[KATARIBE 30754] [HA06P]エピソード『梅肉えきす』

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Date: Tue, 06 Feb 2007 12:27:12 +0900
From: Subject: [KATARIBE 30754] [HA06P]エピソード『梅肉えきす』
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こんにちは葵でっす。

どんどんいくぞー
単発ログ斬りEPでいっす。
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エピソード:『梅肉えきす』
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登場人物
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 如月 尊(きさらぎ・みこと):外見16、7中身は三(検閲)の花屋の店長。
                妖物には強いが、和久君と可愛い女の子と
                食べすぎにはめっぽう弱いぞ。
 http://hiki.kataribe.jp/HA06/?KisaragiMikoto

 豊秋竜胆(とよあき・りんどう):尊の親友で姉で妹な吸血鬼。吸血鬼だけど
                 胃腸虚弱だぞ。
 http://hiki.kataribe.jp/HA06/?ToyoakiRindo

 アーシュラ・ダダー(−・−):近所でレプタイルショップ・ノアを経営する
                謎の店長さん。色々謎です。
 http://hiki.kataribe.jp/HA06/?UrsulaDadah


梅雨の晴れ間の
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 7月の頭、梅雨の合間に、珍しくさんさんと太陽が降り注ぐお昼。
 FLOWER SHOP Mikoの屋上にしつらえられた大きなお鍋。
 そして、エプロン姿に腕まくりの尊。
 はてさて何が始まるのか。

 尊      :「よーし、梅雨の合間の貴重な晴れ間! 今の内にやっちゃ
        :おうー」

 お鍋の脇に置かれた籠には大量の青梅。
 それを布巾で良く拭いて大鍋に放り込んでいきます。

 尊      :「〜♪(更にどんどん放り込んでく)」

 籠の梅のうち、傷や染みのあるのを除いて全部放り込むと。

 尊      :「いよっし(腕まくり&エプロン) さーこっからが本番っ
        :(大鍋の下で火を燃やし始める)」
 尊      :「〜♪(ぐっつぐっつ青梅を煮詰めていく)」

 鼻歌交じりに。

 尊      :「〜♪(更にぐっつぐっつと大鍋をかき混ぜてる)」

 バックが暗かったら媚薬を作る魔女に見えないこともありません。

 尊      :(ぐっつぐっつぐっつと煮え立つ鍋を焦げないようにぐーる
        :ぐーるかき混ぜてる)
 尊      :「もうちょっとかな〜(鍋をぐーるぐーるかき混ぜてる)」

 それはそうと、お店はどうした。
 ちなみに、その頃階下のお店では。

 アーシュラ  :「こんにちは。 ……店長さんはお留守ですか」

 しーん。

 アーシュラ  :「ふむ(見回す)」
 お客さん   :「こんにちは、花束作って欲しいんですが……」
 アーシュラ  :「いえ、どうやらご不在のようすなので。申し訳ありません
        :がまたの機会に」
 お客さん   :「はぁ……そうですか」

 SE:Tel..Tel..Tel..

 アーシュラ  :「電話が鳴っている……」
 アーシュラ  :「困ったな。 なぜ如月さんは店に出てこないのだ(高そう
        :な花を手に取る)」
 竜胆     :「こんにちわっと、みこちゃーんいるー?」
 アーシュラ  :「御不在のようです(花を棚に戻す)」
 竜胆     :「えー? お店ほっぽって? あ、電話なってるじゃない……
        :はい、フラワーショップ Mikoでございます(電話とってる)」

 一方、屋上では。

 尊      :「よっし、あとはこのまま冷ませば……あ、ああっお店っ!」

 つい夢中になってお昼の休憩が終わってるのに気付かず。
 慌てて階段を駆け下りると、電話取ってる竜胆ちゃんに、お客さんに応対して
いるアーシュラさん。

 竜胆     :「はい、ありがとうございます、ただいま店主が所用で席を
        :外しておりまして、はい、折り返しご連絡させていただきた
        :いと……」
 アーシュラ  :(竜胆の肩を叩いて、尊を指し示す)
 尊      :「り、りん姉様にアーシュラさんっ……ももももももしかし
        :て、あたしの代わりにっ(真っ青)……きゃーごごごごごご
        :めんなさいーっ(わたわた)」
 竜胆     :「あ、少々お待ちいただけますか、戻って参りましたので……
        :はい、代わりますので(受話器あげる)」
 尊      :「はい、お電話替わりました、あ、いつもお世話になってお
        :ります、あ、はい、承知いたしました、鉢植えを二つで、は
        :い、はい、では明日お届けに上がります、はい、よろしくお
        :願いいたします、では(かちゃん)」

