[KATARIBE 30732] [HA21L] 移ろわぬ者ふたり

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Date: Sat, 3 Feb 2007 16:21:00 +0900 (JST)
From: Subject: [KATARIBE 30732] [HA21L] 移ろわぬ者ふたり
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2007年02月03日:16時21分00秒
Sub:[HA21L] 移ろわぬ者ふたり:
From:Toyolina


[HA21L] 移ろわぬ者ふたり
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登場人物
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 片桐壮平   不死者の刑事。
 淡蒲萄    外見少女の吸血鬼。記憶があまりないまま存在している。


前振り
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[Hisasi]  そういえば、昨日のアハトくんとうっちゃんの会話
[Hisasi]  なかなか深いものがあるなあ、と
[Hisasi]  あのあとちょっとシュンとしたうっちゃんを見て声をかけてみよう
[Hisasi]  記憶がないって怖いのかな、とか
[Hisasi]  水にに対する考えとか
[Toyolina] いいですね、相互理解
[Hisasi]  で、ギリちゃんハウスでコタツにあたってぼへーっとしてる
      うっちゃんを見て


記憶があること
--------------


 片桐     :「……」>向かいでコタツに入ってぼへーっとしてる
        :うっちゃんを見てみる
 淡蒲萄    :(ぼへー。かなり上の空)
 片桐     :「うっちゃん?」
 淡蒲萄    :「……ん? 誰か呼んだ」
 片桐     :「ん、ああ……どーしたんじゃ、ぼーっとして」

[Hisasi]  みかんむきつつ

 淡蒲萄    :「あ、やだな、また魂抜けてた……ちょっと考え事してた。
        :ほら、こう空が薄暗いとアンニュイに」

[Hisasi]  んーっと手を天井に伸ばしたうっちゃんの頭にぽふんと手を載せ
      てみて

 片桐     :「なに考えとったんじゃ? 言ってすっきりすることなら
        :言っといたほうがええぞ」
 淡蒲萄    :「んー……この前さ、例のぷち家出の……カレシの方と
        :ちょっと話したんだけど」
 片桐     :「ああ、怪我してであるいてまた怪我してきたっちゅー
        :困った兄ちゃんか」
 淡蒲萄    :「うん、素行はスゴイ問題あるんだけど、話してみると
        :割といいこと言うんだよね、それで」

[Toyolina] 相当悪いという表現に見える
[Toyolina] >素行

 片桐     :「ほう……で、なんぞ言われたんか」
 淡蒲萄    :「……記憶ないのって、怖くないのかって」
 片桐     :「昔の、記憶かい?」
 淡蒲萄    :「うん。たぶんソレ。覚えてるのって……(指折り数える)
        :最近のことくらいなんだよね」
 片桐     :「最近は、とくに目まぐるしいしのう」

[Hisasi]  ちょっと笑って

 淡蒲萄    :「うん、ホント。年あけてからスゴイ急展開。それまで
        :はさ、ほら、なんかあったかって言われたら……変化って、
        :ギリちゃんに会ったくらいだし」
 片桐     :「……参考になるか、わからんがの」

[Hisasi]  ぽつりと


特別な記憶
----------


 淡蒲萄    :「ん? 参考?」
 片桐     :「昔な、仕事で知り合った仲間でのう。写真記憶っちゅー
        :か、物事を忘れられんという奴がおっての」
 淡蒲萄    :「……なんでも覚えてるってかんじ?」
 片桐     :「何十年前のことからずっと、何も忘れずに」
 片桐     :「ぱっと閃くようにいえるっちゅー、凄い奴じゃった」
 淡蒲萄    :「スゴイねそれ。才能」
 片桐     :「ワシもな、羨ましいと思った」

 片桐     :「……だがそいつはちっとも嬉しいとは思ってなかった」
 片桐     :「何でも覚えてるっちゅーことは、逆を返すとなんにも
        :覚えてないのと変わらん、とな」
 片桐     :「本当に大事なものが何かわからん、と」
 淡蒲萄    :「そっか……同じような感じなのかなあ、他の人から見る
        :と……あたしも」
 片桐     :「……うっちゃんが今までどんな生活してきたんかは、
        :よう知らんが」
 片桐     :「……長い間物事見てきても、それがどんだけ心にひっか
        :かったか、っちゅーことなんじゃないかの」
 淡蒲萄    :「ひっかかったか……じゃあ、今でも覚えてるのって……
        :あんまりないけど、それって、大事ってこと?」
 片桐     :「大事なことは、忘れんもんやぞ」

