiki.kataribe.jp/HA06/?KisaragiMikoto

 九折 因(つづらおり・よすが):ベスト・オブ細っ娘の吸血鬼少女、和服の
                似合う美少女。
 http://hiki.kataribe.jp/HA06/?TsudsuraoriYosuga

 比企鐘継(ひき・かねつぐ):ちょっと妖しい探偵さん。里見関係者。
 http://hiki.kataribe.jp/HA06/?HikiKanetsugu

 坂本麻依子(さかもと・まいこ):割と豪快な里見のお姉さん。じつは尊より年下。
 http://hiki.kataribe.jp/HA06/?SakamotoMaiko

一景・因ちゃん
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 ある日の夕刻、FLOWER SHOP Miko

 因      :「こんばんは。 尊さん」
 尊      :「あら、お久しぶり、 因ちゃん」
 因      :「あんな。 もうすぐ居候先の奥さんと旦那さんが結婚すん
        :ねん。 お祝いのお花買おうと思ってなあ(嬉しそうな困った
        :ような微妙な表情)」
 因      :「2000円くらいでなにか包んでほしいんやけど」
 尊      :「へぇそうなんだぁ……結婚……かぁ……うん、諒解、じゃー
        :久々に気合入れて腕振るっちゃおう(腕まくり)」
 尊      :「じゃ、何種類か見繕うから、その間に、コレよかったら使って
        :(メッセージカードを差し出す)」

 数種類のお祝い用メッセージカード。
 それと、各種マーカーペン。

 因      :「ありがとう。 ……へぇ。 かわいいやんね。 書いてみ
        :る。 そこ座ってええ?」
 尊      :「どうぞ〜、あ、テーブルの上にあるポットにお茶入ってる
        :から、お好みで飲んでね(花を切りそろえつつ)」
 因      :(着物の袖をまくって色鉛筆でなにやら書き込んでいく)

 数分後。

 因      :「できたー!」
 尊      :「ん?出来た?見てもいい?(くすくす)」
 因      :「あ、あかんです。恥ずかしいわ……(隠蔽)」
 尊      :「隠さなくてもいいのに〜(くすくす) っと、花束は…こ
        :んな感じでどうかな?」

 カスミ草を周辺に配し、ピンクの薔薇でアクセントをつけたブーケ風の花束。

 因      :「わぁ。 綺麗やなぁ。 きっと忌野も遙さんも喜ぶわ(少
        :し寂しそうに花束受け取る)」
 尊      :「あら、どしたの、そんな顔して
 因      :「二人がちゃんと結婚したら私でていこうとおもうねん。
        :だからこれは最後のお礼や。 まあ仕方ないわ」
 尊      :「なるほど……あ、そうそう、因ちゃん、ちょっと動かない
        :でね(後ろに隠し持ってた花を 因ちゃんの髪に飾る)」

 大きなピンクの花弁の周囲に白い縁取りのあるハイビスカス。
 『赤い珊瑚』
 黒髪と和服、和風少女の髪を飾る花。

 尊      :「……うん、似合う」
 因      :「? ……おお。 尊さんのセンス好きや。 ありがとう
        :(にこり)」
 因      :「ほな、また来ます。 またなー(手を振って歩いて帰って
        :いく)」
 尊      :「(後ろから)うちは居候大歓迎よ〜気が向いたら何時でも
        :いらっしゃい(手を振る)」
 因      :(聞こえているのか聞こえていないのか鼻歌交じりで去って
        :いく)



二景・鐘継さん
--------------

 因ちゃんが去って数刻後
 茶髪のスーツの男がキョロキョロと店内を覗き込んでいる。

 尊      :「〜♪……いらっしゃいませ、何かお探しですか?(にこ)」
 鐘継     :「(びくぅっ)あ、いやな。 うちの事務所に今度バイトく
        :んねん。 まだ学生の女の子なんやけど、うち殺風景でなあ
        :……けどあかんな、花なんてようわからんわ」
 尊      :「(くすくす)……男性の方は皆さんそうおっしゃいます。
        :よろしければお見立てしましょうか?」
 鐘継     :「頼むわ嬢ちゃん」
 尊      :「かしこまりました(にっこり) ええと、事務所には何人
        :くらいの人がいらっしゃるんですか?」
 鐘継     :「それがわいとその子だけやねん。 間持つか今から心配や
        :わ。 商売柄若い子と話すのにはなれてるんやけど、長時間
        :密室に二人きりやん? なるべくリラックスさせてやりたい
        :しな」
 尊      :「なるほど、では……(鉢植えを選んで)デスクの上に、こ
        :れなんか如何ですか?(鉢植えの紫のカトレア)」
 鐘継     :「おお。 ええな。 鉢なら長持ちしそうやし。 世話簡単
        :か?」
 尊      :「そうですね、寒さに弱いのでそれだけ気をつけていただけれ
        :ば」
 尊      :「ちなみに、花言葉は『優美な女性』です、会話の糸口なれば
        :よろしいのですが(くす)」
 鐘継     :「優美……からはほど遠いかもしれへんけど。 まあそれは
        :これからの教育次第ってトコか(顎に指当ててニヤリと笑う)」
 鐘継     :「ほなソレ下さい」
 尊      :「はい、毎度ありがとう御座いますっ(にっこり)(……きょ、
        :教育って……(汗))」
 鐘継     :「(カラカラ笑う)ま、それも含めて社会勉強やんな。 嬢
        :ちゃんも困ったことあったら来てな。 うち探偵さんやねん」
 尊      :「探偵さんでしたか、じゃ、何かあったらお願いしちゃいま
        :すね(くすくす)」
 鐘継     :(すっと名刺差し出してエプロンのポケットに射し込む)