 クルリと二人に向き直って。

 尊      :「……ううう、すいませんーアーシュラさん、りん姉様、梅
        :肉エキス作りについ夢中になっちゃってー(しゅーん)」
 竜胆     :「子機もっていけばよかったのに(笑)」
 尊      :「あ……(子機の存在を忘れてた)」
 アーシュラ  :「電話取ってもよかったのだろうか」
 尊      :「ええ、おかげさまで開店中に電話がつながらないって事態
        :を避けられましたー」
 アーシュラ  :「梅肉エキス……それはどういった植物ですか」
 尊      :「えーと、この時期に収穫される青梅の実を大きな鍋で煮込
        :んで作る梅の実のエキスなんです」
 アーシュラ  :「ジャムですか」
 竜胆     :「……すっぱそう(なんとか反応)」
 尊      :「ジャム……では無いですね、砂糖入れてませんし(にこに
        :こ) 昔からの民間療法でお腹を壊したときにちょっと舐め
        :るとすぐ良くなるんですよ。 りん姉様とアーシュラさんに
        :は、お礼に一瓶づつ差し上げますから、お腹の調子の悪いと
        :きはスプーン一杯舐めてみてください(小さな瓶詰めのエキ
        :スを渡す)」
 アーシュラ  :「これはどうも(受け取る)」
 竜胆     :「ありがとー」
 アーシュラ  :「(瓶をあかりに透かしている)話に聞く卵油のような製法
        :ですね」
 尊      :「そうですね、成分を濃縮するって点は一緒ですね」
 アーシュラ  :「こういったものを用意するということは、お体の調子が良
        :くないのですか」
 尊      :「今は別に問題ないんですけど、ときどきお腹壊しちゃうん
        :で……(てへ) それに備えてです」
 尊      :「そういえば、りん姉様もお腹弱いんですよね?」
 竜胆     :「すごく……」

 胃弱吸血鬼である。

 尊      :「お腹壊したら、梅肉エキスをスプーン一杯なめたらすぐ良
        :くなりますよ」
 竜胆     :「……家宝にするね(きらきら)」
 アーシュラ  :「ふーむ、どうでしょう。 消化器内部を殺菌する薬品を手
        :配しましょうか」
 竜胆     :「殺菌て……劇薬はちょっと……(汗)」
 尊      :「そ、それはちょっと極端……ですね」
 アーシュラ  :「日本人の大半が、胃に負担を強いる細菌に感染していると
        :いう情報を聞いた事があります」
 尊      :「それは……ひょっとして」

 ピロリ菌ですネ。

 アーシュラ  :「名前は失念しました。細菌の発生を抑える働きがある……
        :ええと」
 アーシュラ  :(鉢植えの甘草を手に取る)
 尊      :「ええと、甘草は確かに潰瘍に効果がありますけど、素人が
        :処方しちゃダメですよ、アーシュラさん」
 アーシュラ  :「我々は素人ではありませんよね」
 尊      :「た、確かに素人では無いですけど……訂正しましょう、医
        :学について素人な人間、つまり免許を持たない人間が処方し
        :ちゃダメなんです」
 アーシュラ  :「ふむ、そのあたりの議論はいたしますまい(ウロウロと視
        :線を彷徨わせる)」
 尊      :「あ(ぽん) アーシュラさん、これなら食べても美味しい
        :かもしれませんよ?(スイバを差し出す) 朝、夏の野草を
        :採集したときに採ったんですが余ったのでよろしければどう
        :ぞ」
 アーシュラ  :「これはどうも(首を傾げながら受け取る)それではまた
        :(去る)」
 竜胆     :「(見送って)……不思議な人ダネ」
 尊      :「うん(見送る)」
 尊      :「ま、まぁとにかく、私が居ない間の留守番ありがとうござ
        :いました(ふかぶか) お陰で助かりました」
 竜胆     :「どういたしましてー。 って用事忘れるところだった……
        :初夏の鉢植えをこう、7つ8つくらいお願いしに来たんでした」
 尊      :「初夏の鉢植え……ん、了解、じゃぁいくつか見繕って後で
        :届けますね、お店の方でいい?」
 竜胆     :「うん、お願いです。テーブルの上に置く感じのがいいな」
 尊      :「テーブルトップか……ん、了解、任せて(ういんく)」
 竜胆     :「よろしく(うぃんく返し)」

 ちょっと妖しいやりとりの後。

 尊      :「ところで、りん姉様、そろそろお店開店の時間じゃ無いで
        :すか?(時計を見る)」
 竜胆     :「……いってきます……」


時系列
------

 2006年7月頭ごろ、初夏の午後。

解説
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 コレが後に結成される、胃弱同盟の黎明期である。(おい

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葵 一<gandalf@petmail.net>


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