[KATARIBE 30516] [HA] 高技能値狭間イメージ断片その3

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Date: Wed, 20 Dec 2006 22:17:26 +0900 (JST)
From: Subject: [KATARIBE 30516] [HA] 高技能値狭間イメージ断片その3
To: kataribe-ml@trpg.net
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2006年12月20日:22時17分25秒
Sub:[HA]高技能値狭間イメージ断片その3:
From:久志


 久志です。
イメージ羅列引き続き。
猫屋さんのイメージも含めてます。

-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
高技能値狭間イメージ断片その3
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水の異界
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 SE     :パシャン

 足首まで浸った水 

 友久     :「……ちっ」 

 場所は街中、どう考えても水に満たされたこの場は不自然。

 友久     :(集中してる) 

 水面がざわざわと揺れる。揺らめくような影が浮かび上がっては消えて。

 友久     :(かっと目を見開いて) 

 飛ぶ。
 眼下の水面に浮かぶ、暗い影。
 じわじわと形作って、ぎょろりとした目、口、その中に牙。

 友久     :「歪め……」 

 目が青く光る。
 自分を中心にして、捻るように空間が曲がる。

 SE     :ざわっ 

 水面の顔が歪み 

 SE     :ぎしっ 
 友久     :「……っ!」 

 軋むような音を立てて、視界がひらける。
 友久     :(どさっ) 

 乾いた地面。
 さっきまでの水に浸された場も水面の顔も消えている。

 友久     :「……逃げたか」 

 顎をぬぐって。


魂の還る水面
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 FROZEN ROSES。
 カウンターに向かって座る女 

 狭霧     :「……原初の泉、魂の還る場所」 
 友久     :「……」 

 グラスを傾けている。

 狭霧     :「どこかにね、そんな考えをもった人がいたらしいわね」 

 からんと氷を揺らして 

 狭霧     :「グラスにお酒を注ぐように、魂の還る場所に溜まった滴
        :を注いで、人になる」 
 友久     :「それが……あの水か」 
 狭霧     :「正確にはできそこないね」 

 ことん、とグラスを置いて。

 狭霧     :「その人達が欲したのは『原初の泉』が何たるかという
        :情報。そしてそれを得るために、魂を囲う覆いを取り払っ
        :てそれを得ようとした。肉体という名の殻を剥いて、ね」 
 友久     :「……その成れの果てが……」 
 狭霧     :「そう、原初の混沌に還りそこなった、水溜りのようなもの」
 友久     :「そして、辿りつく場所も無く……彷徨っている、か」
 狭霧     :「そうね、元は……何の非もない被害者なのかもね」
 友久     :「だが、もうアレは人には戻れない」 
 狭霧     :「ええ」 
 友久     :「……元は……奴か」 
 狭霧     :「とんだ食わせ者ね」 


侵食する他界
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 深夜の廃ビル。
 耳の奥に刺し込まれてくるような耳鳴り。 
 ぐにゃり、と鉄骨が歪む──いや、風景全体が歪んでいく。 

 SE     :ちゃぷん 

 どこからか水音。 

 響慈     :「──他界が開いたか始まったか」 
 SE     :ずるり、ずるり 

 廃ビルの中心で仁王立ちする大男。
 その大男の周囲、歪む月明かりの中にできた影からぬるぬると這い上がり立
ち上がる異形。 

 響慈     :「おうさ、平らげてくれよう」 

 ぱんっ、と音を立てて両手を重ねる。
 広げれば、そこに漆黒の鋼杖。

 響慈     :「行くぞっ、砕魔童子!」 
 SE     :りぃぃん 

 男の声に応えるように、ガラス質の音が響く。
 異形の影が伸び上がり、男に襲い掛かる。


泳ぐ少女
--------

 吹利市内、人気のない地下駐車場 

 SE     :ぎぃんっ 

 少女に襲い掛かる鎧武者の男。 
 その斬撃をかろうじてかわせば、打ちっぱなしのコンクリートに青い火花が
散る。

 まな     :「ちょっとォ、もうサイアクなんですけどぉっ」 
 まな     :(勢いにまかせ、転がって距離を稼ぐ) 

 鬼の面の目の奥、昏い水底に沈む魚のような目が無表情に少女を追う。 

 まな     :「──ウザいっ、あっちいけっ!」 

 少女の声には微塵も応答はなく、淡々と鎧を鳴らし男は大刀を大上段に構えた。

 まな     :「ちょッ、ちょっとっ! マジっ!?」 

 振り下ろされた大刀を、大きくのけぞってかわせば、返す刀が足元を払う。
すっかり体勢を崩した彼女に、ニ撃目をかわすことはできない。
 ──できないはずだった。 

 まな     :「カンイッパツって感じぃー?」 

 男の大刀は、ゆらりとたゆたうように浮いた少女の足元をすりぬけコンク
リートを叩いた。 
 火花はない。 
 男がのろのろと頭を上げる。まるで水の中に沈んだようなその動き。

 まな     :「プライベート・ポエティック・アクアリウム
        :(私的で詩的な水族館)」 
 まな     :「──って、なんかイイ感じのネーミングじゃね?」 

 男の頭上、水の中に浮かぶように少女はそこにいて笑う。 
 辺りは澄み切った海のブルー。 

 まな     :「広い空間だと満たすのに時間かかっちゃうのが玉にキズ
        :なんだけどぉ」 

 鎧武者は少女の言葉を聴く風でもなく、再び大刀を掲げる。しかし、その動
きはのろのろとして迫力がない。 

 まな     :「でも、発動しちゃったら無敵ってカンジぃ〜?」 
 まな     :「イッパツ逆転しちゃうもんねっ──おいでっ、イナバノ
        :シロワニっ」 

 手のひらをひらひらと、少女の呼ぶ声が青い空間に響く。
 ゆらり、と空間がゆらめく。 
 巨大な鮫が全身をくねらせ、男に襲いかかる。渾身の力をこめて男は大刀を
振り下ろす。しかし、鮫は小揺るぎもしない。 

 まな     :「食べちゃえっ」 

 少女が命じるまでもなく、鮫は大きく口を開け── 


追われる女
----------

 裏路地、一人の女性が走っている 

 狭霧     :「はぁ、はぁ……」 

 地を這うように伸びてくる影。
 スニーカーの底を濡らす、水 

 狭霧     :「もう……後方支援を危険にさらすなんて……まったく」 

 息を切らせて走る。伸びてくる影、だんだん周囲を覆うように。

 狭霧     :「……くっ」 
 SE     :ばしゃん 

 じわりと、足元を濡らしてあがってくる水位 

 狭霧     :「さあて、困ったなあ」>囲まれた 
 SE     :じゃばんっ 

 ちゃきっとちょっと形の変わった拳銃を取り出して 

 狭霧     :「応援を呼んでから……まだいくらも経ってない……」 

 じりっと足元の水がじわりとせりあがってくる 

 狭霧     :「……くるか?」 
 響慈     :「仏敵、平らげてくれるっ」 
 狭霧     :「っ!」 

 派手な水を音を立ててビルの谷間に降って湧いた大男。 

 狭霧     :「な……」 
 響慈     :(ぱんっ、と音を立てて手を叩き、広げればそこには漆黒の鋼杖) 
 SE     :ざばっ 

 水柱があがっておぼろげに人型を作る 

 響慈     :「行くぞっ、砕魔童子っ!」 
 狭霧     :「……一体」 
 響慈     :(鋼杖を足元から跳ね上げ、ヒトガタを打つ) 
 響慈     :「聞けば応えようっ、我は──」 


解説 
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 断片的なイメージ。
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
以上。



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