[KATARIBE 30455] [HA06L] 「過去よりのもの2 -VS.Vivid Double- 」

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Date: Thu, 7 Dec 2006 16:50:28 +0900 (JST)
From: Subject: [KATARIBE 30455] [HA06L] 「過去よりのもの2 -VS.Vivid Double- 」
To: kataribe-ml@trpg.net
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2006年12月07日:16時50分27秒
Sub:[HA06L]「過去よりのもの2-VS.Vivid Double-」:
From:Saw




登場人物
--------
 波佐間壬郭 色付く影の少年。
 女     不審なOL
 赤眼    もっと不審な男。

 六兎未来  クリスマスと七夕を混同する異能を持つホムンクルス。

intermission
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 宵待邸。クリスマスツリーに短冊を下げる少女が一人。

 未来     :「(窓から空を見上げる)」 
 未来     :(短冊に筆を走らせる) 
 未来     :(ツリーに吊るす) 
 未来     :「……お父さん」 
 短冊     :「お父さんが帰ってきますように」 

[TK-Leana] # って感じでフェードアウト 
[Toyolina] #つд`) 
[TK-Leana] # 行動だけで情緒をかもし出すのはなかなか限界があります 
[TK-Leana] # それにしても未だ誤解していた様子 
[Tihiro] #短冊…… 

[HA06L]「過去よりのもの2-VS.Vivid Double-」
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疾走
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 女      :「ハァ……ハァ……」

 深夜の吹利。 
 ピシッとしたスーツに、タイトなスカート、パンプスを履いたOLらしき女性
が、何かに怯えるように息を切らしながら全力で走っている。 

 女      :「ひぅ……ッああ、もう! なんで、なんで!」

 女は恐怖していた。実態のわからぬ何かに。今まで生きてきて遭遇したこと
のない何かに。そこに、塾帰りの少年が鉢合わせる。

 壬郭     :「どうしたの? お姉さん」 
 女      :「キャアッ!」 
 壬郭     :「っと、ごめんなさい。あんまり焦ってたもんだから痴漢
        :でも出たのかと思って」
 女      :「あ、ひ……人だ」 
 壬郭     :「……? そりゃまあ人だけど。まるで人じゃない物に出
        :もあったような口ぶりだね。」 
 女      :(ビクッ)「ひとじゃ、ないもの……」
 壬郭     :「幽霊の正体見たり枯れ尾花って知ってる?」


 女      :(おどおどと周囲を見回す)「わ、私、逃げられた、の?」
 壬郭     :「なに、ホントに? とにかく落ち着きなよ」 
 女      :(不安そうに周囲を警戒している) 
 壬郭     :「──何か追っかけてきてる感じはしないけど」 
 女      :「追ってきて、ない?」 

 声      :「それは希望的観測が過ぎるというものだ、お嬢さん」 
 女      :「ひぃッ」 
 壬郭     :「?!」 
 壬郭     :「痴漢の登場ってわけね。お姉さん、逃げていいよ。警察
        :通報しとくからさ」 
 壬郭     :(携帯で110番)
 壬郭     :「ああ、もしもし。どうも痴漢が出たみたいで。はい。女
        :性が一人脅えちゃってて。はい。お願いします。場所は吹
        :利市吹利本町──」 

 どういうわけか電波は届いていなかった。しかし少年はかまわず相手が電話
に出たものとして台詞を続ける。ただの痴漢であれば効果は見込めるはずだっ
た。

 壬郭     :(ぷつん)「どうする。すぐに警察来るよ」 
 赤眼の者   :(いつの間にか後ろに立っている)「いらぬお節介はしない
        :ことだ、少年」 
 壬郭     :「それで裏をかいたつもり?」(色付いた影が睨み付け 
        :る) 
 赤眼の者   :「影使いか。中々に珍しいものだね」 
 壬郭     :「死にたくなければ手を引いた方がいいと思うよ。僕最近
        :いらついちゃってるから、なにするかわかんないよ?」 
 赤眼の者   :「勇ましいことだ。しかし、それは蛮勇というものだよ」

影と闇
------
 壬郭     :「警告はしたからな」 
 女      :「だめッ、逃げて!」

[TK-Leana] # では、突然街灯が弾けて消えます

 少年の「影」が伸び上がり男を追う。触れたものを飲み込む影。それが少年
が持って生まれた力だ。しかし男は瞬時に影の危険性を見極めて周囲の街灯に
赤い何かを高速で飛ばし破壊する。少年は内心で経験値が違いすぎるじゃない
かと毒づく。

 壬郭     :「……ふーん、馬鹿じゃないんだ」(いやな汗) 
 壬郭     :「逃げろって言っただろ馬鹿女!」 
 赤眼の者   :「それは無茶というものだよ、少年」 
 壬郭     :「……?」 
 赤眼の者   :「彼女が全力で逃亡して、自らの身体能力の限界を無視し
        :て走り始めて、およそ四半刻。常人であれば最早歩くこと
        :さえままならぬ」 
 赤眼の者   :「下がるといい、少年。君には用は無い」 
 壬郭     :(畜生。こんな時に限って月すら出てないのかよ。ついて
        :ないな、僕は!)
 女      :(がくがく)「な、なんで、なんで」

