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Date: Fri, 13 Oct 2006 18:10:18 +0900
From: 葵一 <gandalf@petmail.net>
Subject: [KATARIBE 30244] [HA06P]エピソード『狐の婿入り(完結編)』
To: kataribe-ml@trpg.net
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こんちは、葵でっす。
えーと、なんなんでしょうねw
なんか、えらく難産でしたー。
あー熱い熱いw
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エピソード『狐の婿入り(完結編)』
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登場キャラクター
----------------
如月 尊(きさらぎ・みこと):吹利商店街で花屋を営むお嬢さん。見た目
は17,8だが実は三十路。
本業は退魔師。
ただいま年下彼氏(↓)とおつきあい中。
http://hiki.kataribe.jp/HA06/?KisaragiMikoto
本宮和久(もとみや・かずひさ):県警好感度No.1を誇る好青年お巡りさん、
ただいま年上彼女(↑)とおつきあい中?
http://hiki.kataribe.jp/HA06/?Motomiyakazuhisa
仙(せん) :玉梓姫のお婿(の予定)まだ若い仙狐なの
で外見が少年。 ちょっと気が弱い。
玉梓姫(たまずさひめ) :仙狐の姫様、年齢はしっかり重ねているが
外見17歳くらいの容姿を誇る。
その妖艶な色気の矛先は男女関係無し。
三太夫(さんだゆう) :玉梓姫のお付のお爺さん、通称「じい」
色々気苦労が耐えないらしい
白欄(びゃくらん) :玉梓姫のお目付け役だが、姫には敵わない
らしい、今回は出番無しw
黒羽織袴の皆さん :やられ役(おい
敵陣殴り込み
------------
紅く口を開けた八つの鳥居門の内、これぞと思う道に飛び込む。
うねうねと続く鳥居の道を駆け抜けながら我知らず、刀の柄を握りしめる。
――もし、選択が間違っていたら。
尊 :「よし! 抜けたっ!」
突然、道が途切れ前方が開けた。
眼前に赤々と燃える篝火に照らされた門と、延々続く塀が現れる。
尊 :「うわー……またでっかい御屋敷だこと……」
見上げるほどの高さの漆喰塀と漆塗りの門。
けど。
尊 :「……門、開いてるし、無用心ねえ。 ま、開けたり乗
:り越えたりする手間が省けて良いんだけど……子供?」
その門の端っこから中を覗き込んでる少年が一人。
尊 :「……じゃ無いようね(苦笑)」
半ズボンから伸びたふさふさした毛並みの良い栗色のしっぽと、頭の上に
ちょこんと飛び出た三角の耳がぴくぴく動いてたり。
どっからどー見ても。
尊 :「キツネ君、か(くす) 邪魔って訳じゃないけど……
:騒がれても困るし、ちょっと静かにしてて貰おうかな」
見ちゃダメなんです
------------------
気配を消して後ろから近寄り、少年の肩を叩こうとした時、彼が見ている物
が尊の目にも入った。
狐少年 :「わぁ(赤面)」
門番だったらしき男が門の裏側にぺったりへたり込んでて。
その男に、尊が先ほど放った『影』が抱きついてて。
黒い羽織袴男 :「うぇへへへへぇ(でれー)」
尊 :「いけない……影、消すの忘れてた(赤面)」
本来なら『影』には道を抜けたら消えろと命じておくべきだったのだが。
単に『吉門を探せ』としか命じてなかったので、道を抜けた後の影が勝手に
暴走してしまったのである。
黒い羽織袴男 :「うへへぇ(でれー)んー(ちゅー)」
そして、妖艶な笑みを浮かべた『影』の唇に、あわや男が唇を重ねようとし
た瞬間。
尊 :「だめーっっ!」
SE:ばきぃっっっっ
黒い羽織袴男 :「へぶっぅ○×△っ」
朱袴が翻り、紅い閃光と化して男の頭に突き刺さる回し蹴り。
男は喰らった勢いで吹っ飛んで、影もろとも壁に激突し。
極楽から地獄へ。
――いと、あはれ。
尊 :「(ぜーはーぜーはー)……か、影とはいえ、和久君以
:外のヤツに唇なんてっ(赤面)」
じゃあ、和久君ならイインデスカ?
