[KATARIBE 30656] [HA06P] (J) アラかの!

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Date: Thu, 18 Jan 2007 23:02:44 +0900
From: Subject: [KATARIBE 30656] [HA06P] (J) アラかの!
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[HA06P] (J) アラかの!
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登場人物
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 橋本芳弘  主人公
 途奥 彗  主人公の従姉妹。妹キャラ
 大木和枝  幼なじみ。けしからんキャラ


 ※(J)です。キャラクター設定どころか舞台設定からして正史とは違います。


冒頭によくあるモノローグ
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 彼の名は橋本芳弘。なんの変哲もない中学二年生の武闘派少年だ。
 どれくらい変哲がないかというと、幼なじみがいて、猫耳の生えた従姉妹の
女の子がいて、家にメイドロボがいて、クラスメイトの女子とやたら仲が良い、
そんな程度。幼なじみは毎朝お迎えに来てくれるし、従姉妹の女の子はことあ
る毎に彼の部屋にあがりこんでは泊まって行ったりする。メイドロボはいつも
優しい僕っ子だけど、黒くて憎いGを見かけるたびに、台所を超電磁ナントカ
砲で吹き飛ばす。
 そんな平穏かつ平凡で単調な毎日の繰り返しに、彼の邪気眼がそろそろ覚醒
しそうな、そんなある朝のことだった。


めざめの朝
----------


 芳弘     :(ふぁー)

 ベッドの中で大あくび。続いて伸び。いつもこの時間に目が覚める。なにせ
小学校入学から欠かしたことのない朝の鍛錬の時間。
 二度寝とは無縁な健康優良武闘派少年、それが彼、橋本芳弘だ。

 芳弘     :(またこいつベッドに潜ってきてるし。いい加減オトナになっ
        :てほしいよな、いろんな意味で)

 彼の枕を奪い取って、抱きしめたまま丸まって眠っているのは、途奥彗。芳
弘の母方の従姉妹だ。母親の妹の子供なので、名字が全然違うけれど、家はか
なりのご近所さん。ついでに同じ中学の同学年で同じクラス。芳弘のことを、
なぜかお兄ちゃんと呼ぶ。学校内でも平気で呼ぶので、正直恥ずかしい。

 彗      :「お兄ちゃん、お腹空いたよぉ……」

 ベタ過ぎるにも程がある寝言。彼女の最大の特徴である猫耳は、ぴったりと
伏せられている。なぜ生えているのかは、不明。物心ついたころにはもう生え
ていたし、親戚一同気にした様子もないので、放ったままにしている。

 おおかた、お菓子を食べ過ぎてなくなってしまった夢でもみているんだろう。
 夢の話なので、とりあえず飢えさせておくことにする。トレーニングの方が
大事だし。
 異変に気付いたのは、この時だった。

 芳弘     :(こいつ、背が伸びたか?)

 彗は、正直同学年とは思えないほど、心身ともに幼い。整列すれば先頭だし、
もちろん体型も超フラットだ。だからこそ、お兄ちゃんなんて呼ばれても違和
感が全然ないのだが、それはまた別の話で。

 芳弘     :(いい加減、泊まりにくるの止めさせないとなあ)

 ひとまず、ベッドから起きることにする。受け身の練習をかねて、いつもの
ように転がり下りようとして……3メートルほど落下したような衝撃を受けた。

 芳弘     :(いてーっ!!)

 背中を痛打。しかし日頃の鍛錬に感謝。痛いだけで骨をやったりはしていな
いようだ。

 芳弘     :(どうなってんだよ)

 一通り具合を確かめてから、ベッドを見上げる。文字通り。
 身長の倍くらいの高さがあるように思えた。

 芳弘     :(なんだよこれ。意味わかんねえ)


邪念の導き
----------


 ?      :(どうだ、オレからのギフトは。気に入ったか、ヒャヒャヒャ)
 芳弘     :(誰だっ)
 芳弘の邪念  :(オレはお前の邪なエロ心から生まれた悪魔、ダエラルク。
        :魔界じゃピンクのダエぽんと親しまれてるナイスガイだ)

 芳弘     :(ハァ? 邪? 悪魔? 魔界? 中二病かお前)
 芳弘の邪念  :(リアル中2から生まれたんだから、中二病には違いないな。
        :そんなことより、寝起きに鏡見る癖つけた方がいいぞ、寝癖
        :直さずに学校行っちゃったりしちゃってんじゃねーのお前)
 芳弘     :(んなこと言ったって、鏡ないんだからしょうがねーだろ!!)

