[KATARIBE 30535] [HA06L]「過去よりのもの4-バーソロミューの領主-」

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Date: Sat, 23 Dec 2006 14:52:54 +0900
From: Subject: [KATARIBE 30535] [HA06L]「過去よりのもの4-バーソロミューの領主-」
To: "kataribe-ml@trpg.net" <kataribe-ml@trpg.net>
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Web:	http://kataribe.com/HA/06/L/
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 そんな感じで流します。

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「過去よりのもの4-バーソロミューの領主-」
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バーソロミューの魔術師
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[TK-Leana] ひさにゃあいてる?
[Hisasi]  あいてるよ
[TK-Leana] ドイツ編を進めようと思いますがいいですか
[Hisasi]  おけ
[Hisasi]  お城の弟子のヒトに聞きに行こう

 メイド    :「こちらです」
 朱敏@狼   :『……はい』
 メイド    :「あらかじめ言っておきますが身の安全は保障しません」
 朱敏@狼   :『……了解、しました』

[Hisasi]  #てふてふ
[Hisasi]  #うひーとか思いつつ
[Tihiro]  #わーすてきはつげんw>保障しません
[Hisasi]  #とことこと案内されるままに

 メイド    :「ロード・バルトロメイ。お客様をお連れしました」
 朱敏@狼   :『……』>きんちょー
 声@扉の向こう:「私にかね?」
 メイド    :「はい。日本から、侯爵のお弟子のことについて調べに来
        :たそうです」
 声@扉の向こう:「おお、日本から。私はあのミステリアスな国が好きなの
        :だよ。入りたまえ」
 メイド    :(扉を開ける)「どうぞ」
 朱敏@狼   :『えーと、失礼します』

[Hisasi]  #のそのそ
[Hisasi]  #入っていって、ちょこんと座って一礼

 バルトロメイ :「犬かね」
 朱敏@狼   :『あ、いえ……一応、人狼です。日本からきました橋本朱
        :敏といいます、はい』
 バルトロメイ :「これは意表をつかれた! はるばる東の果てより私を訪
        :ねてきた客人が犬とは! このような体験、数えるのも面
        :倒なほど生きているこの私をして初めてだ」
 朱敏@狼   :『あのー、狼、なんです、ケド』
 バルトロメイ :「知らんのか。狼はイヌ科だ」
 朱敏@狼   :『えーーーと、その、それより、あの、お聞きしたいこと
        :が、ありまして、はい』
 バルトロメイ :「まあ良い。言ってみなさい」
 朱敏@狼   :『……はい』

[Hisasi]  #かくかくしかじかと
[Hisasi]  #『坩堝』と呼ばれた男について
[Hisasi]  #聞いてみる

 朱敏@狼   :『友人、てうか。まあ友人が……そいつに連れ去られって
        :しまって』
 バルトロメイ :「坩堝か。ふむ、あれか。妙なことを言う。坩堝は既に滅
        :びている筈だ」
 朱敏@狼   :『……いえ、よみがえって、今は赤眼と名乗っているらし
        :い、です』
 バルトロメイ :「あれは我々の中でも、最も師に近いものであった。娘で
        :あったディミトリアさまよりもなお、その在り様が似てい
        :た。窮極に至る為の機械のような、愚直な男であった。そ
        :のようにしかなれぬ存在であった」
 朱敏@狼   :『……は、はい』>なんかよくわかんないなーとか思いつつ

 バルトロメイ :「赤眼か、聞き及んでおる。時に君は、名前というものを
        :どう考えるかね?」
 朱敏@狼   :『えーと、自分だけのもの?』
 バルトロメイ :「そう、名前とはそのものを顕すものだ。名前を持つもの
        :は、名前を占有するがゆえに、名前に占有される。坩堝が
        :赤眼になったというなら、それは最早坩堝とは言えまい」
 朱敏@狼   :『……それは、そうかもしれないっすけど。あいつにやら
        :れた結夜の奴も、ちゃんと名前ある奴なんすよ。赤眼とか
        :ゆーやつに好き勝手に言いようにされるのいやなんすよね』
 朱敏@狼   :『えーと、お願いシマス。その坩堝……赤眼の能力とか、
        :あれこれとかそういうの調べたいんですよ、教えてもらえ
        :ませんか』
 バルトロメイ :「ふむ、意味を履き違えられた気もするがまあ良かろう。
        :それも一興。坩堝ならともかく、赤眼がどのような力を有
        :するものかは私も知らぬ」
 朱敏@狼   :『はい、ええ、とりあえず、関わる情報ならなんでも』
 バルトロメイ :「坩堝は、その名の通り坩堝であったものだ」
 朱敏@狼   :『……坩堝』