[Hisasi]  ちょっと笑って
[Toyolina] 覚えてることリスト:血族のこと 光郎のこと 終わり。
      前者は思い出のたぐいではないので光郎のことだけ
[Hisasi]  そして最近どばっとリストが増えた

 淡蒲萄    :「……忘れたくないなあ」
 片桐     :「忘れとうないと思うことがあるっちゅーのは、幸せやぞ」
 淡蒲萄    :「ギリちゃんも……あ、なんでもない、忘れて」

[Toyolina] 康子のこと言いかけた

 片桐     :「ん?」

[Hisasi]  で、あっという顔になって黙ったうっちゃんの顔で

 片桐     :「……ワシもじゃ」

[Hisasi]  はは、と笑う
[Hisasi]  察した
[Hisasi]  ワシも忘れとうないことがあって幸せじゃ、と
[Hisasi]  うん、空気で伝わったと信じる

 淡蒲萄    :「うん、なんか、昔のあたしと、ちょっと違う、そんなカンジ
        :してる、今」

[Toyolina] 伝わってます

 片桐     :「それが、成長っちゅーもんじゃ。ワシも、今でもな」

[Hisasi]  ぽん、とミカンをひとふさ口に放り込んで

 淡蒲萄    :「成長か……何年かな、いや何十年か……やっと成長……
        :(ぷふふ)」

[Toyolina] 嬉しいような可笑しいような

 片桐     :「ええオッサンだってまだ成長しとるんじゃい、これから
        :じゃ」

[Hisasi]  このあと
[Hisasi]  例の甘味処にいって
[Hisasi]  ちょっとくらっとするイベントいれとく? 
[Toyolina] やりましょう
[Hisasi]  おk

 片桐     :「おし、なんぞ甘いもんでも喰いに行くか?」
 淡蒲萄    :「おっけ、行く行く。なんだっけこの前行ったところ」
 片桐     :「ああ、タカと三人でいったとこか」

[Hisasi]  栗あんみつはうまかった
[Toyolina] 葛餅もうまkった

 片桐     :「あそこは美味かったのう、よし」

[Hisasi]  いこー
[Toyolina] ごー


再び、甘味処うつろひにて
------------------------


[Hisasi]  カラン。と
[Hisasi]  おっさんと女子高生が入っていく
[Hisasi]  すげー取り合わせダネ

 淡蒲萄    :(眩しくもないのに目を細める)
 店員     :「いらっしゃいませ」

[Toyolina] まったくですね、想像しづらいw

 片桐     :「おう、二人な」
 店員     :「はい、ご案内します」

[Hisasi]  店内をぼぉっと見回すうっちゃんに

 片桐     :「うっちゃん?」
 淡蒲萄    :「……え、あ、ゴメン、またぼーっとしてた。何なに?」
 片桐     :「こっちじゃ、こっち」

[Hisasi]  席へと

 淡蒲萄    :「あ、うん……」

[Toyolina] きしむ廊下
[Hisasi]  昔作りの店のつくり
[Hisasi]  店員はみんな着物
[Hisasi]  こだわっているのかとてもキチンと着こなしていて
[Hisasi]  まるで昔にトリップしたような
[Toyolina] 材料揃いまくりw
[Hisasi]  うふふ

 淡蒲萄    :(ほぅー)

[Toyolina] ゆっくりあっちこっち見てる

 片桐     :「立派なもんじゃのう、ようこだわっとる」
 淡蒲萄    :「そーだねー……こだわってるっていうか……大事にして
        :るっていうか」

[Toyolina] 鴨居とか見てる

 店員     :「ご注文はお決まりですか?」

[Hisasi]  ふっと、飛びかけた意識を引き戻すように

 淡蒲萄    :「え、あ、えっと……(お品書きを凝視)……豆くず餅と
        :お抹茶……」
 片桐     :「ワシは栗ぜんざいで」

[Toyolina] 前回と同じ。観察してたらわかるけど、お品書き見てても視線は
      動いてない

 店員     :「かしこまりました」
 片桐     :「……?」

[Hisasi]  ん? と
[Toyolina] 反射的に頼んでる感じ。よほど好物なんでしょう

 片桐     :「うっちゃん。好きなんじゃのう、豆くず餅」

[Hisasi]  それとなく

 淡蒲萄    :「……うん、そうみたい。豆っていうか、葛餅かな……
        :なんか、よく食べてた気がする」
 片桐     :「ほう、昔からこういう甘味処いっとったんか」

