[KATARIBE 30120] [HA06P]エピソード『狐の婿入り(迷走編)』

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage


Index: [Article Count Order] [Thread]

Date: Sun, 03 Sep 2006 00:39:11 +0900
From: Aoi Hajime <gandalf@petmail.net>
Subject: [KATARIBE 30120] [HA06P]エピソード『狐の婿入り(迷走編)』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200609021539.AA00023@black.petmail.net>
X-Mail-Count: 30120

Web:	http://kataribe.com/HA/06/P/
Log:	http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/30100/30120.html

葵でっす、書けるときには書く。
一気にいっちまえw
**********************************************************************
エピソード『狐の婿入り(迷走編)』
==================================

登場キャラクター
----------------

 如月 尊(きさらぎ・みこと):吹利商店街で花屋を営むお嬢さん。見た目
                は17,8だが実は三十路。
                本業は退魔師。
                ただいま年下彼氏(↓)とおつきあい中。
 http://hiki.kataribe.jp/HA06/?KisaragiMikoto

 本宮和久(もとみや・かずひさ):県警好感度No.1を誇る好青年お巡りさん、
                 ただいま年上彼女とおつきあい中?
 http://hiki.kataribe.jp/HA06/?Motomiyakazuhisa

 軽部片帆(かるべ・かたほ):如月しすたーS’長女(?)
               姉の真帆の事以外は冷静沈着、ひょんな事から
               如月家に出入りするように。
               尊&豆柴の行方を案じている。

 奈良井・トレース・知恵:如月しすたーS’三女
             常に冷静沈着だが、ぶっ飛んだ行動と言動は爆弾級
             時々妙に気が回ったり。
 http://hiki.kataribe.jp/HA06/?NaraiChie

 如月 夾(きさらぎ・きょう):如月しすたーS’末妹
                ある意味、一番の常識人?、花屋のマスコット
                でもあり、おねえちゃんの事を常に心配している。
 http://hiki.kataribe.jp/HA06/?KisaragiKyou

 豊秋竜胆(とよあき・りんどう):最近吹利に戻ってきた十年来のつきあい
                 になる尊の親友。
                 見た目も年齢も尊とほぼ同じ。
                 尊に取っては姉で妹な人。


八月三十一日、夕刻の花屋
------------------------

 尊       :「…………」

 ジッと携帯を耳に当ててる尊。
 内心の不安を表すように表情が曇ります。

 夾       :「おねえちゃん……」
 知恵      :「……電話に出ませんか」
 尊       :「変ねぇ……メール打っても、返事ないし……電話にも
         :出ないし」
 片帆      :「緊急の仕事にしても、連絡ぐらい」
 尊       :「うん……」

 何か事件があったとしても、電話の一本も無しに約束の時間から大幅に遅れ
るというのは和久君にしては珍しい。
 暫くして。

 竜胆      :「こんばんはっとミ☆ ……て、どしたの? まだ始め
         :てないの?」
 尊       :「あ、りん姉様いらっしゃい、うん……実は」
 知恵      :「主賓がまだなんです」
 竜胆      :「ありゃ、もとみー遅刻? いかんなぁ」
 尊       :「うーん……でも、連絡無しに遅れるような人じゃない
         :し……」
 竜胆      :「ふぅーん(にやん)」

 何気に惚気ちゃってますが、本人気付いてマセン。

 片帆      :「あ、そうだ……(携帯取り出して、ぴ、ぽ、ぱ)……」

 思い出したように携帯を取り出してどこかへ電話を始める片帆さん。

 片帆(電話中) :「あ、姉さん? うん、ちょっと確認したいんだけど、
         :あの人もう帰ってるかな? え?、換わらなくていいか
         :ら! そうじゃなくてね、豆柴君、今日尊さんと約束し
         :てるんだけどまだ来ないんだ、あの人何か知らないかな、
         :と思って、聞いてみてくれるかな? うん………………
         :あ、うん、……ええっ!? もう帰った!? 本当!?
         :ありがと! 又電話するっ」

 ぷちっ。

 片帆      :「……」
 尊       :「……」
 片帆      :「もう、帰ったそうです、うれしそーに帰って行ったっ
         :て……」

 片帆さんの一言に尊の顔色から血の気がすーっと引いて行きます。

 知恵      :「何かあったんでしょうか」
 片帆      :「もう一度、電話してみましょう」
 尊       :「うん(携帯取り出して、ピ、ポ、パ)」

 SE:ぷるるる、ぷるるる、ぷるるる

 尊       :「!?」
 片帆      :「!?」
 夾       :「えっ!?」

 室内に流れ始める和久君の携帯と同じ着信音。

 竜胆      :「あれ?」

 慌てて鞄の中から携帯を取り出す竜胆さん。
 確かに今着信しています。

 尊       :「りん姉様っ!? それどうしたのっ!?」
 竜胆      :「え、いや、ここへ来る途中神社通ってきたんだけどそ
         :こで拾った……」
 片帆      :「神社って……」
 竜胆      :「ほら、県警からここへ来る途中に小さいお稲荷さんあ
         :るじゃない、あそこで。 後で警察届けようと思ったん
         :だけど……」

