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Date: Wed, 20 Dec 2006 12:11:52 +0900 (JST)
From: Subject: [KATARIBE 30511] [HA06L] 「スワロウテイルの夜 16 :最後の一週間」
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200612200311.MAA61535@www.mahoroba.ne.jp>
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Web: http://kataribe.com/HA/06/L/
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2006年12月20日:12時11分52秒
Sub:[HA06L]「スワロウテイルの夜16:最後の一週間」 :
From:Saw
[HA06L]「スワロウテイルの夜16:最後の一週間」
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登場人物
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揚羽/ソーニャ・ヴラドヴナ :少女、時々吸血鬼。歌を忘れた歌い手。
御厨正樹 :揚羽を家族として迎え入れた少年。
蒼雅紫 :代々の霊獣使い。揚羽の友人。
品咲渚 :ごく普通の女子高生。正樹、紫、揚羽の親友。
最後の一週間
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それからの一週間について、それほど多く語る事はない。
一日目は静かに過ごし、正樹の両親を交えて楽しく過ごした。
次に起きた時、ソーニャは正樹のことを忘れ、自分が何処にいるのかもわから
なくなった。時折断片的に記憶を取り戻しては昔話をするだけの存在だ。
正樹は揚羽が流行病にかかったのでと言い、親の前では寝かせておく事にした。
正樹のことを忘れたソーニャは、彼に適宜違う人物の『役割』を与えた。いず
れも彼女にとって親しい男性なようで、正樹は退行していく彼女に話をあわせる
ことにした。
それが正樹にとって唯一出来ることだった。
四日目
------
この日、昼頃に目覚めたソーニャは日本語を忘れていた。
幸いにも直接脳に話しかけてくることでコミュニケーションを取る事はできた
が、それもいつまで続くかわからない。記憶の衰えと共に、身体的な能力も損な
われているようだった。
慣れない看病生活に流石の正樹も疲労の色が濃かった。この日は正樹の友人た
ちが様子を見に来ることになっていて、それが救いだった。
ソーニャ :『サドラム卿、外の様子はどうだった』(正樹の手を握って)
正樹 :「ん、仔細問題ないよソーニャ」
[Toyolina] つД`)
ソーニャ :『そうか。ならいいんだ……卿も気をつけてくれ。あなたに
:まで去られたら私は生きていけない』
正樹 :「大丈夫だよ、心配要らない」
ソーニャ :『卿と共にいると不思議と安心するよ』(微笑む)
正樹 :「光栄だ」
[kisito] 早くもどってきてー
[Toyolina] はーい
[Toyolina] 普通に戻ってきていいかな
[Toyolina] チャイムならすとかで
[kisito] 御厨母が普通に通しますw
[Toyolina] では普通に正樹ルームに
渚 :「ただいまー。買ってきたよ」
ソーニャ :「あー、あうー……あー」(正樹にしがみついてる)
紫 :「ただいま戻りました」
正樹 :「心配要らない、私の友人だ」
渚 :「うん、久しぶりに会うから、忘れちゃったんかなあ」
[Toyolina] なんとなく話を合わせる方向で
紫 :「こんにちは」
ソーニャ :(ぴきんと二人にもリンク)
:『……ええと、君達は。そうかアンリとルイズだな。随分
:印象が変わっていたから』
[Toyolina] どっちがアンリw
[Sawdead] それはわかりませんw
紫 :「……ええ、お久しぶりですね、ソーニャさま」
[Hisasi] 精一杯笑う
ソーニャ :『そうか、息災でなにより』
渚 :「ご無沙汰してます。前お会いしたときは、ワイン美味し
:かったから、買ってきたんです」
ソーニャ :『嬉しいね。ではグラスを用意しよう』
:(立ち上がろうとする)
ソーニャ :(ぐらり)
正樹 :「おっと」
ソーニャ :『すまない……サドラム卿』(支えられてる)
渚 :「どうぞおかけになってください。ゆか……ルイズとうち
:でやりますから」
[Toyolina] アンリになった
ソーニャ :『客人に申し訳ない』>渚(アンリ)
正樹 :「気に病む事はないよ、ソーニャ」
紫 :「ええ、ソーニャ様のためにお選びしましたから」
渚 :「ゆか……ルイズ、グラスとってくるから、ボトルの方、
:お願い」
紫 :「あ、はい……アンリ」
正樹 :「すまないね、アンリ、ルイズ」
[Hisasi] ことんと、ボトルをテーブルに置いて
[Toyolina] ワイングラス一応四つ持ってきますよ、飲んじゃダメとかは言わ
ないでほしいなw
この時彼女らが持って来たワインを購入するのにも一苦労あるのだけど、それ
はまた別のお話。
ソーニャ :『いい香りだ』(蓋を手に取り)
[Hisasi] ちょっと口をつけるだけでw
[kisito] この状況で飲むなとは言いませんよw
紫 :「気に入っていただけました?」
渚 :「前回、このシャトーの赤が気に入ってはったみたいなんで」
ソーニャ :『無論だとも。皆が死に行く中で私だけ贅沢していいのか
:という気はするが……せっかくの機会だしね』
正樹 :(ほほぅ、アンリ……もとい渚……未成年の癖してワインの
:みやがったか?)