[Hisasi]  ふむ、と

 淡蒲萄    :「ううん、どっか行って、とかじゃないかな……えーっと
        :……普通に……」

[Hisasi]  ふっと何かが浮かびそうになる

 淡蒲萄    :「小さい頃……? かな……うー……出てこない」
 片桐     :「……!(ぴく)」

[Hisasi]  ちょっと目を丸くして

 片桐     :「……うっちゃん」
 淡蒲萄    :(ズキズキ)「……うん?」

[Hisasi]  で、言葉を続けようとしたときに

 店員     :「お待たせしました」

[Hisasi]  持ってくる店員w
[Toyolina] ワーイw
[Hisasi]  で、並ぶ豆くず餅
[Hisasi]  苦味のあるお抹茶


呼び覚ます味
------------


 片桐     :「うまいか?」
 淡蒲萄    :「わー。これこれ。前食べたときも……うん、オイシイ」

[Hisasi]  栗ぜんざいをつつきつつ、なんとなく、ちょっと様子を伺ってみる
[Hisasi]  あきらかに何かが違う、何かがある? 
[Toyolina] 前回ほどじゃないですけど、ゆっくり味わってます

 片桐     :「おう、こっちもうまいぞ」
 淡蒲萄    :「ここホントスゴイね……本葛だもん、これ」
 片桐     :「ほー、違いがわかるんかい。舌が肥えとるのう」

[Toyolina] 生前は普通に食べてましたからw
[Hisasi]  そしてもふもふ食べるうちに

 淡蒲萄    :「うん、その辺のとか、全然ダメ。寒天なのに杏仁豆腐み
        :たいなカンジ、あんなの(つんつんふるふる)」
 片桐     :「なるほど、本格的じゃの」

[Hisasi]  で
[Hisasi]  だんだんうっちゃんの様子が

 淡蒲萄    :「……うん……これホント大好きだった……また食べれるっ
        :て、思ってもなかった(ぐす)」
 片桐     :「……うっちゃん?」

[Hisasi]  ちょっと驚いたように

 淡蒲萄    :(ひっくひっく)「あれ、なんで、涙出てる……あはは、
        :おかしいな、美味しすぎて感動しちゃったかな」
 片桐     :「……」

[Hisasi]  ぐしぐし泣いてるうっちゃんの頭を撫でる
[Hisasi]  はたから見るとちょっとアレ
[Toyolina] 泣かせてる! みたいな

 淡蒲萄    :(黙って撫でられてる。ちょっとずつ落ち着いてきた)
 片桐     :「……大丈夫か?」
 淡蒲萄    :「うん……だいじょぶ……一つ……一つね、思い出した」
 片桐     :「なにをじゃ?」

[Hisasi]  できるだけ優しい声で

 淡蒲萄    :「たぶん、小さい頃……これ、大好きで、よく食べてた。
        :それで……たぶん、最期に、これ食べたいなあって……
        :思いながら、死んだって」
 片桐     :「……」

[Hisasi]  こんなとき、どうやって慰めたらええのか
[Hisasi]  よしよし可哀想やったと抱きしめて撫でてやるべきなのか
[Hisasi]  ただ頷いてあげるべきなのか
[Hisasi]  それとも触れないようにしてあげるべきなのか

 片桐     :「……そうやったんか」

[Hisasi]  ぽむ、っと頭撫でたまま
[Hisasi]  とりあえず今日一日は甘やかしてやろうと思いました

 淡蒲萄    :「……うん、だから、さっきのは、すごい嬉しかった……
        :たぶん」
 片桐     :「……辛かったことなんじゃろな。でも、こーやって思い
        :出して、嬉しかったんじゃろ」
 淡蒲萄    :「……きっとそう。でも……あ、いいや、ヘンなことは、
        :思い出したくないし」
 片桐     :「おう、そうじゃの。ムリせんでええわい」

 淡蒲萄    :「うん……また泣いたりして、ギリちゃん心配させたりし
        :たくないし……(えへへ)」
 片桐     :「あほう、しらんとこで泣かれるほうが心配じゃ」
 淡蒲萄    :「……大丈夫、勝手に泣いたりしないから……たぶん」