 思わず顔を見合わせる尊と片帆さん。

 竜胆      :「さっきも着信してたんだけど、人の携帯見るのも悪い
         :なと思って放っておいたんだけど、そっかーもとみーの
         :だったのかぁ」
 尊       :「りん姉様、ちょっとそれ貸して下さい」

 携帯を受け取って、よく見てみると。

 尊       :「あ、これ(汗)」

 二つ折り携帯に挟まってる数本の獣の毛。

 夾       :「犬の毛?」
 尊       :「違う……これ……キツネの毛だ……(汗)」
 竜胆      :「まーお稲荷さんだし……て、ええっ!?」
 片帆      :「こんな町中で?」
 知恵      :「何かありましたね」

 いや、知恵ちゃん、そんなあっさり言わんでも。

 尊       :「(瞑目して携帯に手をかざしてる)……確かに……微
         :かに妖気が残ってます……」

 ちなみに、髪の毛が針みたいに立ってたりはしません。

 夾       :「そそそそれってっ」
 尊       :「りん姉様っ!」
 竜胆      :「はいっ」

 すげー勢いに思わず直立で返事しちゃったり。

 尊       :「これ拾ったの、県警傍の稲荷神社、っていってました
         :よね?」
 竜胆      :「う、うん、そうだけど」
 夾       :「おねえちゃんっ」
 尊       :「判ってる、何かあったんだ……」
 片帆      :「行きますか」
 尊       :「もちろん!」

 ひと声残すと奥の部屋に駆け込む尊。

 竜胆      :「アレ?」
 片帆      :「すぐ行くんじゃ……」
 夾       :「無いのかな?」

 三者三様に首を傾げる。
 ただ一人知恵ちゃんだけは。

 知恵      :(黙って隣の部屋へ入って行く)

 尊の駆け込んだ部屋からは。
 シュル……とか。
 パサッ……とか。
 とか音が聞こえて来て。
 数分後。

 尊       :「おまたせっ!」
 竜胆      :「……みこちゃん……」
 片帆      :「その格好は……」
 尊       :「え?……これ? 退魔行の正装なんだけど……」

 唇は薄く紅をのせ、朱袴、白足袋、白羽織、髪は紙コヨリで軽く縛って。
 ……どっからどう見ても。

 竜胆      :「あ、あぁ……そう、なんだ……巫女装束が正装……な
         :のね(汗)」
 片帆      :「そんなことより、早く行かないと」
 尊       :「うんっ」

 そこへタイミング良くスッと差し出される刀一振り。

 知恵      :「どうぞ」
 尊       :「さんきゅー知恵ちゃん(受け取る)」

 受け取った漣丸を左腰に帯刀し、袂から出した革ひもでキュッと袖を襷に絞って。

 尊       :「おーのーれー……折角の誕生日パーティーを邪魔した
         :罪は……おーもーいーわーよ〜(うふふふふ)」

 拳を握りしめてバックに紅蓮のオーラを背負ってます。
 でも、イメージ画は怒ってる白猫。

 竜胆      :「こりゃー……血の雨降るかな」
 片帆      :「くれぐれも無茶しないで下さいね(ため息)」

 相手が危ないから、とは思っても言わない片帆さんの心遣い(笑)。

 知恵      :「尊さん、お出かけ前に、これを」

 スッと差し出される重たげな五合徳利。

 尊       :「あ、気が利くじゃない(受け取って)」

 ぐっと、右手一本で口元に。
 一口、二口ごくごく呑んで。
 最後に、刀の鍔もと持ち上げて。

 尊       :「(含んだ酒を柄にプーッと吹き付ける)いよっし! いざ!」

 気合十分。
 だだだだっと駆け出して行きました。


 ……で。

 竜胆      :「やっぱ、みこちゃんともとみー、いいコンビかも……
         :(しみじみ)」 
 片帆      :「ええ……まあ、あの勢いなら、相手が魑魅魍魎だろー
         :となんだろーと、まとめてたたっきって豆柴さん連れ帰
         :るでしょ(達観)」 
 竜胆      :「救出したら、そのまま教会なり神社なりに反転突撃し
         :てくれれば万事解決なんだけど」
 片帆      :「まだまだかかりそうですね」
 知恵      :「とりあえず、お茶でも飲んで待ってましょう」
 夾       :「そうですね、あ、お茶菓子取ってきます」

 いいのかオイ。

時系列
------

 2006年8月31日

解説
----

 さぁ、だんだんシリアスが破綻してきましたよ(w
 まだ続きます(おい

$$
**********************************************************************

----
Aoi Hajime  gandalf@petmail.net

 ---------------------------------------------------------------------
http://kataribe.com/ 語り部総本部(メインサイト)
http://kataribe.com/ML/ メーリングリストの案内
http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/ 自動過去ログ
Log:	http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/30100/30120.html

    

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage