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Date: Tue, 18 Jul 2006 11:37:57 +0900
From: 葵一 <gandalf@petmail.net>
Subject: [KATARIBE 30021] [HA06P] エピソード『尻を蹴飛ばせ−Side B−』（修正版）
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <20060718113105.DE4C.GANDALF@petmail.net>
In-Reply-To: <20060714123049.7A78.GANDALF@petmail.net>
References: <20060714123049.7A78.GANDALF@petmail.net>
X-Mail-Count: 30021
Web: http://kataribe.com/HA/06/P/
Log: http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/30000/30021.html
こんにちは、葵でっす。
修正頂きましたので手直ししましたー
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エピソード『尻を蹴飛ばせ−Side B−』
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登場キャラクター
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如月 尊（きさらぎ・みこと）
：FLOWER SHOP Mikoを経営する外見16、7、中身は三十路なお嬢さん？
豆柴君こと和久君といい雰囲気のようですが、今ひとつふんぎれない
ご様子。
http://hiki.kataribe.jp/HA06/?KisaragiMikoto
軽部片帆（かるべ・かたほ）
：遠慮の無い毒舌舌鋒のお姉さん、年齢はさておき最近尊のお姉さ
ん状態で尊と豆柴君の先行きを心配している。
http://hiki.kataribe.jp/HA06/?KarubeKataho
本宮和久（もとみや・かずひさ）
：愛称豆柴君の朴念仁なお巡りさん、花屋の尊といい雰囲気らしい
んだけど…
http://hiki.kataribe.jp/HA06/?Motomiyakazuhisa
The hip is kicked!
------------------
時は、本宮和久君の昇進試験のちょっと前。
いつものように仲のいい二人が呑んでます。
尊が注いで片帆さんが飲んで、片帆さんが注いで尊が飲んで。
何回くらいやったかわからなくなった頃。
薩摩切子のぐい飲みの中身を飲み干した片帆さんが口火を切りました。
片帆 ：「しみじみ……思うんですけどね（ものっそ真顔で）」
尊 ：「はい？」
片帆 ：「尊さんて、自分の魅力をきちんと把握してないです（び
：しっ）」
尊 ：「え、えええと（おろおろ）」
とーとつに、何をおっしゃいますか。
あ、なんだか眼が据わってらっしゃる。
片帆 ：「尊さんが『この人だっ』と焦点定めたら、大概相手は落
：ちます。安心して宜しい」
『この人』ってのが一体誰を指すのか、推して知るべし。
尊 ：「そ、そうなの……かな（首かしげ）」
片帆 ：「ので……賭けてもいいですよ、本宮さんの弟さんのほう、
：落ちてますからちゃんと」
尊 ：「え、えと、おち、落ちるって……（汗）」
片帆 ：「尊さん。考えてみてください（ずいっ）」
尊 ：「はひ（圧倒）」
片帆 ：「うちの姉って、あれでそれはそれは不器用で晩生なんで
：す」
尊 ：「は、はぁ……」
片帆 ：「あんな押しの強い馬鹿者にひっかかったから落ちただけ
：なんですけど、一人でいくらでもふよふよしてられた人な
：んですっ（ぐっ） それを……」
尊 ：「それを？」
片帆 ：「それを……あんの男がーっ」
側にあったクッションを引き寄せて。
ばす、ばす、ばっすんとめり込む右ストレートと左フック。
これには如月流も太刀打ちできません、ええ、たぶん、きっと。
片帆 ：「…………（ぜえぜえ）」
思うさまパンチを打ち込んでから。
息を整えて。
片帆 ：「だから……尊さんも、押せば宜しい（びし）」
尊 ：「お、押す、ですか（指され）」
片帆 ：「……何ぞ問題が？（ぢろっ）」
尊 ：「い、いえ無い……です（ぽそぽそ）」
でもなぁ、と。
尊 ：「押すって……どーやったら……」
片帆 ：「そのまんま、ストレートに誘惑すれば宜しい（きっぱり）」
尊 ：「ゆ（絶句）」
片帆 ：「どっか遊びに行こうって誘うなり、食事に誘うなり、ア
：プローチすればいいでしょうに」
尊 ：「そ、そう、だよね、うん、お出かけとか食事ならっ」
うろうろと挙動不審に視線を彷徨わせて。
『誘惑』って言葉で……一体何想像した。
尊 ：「じゃ、じゃぁ……次の非番……誘って……みようかなぁ」
片帆 ：（すっと近くの電話の受話器を手渡す）
尊 ：「え、ええええっいっいまからっ？（汗）」
片帆 ：「当たり前です。 相手はお巡りさんです。 少ない休み
：を仕事の都合で簡単に潰されるくらい忙しいんです」
息継ぎして。
片帆 ：「今声をかけて、次の休みを予約したってひょっとしたら
：危ない、ってくらいなんだから、さっさとしなさいっ（び
：しい）」
尊 ：「は、はい（圧倒）」
んで、受話器を受け取って。
なぜか入ってる短縮番号を押すと。
ＳＥ：Tel..Tel..Tel..
