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Date: Mon, 16 Oct 2006 18:57:57 +0900
From: 葵一 <gandalf@petmail.net>
Subject: [KATARIBE 30248] [HA06P]エピソード『狐の婿入り(邂逅編)』(改訂版)
To: ML <kataribe-ml@trpg.net>
Message-Id: <20061016185656.9589.GANDALF@petmail.net>
X-Mail-Count: 30248
Web: http://kataribe.com/HA/06/P/
Log: http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/30200/30248.html
こんにちは葵でっす。
台詞修正を入れて、改定しましたー
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エピソード『狐の婿入り(邂逅編)』
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登場キャラクター
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本宮和久(もとみや・かずひさ):県警好感度No.1を誇る好青年お巡りさん、
ただいま年上彼女とおつきあい中?
http://hiki.kataribe.jp/HA06/?Motomiyakazuhisa
相羽尚吾(あいば・しょうご):県警で三本指に入る最強刑事その1、
『対人地雷』、『ヤク避け』等の異名を持
つ、真帆さん命。
http://hiki.kataribe.jp/HA06/?AibaSyogo
本宮史久(もとみや・ふみひさ):県警で三本指に入る最強刑事その2、
『黒い剃刀』、『人間重戦車』、『人型
最終兵器』の異名を持つ。奈々さん命。
http://hiki.kataribe.jp/HA06/?Motomiyafumihisa
謎のお爺さん:和久君をあっさり拉致った謎のお爺さん、まだ正体不明。
羽織袴の男達:キツネ目の男達。 まっちょではありません。
八月三十一日、夕刻の県警
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此処は吹利県警生活安全課。
もうすぐ勤務終了の若き警官が一人、書類仕事に励んでいます。
和久 :「〜♪」
マメシバンの主題歌『悪い奴らに赤信号!』なんかを口ずさみつつ御機嫌最
上級で書類仕事を片付けてる和久君。
本人気付いてませんが、普段とのギャップに微妙に周りから注目されてたり
します。
と、そこへ通りかかる相羽&史久の最強刑事(デカ)コンビ。
相羽 :「(廊下から眺めて)お、豆柴、今日はまた随分御機嫌
:だねぇ」
史久 :「ええまぁ……(苦笑)……誕生日なんですよ、今日」
相羽 :「ふぅん……なるほど、ね(にや)」
その一言で今夜の予定を一瞬で推測する相羽さん。
わかりやすいなぁ、と苦笑しつつ御機嫌な弟を見やる史久兄さん。
相羽 :「お、こっち気付いたみたいだよ」
史久 :「え?」
見ると、書類を提出した和久君が走り出しそうな勢いで歩いて来ました。
二人の前に来ると。
和久 :「お二人ともお疲れ様ですっ(びしっ)自分はこれにて
:勤務を終了し、準待機に移行いたしますっ(びしっ)」
いちいち直立不動で挙手注目の敬礼の豆柴君。
でも、顔が嬉しそうなのは隠せてません。
相羽 :「はいよ、ご苦労さん(軽く敬礼)」
史久 :「ご苦労様(軽く敬礼)」
和久 :「では、失礼しますっ(更衣室の方へさっさか早足)」
SE:トコトコトコ……ダダダダダっ
角を曲がって二人から姿が見えなくなった途端に聞こえるダッシュの足音。
史久 :「(苦笑)」
相羽 :「いやぁ、微笑ましいねぇ……さて、俺らもさっさと報
:告書上げてお茶にでもしよかね」
史久 :「了解です」
かえりみち
----------
すでに日も落ちて薄暗くなってきた夕暮れ。
県警から花屋、FLOWER SHOP Miko までの道。
和久 :「ちょっと……遅れそうか、な(たったか)」
ポケットから取り出した私用携帯を開くと、そこには昨夜届いて今日一日何
回も眺めたメールが。
『 お誕生日おめでとうミ☆ お祝いをしますので、今日、仕事
終わったら寄り道せずにうちに来てね(はぁとまーく)
和久君の好きな鶏肉の照り煮も作ってあるからね(^_-)
みこと』
緩んだ顔を誰かに見られたんじゃないかと慌てて周りを見回す和久君。
と。
