[KATARIBE 30593] [HA21L] チャットログ『同期、二人』

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Date: Fri, 5 Jan 2007 19:08:07 +0900 (JST)
From: Subject: [KATARIBE 30593] [HA21L] チャットログ『同期、二人』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200701051008.TAA69488@www.mahoroba.ne.jp>
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Web:	http://kataribe.com/HA/21/
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2007年01月05日:19時08分07秒
Sub:[HA21L]チャットログ『同期、二人』:
From:久志


 久志です。
溜まったログをざこざこ流します。

-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
チャットログ『同期、二人』
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登場人物
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 片桐壮平(かたぎり・そうへい)
     :吹利県警巡査、魂の無い不死身の男。
 相羽尚吾(あいば・しょうご)
     :吹利県警巡査、ヤク避け相羽。片桐の同期。

たまには
--------

 吹利県警、屋上。

 片桐     :「…………」>煙草くわえて、ぼんやり景色を見てる 
 SE     :かつん 
 相羽     :「いよう、ギリちゃん」 
 片桐     :「……なんじゃ、おのれか」 
 相羽     :「色々、あったって聞いたけど」 

[Hisasi] #向かい合って立つ 

 片桐     :「……おう」 
 相羽     :「ギリちゃんさあ、世話焼きはいいけど……自分のことも
        :何とかしたら?」 
 片桐     :「ぬかせボケが」 

 境界線。
 日常から転がり落ちた男。
 深い傷から生還した男。

 片桐     :「……厄介なモンに関わったもんじゃ」 
 相羽     :「そう」 

[Hisasi] #でもその場から近づかない 

 片桐     :「おう」 
 相羽     :「……ねぇ、ギリちゃん」 
 片桐     :「……なんじゃ」 
 相羽     :「ギリちゃん、俺のこと危なっかしい奴だって思って
        :たしょ」 
 片桐     :「そうじゃのう、あほみたいに死も恐れんとつっぱしりま
        :くる奴じゃ、見ていてあぶなっかしいわい」 
 相羽     :「それ、自分のこと?」<くくっと 
 片桐     :「……それもそうじゃの」>自嘲しつつ 
 相羽     :「……部署、変わったんだって?」 
 片桐     :「おう」 

[Hisasi] #ちらっとみて 

 相羽     :「……史んとことも、微妙に違うらしいね」 
 片桐     :「…………」 

[Hisasi] #答えられない 

 相羽     :(小さく俯いて笑う)>事情はわかってる 
 片桐     :「……相羽」 
 相羽     :「何?」 
 片桐     :「……世の中、知りたくも無い世界なんぞ、いくらでもあ
        :るもんじゃのう」 
 相羽     :「そだね」

 肩をすくめて。

 相羽     :「散々、見てきたつもりだったけど……」 
 片桐     :「……ワシがおらんでも、豆柴の坊主や波佐間のボンが逞
        :しくなってきよったしのう」 
 相羽     :「お子様大人気だからねえ(くすくす)」 
 片桐     :「そうじゃの……つぶれんように、がんばってほしいもん
        :じゃの」

 小さく笑って。

 片桐     :「ガキっちゅーもんは、難しいもんじゃ」 
 相羽     :「ギリちゃん。子供ってのはさ、固まってないんだよ」 
 片桐     :「……ん?」 
 相羽     :「最初は液体みたいにキチンと形もとれない、頼りないも
        :んで」
        :「親っていう囲いがあって、その外側に学校っていう囲い、
        :その外側に地域とかがあって、やっと保ってられる」 
 片桐     :「液体、か。言いえて妙じゃの」 
 相羽     :「そ、囲いが狭すぎたら溢れるし、固まりきってない中で
        :囲いもない中に放りだされたら、どこに流れていくかわか
        :らない」 
 片桐     :「…………そう、じゃの」 
 相羽     :「だからさ、ある程度は親とか学校とかそいういう型の中
        :で色んなモン学んで自分が固まるのを待ってから、もっと
        :広いとこへと流れてく。ゆとりってもさあ、なんもないだ
        :たっ広い中にまだ固まりきってないガキ放り出してさあ、
        :思うほうへゆけっつても、どこに行ったらいいかわかんな
        :いよ」 
 片桐     :「……」 
 相羽     :「どこんでも流れてっちゃうし、そら楽なほうや面白い方
        :へとざあざあ流れていっちゃうよ」
 相羽     :「どんだけ囲いをしっかりしたって、当の自分自身を固め
        :る材料がなかったら意味なんて無いし、固める材料があっ
        :たって、囲いがなくてどこにでも流れ放題だったら、そも
        :固めるだけの余裕を持てない」 
 片桐     :「境界、か。保つ為の」 
 相羽     :「そ」 
 片桐     :「おのれにしては珍しく、哲学的じゃの」 
 相羽     :「で、固まりすぎて融通がきかなくなるのがこのおっさん
        :みたいなの」 
 片桐     :「……貴様もおっさんじゃぼけが」 

 #まほ    :(おっさんじゃないもんっ)<影の声 

 相羽     :「ギリちゃん、頑固だからさあ」 
 片桐     :「…………」 
 相羽     :「少しは柔らかくなってもいいんじゃないの?」 
 片桐     :「変わったのう……相羽」 
 相羽     :「そだね、自分でもそう思う」 
 相羽     :「でも、俺。変わって良かったと思うね」 
 片桐     :「……そうか」 
 相羽     :「嫁可愛いし、いいよ、嫁さんいる生活」 
 片桐     :「…………やかましい」 
 相羽     :「ギリちゃん……もう、引きずるのやめたら?」 
 片桐     :「…………」 

[Hisasi] #一旦止まる 

 片桐     :「…………そう簡単にはいかんわい」 
 相羽     :「…………そう」 
 片桐     :「もう行くわ、またのう」 

[Hisasi] #かつかつと 
[Hisasi] #屋上から階段へと 
[ER] ##ふに 
[Hisasi] #消える 

 相羽     :「…………(ふぅ)」 

[Hisasi] #小さく、溜息をつく 
[Hisasi] ---- 
[Hisasi] 日常から転がり落ちたギリちゃん 
[ER] うみゅ 
[Hisasi] へし折れて日常に帰れた先輩


時系列と舞台
------------
 http://kataribe.com/IRC/KA-04/2006/12/20061226.html#220000
 2006年12月頃。
解説 
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 転がり落ちた者、片桐。生還できた者、相羽。二人の違い。
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
以上。



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