和久（電話） ：「はい、本宮です」
尊（電話） ：「あ、あの、尊です……」
和久（電話） ：「え？あ、み、尊さん！？」
わたたっと電話機を一瞬取り落としそうになったのか、謎の音が受話器から
聞こえたり。
尊（電話） ：「あの、次の非番なんですけど……時間……有りますか？」
和久（電話） ：「次の非番の日、ですか？ ちょっと待って下さい（手帳
：をめくる音）」
受話器の向こうで、音が途切れて。
一瞬、うっ、っと声が漏れた。
和久（電話） ：「…………すみません、次の非番は試験が……」
尊（電話） ：「試験？」
和久（電話） ：「ええ、昇進試験、受けようかなって」
尊（電話） ：「そうなんだ……」
和久（電話） ：「すみません、あの、その次の非番の日なら」
尊（電話） ：「うん……じゃ、次のお休みに、出かけませんか？」
和久（電話） ：「は、はいっ、ぜひっ」
裏返った声が受話器からも漏れてます。
片帆 ：（無表情のまま、腕を組んでじっと見ている）
背後から迫る無言のぷれっしゃー。
コワイですってば。
尊（電話） ：「……じゃぁ、非番の日、行くところは考えておきますね」
和久（電話） ：「……はい、楽しみにしてます」
尊（電話） ：「それじゃ非番の日に……また（かちゃん）」
片帆 ：「……（にっと笑ってさむずあっぷ）」
尊 ：「あ……（ぼぶしゅー）」
聞かれてるの忘れて電話に集中してたんですね。
片帆 ：「それで、うちの姉からの助言ですけど」
尊 ：「はい？」
片帆 ：「相手が一度や二度、仕事で休みをすっぽかしてもめげる
：べからず、だそーで」
尊 ：「警察官、ですもんねえ……（しみじみ）」
片帆 ：「…………一度や二度ならいいですけどね（どろどろどろ）」
尊 ：「ま、まぁお仕事ですしね（汗）」
片帆 ：「…………（すーはーすーはー）……そですね」
片帆さん、なんか言いたそうでしたが気を取り直して。
片帆 ：「でも……非番の日に、約束できましたね（にっこし）」
尊 ：「……はい……（ぼふん）」
片帆 ：「……いいですか、尊さん（ずいっ）」
テーブル越しにずいっと迫る片帆さん。
その距離、１０センチ。
尊 ：「はひ（あとずさり）」
片帆 ：「押して押して押しまくる、これですからねっ！」
尊 ：「え、あ、う、あ、ハイ（圧倒）」
片帆 ：「……尊さん（ぢっと見る）」
尊 ：「はい（汗）」
片帆 ：「人生行路の先輩の、勝利した話をお待ちしてますね（ぢっ）」
尊 ：「え、あ、ははは（滝汗）」
はてさて。
二人ともお尻を蹴っ飛ばされて。
この先どうなる事やら。
時系列
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2006年5月上旬、昇進試験受験のちょっと前。
解説
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強力な助っ人、第二段、片帆さんの一撃がキマリました（笑）。
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葵 一<gandalf@petmail.net>
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