 名刺にはこう書かれていた。

   『失せモノ、探し人、迷い猫他なんでも承ります──比企探偵事務所』

 鐘継     :「ほな、またなんかあったらよろしう……(いたずらっぽく
        :片目をつぶり、鉢をスクーターに固定して走り出す)
 尊      :「まいどあり〜(手を振る)……ふぅ、今日は千客万来だな
        :ぁ、けっこうけっこう(両手を腰にうなずく)」
 尊      :「さて、そろそろ店じまい……を」


三景・麻依子さん
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 店じまいをしようとしたとき。

 麻依子    :「おっはなっやさーん!(べろんべろんに酔った女)」
 尊      :「は〜い、い、いらっしゃいませ(微妙に引きつり笑い)」
 麻依子    :「オイーッス! 元気っすかー。幸せっすかー」
 尊      :「そうねぇ……幸せ……かな、うん(誰かさんの顔が浮かん
        :でちょと赤面)」
 麻依子    :「そりゃ結構結構。 あたしゃだめだ。 もてねー! 今日
        :も飲み会に男子がいたのにどいつもこいつも声かけてきやし
        :ねえ。 何故だッ」
 尊      :「そ……そうなんですかぁ……(まじまじ見つめて)……きっと
        :見る目がなかったんですね」

 麻依子さん、見た目は良いんです。
 死んでなければ、もっといい(おい)。

 麻依子    :「お、やっぱそう思う!? だよねえ。だよねえ…………
        :よし! 可哀想な私に一輪なにか花を売ってください! 買
        :うよ! 奮発だ!」
 尊      :「(くす)じゃぁこれなんか如何です?(小さなブーゲンビ
        :リアの鉢植え)寒さだけ気をつければ、割と丈夫ですよ?」

 と、鉢を差し出すのは良いんですが。
 退魔師である尊の六感がビンビンに危険な気配を感じてたり。

 麻依子    :「よっしゃ。 買った!(左手で受け取る)」
 尊      :(ぞくっ)

 鉢を受け渡した瞬間、背筋を駆け上がる寒気。
 そして。

 麻依子    :(花が見る見ると萎れていき、花弁がぼとりと落ちる)
 尊      :「(もしかして……)え、えーっと(汗)」
 麻依子    :「…………(ぼろぼろぼろ)」
 尊      :「あああ(おたおた)きっ、気にしないっ……も、もしかし
        :てお姉さん…………」
 麻依子    :「ぐあー! なんだよもう!(床に寝転がってじたばたして
        :る)」

 暫し駄々っ子のようにじたばたと。
 やがて、えっくえっくと、泣き止んで。

 麻依子    :「ごめんねえ。 ちーと取り乱したかも。 左手駄目なんだった
        :わ。お花にもわりーことしたなあ。 最近人食い花ばっか相手に
        :してたから忘れてたッスヨ」
 尊      :「あ、あはは、そ、そうなんですかぁ(滝汗)」

 人食い花て。

 尊      :「ま、まぁ…おなじ花はもう一鉢有りますから……」
 麻依子    :「ありがと。 じゃあ同じのお願い。 さっきの可愛かったし。
        :右手で持てば大丈夫なんだ、うん」
 尊      :「あ、じゃぁ手で提げやすいように袋に入れますね(手提げ
        :ビニールに入れて渡す)」
 麻依子    :「(受け取りつつ)サンキュ。 またくるよ。 うちの園芸
        :担当よりずっと萌えだし」
 尊      :「そ、それはどうも(汗)(萌えって……)」
 麻依子    :(なにやら破滅的な歌を口ずさみながら小躍りで帰っていく)
 尊      :「…………(へちゃん:座り込んでる)……つ、疲れた……」

時系列
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 2006年1月、まだ寒い頃。

解説
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 中の人の好み直撃の因ちゃん。
 かんばーっくっぷりーづっ(山に向かって絶叫

$$
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葵 一<gandalf@petmail.net>


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