で。
尊 :「って……(振り向いたら目が合っちゃった)」
狐少年 :「えっと(門から覗いてたら目が合う)」
暫時。
狐少年 :「じゃ、じゃあ、僕はこれで(そそくさ)」
尊 :「まちなさい……」
地の底から響く、魔王の声も色あせるような恐ろしい迫力を持った静止が少
年の背後から掛かった。
狐少年 :「はひっ(びくぅぅっ:金色の尻尾がピーンと立ってぶ
:わっっと毛が逆立つ)」
尊 :「(少年の肩をそっと掴んで振り向かせると、しゃがみ
:込んで目を覗き込む)ねぇ、あたしの『影』、あれキミ
:も見たのかな?(天上の微笑)」
狐少年 :「見てませんっ(びしっ)」
思わず直立不動、最敬礼で答える少年。
怯えてマス。
尊 :「そう、ならよろしい(にっこり)覚えてても忘れてね?」
にっこり微笑みながら、静かな圧力とともに優しく諭す。
狐少年 :「は、はい……(冷汗)」
聖母のように慈愛に満ちた微笑でゆっくり狐耳の生えた頭を撫でてあげる。
改めて良く見ると、品のある整った顔立ちにちょっと気弱そうな目が母性本
能をくすぐる。
尊 :「で……いまさらなんなんだけど……何してたの?」
狐少年 :「えっと、その……実は……」
?? :「いたぞー! あそこだーっ!」
尊 :「しまった見つかっちゃった! とりあえず話は後!
:あたしの後ついてきて!」
わしっ、と襟首引っつかまれて。
狐少年 :「え?(汗) あ、あのっ(汗)」
尊 ;「逃げるわよ!」
黒い羽織袴男達 :「いたぞー! あそこだー!」
月曜日8:40分過ぎ?
----------------------
暫く後、屋敷の奥では。
お爺さん :「華燭の義の準備は整ったか?」
黒羽織袴男 :「は、もう間もなく整いますで御座います」
お爺さん :「よし、婿殿の仕度は?」
黒羽織袴男 :「後は、着替えだけで御座います」
お爺さん :「よろしい」
ここは、お屋敷の奥の奥、大広間の片隅。
先ほどから紋付羽織袴のお爺さんと、和久君をさらった黒羽織袴男の一人が
なにやらひそひそと。
姫 :「じい、じいは何処じゃ? 三太夫ー?」
お爺さん :「玉梓様、ここでございます、お呼びでござりますか」
大広間のふすまが音もなく左右に開いて、真紅の振袖を纏った少女が左右に
数人の女官を従え入ってきた。
玉梓姫 :「爺、婿殿の準備は良いのか?」
三太夫 :「は、万事整いまして御座います、玉梓姫」
玉梓姫 :「左様か、早く婿殿にお逢いしたいのう(すい、と眼を
:細めてちろりと舌なめずり)」
濡れ濡れと紅い唇を、つ、と舌が舐める様は既に枯れきった三太夫ですら
ゾッ身震いするような色気をたたえていた。
三太夫 :「と、ところで姫様、先日、御側に付けましたお目付け
:役の白蘭の姿が見えませぬが……(きょろきょろ)」
玉梓姫 :「ん? ああ、白蘭か、白蘭ならわらわの寝所で休んで
:おるぞ?」
三太夫 :「こんな大事な時に姫様の寝所で休んでおるですと!?
:なんと恐れ多い……って」
個々にきて、三太夫さん思い当たったようです。
玉梓姫の『わるい癖』に。
三太夫 :「ひ、ひい様、まさか……(じとー)」
玉梓姫 :「あれも、気は強いが……なかなか愛い奴よのう(くす)
:泪を一杯ためて見上げる瞳なぞ……(うふふ)」
吊り眼気味の大きな瞳を細めてくすくす哂う様にお付の女官達の顔色も真っ青
に。
三太夫 :「あああああ……姫様の悪い癖がまた(頭を抱える)」
玉梓姫 :「さて、祝言前に婿殿にご挨拶いたすか、婿殿の所へ
:案内いたせ」
と、姫が振り返った瞬間。
? :「そうは行かないわよ!」
突如、響き渡る声。
当然、声は広間の外、庭からです。
三太夫 :「何奴!」
だだだっと庭に面した障子に駆け寄りスターンと引き開ける。
そこには、庭の真ん中で薄い衣を頭から被って背を向ける人影が!。
SE:ポンポンポンポンポンッ(鼓の音)
何処からともなく響く鼓の音。
? :「ひとーつ、ひとの彼氏をさらい」
三太夫 :「曲者じゃ! ものども、出合え出合えー!」
三太夫の声にわらわらと沸いて出てくるその他大勢。
? :「ふたーつ、不埒な悪行……」
台詞を言い切る前に。
三太夫 :「かかれー!」
その他大勢 :「わー(斬りかかり)」
わらわらと切りかかっていくその他大勢。
? :「ちょっ! ちょっとー(応戦っ)『名乗りの台詞の最
:中には斬りかからない』ってお約束知らないのっ!?」
三太夫 :「そんなこと言われても……」
御約束は守らないとダメですよ?