[Toyolina] かんにんや^^
渚 :「ええ、どうぞソーニャ様はごゆるりと」
[Toyolina] どういう背景になってるのか気になりつつ
紫 :「え、ええ、ご一緒に乾杯いたしましょう」
[Hisasi] おろおろしつつ
ソーニャ :『今日という日を君達と過ごせる事を祝して』
:(グラスを掲げる)
渚 :「祝して」
正樹 :「乾杯」
紫 :「乾杯」
[Hisasi] ちりん、とグラスを鳴らして
ソーニャ :(こくこくこく)『……いいね、これは』
ソーニャ :『実に……』(ぽろぽろと泣き始める)
正樹 :「どうしたんだい、ソーニャ」
ソーニャ :「あー、うぁー、あああー」(頭を抱える)
渚 :「ちょ、大丈夫、ですか、ソーニャさま」
:(素に戻りそうなのを必死で補正)
ソーニャ :(まだ半分残ったグラスを倒し、頭を抱えたまま転げ周り、
:怪我をしないように正樹に押さえつけられる)
ソーニャ :「……」(しばらくして落ち着く)
正樹 :「……」
[kisito] よしよしと
紫 :「ソーニャさま……」
ソーニャ :『……君か、バルド。恐い夢を見た』
:(正樹にのみ伝わる念話。紫と渚には呻いてるようにしか
:見えない)
正樹 :「……どんな夢を見たんだい?」(ソーニャの服に染み込む
:ワインを拭いながら)
紫 :(じっと、ソーニャを見つめている)
ソーニャ :『なんだろう、忘れちゃった』
:(正樹しか目に入らない様子で)
渚 :(つらくなってきている、でも目をそらさない)
紫 :(知らず、渚の手をぎゅっと握ってる)
[Hisasi] 必死に何かを耐えてる
正樹 :「……(二人とも……つらそうだな)」
ソーニャ :「うーあー?」『なんだか君といたら落ち着いてきた。少し
:寝てもいい?』
渚 :(握り返す。少し涙目)
正樹 :「……あぁ、かまわないよ?」
ソーニャ :(安心した表情で寝付く)
[Sawdead] 相手が一人しかいないシチュエーションに飛んじゃった
紫 :「……ソーニャ様」
[Hisasi] ぽつり
渚 :「……ごめん……今日は笑ってようって、思ってたんやけ
:ど……(ぽろぽろ)」
正樹 :「……二人とも、つらかったら……」
紫 :「いいえ」
[Hisasi] きっぱり
渚 :「……ううん、夕方までは、ここにおる」
紫 :「……まだ、ここに居させてください」
正樹 :「……あんまり無理しないようにね」
渚 :(涙必死でハンカチで押さえてる)
正樹 :「……渚……」
紫 :「……」>ぎゅっとみぎーの手をにぎって
渚 :「うちが言ったことやもん、今日来るって(ぐすぐす)」
[Hisasi] もー
[Hisasi] ぎゅっと手をにぎりしめたまま
[Hisasi] じっと見てる
[Hisasi] せめて見守ることだけでも
正樹 :「……二人も寝たら? 精神的に参ってそうだし」
渚 :「帰ったらそうする(もう目が真っ赤)」
正樹 :「……ソーニャが起きるまででも寝たほうがいいよ」
紫 :「……正樹さま」
[Hisasi] 見上げて
正樹 :「……ん?」
[Hisasi] きっとゆかりんは座ってるんだろうそうだろう
[Toyolina] そのはずです
紫 :「正樹さまも……眠っていらっしゃらないのでは?」
[Hisasi] 目にクマが
正樹 :「……寝てるよ」
ソーニャ :(安心して正樹の腰にしがみついて寝てる)
渚 :「かわろっか……あ、でもソーニャさんが嫌がるか……
:ごめん、何も力なれへん」
[Sawdead] しかもこれ、ヤマもオチもないのだった。ひたすら続く。適当な
タイミングで帰ってあげて下さい。
[Toyolina] ですよね
[Hisasi] きっとみぎーと二人で帰って
[Hisasi] みぎー宅に泊まって
[Toyolina] 19時くらいまで粘って帰るとします
[Hisasi] 二人揃ってお家ついて号泣ですよ
[Toyolina] 帰り道でも危うい
正樹 :「……無理するのは、俺だけで良いのに……まったく、
:二人ともばかだよなぁ……」
正樹 :「……ソーニャも、もっと早く言ってくれれば色々かまっ
:てやったのに……馬鹿ばっかりだ」
