[KATARIBE 30513] [HA] 高技能値狭間イメージ断片その1

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Date: Wed, 20 Dec 2006 17:38:40 +0900 (JST)
From: Subject: [KATARIBE 30513] [HA] 高技能値狭間イメージ断片その1
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2006年12月20日:17時38分40秒
Sub:[HA]高技能値狭間イメージ断片その1:
From:久志


 久志です。
 最近ちまちま出ている高技能値狭間のイメージをつらつらと。
出だしで力尽きたのは文を見るだに明らか。

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高技能値狭間イメージ断片その1
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FROZEN ROSESにて
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2006/12/18 21:00:00 

 夜、吹利。
 大通りから外れて奥に入った狭い裏路地、緑の鎧のように蔓薔薇が生い茂る
古めかしい洋館。入り口の隅、年季の入った木の看板にかすれかけた文字。
 風変わりな女店主が趣味で営んでいるという小さなバー。

 『FROZEN ROSES』

 音もなく、夜の闇を抜けて店へと慣れた足取りで入ってゆく黒髪の男。

 氷冴     :「あら、いらっしゃい」 
 友久     :「ああ」 

 薄暗い店内を見渡す、二つのライトのように光る青い瞳。
 揺れる瞳がカウンターの向こうに人懐こそうな笑みを浮かべた妙齢の女性の
姿を捉える。ゆるいソバージュの長い黒髪を揺らし、透けるような白い肌に
すっきりと通った鼻筋、マボガニーレッドの艶やかな唇に口元の小さなほくろ
が印象的な掛け値なしの美女。
 にこやかに微笑む女に軽く答えてカウンターの前の席に座る。

 氷冴     :「……もう来てるわよ?」

 目の前の席に座った男の顔を見ていたずらっぽく笑うと、ついっと視線をカ
ウンター脇にあるテーブル席へとめぐらせる

 男      :(にっと笑って片手を挙げる怪しげな男) 
 友久     :「……ああ、話は聞いてる」 
 男      :「ま、こちらもお噂はかねがねってとこですねえ。まあ、
        :どうぞ、一杯おごりますよ」 

 するりと、音もなく空気が動くように男の向かいの席へと青い瞳の男が座る。

 男      :「こちらさんに一杯、ね」 
 氷冴     :「かしこまりました」>ぱちんとウインクして 
 友久     :「……話は上から聞いてる、単刀直入に詳細から入ろう」 
 男      :「はいな、まあ……上っ面の見せ合いはやめときましょか」 

 にっと笑って、一枚の写真を出す。 

 友久     :「……これは」 

 渡された写真に写っているのは、波打つように淀んだ水面ばかりが全面に
写った、どこで撮ったかどうやって撮ったのかもわからない奇妙な写真。
 写真を手にしたまま、微かに眉根を寄せる友久の様子を眺め、男が口を開く。

 男      :「……原初の水、と言って、心当たりは?」 
 友久     :「…………」>顔をあげて 

 顔を上げた友久に向かってにっと目を細めて笑う……だが、その奥底では
決して男は笑ってはいない。

 友久     :「――霞ヶ池」>じっと相手を見て 
 男      :(頷く)
 友久     :「なるほど」 
 男      :「これは……この念写をやった奴ですがね、この三日後
        :に意識を失って……それきりですわ」 
 友久     :「穏やかじゃないな」 
 男      :「原初の水、溶かすもの、融解した境界……いずれにし
        :ろ、答えは無く、ただ危機だけが目の前にある」 

 ひとりごちるような男の言葉を聴きながら、写真をつまんで手にしたまま、
じっと写真に見入る友久。淡い光を帯びた青い瞳に、写真の淀んだ水面の画が
反射して写る。

 男      :「お受けいただけますよねえ」 
 友久     :「断るなんて微塵も思ってないだろう」 
 男      :「まったくもって」

 悪びれた風もなくひょいと肩をすくめて。

 男      :「ですが、まあ。宜しく頼みます……相棒」 

 うって変わって顔を引き締めて、居住まいを正し、友久に向かって右手を差
し出す。その仕草には不自然さも意図も無く、真っ直ぐに友久の青い目を見つ
める。

 友久     :「わかった。宜しく頼む……俺は、本宮友久」 

 右手を出し、握り返す。

 男      :「ええ、私は――」 


解説 
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 FROZEN ROSESにて、イメージ断片。
 友久に依頼をする男。
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以上。

 仲介などの溜まり場としてのFROZEN ROSES。


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