? :「もう良いわよっ! 以下略! 如月尊参上! 和久君
:は返して貰うわよっ!(びしっと指差し)」
指差された玉梓姫は。
玉梓姫 :「……ふむ(きょとん)……じい、どういう事じゃ?
:(首かしげ)」
三太夫 :「え、ええと(汗)」
まさか、婿に逃げられたので代役を立ててます、とは言えんわなぁ。
三太夫 :「ええい、なにをしておるっ! 曲者を切れ切れー!」
尊 :「話して解っては貰えないみたいね(ふう) いいわ!
:かかってらっしゃい!」
BGM:水戸黄門戦闘シーンのBGM(8時40分ぐらいに流れる曲)
〜中 略〜
で、結局
--------
その他大勢 :「きゅ〜(おめめぐるぐる)」
尊 :「さあて、後はお爺さん、貴方だけよ?」
尊の後ろに累々と横たわるその他大勢の皆さん。
血が出てないけど眼を回してるのは、全員峰打ちで倒されたようで。
三太夫 :「うぬぬぬ(後ずさり)」
玉梓姫 :「まちやれ(三太夫に突きつけられた漣丸をつまんで
:ひょいとよける)」
横からすいっと、三太夫と尊の間に入って突きつけられた漣丸を事も無げに
どける姫様。
尊 :「え゛(汗)」
曲がりなりにも百戦練磨の尊が突きつけてる刀を無造作につまんでどける等
どけられた本人の尊が一番驚いてたり。
三太夫 :「ひい様っあぶのうございますっ」
玉梓姫 :「だまらっしゃい(すーっと眼が細くなる)」
三太夫 :「ひっ(ぞくっ)」
玉梓姫 :「三太夫、御主なにかわらわに隠しておるな?」
三太夫 :「め、滅相も……」
玉梓姫 :「……まことか?(じー)」
三太夫 :「それは、その……(滝汗)」
玉梓姫 :「三太夫!」
三太夫 :「はひっ(びしっ)」
凛々と響く姫の声。
もんのすごい迫力です。
玉梓姫 :「咎めぬ故、正直に申してみよ」
三太夫 :「じ、実は……」
かくかくしかじか。
玉梓姫 :「なんと、婿殿が……」
尊 :「逃げちゃった……って」
三太夫 :「はぁ……」
尊 :「それで和久君をさらって代理に仕立てようとしたのね?」
三太夫 :「面目御座らぬ」
しゅーんとしょげ返る三太夫さん。
玉梓姫 :「尊殿……済まぬ事を致した、許されよ(ふかぶか)」
尊 :「ま、まあ……あたしは和久君さえ、無事に帰してくれ
:れば良いんだけどね、で? 和久君は一体どこ?」
三太夫 :「おお、そうでした、婿殿は……」
尊 :「『婿殿』ぢゃないでしょ……(じろ)」
絶対零度の視線が突き刺さります。
三太夫 :「か、和久殿はこちらに……(襖引き明け)」
尊 :「和久君!」
和久 :「(もがー:尊さん!)」
ぐるぐる巻きで猿轡かまされた和久君が転がってます。
尊 :「和久君!」
慌てて漣丸で縄を切って。
尊 :「心配……したんだからぁっ(ぎゅっ)」
和久 :「尊さんっ(ぎゅ)」
救出し
思わず飛び込む
彼氏の胸
字余り。
尊 :「もう、心配かけちゃ……やだよ?(ぐすっ)」
和久 :「すいません、俺のために……(じっ)」
腕の中で黒々と輝く瞳が見上げ、それを見つめ返す和久の瞳、触れ合わんば
かりの顔と顔。
三太夫 :「ごっふぉん、えっふぉん(咳払い)」
尊 :「はっ(ばっと離れて)と、とにかく、和久君は連れて
:帰るわよ?」
三太夫 :「残念だが仕方あるまいのう……それにしても、本当の
:婿殿は何処へいったのやら」
和久 :「本物はどんな……?」
三太夫 :「じつは」
姿かたちを説明されて。
尊 :「あ(ぽん:手を打つ)……ひょっとして(襖の影に手
:を突っ込んで襟首掴んで引っ張りだす)婿殿って、この