[Hisasi]  #色々ごたごたと

 朱敏@狼   :『……溶かしたりまぜたり』
 バルトロメイ :「我らローテンフェルトの足跡たるイモータルは、血液の
        :交換による交感から生まれるものだ」
 朱敏@狼   :『……吸ったり吸われたりの』
 バルトロメイ :「元はキメラの繋ぎとして作られたそれは、魂を親和させ
        :る作用がある。吸血により感染するのは、生者の魂に対し
        :絶対的な死が混ざりこむことにより、身体構造が変容する
        :からである」
 バルトロメイ :「坩堝は、呑み尽くすものであった」
 朱敏@狼   :『……えーと』>頭がぐるぐるしてきた
 朱敏@狼   :『どんどん飲み込んで混ざって変化してった、て、こと、
        :ですか』
 バルトロメイ :「そうだ。彼は、ありとあらゆる魂を自らのうちに煮詰め
        :ることで、いずれ完全な存在に至るとし、無闇に人を呑み
        :続けたものであった」
 朱敏@狼   :『……そして、どーなったんですか?』
 バルトロメイ :「失敗だった。霊体のフラクタル構造化により、完全な不
        :死を手に入れたものの、それ以上に至ることは無かった。
        :完成してしまった以上、それより先は無い」
 朱敏@狼   :『滅されたのは……そこら辺が原因だったんすか?』
 バルトロメイ :「それは関係ない。いや、関係はあるかも知れぬ。真に完
        :成したものであれば、確かに滅ぼされることなどありえな
        :いのだから」
 朱敏@狼   :『うーむ』
 バルトロメイ :「聞きたいことはそれだけかね」
 朱敏@狼   :『……ええと、坩堝さんのこと、ですねえ』

女王と赤眼
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 そこで、ふと朱敏は思い出す。
 赤眼は女王の騎士だと、銀眼はそう言っていた。女王とはいったい如何なる
ものなのだろうか?

 バルトロメイ :「名にしおうかの女王陛下についてか。私は直接会ったこ
        :とはないが、女王のあだ名にそぐわぬたいそうな女傑だと
        :聞き及んでおる」
 バルトロメイ :「はて、坩堝とかの女王が直接に対決したという話を聞い
        :たことはないが」
 朱敏@狼   :「……なるほど」

 朱敏@狼   :「……一応今は女王さんに忠誠を誓ってる、はず、なんで
        :すけどね。色々聞いてると、忠誠尽くしそうな人に見えな
        :いあたり、こー」
 バルトロメイ :「それが坩堝であるならありえん話だ。つまり、それは赤
        :眼であるということなのだろう」
 朱敏@狼   :「滅されて、生まれ変わった……」
 朱敏@狼   :「あ、そういえば結夜……あ、いや、金眼さんて人は知っ
        :てます?」
 バルトロメイ :「金眼? というと、十三番目の血族か」
 朱敏@狼   :「えーと、赤眼って人が連れ去った……いや元は一緒なの
        :かな」
 朱敏@狼   :「……赤眼と金眼と争って……で、赤眼が負けて、滅ぼさ
        :れた……らしい、とも」
 バルトロメイ :「ふむ、そういえばあれは、あのまがい物の聖杯騒動で坩
        :堝とともに滅びたのだったな。すると君が言っているのは、
        :名を継いだという未完の者についてか」
 朱敏@狼   :「……聖杯騒動?」
 朱敏@狼   :「えーと、聖杯騒動ってなんですか?」
 バルトロメイ :「詳しくは知らぬが、師が遺した何かの実験であったと聞
        :く。飲み干されるべき杯と、飲み干すべく運命付けられた
        :ものを設置し、完成に至ることで完結した存在を作ろうと
        :いう実験だったそうだが、それに何の意味があったのかは
        :師亡き今、わからぬ」
 朱敏@狼   :「……その時に、金眼さん坩堝さんも……滅びた?」
 バルトロメイ :「或いは疫病と坩堝は知っていたのかも知れぬな。きゃつ
        :らは進んであの戦場に赴き、結果敗退したものだから」
 朱敏@狼   :「その実験のことで、師匠さん以外に詳しく知ってる人と
        :かいます?」
 バルトロメイ :「……君は今の話を聞いていたのかね。疫病か、或いは坩
        :堝くらいだ」
 朱敏@狼   :「……うーん」
 バルトロメイ :「あの実験の起こる際、何かしらの動向を見せたのはあの
        :二人だけであったのだから」
 朱敏@狼   :「他には誰も?」
 バルトロメイ :「くどい」
 朱敏@狼   :「なんかひっかかるなあ……飲み干されるべき杯と飲み干
        :すべく運命づけられたもの……」
 朱敏@狼   :「えーと、ありがとうございました……うーむ」
 バルトロメイ :「結果として、実験は失敗したのだということは聞いてい
        :る。であるから、あれは未完の者なのだ」
 朱敏@狼   :「でも、もう安定しちゃったですよね、坩堝さんて」
 朱敏@狼   :「色々吸って」
 バルトロメイ :「うむ?」
 バルトロメイ :「なにやら誤解があったようだが、まあいい」
 朱敏@狼   :「完全な不死を手にいれて、それ以上になれなかった……
        :て」
 朱敏@狼   :「……でも完全じゃないから滅びた……」
 バルトロメイ :「飲み干すべく運命付けられたものとは、今の未完の者の
        :ことであるぞ。つまり、君の言うところの金眼だ」
 朱敏@狼   :「え……あ、金眼さんが……」
 朱敏@狼   :「じゃあ飲み干されるべき杯が」
 朱敏@狼   :「……坩堝さん?」
 バルトロメイ :「君に読解力がないのか、私に教師としての才能がないの
        :か……なんにしても、世の中は嘆くべきことで満ちている
        :ようだ」

[Hisasi]  #恐らく朱敏の読解力
[TK-Leana] #その後懇々と、小一時間説教されました
[TK-Leana] #バルトロメイの語るところによると
[TK-Leana] #そもそも師が時限式で仕掛けていた実験を、坩堝と疫病の二人
      がうまいこと動かしてちょろまかそうとしたんじゃないかという
      話です。
[Hisasi]  #うに
[TK-Leana] #当時世間には、飲み干されるべき杯の情報だけが断片的に知れ
      渡ってしまっていて
[TK-Leana] #曰く『ローテンフェルト候が魔術的に再現したキリストの血で
      ある』とか、曰く『真の意味での不死を得るための霊薬である』
      とかいう話を聞いて、吹利にやってきた吸血鬼がわんさか
[TK-Leana] #で、なんやかんや奪い合いした結果杯はどっかのオカルト的騎
      士修道会が、飲み干すものはSRAが保護したのだとか
[TK-Leana] #結局飲み干されることなく、この実験は完結しなかったのでバ
      ルトロメイは未完の者と呼んだわけです。
[TK-Leana] #で、坩堝さんの死に様についてはバルトロメイは知らない。

 朱敏@狼   :「…………なるほど」


 バルトロメイ :「なにか、一生分の忍耐力を使い切ってしまったような気
        :がしてならないのだが。どうかね、君。どう思うかね?」
 朱敏@狼   :「……えーと、俺よく言われます」

[Hisasi]  #そうじゃねえ

 バルトロメイ ::(脱力した様子)
 バルトロメイ :「私をここまで疲れさせるとは君、それはもう才能だよ」
 朱敏@狼   :「あ、えーと。でも本当助かりました。なんとか結夜……
        :えーと金眼を助ける為に役立てるつもりです、はい」

[Hisasi]  #一応殊勝に

 バルトロメイ :「つまり、聞きたいことはそれだけかね」
 朱敏@狼   :「はい」
 バルトロメイ :「では。次は私の番だ」
 朱敏@狼   :「え、はい。なんでしょう」
 バルトロメイ :「なに、なんでもないよ。君はただ寝ていればいいだけ
        :だ」(パチン)

[TK-Leana] #突如金縛り

 朱敏@狼   :(びし)
 朱敏@狼   :(ぐぇぇ)
 バルトロメイ :「一目見て思ったのだが、君は城下の犬どもとは毛色が異
        :なるようだ。実に興味深い。ニホンの狼なのかな? 獣化
        :のプロセスにも違いが見られそうだ」
 朱敏@狼   :(あがが)

[Hisasi]  #今はなきニホンオオカミ

 バルトロメイ :「心配することはない。すこし解剖するだけだ。多分、脳
        :は触らないから安心したまえ」
 朱敏@狼   :(みぎゃーーーー)

[TK-Leana] フェードアウト


時系列と舞台
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 2006年12月4日、ドイツはローテンフェルトの城、地下深くにて。

解説
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 いろいろと情報を集める朱敏。


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