 男は暗に女もまた人間でないことを示唆するが頭に血の上った少年はソレに
気付けない。

 壬郭     :「……こう言う時あいつなら格好付けると思うんだよね。
いいじゃん、正義の味方。馬鹿馬鹿しくてさ」(マグライト取り出す) 
 赤眼の者   :(目を細める)「なるほど、君はいかにも少年だ」 
 壬郭     :「そう言うあんたは如何にも社会の底辺ってかんじだ」
(光に手を翳して僅かに作った影を伸ばす伸ばす伸ばす) 
 赤眼の者   :「しかし、その光。あまりに小さい」(片手で軽く印を結
ぶ) 
 壬郭     :(マグライト自体を赤眼の顔面になげつける) 

 少年は先程男が街灯にしたのと同様の手口でマグライトを破壊されると見越
す。だから能力を使うと見せ付けてマグライトを顔にぶつける。ダメージは見
込めないが意表はつける。うまく影が出ればすり抜けざまに男の影を踏み「消
去」も出来るかもしれないと踏んでいた。

 赤眼の者   :『エレボスの吐息よ。アイテルの目も此処までは届かぬ』

 男が朗々と謳い上げるとマグライトの光も、遥か遠方の街の灯も、およそ全
ての光が飲み込まれて真闇になった。少年は三度戦慄。大人と子供程に出来る
ことに差がある。一瞬の逡巡の後、恐怖のまま駆け出す。


 壬郭     :「走れ、馬鹿大人!」(女の頭はたきつけ暗闇を駆ける)
 赤眼の者   :「ふむ、僕は荒事はあまり好かないのだけれどね」 
 壬郭     :(どんな手品使ったかわからないが大通り出ちゃえばそれ
        :まで。この勝負、僕の勝ちだ!) 

敗北
----
[TK-Leana] # 突然壬郭の体に、上から強大なものにのしかかられたときのよ
うな重圧がかかる

 壬郭     :「ぐっ」 
 壬郭     :(女を押し走らせる) 
 赤眼     :「僕は少年という生き物を甘くは見ないことにしている。
        :君には悪いが、逃げ道は無いのだよ、初めから」 
 壬郭     :「いいの? 子供に暴力ふるったらただの傷害じゃ済まな
        :いよ?」

[TK-Leana] # 赤い水がするするとまとわりついて硬化、束縛される 
[TK-Leana] # 女も同様に足をとられ、その場に転ぶ 

 皮肉もむなしく地に伏す少年。

 赤眼     :「最初から言っているように、君に用は無い」 
 赤眼     :(壬郭をまったく無視して通り過ぎ、女の前に立つ) 
 女      :「あ、ああ……ぅぁあ」 
 壬郭     :「クソ! 僕を無視するなよ!」
 赤眼     :「先ほど、何故と問うたね」 
 赤眼     :(ちらりと一瞥して、やはり無視)「理由など僕も知らぬよ。
        :強いて言うならば、そう。運が悪かった」 
 赤眼     :(ずぶりと、指先を女の脳天に潜り込ませる) 
 女      :(がくがくがく) 
 女      :「が….。ぎぃ……あ、げ」 

 闇の中故何が行われているのか。見えなくとも想像はつく。
 
 赤眼     :「なるほどね」 
 壬郭     :「何がだよ」 
 壬郭     :「離せよ、クソ!」 
 女      :(めりめりと骨格を変容させ、筋肉が膨れ上がり、獣毛に
        :包まれる)「ぐがぁぁあああァァァ」 
 赤眼     :「ゾアントロピーか、そこまでの深度まで達していたとは。
        :予想以上だったな」 
 赤眼     :「しかし、残念、まだ至らぬ。貴公はここで退場だ、『疫
        :病』。いらぬ横槍を入れられては叶わぬからな」 
 女      :(ガクンと力が抜けて、倒れる) 
 赤眼     :(指を抜く) 

[TK-Leana] # 闇が晴れていく 


屈辱
----
 壬郭     :「──お姉さん、大丈夫?」
 
[TK-Leana] # 服は内側から張り裂けたようにぼろぼろで、目はうつろに見開
かれ、動かない 
[TK-Leana] # かろうじて息はしているようだ 

 壬郭     :「……救急車、と」 

[TK-Leana] # そんな感じで幕かしら 

 壬郭     :「悪いけど、救急車来た時点で僕逃げるからね。こんな馬
        :鹿げた話で警察沙汰なんてゴメンだ」(ぼそぼそ

[Saw] ういー 
[TK-Leana] 大暴れ赤眼さんでした 
[TK-Leana] チャットに謎しか残さないいやなやり口 
[Saw] ぬん。ねむくてあたまがはたらかなかた 


おまけ・つみきメモ
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[TK-Leana] ということで、つみきちゃんに新情報が入りました。市内各所で
謎の昏睡事件発生。現場でしばし怪しげな赤眼の男が目撃されたそうです 
[Sawdead] 昨日の結夜くんのあたまから出た血。アレも前野検査に回したいと
思います 
[Hisasi] とりあえず、今度朱敏の聞き込みもやらないとな 
[Tihiro] 前野検査、響きが素敵です。 
[Hisasi] 赤眼についての調査か 
[Hisasi] #書物と格闘しつつ 
[TK-Leana] 無論、ラテン語かドイツ語で書かれている 
[Hisasi] #朱敏:「えーと」>辞書みっつよっつ手繰りながら 
[TK-Leana] ちなみに、血を調べると、いろんな人の血をごちゃごちゃに混ぜ
いれたものじゃないかという結果が出てくる 
[TK-Leana] 大半は本体に合流して持っていかれたので、地面やらにこびりつ
いてた分しか残っていないため、それ以上はわかんない。

解説
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 やっぱりみんな長台詞。



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