 片桐     :「おう。言っとくがのう、ワシに遠慮なんぞいらんわい」
 淡蒲萄    :「……え」
 片桐     :「仲間じゃろ」

[Hisasi]  娘といいきるにはちょっと
[Toyolina] いろいろ解釈出来る

 淡蒲萄    :「……うん、ありがと……仲間……うん」

[Toyolina] いろいろかみしめてイイ方向に解釈しました。娘より近いぜ! と
[Hisasi]  うむ
[Hisasi]  むしろ
[Hisasi]  相棒? 
[Toyolina] 相棒キタコレ

[Hisasi]  で、おいしく食べて
[Hisasi]  出際に、一度お店を振り返ってみる。二人で

 淡蒲萄    :「……たぶん、こんなカンジの家に住んでたんだ、きっとね」
 片桐     :「……そうか」

[Hisasi]  昔風の建物
[Hisasi]  風情のある
[Hisasi]  着物を着て
[Toyolina] なんせ大正末期〜昭和初期
[Toyolina] 縁側で葛餅を食べる
[Hisasi]  お母さんとお父さんがいて
[Hisasi]  お母さんのお手製の葛餅を
[Toyolina] そんな感じ。お母さんはお父さんの奥さんではなかったのでしたが、
      それはさておき。
[Hisasi]  ひぃ

 片桐     :「……」

[Hisasi]  一瞬、なんかたよりなさそげにみえて

 片桐     :(肩に手を回して)

[Hisasi]  しっかと、掴んでみる。

 淡蒲萄    :「わ。な、何?」

[Toyolina] 不意打ち。ちょっとドキっとした

 片桐     :「はは、なんかのう……一瞬、消えそうな気がしてな」

[Hisasi]  うっちゃんがな

 淡蒲萄    :「消える……勝手に消えたりしないよ」
 片桐     :「そうじゃな……ワシも」

[Hisasi]  どこにもいったりせんわい、と。
[Hisasi]  で、ひょいと手を離して

 片桐     :「いこかい」
 淡蒲萄    :「うん、ごちそうさま」

[Hisasi]  そのまま手を回してとは、いかないのが久志くおりてぃ
[Toyolina] 手を取ったりしないのもうっちゃんクォリティ
[Hisasi]  この距離がおいしい
[Hisasi]  こんな感じでしめてみる
[Toyolina] アリガトウございました、お疲れ様ッス
[Hisasi]  おー


おまけ
------


[Hisasi]  微妙にうっちゃんの心を揺らしてみる
[Toyolina] 空っぽだった何かにいろいろ入ってくるカンジ
[Hisasi]  そしてだんだん満たされていって

[Hisasi]  そこに現れるパパ
[Hisasi]  (そして悲しい戦いが)
[Toyolina] へへへ
[Toyolina] 光郎を黙認してたのとは事情が違いますからね
[Hisasi]  なんせ歳もとらない
[Toyolina] ええ
[Hisasi]  そして水を追う側
[Toyolina] 色々と、持って行かれると困る相手

[Hisasi]  ちょ! なんかバッドエンド方向に!? 
[Hisasi]  へるみぎーの呪いが!? 
[Toyolina] そんなw

[Toyolina] 私のために争わないで、とはならないのでどっちかにつくか、つ
      きたくてもつけなくなります
[TK-Sleep] そこを乗り越えてこそのハッピーエンドですよ
[Toyolina] ええ、ハッピー向かう予定ではおります。パパは悪役。
[Hisasi]  つまりパパを倒していけと
[Hisasi]  (アレ?)

 #こうろぜん :「フハハハ、我が最初にして最愛の娘をほしいとかいう命
        :知らずは貴様かーッ」

[Toyolina] こんな人だったら倒すのになんの迷いも要らないんですけどね
[TK-Sleep] まず話し合おうよう

 #かたぎり  :「どやかましい! このロリコンエロオヤジ!」
        :>アンタが言えることじゃありませんよ!? 

[Toyolina] 話し合いますよ、とりあえず最初は。
[Toyolina] だって紳士。
[Hisasi]  うむ
[Toyolina] (エロでロリだけど)
[Hisasi]  (ガチかいw)
[Toyolina] (一応理由はあるんですけど、端から見るとそんな評判になるこ
      と間違いなし)
[Toyolina] でもアレです、女の取り合いのレベルの話になると、争いは避け
      られない気がします。ほかは妥協できても


時系列と舞台
------------
2007年2月初旬頃


解説
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少しだけ記憶が戻った。ほんの少しだけ。


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Toyolina



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