:子?」
襟首つかまれてぷらーんと吊り下げられる狐っ子。
三太夫 :「あ゛っ、婿殿っ」
仙 :「わ、ご、ごめんなさいー(小さくなる)」
じゃぁ、そういう事で、と。
婿殿を引き渡し。
帰り間際。
玉梓姫 :「それにしても、和久殿も良い男じゃが……」
すすすすーっと近寄ってきて尊を見つめる玉梓姫。
ほんのり頬が染まってたり。
さらには妖しい手つきで尊の頬を撫でてたり。
尊 :「ちょ……な、なに?(滝汗)」
いやーな予感にあとづさる。
玉梓姫 :「凛々しい尊様も……よいのう(ほう)」
うっとりと細めた瞳が爛々と輝き、頭の狐耳がぴこぴこと嬉しそうに跳ねる。
尊 :「尊……『様』って……あ、あは……その、そーゆーの
:はちょっと……『お友達』なら、ね?(滝汗)」
玉梓姫 :「ええ、お友達『から』ですね(にんまり)」
尊 :「ひっ」
さすがに、敵対する妖魔なら一刀で斬り捨てる尊も。
この手の攻撃には弱かったようで。
尊 :「じゃ、じゃあ、帰るね、お邪魔しましたー(和久君の
:腕引っつかんで脱兎の勢い)」
だだだだだっと尊達が逃げ去った後で。
玉梓姫 :「可愛い人じゃのう(くす)……さて、三太夫」
三太夫 :「はっ」
玉梓姫 :「婿殿を教育せねばならぬのう(くす)」
三太夫 :「御意」
仙 :「わーっ(滝汗)」
暗転w。
えぴろーぐ
----------
帰り道。
月明かりの下、人通りが絶えて虫の声が聞こえる道。
二人肩を並べてトコトコと。
尊 :「あーあ、すっかり遅くなっちゃったね」
和久 :「すみません、心配かけて」
尊 :「いいよ、和久君が無事なら(にこ)」
和久 :「尊さん……(照)」
夜風に流れる髪が月光に輝き、つい見とれてしまったり。
尊 :「ん?(ひょいと通り掛かった公園をみて)あーっ!」
和久 :「どうしましたっ!?」
尊 :「もうこんな時間……日付が変わっちゃう」
公園の時計は、23:55分を指していた。
和久 :「なんだ、そんな事だったんですか、脅かさないで下さ
:い(ほっ)」
尊 :「『そんなこと』じゃないよっ、和久君の誕生日が……」
和久 :「仕方ないですよ、あんな事に巻き込まれちゃいました
:し(苦笑)」
尊 :「ぷれぜんと……」
和久 :「え?」
尊 :「ちゃんと、今日中にプレゼント渡したかったのに……
:(ぐすっ)」
和久 :「尊さん……」
うー、っと半分駄々っ子状態で何か考えてる尊。
と、何か考え付いたようで。
尊 :「あ……そーだ、和久君、目、つぶって?」
和久 :「え?」
尊 :「いいから早くっ! 時間がないのっ」
和久 :「え? あ、は、はいっ」
その剣幕に慌てて眼を閉じる。
首筋に羽織の感触と、鼻先に漂うかすかな椿油の香りを感じた瞬間。
和久 :「っ!?」
慌てて眼を開けると、間近にある大きな瞳と桜色に染まった頬。
尊 :「えへ……なんとか、間に合った、かな(くすくす)」
唇に一瞬感じた柔らかな感触。
あれは……。
――そのとき和久の腕時計が、12時を指した。
時系列
------
2006年8月31日
解説
----
えーと(汗
うまく落ちませんでしたw、こーゆー時は。
オチちゃぇっミ☆
$$
**********************************************************************
でわでわ。
---
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