[KATARIBE 30030] [HA06N] 小説『武器の意味』

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Date: Sun, 23 Jul 2006 23:14:15 +0900
From: asakura <guilsn@boat.zero.ad.jp>
Subject: [KATARIBE 30030] [HA06N] 小説『武器の意味』
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ども、輝士都です。
なんとなく思いついたのを書いてみました。
短いのは勘弁してください。

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小説『武器の意味』
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登場人物
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 秋風 秦弥(あきかぜ・しんや):
   吹利学校高等部普通科3年、SS部初代部長。エアガンが趣味な少年。
 
 御厨 正樹(みくりや・まさき):
   吹利学校高等部実験科3年、創作部部長。発明時々爆発。

使うものと、作るもの
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 頼まれて、それを引き受けた以上作らないわけにも行かず、正樹は完成品
を持ってSS部の扉を叩いた。

 元部長に招かれて中に入るとあらかじめ人払いしてあったのか誰も居ない。

 「一応、作るには作った」
 
 そう言って、正樹は魔導銃を取り出して見せる。
 
 「おぉ〜、さすが創作部」
 
 そういって秦弥は手を伸ばそうとするが、ここでそのまま譲り渡していたの
はこの間までだ。魔導銃を引っ込める。

 「……くれないのか?」
 「少し、聞きたい事がある」
 
 そう、別に対価を求めているわけではない。そんなものはいらない。欲しい
ものは目に見えるものじゃない。

 「何だ?」
 「魔力をあらかじめ込めておいて、それを弾丸に変える銃……確かに便利か
も知れない、だが本来お前には必要の無いものだろう」

 そう、設計時に気づいてはいた。実際のところこんな道具を使ったところで
、秦弥が本来持っている才能を超える事など出来ないと。ならば、なぜこんな
ものを頼んだのか。

 「確かにな、僕が積極的に使う機会は無いと思う」
 「……なら、どうして」
 
 そう、何故、どうして、何のために。
 
 「興味があった事もある、それもあるが。考えていたのは蓉子の事だ」
 「自分の彼女にこんなもの持たせる気かよ、正気か?」
 「正気だし、本気だ。なぁ……一般人が魔術師のそばにずっと居たらどうな
ると思う? 」
 「さぁな、調べた事も無いし……何か有ったのか」
 「蓉子自身には特に何も、ただ……これから何があるかも分からないし」
 
 つまり、何がしかの怪異がこれから身に降りかからないとも限らないと、
そう言う事が言いたいのか。
 
 「これを中村さんに使わせる気かよ……」
 「万一のときは」
 「来て欲しくない万一だな……」
 「僕もそう思うさ、僕だけで対処できるならそれが一番だ」
 「そう言う事なら……」
 
 正しく、これを使う事を私は望み、譲り渡す。
 
 「ありがとう、こいつがコレクションのままで居てくれる事を祈るよ」
 
 
時系列
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 2006年7月


解説
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 魔導銃を注文した事にはこんな考えがあったりしたらしい。

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