[KATARIBE 30032] [HA06P] エピソード:『膝枕』後編

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Date: Mon, 24 Jul 2006 22:36:03 +0900
From: "Toyolina and or Toyolili" <toyolina@gmail.com>
Subject: [KATARIBE 30032] [HA06P] エピソード:『膝枕』後編
To: kataribe-ml <kataribe-ml@trpg.net>
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後編。『好き理論』忘れてるなorz
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エピソード:『膝枕』後編
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登場人物
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御厨正樹(みくりや・まさき) http://kataribe.com/HA/06/C/0534/
         創作部部長。マッド科学者。爆発常習者。

品咲 渚(しなざき・みぎわ) http://kataribe.com/HA/06/C/0636/
         創作部書記。うるさい関西人。

ストリス(すとりす)     http://kataribe.com/HA/06/C/0567/
         正樹が作り出した自動人形。自律型。


膝枕ならぬ太もも枕
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 どれくらい時間が経ったのだろう。
 まだ外は明るいが、少し黄色がかっているかもしれない。

 正樹     :(うぅむ……眠い……が、なんだか変だ)

 頭全体に、定期的に揺さぶられる感じがする。
 それは、頭が揺さぶられているからなんだが。

 正樹     :(何が変かといわれれば、まず俺は机で寝ていたはずなん
        :だが何時の間に横になったんだろうか……)
 渚      :(かっくんかっくん)

 いわゆる船こぎ状態の渚。

 正樹     :(加えて……なんで枕が暖かい?)
 渚      :「……ねむー……ねたらあかん……」
 正樹     :(何で品咲さんの声が上から……上?)

 上から声がする。
 そして、いつの間にか横になって寝ている俺。
 状況を確かめる必要が……

 正樹     :「……(ん〜?)……っ!?」

 重いまぶたをどうにか開いて……硬直した。金縛りってこういうものか。
 渚の顔が、上下逆さまになって、目の前にある。
 一瞬で正樹は状況を理解した。
 この頭の下の柔らかく暖かい感触は……
 これは膝枕! っていうか太もも! しかもなぜかされている!

 正樹     :(ななななななななんで膝枕っ!?)

 しかも、膝枕している当人も居眠りしているらしく、無邪気だが、口が少し
開いて、間抜けな寝顔が上下に等間隔で動いていた。

 正樹     :(と、とりあえず……脱出を……)

 あわてて顔を上げようとして、首筋になにかまとわりついているように感じて。
 静かに手をあてて探ってみると、それはどうやら渚の手のようだった。
 つまり。
 ご丁寧に太ももの上で、両手を首に回すようにして、膝枕されているのだ。
 まずい。これはまずい。
 何がまずいかと言われたら、品咲さん生足だし。
 誰か(強いて上げればとある人物)に見られでもしたら……
 いや、蒼雅さんに限らず、弁明できる状況じゃないぞ、これは。

 正樹     :「……(な、何でしっかりつかんでる!?)す、ストリス〜
        :助けてくれ〜(小声)」
 渚      :「くすぐったー……おとなしくしとき(ぎゅー)」

 小声で助けを呼んでみた。
 少し頭が動いたのがくすぐったいようで、さらにぎゅうっと固定してくる。
 しかも、事態がさらにやばくなった。
 ストリスがなぜか、そっぽを向いて、反対方向に歩き出したからだ。

 正樹     :「あぁ〜、ストリス〜いくなー(小声)」

 ごそごそと鞄に潜るストリス。まるまる仕草が見えたのは、なんだろう。
 不貞寝かっ?

 正樹     :「は、薄情もの〜(小声)」

 小声だったが、頭がさっきより大きく動いたせいか。
 渚が目を覚ましたようだった。


恥ずかしいこと
--------------

 渚      :「んー……あ、起きた?おはよ」
 正樹     :「お、おはよう……これは何の冗談?」
 渚      :「冗談? おぼえてへんの?」
 正樹     :「いや全く」
 渚      :「そーやろなあ……」
 正樹     :「とりあえず、この状況は恥ずかしいんだけれど……」
 渚      :「……ん。……うちも恥ずかしいわ(汗)」

 寝ぼけた状態から我に返ったのか、真っ赤になっている。
 手を離して、ようやく頭部の自由を得た正樹は、ごそごそと渚の太もも枕か
ら抜け出した。

 正樹     :「ならなんでやったんだよ……(ごそごそと抜け出す)」
 渚      :「さ、最初は恥ずかしくなかったからやって(汗」
 正樹     :「いや、俺が恥ずかしいとか考えなかった?」
 渚      :「……だってそれどころちゃったし……」

 どういう意図で膝枕していたのか、問いただそうと思った。

 正樹     :「? 何か有ったのか?」
 渚      :「いやー……聞きたい?」
 正樹     :「さすがに、膝枕しなければならない状況なんて想像付かんし」
 渚      :「じゃあ、すごい巻いて説明するわ」
 正樹     :「おう」

 最初突っ伏して寝てたのが途中でふんぞり返った
→ふんぞり返りすぎてそのまま後方にどすん
→あわてて駆けつけたが患者の意識はなく
→下手に動かしてもあれなので膝枕でとりあえず起きるのを待つ
→そしたら自分もうとうと
→今に至る
 渚が端的に言うにはこういうことらしい。

 正樹     :「……まじ?」
 渚      :「うん、まじ。しかも今日に限って誰もまだ来てないんよな」
 正樹     :「運がよかった、人に見られたら何と思われたことか……
        :(がっくし)」
 渚      :「ゆかりんに見られたら、そりゃもう大変やったよなあ……」
 正樹     :「絶対勘違いするな」
 渚      :「いや、来たらきたで代わってあげる予定やったんやけど
        :なー……」
 正樹     :「いや、代わるなよっ」
 渚      :「え? なんで?」

 寸止めで正樹がツッコむ。

 正樹     :「何でって、いやなんで代わるのさ。起こすだろ普通」
 渚      :「へんにおこしたらまずいかなって…」
 正樹     :「代わるのも十分まずいと思います」
 渚      :「そうかな? 誤解されるよりはええと思うんやけど……
        :って、後ろ頭平気?かなりごつん言うてたけど」
 正樹     :「いや、それは誤解される内容が変わるだけ……思い出す
        :と、なんとなく痛いけど」
 渚      :「いやまあ、それは結果オーライでええやん」

 誤解の内容については、どうでもいいというのか。
 品咲さんは、おれが蒼雅さんにも膝枕されればいいと……?
 何考えてるんだ……?


けがが心配
----------

 正樹     :「まぁ、頭ぶったくらいで何とかなるような生き方を今ま
        :でしてきた気がしないけど(苦笑)」
 渚      :「頑丈やなー。ほんとに大丈夫?みせてみ?」
 正樹     :「いや、大丈夫だって」
 渚      :「ほんまに? こぶとかどれくらい大きいか、確認しとか
        :んと」
 正樹     :「今は痛く無いから大丈夫だろ、うん」
 渚      :「あかんて、やっぱり見せてー(背後をとるw)」
 正樹     :「あ、こらっちょっとまてっ恥ずかしいから止めろっ」

 手を伸ばして、それをかわされると。
 立ち上がって、正樹の背後をとろうとする渚。
 それを床に座ったままかわそうとする正樹。

 傍目にはどう見てもいちゃついているようにしか見えないよな……。

 当人同士はいたって真剣?だから余計にそう見えるのだが。
 渚のすばやさの方が、正樹より上だったらしい。正樹の頭を両手でがっちり
とキャッチしていた。

 正樹     :「うがっ」
 渚      :「痛いところあったらいってくださいねー」
 正樹     :「いっ……(もがもが)」

 そーっと後ろ頭をなでてみる。
 痛い、と言いそうになったのか、本当に痛くて声が出なかったのか。

 渚      :「やっぱ痛いんやんか。明日病院いかなあかんで?」
 正樹     :「たんこぶごときで大げさな……」
 渚      :「そんなこというて、脳内出血とかしてたらどうすんのん」
 正樹     :「脳内出血って……んな大げさな」
 渚      :「……(じー)」
 正樹     :「……(汗)」

 なぜ、じーっと見つめてくるんだ。蒼雅さんの真似か?
 ああ、そうか。もしかして、あれか。
 いつだったか、品咲さんが話した幼なじみの病気の話。
 それでけがとか病気に神経質になってるのかもな。たしか、自分も膝に古傷
があって、雨の日は痛いとか言ってたし。
 でも、素直に言うことを聞くのもなんとなく……面白くないし、なにより、
病院にいくのは面倒だ、すごく。

 正樹     :「めんどくさいなぁ……」
 渚      :「今ここでまさきさまの頭脳を失うのは、人類の損失や」
 正樹     :「なんじゃそれは」
 渚      :「……そやから、病院行くって言って」
 正樹     :「……むぅ……」

 脈絡はないが、どうしても病院に行ってほしいらしい。
 これは病院行かないと、何言われるかわかったもんじゃないな……。
 ああ、めんどくさいけど行ってくるか……。

 結局根負け。
 だめだな、こういうときの女の子は強すぎる。

 渚      :「人類は言い過ぎやな、創作部の損失」
 正樹     :「はいはい、分かりました。行けば良いんでしょう?行けば」
 渚      :「うん、よろしい(にこー)」
 正樹     :(めんどくさいなぁ……色々と……)

 でも、めんどくさいよ。病院とか……。

時系列
------
2006年7月頃 放課後で15時から16時の間っぽい。

解説
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なぜか膝枕もとい太もも枕されてる正樹。いちゃつきすぎです。
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Toyolina
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