和久 :「あ、れ?……あんな所に神社あった、かな?」
見ると、進行方向の脇に、小さな神社の入り口がぼんやり見える。
丹塗りの鳥居の両脇に小さな狐の象があるところを見ると稲荷神社と見える。
和久 :「あの神社突っ切れば、ちょっと早道出来るかな……」
神社に足を踏み入れると。
? :「しくしく……うううっ」
どこからともなく聞こえてくる悲しげな泣き声。
和久 :「泣き声?」
聞こえてくる泣き声は、お年寄りの声。
ぐるっと見回すと、奥に見える社の階段にしょんぼりと肩を落として座るお
爺さんが一人。
近寄って見ると、今時珍しく和服を着込んだ白いお髭の品の良いお爺さん。
お爺さん :「ううっ……しくしく」
和久 :「あの……どうされました? なにかお困りですか?」
こんな時間にお年寄りが一人ぽつんと泣いていたら、ほっとけないってのが
和久君の良いところ。
急いではいたもののつい声をかけちゃったり。
お爺さん :「あ……こ、これはみっとも無い所をお見せしましたな、
:た、大した事では……ううっ」
と、言いつつ、また下を向いて大げさに泣き出すお爺さん。
……かなーり、演技臭さが漂っています。
和久 :「えっと、俺で良かったら話ぐらい聞きますけど……」
胡散臭さを感じつつも、ついつい隣に座ってハンカチを差し出しちゃったり。
お爺さん :「実は、わしのお仕えする姫様がこの度婚礼の儀整いまし
:て……」
和久 :「はぁ……それは、おめでとう御座います……じゃぁそれ
:で離れるのが辛くて……」
お爺さん :「ちがうのですぢゃ!(ぐっと握り拳)」
和久 :「わっ(汗)」
お爺さん :「婚礼は明日の晩だと言うのに……」
和久 :「言うのに?」
お爺さん :「事もあろうに、あんの莫迦婿! 逃げよりましたです
:じゃ!」
和久 :「は?(滝汗)……にげた?」
この時点で、気付けば良かったんです。
『や・ば・い』と。
和久 :「そ、それは……大変ですねえ……じゃ、じゃぁ俺はこ
:れ……でっ(汗)」
がしっ。
お爺さんの手がしっかり和久君の手を握ってます。
お爺さん :「招待したお客様の手前、婿に逃げられたなどととても
:言えませぬっ、ここでお会いしたのも何かの御縁! な
:にとぞ、身代わりをっ(すがりつきっ)」
和久 :「え、ええええええええええええっ(汗) い、いや、
:俺?、そんな、ええええっ!?」
お爺さん :「儀式の間だけ、ふりだけですからっ(がしっ)」
さらに、反対の腕も捕まれて。
和久 :「ちょっ、俺今夜これから約束ありますしっ、それにっ」
お爺さん :「そーですか、そーですか、心良く承知して頂けます
:かっ、いやぁ有り難い!」
聞けよ、じいさん(笑)。
和久 :「お爺さんっ!? 離してくださいっっ!?(腕がっ)」
捕まれた腕を振り解こうともがくも、掴んだお爺さんの手ががっしり腕に食
い込んで離れない。
お爺さん :「いやぁ……婿に逃げられて一時はどうしようかと思っ
:たのが、良い具合に代理の婿殿が見つかって良かったで
:すじゃ(うんうん)」
和久 :「いや、だからっ(滝汗) まだ受けるって言ってない
:ですっ」
お爺さん :「さ、お前達、この方をお連れしなさい、くれぐれも粗
:相の無いようにな」
? :「はっ!」
ざざっと、何時の間にか周りを取り囲んでる妖しい黒い羽織袴の男達。
ただでさえ妖しいのに、全員、目が狐目ってのが更に妖しさ大爆発。
和久 :「ちょっ、まっ、わーーーーっ」
それこそ「あっ」っという間に大きな袋に放り込まれる和久君。
……あまりと言えばあまりの展開に、自分の持ってる『力』を使う事すら思
い浮かばなかったようで。
和久(in大袋) :「もがー(じたじた)」
暴れてます。
お爺さん :「さ、皆の衆、新しい婿殿を姫にお届けするのじゃ!」
男達一同 :「はっ!」
えっさえっさと担がれていく和久君。
黒服の男達と謎のお爺さんが神社の奥に消えていくのにさほど時間はかかり
ませんでした。
携帯電話 :(ぷるるる、ぷるるる、ぷるるる)
ただ、地面に落ちた和久君の携帯が鳴り続けて居ました。
時系列
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2006年8月31日
解説
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シリアスっぽくなってますけど、ギャグですからね?
お間違いなく(笑)
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葵 一<gandalf@petmail.net>
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