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Date: Tue, 11 Jul 2006 23:18:35 +0900 (JST)
From: 久志 <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 30001] [HA06N] 小説『たまには筆をとって』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200607111418.XAA85646@www.mahoroba.ne.jp>
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Web: http://kataribe.com/HA/06/N/
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2006年07月11日:23時18分35秒
Sub:[HA06N]小説『たまには筆をとって』:
From:久志
久志です。
ゆかりん、たまには創作部らしいことをということで。
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小説『たまには筆をとって』
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登場キャラクター
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御厨正樹（みくりや・まさき）
：創作部部長、怪しい爆発発明家。
蒼雅紫（そうが・ゆかり）
：創作部副部長、戦うこと以外はテンで駄目な箱入り天然娘。
ちょっぴり違う部室
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吹利学校高等部、放課後。
掃除当番を終えた正樹はいつものように創作部の部室へと向かっていた。
「ごめん、少し遅くなったかな」
と、ドアを開けた部屋の中は普段の様子と全く違っていて。
机類は全て隅に寄せて積上げられ、中央には大きな布と半紙がどんと広げら
れ、傍らには古めかしい硯と墨が置いてあり、その前には何故か白着物に黒袴
を着込み長い髪を後ろで緩めにまとめた紫が太い筆を片手に仁王立ちしていた。
「……蒼雅さん？」
少々不審気に問いかける正樹の声にくるりと振りむいた。
「あ、正樹さま。いらしてたんですかっ」
「って……ホントに蒼雅さん？」
一瞬、目を見開く。
振り向いた紫の顔は振り向く前と大差ない程に顔中墨で真っ黒になっていた。
「はい。ええと、正樹さまや高瀬さまに見習って私も筆を手にとって書いて見
ました」
「ははは……そう、なんだ」
筆を手にとって、を言葉そのまま実践してどうする、と。一瞬言いかけたが、
紫の満足げな満面笑顔に思わず言葉を飲み込んだ。
「それで、書けたの？」
「はいっ、見てください正樹さまっ」
両手で差し出した大判の四つ切半紙に極太の筆文字で書かれた達筆の文字。
『一刀入魂』
どうにも女の子らしさよりも男らしさが前面に溢れる作品だった。
「いかがですか？」
ひょこっと手にした半紙から顔を覗かせて笑う紫……なのだが、いかんせん
顔全体が墨でほぼ真っ黒状態である。
「……うん、よくかけてるね……それはいいけど、何で顔が真っ黒なんだよ」
「えぇ？いつのまに」
「自分で気づいてないのか……」
ポケットから取り出したハンカチで紫の顔をぬぐいながら、呆れと感心半々
状態で溜息をつく。
「それにしても急にどうしたの？」
「え、はい。私も何か正樹さまのお手伝いをしたくて詩吟の創作に挑戦してみ
ました！」
「……そう、なんだ」
蒼雅さんが書いたのは詩吟じゃないと思うけど、とは言わないでおいた。
「ありがとう、蒼雅さん」
「はいっ」
まだらに墨のついた顔の紫に、何となく笑いがこみあげてきた正樹だった。
時系列
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2005年６月中旬。
解説
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ホントに筆をとってみたゆかりんです。
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以上。
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