[KATARIBE 30093] 騎士様物語上

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Date: Fri, 25 Aug 2006 00:31:03 +0900 (JST)
From: 葉月知洋  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 30093] 騎士様物語上
To: kataribe-ml@trpg.net
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2006年08月25日:00時31分03秒
Sub:騎士様物語上:
From:葉月知洋


えーっと、御南深の過去書いた1作です。
…………ええ、昔はこんな人だったんですよ、はい
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
小説『騎士様物語』
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登場キャラクター 
---------------- 
 波佐間御南深(はざま・みなみ)
     :魔術師で人形師。技量はそれなり。
 戸萌葛海(ともえ・かつみ)
     :波佐間御南深の元で魔術修行中の少女。高校1年生。
 エルヌシュ・フォン・ブレイス
     :御南深の魔術と人形両方の師匠。人望は厚いがどこか適当。

見つかった過去
---------------
 此処はとある魔術師の工房。


「む、すまないが葛海、そこのトランクから小瓶を取ってくれないか。色は赤
だ。」
「あ、はい。」
 師匠にいわれて先生のトランクを手にとる。
「えーと、たしか……O-8だったはずだ。」
「はい、O-8ですね。」
 師匠のトランクはアルファベッドA~Zと1〜10の数字の組み合わせで空間は26
0個あるのだそうだ。もっとも、師匠が全部憶えてるのかはわからないけれど。
「L……M……N……Oの、10……9……8……よし。」
 数字をあわせて開けると、中には黒い洋服があって、それの下に数本の小瓶
があるみたいだった。
「赤い小瓶はこれかな……この洋服…………あの、師匠。これ……なんですか
?」
 気になって手に取り広げてみると、黒いゴスロリのドレスだった。……なん
でこんなものが
師匠の鞄の中に……
「……ん、ああ、それか。それは私が学院時代にきていたものだな。」
「えぇっ!!」
 ……あの、師匠。今、なんと?おもわず師匠とドレスを見比べてしまう。
「…………そこまで驚かなくてもいいだろう、葛海。流石に私も少し傷ついたぞ。…………
というより……そこまで意外だったか?」
凄く意外です。全く想像できません。というか……
「あの……どーいう学校、だったんですか?」 
こんなドレスを着てた学校生活って……
「ん、ああ、イギリスの学院……時計塔なんかのことだな……にいた頃の物だ。
大体きていたのは14の終わりごろから16くらいまでだな。……うん、葛海と同
じくらいの年頃だった。」
「……ボクとおなじくらい…………」
……ボクくらいの年齢でこういった洋服を着るのは……恥ずかしいと思うんで
すけど……
「ふむ……折角だしな。すこし昔話をしようか?その頃の私の……そうだな、
まだまだ未熟だった頃の冒険譚とこの服を着ることになった経緯……といった
ところかな。」
 ちょっと聞いてみたいかも……それに、そういったお話を師匠賀してくれる
のも珍しいことだし
「それじゃあ、おねがいします」
「よし、それじゃあお茶と菓子でものみながら話すとするかな。」
「あ、それじゃあボクがお茶を入れますね」
 何時もご馳走になってるし、たまにはボクもなにかしないと。
「うん、じゃあ葛海にお願いするとしようかな。」

 お茶の準備が終って、先生がお茶菓子(月谷さんが作ったねりきりだそうだ)
を持ってきてくれた。
「このお茶美味しいわね……」
「ありがとうございます。本家のおばさまからいただいた緑茶があったので、
それを使いました。」
すこしお茶を飲みながら、一息入れて、先生のお話が始まった。
「ふぅ……さて、あれは確か雪の降る日のことだったか……」


御南深の語り
--------------
 今日も雪が降っていた。数日前から降り続いた雪は外のセカイを真っ白に染
め上げている。

いま私は自室で魔術書の書写をやっている。外に出ることがしにくいので、近
頃はもっぱら研究
に必要な資料集めと有用そうな術式を探すことをしていた。
「んー……つかれたぁ……」
 見ると時計は3時。もうお昼を過ぎてしまっている。
「しまった……もう食堂開いてないよね…………」
 夢中になりすぎて、今日も昼食を食べ損ねてしまった。……また夜まで待た
ないと駄目だね……
「…………ねよう。」
 お腹がすいて食べるものが無い時は寝るのが一番。
そう思って寝ようとしていると。 コンコン、と扉を叩く硬い音。
「はーい、どなたですか?」
「ああ、私だ。」
 この声は師匠だ。私の部屋まで来るなんてどうしたんだろう?
「あ、はい。今あけます」
 扉を開けるとサンドイッチを乗せた皿と紅茶の入った(香りで分かる)ティー
ポットとカップをトレーに載せた師匠がいた。…………昼ご飯食べてないのが
ばれたかな?
「まーたお前さんは昼飯に来てなかっただろうが!食事係の人が心配していた
ぞ。次からはちゃんと食べに来るように。といってもまた君は忘れそうだが」
 痛いことを言われました、ちょっとしゅんとなります。
「……はい。すみません………………」
「まぁ、熱心なのは良いが体には気をつけるようにな。」
 そういって皿を渡してくれる師匠。すみません、ご迷惑おかけします。
「まぁ、ここに来たのはまた別の用件があったためなんだが……」
 ………………嫌な予感がします。うん、あんまり聞いて嬉しくないような。
「……えっと、どのようなご用件でしょうか…………?」
 恐る恐る聞いてみる。
「ん、お前さんに仕事だ。貴族のお嬢さんを攫った魔術師から救い出してくれ
だそうだ。」
「……先生、なんでそんな危なそうな仕事が私のところにくるんですか……」
 正直、ちょっと厳しい気がするのですが……
「実は、全員手が開いておらんのだ。私ももう少ししたらエジプトへ飛ばねば
ならん。」
「な、なるほど……」
 そうですか……消去法で私ですか…………
「今のお前さんなら何とかなるだろうと私は見ている。頑張ってくれ。」
「わ、わかりました……」
そう答えながらトレーを受け取る。トレーには、さっき見えたものの他に、一
つの封筒が乗っていた。


 そんなこんなで、私の大仕事が確定した。



時系列 
------ 
 2006年8月頃夏休み真っ盛り
 1995年12月頃寒い冬の時期。
解説 
---- 
 葛海ちゃんが見つけたドレスから発展していく話。
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えー、久志さん、修正箇所がございましたら宜しくお願いします。
えーと、御南深だってそんな時期があったんです。うん。……それではっ(脱兎)



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