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Date: Thu, 21 Dec 2006 13:23:33 +0900
From: Subject: [KATARIBE 30521] [HA] 高技能値狭間イメージ断片その6
To: kataribe-ml <kataribe-ml@trpg.net>
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日中に流す。ワル。
桜井さんが久志さんに乗っかったので、さらにその上に乗っかってみた。
僕たち仲良し。
[HA] 高技能値狭間イメージ断片その6
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シーン案1 明け方の店
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初老の男が、カウンターに一人。
客はおらず、ただグラスを磨き、時折杯を傾ける。
夜明けまではもう、一時間も残っていない。
しかし、男は一向に片付けにかかろうとはしなかった。
カチリ
カウンターの隅に置かれた時計。長針が六度進んだ。
ちらりと、もう何時間も開いていない扉に目をやる。
トントン
とても小さく、か細いノックの音。
「いらっしゃいませ」
手を止めて、扉の向こうに声をかける。
ゆっくりと、20センチほど開いて、隙間から入ってくる少女。
年の頃は15、6。時間にも、場所にも似つかわしくない。
ましてや、少女は茶色いセーラー服を着ているのだ。
「ごめん、遅くなっちゃった」
「昨日よりは七分ほど早いですよ」
「そっか、じゃあ今日は七分長く居られるね。よかった、急いできたんだ」
「それは光栄です」
日が昇るまでの僅かな時間を。
初めての夜から三十年以上、二人はこうして過ごしている。
青年だった男は年輪を重ねて、少女は少女のままで。
シーン案2 真夜中の街
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「ごちそうさま、オジサン。ちょっと脂摂りすぎだよ」
腕の中から、少女が軽やかに身を離す。
ぺろり、と舌なめずりする様は、年格好とは似つかわしくない。
不釣り合いなのは、少女も承知している。そして、それに惑わされる男が、
たくさん居ることも。
実際、少女の唇を染める赤から、男は目が離せずにいる。
「うん、今度はもうちょっと……サッパリしたのが飲みたいな」
半ば上の空で、何度も頷く男。少女より頭一つは高い。
シャツの襟口にそって、人差し指を軽くなぞらせる。
身震いする男を、上目遣いで。
少女が男に与えたのはイメージ。
カラダに流れ込む水。融け合う水。
少女が男から奪ったのは血。
ほんの数口の血。そして……
「ありがと。オジサン。また会おうね」
数枚の一万円札。
数歩、足音が遠ざかり、かき消える。
男が我に返るのは、数十分ほど後のこと。
時系列と舞台
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いつかの夜
解説
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退廃っぽいのとか、06だとダークじゃね?ってな感じのラブいのを一つ。
犯罪っぽいのも混じってますけど勘弁な。
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Toyolina
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