そして夜は更ける。
取り戻せたもの
--------------
翌日、彼女は自分が誰だかもわからなくなった。
念話も断片的な言葉ばかりになり、ついに途絶えた。
ただ一日中音楽にならない歌を唄おうとしてソーニャはもがき、怪我をしない
程度に正樹が抑える。それだけの時間が過ぎた。
そして最後の日。朝からソーニャは静かに歌を唄っていた。その歌に神端山で
見せたような力はなかったが、彼女はついに自分の音楽を取り戻せたのだと、正
樹はそう思う。
そして七日目、目覚めた彼女はソーニャではなく御厨揚羽だった。
それきりだ。
エピローグ
----------
揚羽が戻ってきて、ソーニャが消えて、数日後。
冬休み中の吹利学校屋上。
正樹 :「……(まだまだ、未熟だな……魔術師なら心をある程度
:コントロールしてしかるべきだろうけど)」
紫 :「正樹さま……」
[Hisasi] おっかけてよい?
[kisilabo] うい
[Saw] じゃあ、背景としてミギーと戯れてます
[kisilabo] じゃあ、屋上かな。
正樹 :「……」
[kisilabo] ぼんやり
紫 :「……正樹さま」
正樹 :「……っ」
[kisilabo] びく
[Hisasi] ちょっと後ろの方で
[Hisasi] じっと見てる
正樹 :「……どうしたの、紫……ってまぁ……ここに居る時点で
:バレバレか……」
紫 :「……あの」
[Hisasi] 離れた位置で
紫 :「……無理、なさっていませんか?」
正樹 :「……そんなことないよ、大丈夫」
[kisilabo] 運動場眺めながら
紫 :「……あの……でも」
紫 :「……正樹さま、大丈夫に見えません」
正樹 :「……大丈夫、大丈夫だよ……約束……そう、約束したから」
紫 :「……でも」
[Hisasi] おそるおそるちかよって
[Hisasi] ぽん、と。背中を叩いて
[Hisasi] 手をあてたまま
紫 :「……約束、でも……辛いときは、ちゃんと言って欲しい、
:です」
正樹 :「……意地っ張りだからな、やせ我慢とか好きなんだよ」
[Hisasi] それ以上は近づけない
紫 :「……あの、私の前でも、ですか」
[Hisasi] だがそれ以上は近づけさせないぜ、
[Toyolina] おや強い
正樹 :「……」
正樹 :「……今は……そうだね……」
紫 :「それなら、今、少しだけでも……意地、張らないでくだ
:さい」
[Hisasi] だがそれ以上近寄るな!(お互い)
[Toyolina] 誘ってんだか拒絶してんだかw
正樹 :「……無理、今頼ったら戻れなくなりそう」
[Hisasi] PLの意図とPCの気持ちが火花を
[Hisasi] そこで頼ってくださいと言えない
紫 :「……正樹さま」
[kisilabo] 意外と、がんばる正樹。
[Hisasi] そこで棘がひっかかって言えないゆかりん
[Toyolina] それはがんばってるというか頑迷というか
紫 :(正樹の背中に手を当てたまま、俯く)
[Hisasi] そのまま無言
正樹 :「……やっぱ、自分をだますくらいじゃないとだめだよね」
紫 :「……」>何かを言いかけて
紫 :(黙る)
[Hisasi] 背中に手を触れるのがやっと
正樹 :「……さて、戻ってアゲハの相手でもしてやるかなーっと」
[Hisasi] 以前ならぎゅっと抱きしめたりできたのに
渚@メール :To二人「なにしてんの、そろそろ帰るよ」
紫 :「……はい」
正樹 :「……あ、しまった長居しすぎた」
渚@メール :To二人「うちはともかくアゲちゃん放置すんな(プリプリ)」
正樹 :「……行こうか紫」
紫 :「はい……正樹」
解説
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とりあえず本編はコレにて終了。
狭間06hiki-スワロウテイルの夜
http://hiki.kataribe.jp/HA06/?SwallowtailsNight
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