 姿が見えない中二の自称化身は放置して、洗面所に向かおうとして。
 やっと芳弘は違和感に気付いた。

 芳弘の邪念  :(視線が低い)
 芳弘     :(それだけじゃない、ドアが遠いぞ)
 芳弘の邪念  :(ついでに部屋も広くしてやった。感謝してくれ)
 芳弘     :(お前いいヤツなんだな、実は†聖☆堕天使†とか矛盾しま
        :くりな存在なんじゃねーの)
 芳弘の邪念  :(お前のバカさ加減にはダエぽん情けなくて涙でてブルァァ)

 なぜか若本ボイスで語尾を巻くダエぽん。

 芳弘の邪念  :(お前の携帯借りるぞ)

 どうやっているのかは解らないが、とにかく写真を撮って見せてくる。
 そこには、フェレットが写っていた。

 芳弘     :(ペット自慢かよ、きめぇ)
 芳弘の邪念  :(お前のそのアホさは、才能もんだな。今撮りでペットの写真
        :なんか写せるわけねーだろ。これ、お前wwwww)
 芳弘     :(・д・)
 芳弘の邪念  :(アホ面激写)
 芳弘     :(今なんつった、それ、オレなのか?)
 芳弘の邪念  :(冴えない空手バカ一代に、ささやかなプレゼントだぜ。
        :使い方はお前次第だ。安心しろ、一生そのままってわけじゃ
        :ねぇ)
 芳弘     :(いや、そこまで聞いてないし)
 芳弘の邪念  :(巻いてんだよ、察しろバカ!)

 そして。
 フェレットになってしまったこと、一度変身してしまうと、小一時間経過する
か、ある条件を満たさないと人間に戻れないこと。
 芳弘がようやく、ご都合主義的な設定だらけの自らの状況を把握したその時。
 お約束的に、ベッドで空腹を訴えていた従姉妹が目を覚ましたのだった。

 彗      :「んぅ、おはよー、お兄ちゃん」
 芳弘     :(やべえ、彗が起きたじゃねえか! どうしたらいいんだよ!)

 とりあえず慌てふためいて、その場でぐるぐる回り出す芳弘。

 芳弘の邪念  :(落ち着け。冷静に、条件を満たすんだ。ヨッシー、お前なら
        :出来る!)
 芳弘     :(お、おう!)

 まだ薄目を開けただけでぼんやりしている彗の元に、芳弘はゆっくりと歩を
進めていく。


チュートリアル
--------------


 彗      :「あ、フェレット。フェレットだ。おいで?」
 芳弘     :(最初が彗なんて、ついてねえな。どうせだったら……)

 けしからん体の持ち主である幼なじみを想像する芳弘。
 ベッドに飛び上がると、その場でお座り姿勢をとって、彗の様子を伺う。

 彗      :「お座り出来るんだ、賢いね。お兄ちゃんが飼ってるのかな」

 手慣れた様子で持ち上げて、胸元で抱く彗。

 芳弘     :(彗みたいなガキじゃ嬉しくないんだけどなあ)
 彗      :「わー、暖かい。ふかふかしてる。いいなあいいなあ」

 抱き上げたまま頬ずりする彗。

 芳弘の邪念  :(ほほえましい光景じゃねえか)
 芳弘     :(うっせー! オレはこんなガキには興味ねーんだよ!)
 芳弘の邪念  :(なに、ツンデレ+若紫の新ジャンル?)
 芳弘     :(ちがー!)

 彗      :「よし、わたし今日は学校休む。お兄ちゃんのフェレットと
        :一日遊ぶんだー」
 芳弘     :(なに、何いってんだこのヴァカ! 登校拒否すんな!)
 彗      :「まずは気怠い昼前のお目覚めごっこしよう? おやすみv」

 胸元で抱いたまま、再び芳弘のベッドに潜り込む彗。

 芳弘の邪念  :(よかったじゃねえか、いきなりベッドイン。大丈夫、従姉妹
        :は結婚出来るし)
 芳弘     :(け、け、結婚?)

 どくどくどくどく。
 まさに鼓動が早鐘。結婚の二文字で、さっきまでガキだと思っていた従姉妹を
意識し始める。これでこそ主人公。

 芳弘の邪念  :(ああ、言い忘れてた。知ってたか、心臓の動く回数って、
        :大体決まってるんだってよ)
 芳弘     :(そ、そ、そ、それがどうしたってんだよ)
 芳弘の邪念  :(体の小さい動物ってさあ、心臓の負荷が小さいから、すぐ
        :心拍数上がっちゃうんだって。だから寿命が短いって、こ
        :の前テレビで見たぜ)
 芳弘     :(な、な、なんだってー!!!!)
 芳弘の邪念  :(早く元の姿に戻らないと、死んじゃうかもなクククク)
 芳弘     :(ぐああああああ!! ど、ど、どうすりゃ戻れるんだっけ)
 芳弘の邪念  :(もう忘れたのか? しょうがねえやつだ、今回だけだぞ)
 芳弘     :(早く教えてッ)

 芳弘の邪念  :(カメラ目線)(いいか、画面左上のハート型のゲージが、
        :バクバク言い出してやばいことになってきたら……落ち着
        :いてYボタンを押すんだ。そうすると「なぜか」メモ帳が
        :開くから、あわてずメモを取るんだ。発見したことについ
        :て……カンタンだろ?)

 芳弘     :(は、発見したこと……発見したこと……何もねえよ!?)
 芳弘の邪念  :(よく観察するんだ。タッチペンでカーソルを動かして)
 芳弘     :(タッチペンなんてないんだけど!?)
 芳弘の邪念  :(メタ発言にツッコミいれんじゃねえ!! おまえはバカだ。
        :バカには見えないタッチペンなんだよ、わかったらロリな
        :従姉妹を観察する仕事に戻るんだ)
 芳弘     :(か、か、か、観察ッ!?)

 それから数分かけて、芳弘はロリな従姉妹を観察した。

 芳弘     :(と、と、とにかく書けばいいんだな?)
 芳弘の邪念  :(おう。死んでもいいってんなら書かなくてもいいんだぜ)
 芳弘     :(くッ……ね、寝顔が割とカワイイ)
 芳弘の邪念  :(書けるのは一回の変身につき一度だけだからな。しょうも
        :ない発見ばっかり書いてると、フラグが立たずにENDが
        :しょぼくなるって寸法だ。わかりやすいだろ)
 芳弘     :(フラグって何だよ!? それにおまえどっち向いてしゃべっ
        :てるんだ?)
 芳弘の邪念  :(だからメタ発言につっこむなって言ってんだろうが、この
        :スットコドッコイ!)

 ともあれ、条件を満たしたので、無事に人間の姿に戻ることが出来た。
 その場で。

 芳弘     :「やっと戻れ……ぬな!?」
 彗      :(ぎゅう)

 当然。抱きしめられていたんですから。
 今もしっかりと、胸元に抱きついている状態。美味しすぎ。

 芳弘     :「は、は、離れ……うおわ!?」

 ゆっくり引き離そうとして、肩のあたりをつかむ芳弘。
 従姉妹のさわり心地の柔らかさに思わず硬直する。

 芳弘     :「こ、これ、これはッ!?」
 芳弘の邪念  :(女子ってのは、知らない間にすっかり成長して、ぼーっ
        :としてる間に男子の300倍くらいオトナになってるもんなん
        :だよ。わかったか? 親切なオレに感謝しろよ。その力、
        :大切に使うんだぜ? じゃあな、バッドラック)


登校風景
--------


 芳弘     :「はぁ……なんだったんだあの夢は」
 彗      :「お兄ちゃん、お腹すいてるからそんな妄想しちゃうんだよ」

 どこで手に入れてきたのか、ハニーうまい棒蒲焼き味(静岡限定)を食べながら、
彗がもっともらしいことを言う。

 彗      :「ほら、お弁当三つあるから、一個あげる。早弁してね」
 芳弘     :「お、おう……ありがと」
 カズエ    :「おはよう、よしくん、トオクさん、今日も仲よしだね」
 芳弘     :(どきーん)

 にこ、と曰くありげな笑みを浮かべて肩をたたいてきたのは、幼なじみの大
木和枝だ。同学年で同じクラス、ご都合主義の権化のような彼女は、年齢を逸
脱したダイナマイトとして、校内外問わず有名だったりする。

 芳弘     :(そうか……そうだよな、あの力、本当なら……)
 和枝     :「? なに、じっと見つめたりして」
 芳弘     :「み、み、見つめたりなんか!?」
 和枝     :「あっやしぃ。そんなキョドってたら、トオクさんに見捨て
        :られちゃうぞ?」
 芳弘     :「ち、ち、ちが!!! オレは……」
 和枝     :「今日、日直だから、また後でね」

 小さく手を振って、早足で歩いていく。
 そんな後ろ姿を見て、芳弘は決意を新たにするのだった。

 芳弘     :(オレは、この力で……カ、カズ……ごほん……和枝と、
        :恋人同士になってやる!)

 ゴゴゴゴゴ。
 路上で一人握り拳の芳弘。

 彗      :(カメラ目線)「こうして、お兄ちゃんの新しい一年が始まっ
        :たのでした」

 そしてオープニングムービー(リアルタイムレンダリング)が流れ、本編が
始まるのだった。


解説
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アラかの!  http://hiki.kataribe.jp/HA06/?AllianceNaKanojo




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